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それら花々は恍惚をさえ曝さない #8

 

 

 

 

 

開け放たれたままのシャッターをくぐると、フエはソファの前にひざまづいて、身を投げ出したミーの皮膚の白いペンキをはがして遣っていた。丁寧に、ピンセットを当てて。大袈裟にフエは声を立てて叱りつけ、そしてわざと痛がって見せるミーを、大声で笑いながら諌める。戯れ。今日はメーデーだった。5月1日。祝日。

フエの褐色の肌が背伸びして、息を止め、そのついでに私に歎くような眼差しをくれて、そして、媚びる。その眼差しのうちにだけ。ミーの髪の毛は、丸坊主に刈り上げられていた。彼女たちの周辺、ソファの上、床の上に、白と黒との短く、細い散乱が、散り散りに乱れ、テーブルの上に置かれた型式の古いバリカンは昔弟が使っていたものだったと言う。フエの、生存するたったひとりの肉親が。

歯のなかば錆びかけたバリカンには、いかにも鉄くさい、そして、集積して消え去らない髪の毛の粒子を散らしたような、鼻に衝く臭気が執拗に留められていた。

Chết rồi

仕舞った!

死んだわよ

フエが、想い出だしたように言った。皿を出してバン・クンを盛り付ける私を振り向き見ながら。

だれが?

Anh thanh

タンさんよ。

誰?

ai ?

つぶやく。タンさんって、だれ?

Thanh nào ?

フエは、私を見つめ、すぐに噴き出して仕舞って、ミーを指さす。ほら。

Mỹ ghết

殺したわ。

M

あの男、

đã

ミーが。

ghết

その男の名前が、タンだということを、私はようやく想い出した。ミーは、目を

Anh

伏せて、そして

いつくしむような

Biết

眼差しを、ただただ

Không ?

私に媚びた目線を向けるにフエに、投げた。

何も言わないままに。

タンはすぐ近くの、小さいが真新しい家に住んでいた。自動車販売業かなにかで、とりあえずの財はあった。年齢は私とほとんど変わらない。違うのは、二十五、六で結婚した彼には十何歳かの息子と娘がいることだった。むしろ、彼の母親の、たしか Hạnh ハンという女性のほうとの付き合いが、私には印象的だった。

彼らの家のガレージに、バン・ミー Bánh Mì というベトナム風サンドイッチの店を出して、そこでときどき私はバン・ミーを買うことがあったから。私の片言のベトナム語をなかなか聴き取れない彼女は、派手に笑いながらいつも受け答えした。周囲のだれにでも、こいつ、

ね?

日本人なのよ

Người Nhật

そう、わめくように囃し立てて見せながら。

Hiểu không ?

一度、雨が止んだタイミングで、私がフエの家を出たのは、単純にバイクに乗りたかったというだけだった。いたずらに、殺人現場にたむろしつづける人々の群れから逃げたかったわけではなかった。いずれにしても、私たちのあの家屋、孤島の森の中のような孤立した空間が、暴徒の群れだかなんだかは知らない。群集に襲われて、私たちが皆殺しにされて仕舞うのが、そもそもの事の必然として、確信以前に当然のこととして、いずれにせよ私はすでに受け入れていたのだった。

そうするに違いなかった。私たちは彼らの平和を粉砕したのだった。そうなるほかない。

もはや、一片の疑いさえいだかずに。崩壊は、すぐに、いつか、やって来る。と。容赦もなく。想う。私は。待つと言うわけでもなく、ただ、その猶予としてだけ、私は私のその現在の時間を認識していた。

遁れようとするわけでもなくて、受け入れる気もさらさらなくて、ただ、私はバイクを転がすことを選んだ。絵の具の小さな断片を剥ぎ取ってじゃれつくミーとフエの、終わりも無い無際限な戯れを、眼差しに捉え続けるのをは、私はすでに持て余して仕舞っていた。

ラン・コーと言う、山の向こうの、ダナン市とフエ市の境の、湖のような入り江を囲う町にでも、行って仕舞おうかとも想っていた。なんどもナムたちと行った事があった。フエと、結婚式の前に、その家族に連れられて、遊びに行ったことさえもあった。

雲にふれ合いながら山を越えて、海に近づいて行った先の入り江は、ただ空の下に霞む静かなたたずまいを見せて、かつては水産の豊富だった底には、乱獲のせいでもはやまともな魚などいない。遠めに見れば、あまりにも美しい風景も、近づけば投げ棄てられたペットボトルや、ビニールや、缶のごみを沈めて、ただただ穢らしい。

日本人のボランティアでも連れてくればいいのに、と、私はナムに言ったことがあった。彼らは、そう言うのが好きだよ。後進国にやってきて、慈善事業をやって、自分たちで満足して、それで帰っていくんだよ。フェイスブックやインターネットに、いっぱい記事をアップロードしてね。フィーはいいねの数と自己満足。それだけ。

