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東証1部上場基準厳格化の背景

東証1部上場基準の見直しが検討されていますが、その前に、

なんでこの企業が東証1部なのと思った人も多かったのではな

いでしょうか。

 

私自身も近頃そのように感じていましたが、少し調べてみると、

2012年3月6日東証は、有価証券上場規程等の一部を改正

し、東証一部及び二部への上場審査基準を緩和していました。

当時、リーマンショック後であり、さらに監査法人の不正など

上場企業を取り巻く環境は悪く、上場基準を引き下げてIPO

を促進するのがねらいだったようです。

勿論、東証一部および二部への上場基準なので、ハードルは決

して低くはありませんが、その中でも時価総額1000億円以

上から500億円以上へ変更されたことで東証1部上場企業数

が増大したのではないかと、想像されます。

 

ちなみに現時点で時価総額1000億円以上を確認してみると

788社でした。

東証1部上場企業数が2100社くらいですから約四割弱とい

うところです。

 

参考

時価総額上位ランキング

時価総額下位ランキング

東証上場企業数

 

上場基準の緩和はIPOを進めるという大義名分があったようで

すが、結果は、東証1部の存在意義が問われる結果となってき

たということでしょう。

このような状況を表すかのように日本取引所グループの株価が

冴えないとメディアは報じています。

その一端が売買金額の低下に表れ、外国人投資家の日本株離れ

が明確になっており、東証1部のあり方が問われる事態に至っ

たようです。

改革案を少しみてみると、やはりというべきか積極的に東証1

部への鞍替えを勧めた手前時価総額基準は500億円を維持す

るといった中途半端な案になっていると思われます。

 

 

 

どうみても東証1部上場企業数が多く、やはり従来通り時価総

額1000億円以上にして上場企業数を大幅に減らすことが必

要だと思われます。

東証2部の在り方と関連することでもあり、上場基準をより明

確にすることが必要ではないでしょうか。

また、ジャスダックとマザーズもわかりにくくなっており、こ

の際、両市場も同時に集約する必要があるのではないかと思わ

れます。

さらに、東証1部のほかに時価総額1兆円以上とする市場を別

途設定するなどの改革も求められるのかもわかりません。

 

参考

東証による上場基準見直しでTOPIXのインデックス投資に浮かぶ心配事

 

いずれにしても上場にチャレンジする企業が増大しない限り、

真の意味で株式市場の発展はあり得ません。

いかに創業するかとう人間マインドにかかっているのは間違い

ないところであり、その意味では少子高齢化は起業にネガティ

ブな条件ですが、外国人労働者の拡大によって日本人には刺激

的な環境ができることも考えられ、一概に少子高齢化も悪くな

いのかもわかりません。

 

起業に対する文化の違いが、日本国内でより明白になることで

起業に対する意識と行動が変われば、企業とともに株式市場も

同時に発展いくのではないでしょうか。

それにしても長い時間軸で考えて行動しなければならないこと

は、どのような改革とて同じではないでしょうか。

 

その場しのぎの対応は、悪手そのものになるのは世の東西を問

わず同じなのかもわかりません。

英国が苦悩しているのも同じように悪手を打ったからではない

でしょうか。

 

今の時代、長期的に物事をみることは、人間にとってもっとも

むずかしい(苦手な)時代のようです。

 

 

 

 

 


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最終更新日 : 2019-03-13 11:19:03

この本の内容は以上です。


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