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第5話 リスの森

ああ忙しい

きっともうすぐ雪がくる 

食べても食べてもお腹が空くし

巣穴の中は 抜け毛でいっぱいだ

 

そんなことを思いながら、口をもぐもぐ動かして

頭をすりすりなでています

 

ああ忙しい

一晩中の雪がくる前に 

もっと木ノ実を集めておかなくては

集めた木ノ実で貯蔵庫をいっぱいに

 

ああ、いっぱいの貯蔵庫

いっぱいの貯蔵庫

なんていい響き

これで雪の間も大丈夫

 

頬袋いっぱいの木ノ実も幸せですが

いくつかある貯蔵庫を満たせた時の

安心感には勝てません

 

今日は 二股ミズナラに行ったから

明日は ナツヅタがからみついてるクヌギじいさんのところに

行ってみよう

 

大きく強く、木の板を叩くような音がして

リスは思わず首をすくめました

近頃は 人間が作る”ゆうほどう”とかにどんぐりが落ち

とても大きな音を響かせるのです

 

こわいこわい

頭に当たったら こわいこわい

 

はて 

はて、はて、はて、はて

はてはて、ばかりで はてがない

 

去年に作った貯蔵庫は

一体どこにあっただろう

思い出せない 思い出せない すりすりしても 思い出さない

 

忘れっぽいリスは 貯蔵庫を忘れてしまいます

でも こうして 森は育つのです

 

すりすり りすりす まあいいか

去年のことは去年のことだ

 

すりすりすりすり

すりすりすりすり


この本の内容は以上です。


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