雨の日の午前、主幹道路を走っていれば、いきなり雨が降り始める。そうなるに決まっていた。今日は一日中、降ったり止んだりを繰り返す。明らかに、その日の空の色彩は、気象レーダーのコンピューター解析を待つまでもでもなく、誰の肉眼にも結果を明かしてた。雨の中、気付けば周囲に人の気配はなくなる。視界はいよいよ白濁し、激しい雨に逆らって進む速度の加速させた雨粒の群れが、じかにふれた顔の全体をこまかく鋭い痛みで埋め尽くす。雨の味が唇にする。匂う。ぬれる。いつもの群れるバイクの姿は、ほぼ、消えうせていた。

聴こえるのは、基本的には雨の轟音と、自分が尻に敷く瀟洒なホンダのバイクの、エンジンの荒いうなりに過ぎない。

足元にだけ、エンジンが撒いた暖かい温度がある。体はすでに冷え切った。

海辺の橋、いくつもの人間が飛びこんで自殺するので有名な、高い橋を渡る。荒れて吹き荒れる海風にハンドルを取られそうになりながら、制限速度の倍以上を超えた。

無造作な凹凸を疎らに散らした路面はぬれ、水溜りは飛び散り、水滴は撥ね、これで転びでもしたら生きてはいない確信だけは、まざまざと与えてくれる。

フエが見たら、取り乱して罵るに違いなかった。何台も、まばらなバイクを抜かした。合羽に、盛大な雨の音を鳴らし続ける彼らを。

Tシャツが雨にぬれて、もはや重力を感じさせる。

雑な工事が好き放題に作って仕舞った水溜りの群れが、いつでも激しい飛沫を飛ばしていて煙立ち、横目に見る海岸線の向こう、海はただ、白い。

真っ白の、海の白濁。もっと、と。

もっと、速度を。

橋を降りて、市街地を横断する主幹道路を飛ばす。バイクの台数はにわかに増え、事故の危険も増大する。もっと。

雨はいよいよ叩き付ける。もっと。

更に加速し、苛立ったいくつもクラクションを聴いた。警察が来たら、ここではなんでも簡単だ。五万ドン紙幣を一枚握らせて遣ればいい。

信号を無視し、そして、対向車線をはみ出して追い越そうとする向かいの日本車のすれすれをわざとすり抜けてみる。かけられた急ブレーキの気配が耳の背後にあって、その結果は見なかった。さらに。

もっと。さらなる加速を。転倒しそうになりながら、ぎりぎりで交差点をカーブした。対向車にぶつかりそうになりながら。

 

フエの家の前を通り過ぎて、もういちどぐるっと川沿いを回ろうかと想った。雨が急激に、その力を失って、そして、次第にやんでいく雨は不意に匂った。通り抜けて仕舞いそうなほどの至近距離に。

とっくの昔から、ずっと匂い続けていたはずのそれを、不意に、なんの前触れも無い想起ででもあるかのように気付いて、速度を緩めた。あの喫茶店に止まった。その店は、雨の白濁の中に、ただ、廃墟のような相変わらずのたたずまいをだけ曝す。

いつ見てもそうに違いない。

バイクを止めて、中に入ろうとすると、雨はもはや完全にやんでいた。ぬれた大気の質感が、それ以上に濡れぼそっているはずの肌にじかにふれて、湿気を感じさせてやまない。湿った髪を両手のひらにぬぐった。

カフェのテーブルは出しっぱなしで、飛沫を立てながら、樹木が風に落す水滴に打たれるままだった。誰もいない。家屋の中にも。

結婚式のとき、私が横たわっていたベッドの上に、脱ぎ捨てられた女の寝巻きと、男のショートパンツが散乱していた。それらは、だれかがその上から寝転がったに違いなく、押しつぶされていた。生活に、気品を感じない。

背後に甲高い、咎めだてる喚声が上がって、その聴き覚えのない女声。振り向くと、あの、結婚したばかり女が笑いながら血相を変えて、何を遣ってるの?

と。

彼女はそう言っているに違いない。

Làm gì ?

こんな雨の中に、

Anh

ずぶぬれになって、

làm gì ?

と、そう言った女自身が、同じようにぬれぼそっていた。あるいは、近くの市場かどこかへ行って、時間をいたずらに濫費するだけの雨宿りが耐えられずに、小ぶりの雨の中に肌を濡らしながら帰ってきたのかもしれなかった。バイクの音が聞こえた気はしなかった。

大袈裟な声を立てて、許可もなく女が私のTシャツをはぎっ取った瞬間に、私は嗅いだ。

不意に、自分の匂い。雨に濡れて、いつか汗ばみさえもしていた自分の皮膚の、執拗な臭気。雨の中で腐った内臓のような。そして、多くの女たち、他人たちが、いい匂いだと言って見せた、それ。

体臭。そして女は、まるでそれが、あたりまえの作法であるかのように眼差しと口元の頬に色づいてみせて、私の肌に鼻を寄せて、匂いを嗅いでみせて、音を立てながら、ねぇ、

なんで、

こんなに、

あなた

いい匂いが、

もう

するんですか?

