目次
(借景資料集)
【速報!】 第2回 「青い鳥文庫小説賞」
(第4稿)
(第4稿)as(最終稿)
(添付挨拶状)
(あらすじ) (2018年9月23日)
序章 《 朝日ヶ森 》
第1章 リツコ、異世界へ行く。
第2章 リツコ、異世界で目覚める。
第3章 リツコ、皇女様にあう。
第4章 リツコ、仲良しができる。
第5章 リツコ、旅に出る。
第6章 リツコ、旅をする。
第7章 リツコ、取材する。
第8章 リツコ、囚われてはいないお姫様にあう。
第9章 リツコ、役に立つ。
終章 リツコ、地球に帰る。
(第3稿)
(第3稿)
(表紙)
(あらすじ) (2018年9月16日)
序章 朝日ヶ森 学園
第1章 リツコ、異世界へ行く。 (2018年9月16日)
第2章 リツコ、異世界で目覚める。 (2018年9月16日)
第3章 リツコ、皇女様にあう。
第4章 リツコ、仲良しができる。
第5章 リツコ、旅に出る。
第6章 リツコ、旅をする。
第7章 リツコ、囚われてはいないお姫様にあう。
第8章 リツコ、戦う。
第9章 リツコ、地球に帰る。
(第2稿)
(第2稿)
(あらすじ) (2018年9月8日)
1-0-0.朝日ヶ森「学苑」(おもて)
1-0-1.朝日ヶ森(うら) (2018年9月8日)
1-1-0.リツコ、呼ばれる。 (2018年9月8日)
1-1-1. リツコ、出かける (2018年9月8日)
2-0-1.リツコ、異世界に着く。 (2018年9月9日)
2-0-2.リツコ、挨拶する。
2-1-1.リツコ、清峰鋭にあう。
2-1-2.リツコ、異世界の村へ行く (2018年9月9日)
2-1-3. リツコ、空を飛ぶ。 (2018年9月9日)
3-0-0. リツコ、悪夢をみる (2018年9月10日)(加筆)
3-0-1.リツコ、起こしてもらう。
3-0-2. リツコ、情報交換する
3-1-0.リツコ、朝寝坊する。
3-1-1.リツコ、右将軍にあう。
3-1-2.リツコ、皇女に会う
3-1-3.リツコ、マシカとあう。
3-1-4. リツコ、市場へ行く。
3-1-5. リツコ、天幕に泊まる。 (2018年9月11日)
4-0. リツコ、早起きする。
4-1. リツコ、パレードに参加する。
4-2. リツコ、誇大広告される。
5-1. リツコ、旅をする。
5-2. リツコ、記録する。 (2018年9月12日)
5-2. リツコ、話せるようになる。
6-1. リツコ、囚われてはいないお姫様にあう。
第6章 リツコ、旅をする。
(第1稿)
(第1稿)
(あらすじ) (2018年8月17日)
( 目次 ) (2018年8月18日)
0-1.(おもて) (2018年8月18日)
0-2.(うら) (2018年8月18日)
1.リツコ、親善大使になる (2018年8月18日)
1-1. リツコ、出かける
2. リツコ、異世界へ行く。
2-1.リツコ、挨拶する。
2-2.リツコ、清峰鋭にあう。 (2018年8月19日)
2-3.リツコ、運ばれる。
3.リツコ、白王都へ着く。 (2018年8月22)
3-1-0.リツコ、寝坊する。 (2018年8月22日)
3-1-1.リツコ、皇女に会う (2018年8月22日)
3-1-2.リツコ、マシカにあう。 (2018年8月24日)
3-1-3. マシカ、市場へ行く。 (2018年8月24日)
3-1-4. マシカ、天幕に泊まる。 (2018年8月24日)
4-0. リツコ、目覚める。
4-1. リツコ、行列に参加する。
4-2. リツコ、センデンされる。
5-1. リツコ、記録する。
5-2. リツコ、観察する。
6-1. リツコ、囚われてはいないお姫様にあう。 (2018年8月26日)()
6-2. リツコ、小鬼を救う。 (2018年8月26日)
7. リツコ、まきこまれる。 (2018年8月26日)
8-1. リツコ、魘される。
8-2. リツコ、龍にのる。
9. リツコ、会議にでる
10-1. リツコ、よばれる。
10-2. リツコ、地球にかえる。 (2018年8月26日)
(草稿&没原稿)
(草稿&没原稿)
(1) 朝日ヶ森 (2018年6月3日)
『 リツコへ。 第一日 』 (@中学……1年か2年?) 
(あらすじ) (プロット&目次)
(あらすじ) (プロット&目次)
【投稿用】プロットメモ (2018年7月22日)
400字~800字程度のあらすじ。 (2018年8月17日)
(設定資料集)
(設定資料集)
このコだ! 「鍵になるキャラ」…っ!www (2018年6月30日)
(( ことばよ、つうじよ! ))  (2018年8月9日)
(サ行前の雑談など)
(サ行前の雑談など)
【ぐれてる理由】。(--;)。 (2018年5月13日)
『 リツコ 冒険記 』 ~ 夏休み ・異世界旅行 ~ (1) (2018年6月3日)
(案の定【天中殺中】で頓挫している) (2018年7月22日)
…ちっ! …やっぱり…『落ちた』か…★ (2018年8月12日)
次ぃ征くぞ! 次っ! (2018年8月12日)
★ 【講談社 『 青い鳥文庫 』 の呪い!?】の謎。 ★
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終章 リツコ、地球に帰る。

