閉じる


tovo plus〜あおもりの100家族、わたしたちのこれから。[season 7] No.080

今号(81 家族目)のご家族 ▶

三浦 良介 さん・暢子 さん・なつめ ちゃん・太郎 くん

撮影場所 ▶ 穴場のキャンプ場(平川市)

 

【インタビュー】

●2011年3月11日のことは覚えていますか?

▶良介さん「揺れがあった時は病院で仕事をしていました。相談の対応中だったんです。まずは院内にいらっしゃる方たちの安全を確保することに努めましたね。でも、その頃はまだそんなに大きな被害の出ている地震だとは思っていませんでした。その日は講演会の予定があったのですが、開催しようにも会場が停電していたままで…。」

▶暢子さん「私もその時は仕事中でした。私が働いている方の病院は、建物が古いこともあって凄く揺れました。普段からの訓練通り、すぐに館内放送があってエレベーターが止まり…停電で電子カルテも使えなくなりました。私は4階の担当でしたので、すぐに病棟へ向かい、患者さんたちがパニックにならないように回って歩いていました。その時でしたかね、患者さんが点けていたテレビで仙台空港の惨状を知り『これは大変だ』と思ったのを憶えています。その日の帰り道、やはり停電で信号機は止まったままで、弘前は真っ暗でした。そんな中、みんな譲り合って帰っていました。復旧が間に合っていなかったようで、踏切の遮断機は下りっぱなしになっていたのですが、ある一般の方がクルマ一台一台に声を掛けてUターンしてもらっている姿を見ました。」

▶良介さん「その日の夜、どんなことになっているだろうと家に帰ってドアを開けるのが怖かったのですが、帰ったら(暢子さんが)魚を焼いていました。ヘッドライト付けて。」

▶暢子さん「(良介さんが)帰ってきて『うちだけなんか明るいじゃん』って言ったの憶えてます。うちはキャンプをよくやっているのですが、おじいちゃん(同居されている良介さんのお父様)も山好きなこともり、家にはキャンプ用品や大きなろうそく、ラジオ、灯油ストーブなどがあって助かりました。ガスは使えていましたし、炊飯器もガスでしたし。」

▶良介さん「ストーブはありましたが、それでも寒かったことを憶えてます。『この先、どうなってしまうんだろう』と不安でしたね。娘(なつめちゃん)はまだ小さかったので、その状況はよく分かっていなかったと思いますが…。」

▶暢子さん「震災の翌日は、職場で何チームかに分かれて、自宅で一人暮らしをされている精神障害のある方の家を安否確認のため一軒一軒回っていました。すごく綺麗に晴れていた日だったのですが、その晴れた空に逆に不安な気持ちになりましたね。」

▶良介さん「翌日、まだ信号が消えている中、必要なものを買いにドラッグストアへ行ったのですが、レジも使えない状況なのにお店の方が働いていて感動しました。」

 

●その後、心境や生活の変化はありましたか?

▶良介さん「先ほどの(暢子さんのお話の中に出てきた)遮断機のそばで交通整理をされていた方や、ご自身も大変な中ドラッグストアで働いていた方たちの姿から、仕事というものへの考え方が変わりました。福祉に関わる仕事をしてきましたが、それ以前までは『組織に属して、職業として』仕事をしてきたように思います。震災以降は『人のため』に働くということを意識するようになりました。」

▶暢子さん「研修で福島へ行った際、現地のソーシャルワーカーが自身も被災者でありながら支援を続けてきた話を聞いて、大いに感動して涙が出ました。凄いエネルギーを貰いましたね。その時に聞いた『とにかく前だけ見てきた』という言葉を胸に生活するようになりました。」

 

●10年後のご家族のイメージは?

▶良介さん「仕事や趣味の活動も通して、今まで自分の中に積み上げられてきたものを仕事の枠にはとらわれずに広く人のために使っていきたいですね。地域や人に貢献できるようになっていたいです。」

▶暢子さん「10年後、子供たちは難しい時期かもしれませんが、仲良くキャンプしていたいです。上の子(なつめちゃん)は私たちの楽しく仕事する姿を見ているからか『ソーシャルワーカーになりたい』って言ってます。下の子(太郎くん)はモノ物作りが好きな子で、大工さんや発明家になりたいようです。ツリーハウスが好きなんですが『お母さんに作ってあげる』って言ってました。…そういえば、結婚する時に(良介さんが暢子さんに)『ツリーハウス作ってあげる』って言ってたんですが、まだ実現されていませんので楽しみにしています。」

▶良介さん「椅子やテーブルは作ったんですけどね。…はい、ツリーハウスも頑張ります!」

 

 

【取材後記】とあるイベントで知り合った三浦さん。ご夫婦から、ここに書ききれない程たくさんのお話を聞かせていただきました。三浦さん夫婦は、共に社会福祉士であり、精神保健福祉士。そして、キャンプ大好き家族である三浦家。お話を聞かせていただいたことにより、私自身も「仕事」というものを考えるようになりました。そして、インタビュー以降からキャンプ道具を調べまくっています。すぐに影響を受けます。余談ですが、このインタビュー記事をまとめる間に3度ほど珈琲を淹れました。眼鏡を曇らせながら。(今号No.080のインタビュー:なるみしう)

 

【寄付総額】2011年6月〜2018年10月29日まで「¥7,059,342」を、あしなが育英会「あしなが東日本大震災遺児支援募金」へ寄付することができました。ご支援に深く感謝致します。

 

【定期購読のご協力を!】1年間の定期購読を承ります。1,800円(送料・寄付含)/1年間(12号)です。このフリーペーパーは定期購読の皆様のご支援で発行されております。ご支援の程、宜しくお願い致します。ご希望の方は、ウェブショップ(http://shop.tovo2011.com)よりお申し込みください。

 


1
最終更新日 : 2018-11-08 15:40:26

この本の内容は以上です。


読者登録

tovoさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について