こんなに

その、単純な疑問文に微細な差異をかさねただけのヴァリエーションの群れ。

なんなん?

なんで、

この

こんな、

なに?

匂い

この

すんの?

匂い

臭気。一瞬、眉を顰めた私には構わずに、その女はTシャツを丸めて、

どうして、さ。

さ、ね?

てか

こういう

やばっ

匂い、

なに?

する?

もう

絞って見せては声を立てて、その

んー

ねぇ、

まじ、

いい匂い。

なに?

なんで。

これ

撥ねる水滴。笑う。ひどい。

やー

やばい。

やーって

匂う。

ね?

めっちゃ。

いい

いいの。

ん、

ね?Xấu ! びしょぬれじゃない。ひどいっ!我慢の限度を

てか

んー、匂い、

てか

なんか、

てか、さ

ね。

てか

いいかも。

って

なんか。

超えて仕舞ったとでも言いたげに、

でも

好き、

実は

だったりする。

でも、

こういうの。

男の子の

ん?

体臭。

じゃない?

罵る声を私に投げて、

もう

なんでさ、

もう、ね

私の

もう

好み

んー

知ってたりする?

好き

ショートパンツも脱がせた。女が、何をしようとしているのかは、私には知れた。私は、自分で下着を脱ぎ捨てて、濡れたままにベッドに横たわった。好き?

ほら、と。想う。

欲しい?

好きにしたらいい。

好き?

私は最後に、不意に犠牲者のような顔を曝して

どうせ

黙り込み、私を見つめる女を、

欲しくて

見た。

仕方ないのなら

私は

好きに

目を

すればいい

閉じる。

閉じられた眼差しの向こうに、彷徨いおよぐ仕草さの、微細で明晰で鮮烈でしつこく、これみよがしな気配の、剝き出しの、ささやくような連なりとして。

まるで、そうするのを楽しむように、戸惑いの時間を女は楽しむ。心の中、あるいは、体の中に、躊躇のゆらめきをいじり倒して好き勝手にもてあそんで。

脱ぎ捨てられる服の衣擦れもしないままに、私の胸に唇をつけた女は、唇で、そして、ややあって、大切なことを想い出したように、匂いをまた、ふたたび嗅ぐ。

音を立てて

嗅いでいますよ。

くんくん、って

いま、犬のように。

ほら

あなたの匂いを。

どう?

そう

感じてる?

伝えなければならないのだとばかりに

わたしを

はっきりと

あなたは

派手な音を立てて。

ほら

ぬれた、女の

あなたの匂いが

衣類が私の

体の中に。心の

腹部にふれる。

中にさえ

体を押し付けて、唇をむさぼった後になって、ようやく衣服を脱ぎ棄てては見てものの、すでにお互いの皮膚に移されて仕舞った、かすかに体温を移した雨の水滴は、容赦もなく私たちを濡らしあってた。髪の毛がたれ堕ち、頬を、額を、あるいはシーツごと濡らして仕舞う。

髪の毛の水滴は、むしろ、ただ、冷たい。

触感。皮膚の、いかにも女じみた。こんな触感に、あの、人も殺せないような顔をした新郎は、たとえば昨日の夜に、あるいはパーティのはねた午後の遅い時間にも埋もれ、戯れてみたのだろうかと想うと、不意に耐えられずに私は声を立てて笑い、女が戸惑う。ひとりで。

快感。その肉体が、それを与えていないとは言獲ない。気持ちいい?もちろん。

確かに。それがどんなものであったとしても。

感じられていたそれを憎み、軽蔑し、拒否していたとしても、単純にそれが鮮明な快感であることには違いない。穢い母親。あの美紗子のそれであったとしても。同じような代わり映えもしない快感を、まったく違う手つきで、ときに埋もれ、ときにいつくしみ、焦がれ、ときに留保もなき憎悪と怒りとをもって拒絶する。

ねぇ

もっと。

ほら

ふれればいい。もっと、と。

もっと

女のために

ね。俺に

そう想った。

ふれて

焦がれて、どうせ、欲しくて仕方がなく、夢にまでもてあそんで仕舞うのならば。所詮は縋るしかない家畜にすぎないのならば。なんど、夢見たの?と。

したの?

匂う。

なんど

あれから、私のことを。

想って

女の、髪の

なんど

ただただ、私を

したの?

求めて。

飽きもせずに

そして体臭。

家畜たち

時には、

なんど?

口臭。

感じた

口の中の、獣ものじみた

感じた?