終章 リツコ、地球に帰る。

 

 1. リツコ、呼ばれる。

 

 全体会議の無事終了を祝ってこれから徹夜で宴会だというその晩、リツコは慌ただしく呼ばれて西の皇宮内に設けられていた皇女サマの部屋へ案内された。
 鋭もマシカも皇子様たちも公主女、今夜は忙しいはずなのに、なぜか、みんないた。
「…なあに?」
「リツコあなた案外有能だから。このままこちらに居てもいいのよ?」
 いきなり不機嫌丸出しの声で皇女サマがぼそっとのたまう。
「へ?」
 目を点にすると、鋭が言い出しにくそうに苦笑しながら補足した。
「地球の西側に出られる通路がもしあったら、朝日ヶ森に戻すよりもそちらに亡命させてほしいって、清瀬律子さんから頼まれてた話は、前にしたよね?」
「あ、うん。…聞いた。」
「西皇領のヨーリア学派とも連絡とってたんだけど。君が整理してくれてたおかげで異界文字の解読をできる人がすぐに見つかってね。それによると。どうやら確実に通れる通路が、今夜だけ、開く。」
「今夜!?」
「…急だから… みんなびっくりしててさ。」
「うん。」
 リツコもびっくりして、うなづく。
「それを逃すとしばらく地球の西側に出られる通路は確定できてない。へたすると数年先とかになるかもしれない。」
「そうなんだ…」
「それで、今夜、地球に帰るか、でなければ、数年先くらいまで、こっちに居てくれるかな? …って」
「…………そうなんだ………?」
「きみこっちでけっこう楽しそうにやってたし。」
「もっとずっと居てくれたら、あたしは嬉しい。けど…」
 マシカが真っ赤な目になって言い澱む。
「言わないのは卑怯でしょ!」
 また唐突に皇女サマが、ぶすくれた声で継ぎ足す。
「…実は、リツコのお父さんとお母さんと、連絡が、取れたよ。」
「ほんとッ!?」
 声が、うわずった。
「うん。…今夜、行くなら、…迎えに来てくれるって…、」
 鋭がメガネをはずして拳で乱暴に涙をこするのを、リツコはびっくりして見ていた。
 マシカも泣き出してしまった。
 リツコも泣き出した。でも、言った。
「うん。…急だけど… あたし、帰るよ!」
 もう一回、声に出して、自分に確認してみた。
「地球人だから… 地球に帰る。」
 …うん。
「あたしね。ずっと…自分のこと…天才でも魔法使いでもないし…一番肝腎な時になんの役にも立てないやつで、残念だな! …って、ずっと思ってた。
 …でもね、こっち来て、ほんとの天才の鋭とか、魔法が使える王女様のマーシャとか、見たけど… べつに天才じゃなくてもね。凡才でも、マホウも使えなくても… あたし、
結構、…役に立つよね…?」
「えぇ。かなりとても、役に立ってくれたわよ!」
 皇女サマが悔しそうに涙をにじませながら言う。
「だから… こっちの世界は、これから、もう、平和になるから…」
 マシカが声をあげて泣き出してしまった。
「あたしの世界は… 戦争とか、独裁とか、これからが、いちばん大変なんだから…。
 自分の世界に帰って、あたしにがんばれることを、探して、やってみる!」
「…そうだね。」
 雄輝がちょっとそっぽを向き、鋭がうん。とうなずいた。
 