かすかな匂い。

感じていた

もはや、

匂う

差し込まれた舌が感じさせる、

想う

その。

フエ

女の歯が、やさしく

想った

唯のいたずらとして

フエ、

倦んだ、戯れ、

不意に

そんなものとして、私の唇を、

フエ

咬んだ。

褐色の百合、彼女は私に違いない。

どちらがどちらの生まれ変わりであるという問題ではなくて。理沙がミーの、あるいはミーが理沙の生まれ変わりであったように。初めてフエと出会ったとき、それはサイゴンの三区にある縫製会社の事務室の中だった。その日の朝の7時、私は東京からホーチミン市のタンソニャット空港に降り立って、そのナイト・フライト。クアラルンプールを経由した二時間くらいの間に、空港のロビーの天上にへばりつていた、色彩をなくした私が、彼。

何の見覚えも無い男が、空港の高い天井に無様に、べったりと、ただ、静かに右手の方に水平に鮮血を流しているのを見ていた。昏い口の中から。

私は、私の両目が血を流している確かな質感におびえた。

異国の空港のトイレ、国籍も知らない無数の人間たちの間に、背中をすれ違われながら、なにも、涙さえ流していたわけでもない私の両眼から、あふれ出す血。

血が、あなばこから流れ続けて止まないのを見た。

渇ききった、そのまぶたがまさに。

執拗に聴こえていた音響。耳元に、耳の奥に、あるいははるかな遠方に、静かに響き続けていたそれ、私を喰いつくしていく音響の群れ。

空港のロビー、国籍の無い土地。国籍がなくどこでもないなににも染まりきらない場所として、無理やりどこかの国の土地の上に確保された、いわば不在の土地。私は、空港のロビーが好きだった。歎かわしいほどに、音が聞こえた。

私を食い散らしていく、その。

タンソニャット空港。乱立する柱の群れが淡い翳を作り、海。

私が、空港の到着ロビーを歩きながら見たのは海だった。白濁した海。

浪打つ表面のわななきを反射させる光によるのか、ただ空の色彩に染まって仕舞っただけなのか、いずれにせよ、海。空など見えない。小刻みに無際限にわななく、きらめきに白濁した海。夢。それが夢であることになどすでに気付いていた。どこまでも、無慈悲なまでに拡がる海。その上に、一人の少年が立ち尽くしていた。休みもなく、その形態を崩し続け、白濁した光の、眼差しが捉えた先からすでに失われた名残りの残像にさえなっていくしかない、その、光の色彩。浪の。漣の、白濁の鮮やかなグラデーション。それは、もはや、と、想う。

色彩でさえない。

少年は、浪の上にただただたたずんで立ち、両眼から涙のように、血を流し続け、海の水に受け入れられもしない血は、上の方、垂直に上昇していく。

その先に、なにがあるというわけでもないのに。

瞬く。まばた、こう、と、する。

夢。見つめられた夢の中では、瞬くことさえできないことを知った。

少年。いまだかつて、何の記憶もなく、いちども、見かけたことさえもない見ず知らずの、美しくもなければ醜くもなく、抽象的というにはあまりに単なる具象にすぎない、その、単なる少年は、私に微笑みかけもしない。

タンソニャット空港の、到着ロビーの、その自動ドアを抜けると、出迎えの人々の群れ。騒音。話し声。それらの渦。

乱れるような。ぶつかり合ってかさなるような。散り惑うような、混濁した、乱反射する、それら。

音響。

騒音の群れ。聴く。私は聴いていた。耳を澄ますまでもなく。熱帯のぶ厚い空気はすでに私の皮膚に素手で触れていた。容赦もない熱気。息遣い。温度。私には出迎えもなければ、眼の前の到着ロビー。彼らが、彼女たちが、まばらに差し出しているダンボールにかかれた名前の群れ。私の名前など在るはずもない。無関係にすぎない。出迎え人のそれらに一切の用はない。

乗り込んだタクシーの中、トランスジェンダーなのかも知れない、男勝りで短髪の女性の運転にゆられていた。

海がきらめいた。

匂いは無い。あの、なまなましく鼻を衝く潮の薫りさえも。

少年は瞬きもせずにその、彼の血に翳ってなにも見い出し獲ない眼差しは、確かに私を見ていることを知っている。なぜなら、いま、見ているのは、その少年が見ている眼差しの、描き出した風景に他ならないことなど、私はすでに知っていた。

それは、その少年が、声さえ立てずに見ている風景そのものに違いない。

隠しようもなく。否定のしようもなく、フエは私に他ならない。

町の中心部のランド・マークに準備中の販売店舗を二店分視察して、その日本人クライアントと共に。英語さえまともに話せない、アパレル・メーカーのたたき上げの社長。人種差別の色に染まる。うちの商品の問題は、ね?

わかります?

ベトナム人でも、理解できるかどうか、それが問題なんですよ。

センスが?

水沢さん

サービスが?

わかりますか?

すべてが。「彼ら、われわれから言えば、本当に未開の原人みたいものですからね。」啓蒙してやら無いと。

でしょ?

日本のクオリティをね。私は笑っていた。

声を立てずに。眼差しと口元でだけ。

そうですね。まさに。そしてその男の出店プランが成功するとは思えなかった。日本でさえ、かならずしも成功しているとは言獲ないその男の、かろうじて日本で、つぶれない程度にしか通用しなかったプランが。

礼儀正しく文句の多い差別主義者の群れ。自分たちが白人だとさえ想いこみ、都合のいいときにアジアの冠たる日本人になりおおせる。無意味な誇りばかりが高く、世界中の人間たちに尊敬されていると想いこまなければ海も渡れない。英語さえまともに話せず、コミュニケーション能力自体に深刻な欠損を曝しているくせに、外国にまで彷徨いでて仕舞ったアジアの島の田舎者たち。

サイゴンの中心部に借り上げた事務所の中で、窓から刺す光の、その日翳のパソコンに出金データを入力しているフエを紹介された。彼らも、そんな現地の女に手を出すなどとは想わなかっただろう。だれからも美しいといわれる、独身主義者の私が。清楚なだけの、地味な女。

パソコンからフエは顔を上げて、そして彼女がいかにも外国人用に笑顔を作って見せた瞬間に、あるいは、その、眼差しがふれあうのその寸前の一瞬に、私は彼女と愛し合うことになるに違いないことに、すでに気付いていた。たとえば、理沙のときもそうだったように。葉のときも、慶輔のときも、誰のときも。なかば、為すすべもなく。

やがて一年間のコンサル契約を更新しなかった私に、フエが言った。私と一緒に、ダナンに行きましょう。

どうして?

Tai sao ?

あなたは、私と

Why ?

結婚するから。

You will marriage

すでに、

with me

実現された事実であるかのように、彼女はそう言った。ただ一度の口付けさえも交わしてはおらず、かるい抱擁も、それどころかまだ、ただひとことの愛の言葉をさえささやきあわないうちに。

It’s just a reality

誘惑。

決定論化された、留保も無い誘惑。

私は日本になど帰る気もなかった。私は、彼女に唇に人差し指をふれた。

I know

私は答えた。

引継ぎ処理に追われた、私の契約最終日。誰もいなくなった昼休みの雑然としたオフィスで。

クーラーをつけられた上に、回されていた天上の扇風機が、舞う。

しずかな、なぜるような風が髪の毛にふれていた。

結婚が理由だと、フエが辞職理由をあけすけに言って仕舞ったので、フエがやめるまでの一ヶ月間、サイゴンの安いホテルで暮らした私はその縫製会社の人間たちの仇敵に他ならなかった。その会社の中で、何と言われていたかは想像がついた。とはいえ私には、直接的な連絡は一本も無かった。クレームも、断罪も、おめでとうのかりそめのひとことも。

女は息遣った。私の体の上で。やがては、その、射精のない終わりの無い行為を、女は疲れ果てたように中断した。

体内に、そのままの私を残して。女の豊満と、肥満のあいだをさまよう体が匂いをたてていた。しがみつくように覆いかぶさって、女は満足していたのだろうか。

そうではないのか。

見開かれた眼差しが、ふたたび雨を降らせて、やがて、ふたたび止ませた空の、しらんだ光のつくった形態を作りきれない散漫な翳を追う。その、私の見つめられた女の瞳孔に反射したそれ。私は女の首に手のひらを添えた。戯れに、その首を絞めた。女は抵抗しない。もうすこし、と想う。力を入れてやれば。

もうすこし。

ぎゅっと

緩め、私は女の背中をなぜ、大気の湿気に汗ばんだ皮膚の、そのかたちをなぞって遣った。女は、私の首筋に口付けるのをやめない。飢えたように、ね。

ねぇ

ふたたび、

もっと

女の

ね?

首を絞め、身をよじってその唇が私の唇を舐めるのに任せた。足が絡みつく。もう少し。

もう少しの間、締め続けさえすれば。

 

いつのまにか、傍ら、寝息を立て始めた女の承諾もなくシャワーを浴びた。匂った。それ。水の匂い。

錆びたうえに、醗酵さえして仕舞ったような。雨の匂いとは確実に違った、その。

Tシャツは渇いているはずもない。下着も、ショーとパンツも。肌につければ、濡れたその水分の鮮度を失って、しかもいまだ乾き始めてもいないそれらの布生地が、ただ不愉快に皮膚に張り付く。体温を、急速に奪っていく冷えた触感を感じる。ふれあった皮膚の全面が。