 

 2. リツコ、帰り仕度する。

 

 慌ただしく、来た時のリュックとバスケットに荷物を詰めて、来た時の服に着替える。
 背負って抱えて歩けるもの以上は運べないという話だったので、こっちでマシカと買ったばかりの服や小物や甘いものの大半は、残念だけど諦めるしかなかった。
「リツコ…! あたし本当に妹みたいだなーって、…思ってたのに…!」
 マシカはもう泣いて泣いて大変で、手伝いは期待できない。
 やっぱりぐすぐす鼻を鳴らしながらでも、鋭はさくさくと荷造りを手伝ってくれた。
 とにかく書き貯めた記録ノートは全部と、足りなくなって買い足したこっち式の巻き布や葉綴じもぜんぶリュックにむりやり押し込む。
 入りきらなくなった二十四色の色鉛筆とペンケースはまるごと鋭に、「薄くて小さい」と驚かれていたアニメキャラ柄の手鏡と、ぼろぼろになったけど日本語の辞書はまだ使えると思うからマシカに、記念にもらってもらった。
「なによ! わたしには?!」
 皇女サマが子どもみたいに拗ねたので、やっぱりちょっと笑ってしまいながら考えて、籐のバスケットに入れてた中身をぜんぶ出して適当な布で風呂敷包みにして持ってくことにして、「これ気に入ってたんだけど、あげる。」と言ったら「じゃあ大事にするわ。」と素直に受け取るので、やっぱりちょっとその性格には笑った。
 挨拶を出来るかぎりの人たちには慌ただしく挨拶をして回って、会議の打ち上げ宴会であちこち賑やかな皇宮のすみから地元のヨーリア学派の人たちの案内でそっと抜け出す。
 皇女サマと公主様は宴会から長くは抜けられない立場なので、門の中で最後のお別れをした。二人とも眼が赤くなっていた。
 篝火のともる夜の道を歩き、寺院のような場所から地下の伏流水の井戸に入る。
 小さい祠があって、それを動かすと短い洞窟があった。
『入って。』
 ヨーリア学派の人が言う。
『リツコ! …リツコ行かないでッ!』
 マシカがうしろからしがみつく。
『マシカ…! ごめんね! ごめんねぇッ!』
 リツコも涙で前が見えなくなる。
『…あまり時間がない。すぐに通路が塞がってしまう。』
「リツコ、」
 鋭がそっと肩を押す。
「…鋭。また… いつか… どこかで、会えるかな…?」
「…手紙を書くよ。小さいものなら、定期的にやりとりできる通路は確保してあるから」
「うん…」
 動けない。やっぱり…行きたくない!
 帰りたくない!
 リツコは思った。
「あたし! …やっぱり…ッ!」
 すると洞窟の向うから、真夜中なのに、太陽の光? らしいものが射しこんできた。
「…リツコ! …リツコ? 居るの?!」
「リツコ!?」
 リツコは叫んだ。
「…お母さんッ? …お父さんッ!」
 …マシカが、抱き着いていた腕を、はげしく嗚咽しながら、放した…
「ごめん! マシカ! あたし、行くね!」
『…リツコのお母さん! リツコとっても良いコでした! ありがとう!
 …大事にしてあげてね!』
 マシカが洞窟の奥に向かって叫ぶ。
「…リツコ!? …そこに居るのよねッ?!」
「いま行くよッ!」
「リツコ!」
 リツコはがんばって一歩踏み出し、それから目をつぶって駆けだした。
 後ろを振り返る暇もなく、あっと思う間もなく、ステン! と、
 何もないのに転んで…
 慌てて目を開けると、明るい場所に、お母さんとお父さんが、立っていた…
「リツコ! …元気で…ッ!」
 最後に、喉に絡んだような、鋭の半泣きの声が聴こえて…
 それで終わりかと思ったら、
「…待ってッ! リツコごめん! 《言葉の術》! 解くの忘れたわ!」
 息せききって追いかけてきたらしい皇女サマのそんな、またしばらく笑えそうなセリフがかすかに、…うんと遠くから、聴こえて…
 それっきり。
 その後、リツコが、《大地世界》を訪れる機会は、二度と、なかった…