外に出れば、濡れたままの路面。でたらめに曝された無数の水溜り。切れない雲の、空に曝した白濁の、それ。地味でみじめったらしいグラデーション。その向こう側から直射しているはずの日の光が、みずからの姿をは顕さないままに雲に、光を与えていた。うかびあがるように不穏に。内側から照らされたような、むごたらしいほのかな明るさを。

樹木は、水滴に倦んだように、洗われたそれみずからの色彩をただ、曝していた。濡れて。

フエの家の近く、雑然として、香草の匂いを立てるしか能のない飲食店が軒を並べた道路を、無数のバイクの群れにすれ違いながら、エンジンが止まりそうなほどの低速で進めば、人々は私を見つめては、何も話しかけようとはしない。ただ、それぞれに想いあぐねたように見つめ、私には決して伝わらない想いのたけを自分勝手に撒き散らし、そして、もはや目線を離そうともしない。

見たこともない、はじめて見る人間を見るように。

家のシャッターをくぐると、フエが、小さな木の台に載って、仏壇に果物を飾ろうとしていた。いまだ素肌を曝したままに。

あら?

どこへいっていたの?

Anh …

微笑み、彼女は

Đi đâu ?

ながい髪の毛を肩に垂れ堕とす。斜に傾いた首の上に、そして、彼女の足元にだけ日差しがふれていた。鮮やかに光は、白塗りの台をそこだけきらめかせて。その、光みずからの色彩に。

ミーはソファの上にうつぶせて、そのまま眠っていた。未だに髪の毛はそこらに散乱し、彼らが来た、と言った。

誰?

町の人たち。

どうして?

あなたに、謝るために。

なぜ?

声を立てて笑ったフエは、不意にうつむいて、手のひらにドラゴンフルーツのやわらかい棘をなぜた。知らないわ。

I

でも、ね。

don’t

本当に、ごめんなさいって

know

言うのよ。

Em

紫色に

không

赤を混ぜ込んだ、その

biết

果物の。

いろ

色彩。私は言った。

You are me

君は、

見る

笑う。私は、

その

僕。

色彩を

鼻でだけ、短く笑い声を立てて、フエは声もなく唇で笑っていた。

anh

開かれた唇が

もてあそぶように

em

空間に数回だけ震えて見せるのを、

Tai sao ?

なぜ?、と。

ねぇ

言ったフエは、台の上から私をやさしく眺め遣った。

Why ?

胸元にドラゴンフルーツを抱いて、腕にもてあそぶ。あまりにも小さすぎる子供をでもあやしているように。

I

不意に、

know

舌を小さく出して、上唇をだけ舐めて見せた。

フエは

知ってるわ

言った。

em

聴く。

đã

フエの声、そして

Biết

褐色の肌が、私の眼の前に息づいて、息遣い、私が近寄るのを拒絶しはしない。なぜ、と。

Why ?

言った私には

Tai sao ?

答えもせずに、

微笑む。

なぜ?

どうして

私をやさしく

Tai sao ?

見下ろしたままに。

em

ねぇ。

đã

もう、

Biết

知ってるわ。

Why ?

言葉。

私の吐く、空気の震え。

I

聴く。私の

don’t

声を、そして

know

つぶやかれる、彼女の

but

声、その

I

唇を、

just

微笑む。

know

私は塞いだ。

it

口付け、として。彼女の唇を。半開きのままに。台に、片足だけよじ登りながら。目を閉じないのフエ、そして、私が見上げた眼差しの、彼女の微笑みの向こうには、あおむけに天井にへばりついたフエ。その、見たこともない色彩も無い男の昏い翳りが、横向きに血を吐き続けていた。

唇が、彼女の首筋に触れた。フエ。

それが、唐突にはじめて仕舞った愛しあう行為なのか、それとも単なる口付けとして終るべきものだったのか、それさえも私にはわからない。ふれ合わせて仕舞った唇の処遇に迷いながら、増殖する私たち。

無際限に。

たとえ、この世界が崩壊したとしても、アインシュタインの数式がはじき出した多元論のどこかしらに、無数に。生命体の存在の可能性の限りに、無際限に存在した宇宙のいくつもの空間の、そのいずものうちに。

為すすべもなく。

指先がフエの腹部の皮膚に触れる。息遣われる、その、やわらかい運動体。

体温。

日差しが足元に触れていた。

 

想いだしたように、フエが私の胸に手を当てて、私の体をすり抜ければ、手放されて仕舞ったドラゴンフルーツは床に、鈍い音を名残のように立てて、撥ねた。

床の反射光。もはや、明確な携帯さえない白濁。

フエの後姿を追って、日翳をくぐる。木戸の先の正面庭に、ブーゲンビリアの花々が、土の上にその花を大量に散らして、なおも樹木の葉々を覆いつくして咲く。

あざやかな、あきらかに空間に、際立ちを穿った色彩。

フエは庭に出る。いっぱいに、水滴に満たされた庭が、土が、樹木が、敷き詰められた石の群れ、そして草と花。

それらの匂いと色彩。

匂う。それらが濡れて、無理やり雨の臭気に引き立てられて仕舞ったそれらの固有の匂い。

土を踏んだ。フエは、庭の真ん中に立って、その頭から、正午の雲間の日差しに肌を曝した。

北のほう。わずかに切れた雲の先から、雲の先端をだけ黄色がかって染め上げて、光は堕ちた。

細く。

空の色彩。白濁したままの、まだ、もう一度雨は降るに違いなかった。フエの傍らに寄り添って、その女、愛すべき女、そして、事実、明らかに愛している女。

フエ。彼女を振り向かせると、その微笑を、疲れ果てたように、あるいは、倦み果てて仕舞ったように、ただ、曝している女の、その潤みを持った眼差し。

見つめられ、まぶたに口付けると、かすかにフエが唇を開いて仕舞ったことには気付いた。その気もないくせに。

もはや、誘惑も。媚も、欲望も。

かならずしも。

まだ、その、もう一度の雨は降り始めない。

私は、唇を軽くふれたまま、そして、彼女の顔を唇の表面になぜると、匂うのは髪の毛の、そして彼女の体臭。褐色の肌は、いつでも彼女固有の体温を持つ。

うざったいほどに。

くちびるに、唇をふれあわせた瞬間に、ようやくフエは、諦めたように目を閉じた。

 

夜。

何時かは知らない。

眼を開く。

昼間のうちに、あれから二度雨は降り、やみ、そして暗くなってからは一度もまともな雨など降らなかった。

静かに雨の音が聞こえていた。力もなく、やみかけの。何の意味もなく、その、音が止んで仕舞うのを待った。

十二時を回ってベッドに入ったのだから、もうすぐ朝が来る、そんな時間なのかもしれなかった。覚醒に、堕ちるように目を醒まして仕舞った私は、たぶん、眠ろうとすればすぐに眠れるはずだった。その確信が、何の揺るぎもなく、頭のどこかにあった。眠気など、すでに跡形もなく消え去って仕舞っているにもかかわらず。

私に縋りつくように腕と足を回したフエの皮膚の、その触感と体温が剝き出しの皮膚に、じかに触れる。

温度。大気には、肌寒いほどの冷ややかさがあった。すずしいと言って仕舞えば、その言葉にやさしすぎる嘘を感じざるを獲ないほどには。

光が、通風孔からだけ差し込む。

いつ、雨の音が止んで仕舞ったのか、その瞬間をは覚えなかった。

何の意味があったわけでもなく、たとえば、雨が本当に止んでしまったのか、それを確認しようとしたかのように、寝室の外に出ると、木戸が開かれきっている。音響が聴こえる。にぶく、遠く。

物と物がぶつかり合う音。なにかとなにかが。

ささやき声の群れ。

ふれあい、こすれあい、叩かれあって、そして、あるいは。

息遣いの音、そのつらなり。

衣擦れ、ときには、体のふれあう音、それら。

音響としか、言いようのなかったそれらは、木戸の向こうから小さな、空気にふれて触っただけのような揺れとして聴こえて、ミー。

彼女が何かを遣っているに違いなかった。

木戸に立つ前には、すでに暴力の匂いがした。容赦もなく。庭に、怒号のように、ただ、不穏なだけの音響が空間を掻きむしる。もはや、轟音、としてだけ感じられていたほどに。

血まみれのミーが強姦されていた。庭、ブーゲンビリアの樹木の前で。無造作に立てられる彼らの笑い声が不意に連なり、声が煽った。《盗賊たち》。ミーの、あの、それぞれに半裸になった下僕たちが声を立て続けていたが、誰一人としてそれを聴いているものなどいない。お互いに。無関係なひとりひとりの声がわななきあって、泥に塗れた肌を曝す。水滴を滴らせる庭。その中央に、血まみれのミーが失心しかけて口を開く。あ、と。

そのかたちに。二十人ばかりの男たち。結婚式で、一緒に騒いだその、彼ら。

私とだれかが目を合わせ、とはいえ、何を言うわけでもない。だれかが声を立てて笑った。群れて、バラバラに立った男たちが、泥に塗れたミーを下敷きにした男の背中を見下ろして、囃し立てられているのはやじるような、気まぐれな怒号。哄笑?まばらに、笑い声は立って、消え、起こり、そして、もはや顔の原型をとどめない、目さえ開けられないミーの剝き出しの肌に、白さなどどこにも現存しない。すべてを泥と血が覆い隠す。

私は、後れて、やっと息を飲んだ。

だれも、もはやフエを振り向き見もしなかった。フエは私の背後に立ったまま、何も言わないで立ち尽くした。彼らが、と、私は確信した。この町の住人たち、彼らが、《盗賊たち》を買収したに違いない。《盗賊たち》に、そこまで追い詰められて、ミーを破壊しなければならない怒りなど、ミーに対して、かけらさえもありはしなかった。必然などなにも。単なる他人事として、ミーは彼らに破壊されていた。すべては手遅れに違いなかった。

何もかもが。

奇妙な方向に向いて、かかとを曝したミーの左足が、男が腰を使うたびに揺らぎ続けた。かろうじて息遣っているだけの、と。想う。破壊された、不意に、肉体。私は。そして認識した。

私は。

フエが殺したのは彼女の父親ではない、と、それに私は気付いていた。私が、私の父親を殺して仕舞ったのに違いない。何の間違いかは知らない。フエは、その父親をは殺さなかった。

殺したのは、私だ。

フエは、その手で、私の父親を殺した。私が、憎しみに塗れて殺して仕舞うべきだった、あの父親を。

想う。もはや、と、ひょっとしたら、もう、ミーは死んで仕舞っているかもしれない。ただ、息遣っているだけで。すでに。そして、一瞬で音響につつまれる。

ただ、ひたすらな轟音。夥しい羽音。小さな羽撃きの音が群れ、連なり、反響しあい、かさなって。

見あげた空に、無数の、無際限なまでの鳩の群れが舞っていた。わななき、羽音を撒き散らしながら。

撒き散らされた羽根が空間を舞う。

無数の羽根が、あるいは止め処もなく降り注ぎ、空間をただ純白に染める。暗い夜の薄い光の中に、それ自身の色彩を白く浮かび上がらせて、明滅さえさせながら。

雪。と。

まるで、雪のように。

わななく。

啼きさわぐ。

舞い踊る。

ミー。すでに、彼女はもう失われて仕舞ったに違いない。何ものも、救われることなどなく、罰せられさえせずに。

他人の死。目の前に、そして雪。

白い羽根が舞った。

空間に。

降り注ぎ、地を埋め尽くそうとばかりに、白の氾濫。

ミーのまみれた血と泥の色彩をさえ隠す。

 

 

 

 

それら花々は恍惚をさえ曝さない。散文

 

 

明け方、ふたたび遠い怒号で目覚めた。寝室に引き下がって、フエを抱きしめ、やがて眠って仕舞った私は。明け方。かすかに、空が白み始めていた。

街中が、怒号を立てていた。なおもフエは目醒めない。

ガソリンが匂い、煙の臭気が、室内にまで混入していた。

シャッターを開けると、町が炎につつまれていた。無数の家が、そして人々は逃げ惑うことも出来ずに、とはいえ立ち尽くしていられるわけでもなく、ただ、路上に惑い、無残な怒号を上げるしかない。燃え盛る家屋の三階から、燃えながら子供を抱いた女が飛び降りた。大量に、その区画中に撒き散らしたガソリンに、だれかが火を放って廻ったに違いない。《盗賊たち》。

彼らの報復。町の人間たちによって、彼らの最愛の、愛すべき彼らのミーを、ボロボロに破壊された挙句に殺されて仕舞った、彼らの容赦なき報復。自分たちが下した、彼らのミーのための、留保もなき当然の制裁。

無差別な炎が、一体どれだけのものを、人の命さえ含めて破壊し去ったかは知らない。

匂う。煙が、そして、無数の何かが、人体を含めて焼き尽くされる、その。

熱風に煽られた体が熱い。

眼差しの向こう、炎があぶる。

煽る。

舞う。

朝焼けがかろうとする空の色彩にさえ、眼差しはもはや気づかない。

破壊。舞う。

ブーゲンビリア。

花々は、炎を背景に、その逆光の翳りの中でもはや、みずからの冴えた色彩をさえも曝しはしない。

炎は、ただ、破壊した。

炎がわななく。

肺の中さえ熱い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018.09.01.-9.05

Seno-Lê Ma

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《イ短調のプレリュード》、モーリス・ラヴェル。

Prelude in A mainor, 1913, Joseph-Maurice Ravel

 

 

 

 

 

《雨の中の風景》連作:

 

 

  

…underworldisrainy

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《雨の中の風景》連作:

 

  

 

堕ちる天使

http://p.booklog.jp/book/124278/read

 

 

 

 

 

 

《雨の中の風景》連作:

 

 

  

scherzo; largo

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《雨の中の風景》連作:

 

 

 

堕ちる天使

http://p.booklog.jp/book/124278/read

 

 

 

 

 

それら花々は恍惚をさえ曝さない

散文

http://p.booklog.jp/book/125047/read 

 

 

 

 

 

紫色のブルレスケ

散文①

http://p.booklog.jp/book/125299/read 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


奥付


それら花々は恍惚をさえ曝さない ②


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著者 : Seno Le Ma
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