 


 3 リツコ、その後。

 

 お母さんがぎゅっとしがみついてきた。
 お父さんが泣いていて、
 お姉ちゃんが泣きじゃくっていた。
 そこは知らない場所で、でも地球の建物だった。
 リツコも泣いてしまって、しばらく何も言えなかった。

 

 それからリツコは独裁国家となって戦争を始めてしまった日本帝国へは戻れず、家族と一緒に外国に亡命して暮らすことになったが。
 なぜか? 言葉が通じないはずのリツコが日本語で喋ると、言葉が通じないはずの相手の人の頭の中に、その言葉の意味が字幕のように、ぽかりと浮かんでしまう…。

 それは地球世界では「ありえないこと」で、不思議な力はテレパシーと誤解され、その後まもなく始まった《超能力者大迫害時代》のせいで地球にさえ居られなくなって宇宙へ移住するハメになったりしたが…

 

 それはまた、別のお話です。

 

                                  fin.


(第3稿)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(第3稿)

 

 

 

 


(表紙)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リツコ冒険記

 

…夏休み・異世界旅行…

 

 

霧樹里守

(きりぎ・りす)


(あらすじ) (2018年9月16日)

 『 リツコ冒険記 』 …夏休み・異世界旅行…

               霧樹里守(きりぎ・りす)

(あらすじ)

 高原リツコは家族の事情で、私立学園の寮に住んでる。
 その学長から「夏休みの手伝い」を頼まれた。
 なんと、「異世界への親善大使」!
 えぇ?! …っと思ったけど大人たちや先輩たちはみんな忙しくて行けないらしい。

「行って、みんなと仲良くして、まわりをよく観察して、レポートを書いてきてくれれば、それだけでいいのよ。
 行ってくれたら他の夏休みの宿題は、ぜんぶ免除してあげる!」
 大好きな学長がそう言ってくれたので、喜んで引き受けた。

「姉弟世界」と呼ばれる大地世界《ダレムアス》では、漫画かアニメの王子様?…かと思うような超美形!の、優しいお兄さんに世話してもらっちゃうしぃ ♡
 食べ物は美味しいし、お祭りは楽しいし…、
 …あいにくながら残念な性格の皇女サマには、意地悪されたけど…。

 もうひとつの異世界《ボルドム》との戦争終結のための講和準備会議?とか、
 同じ大地世界のなかでも、民族紛争とか、皇位継承争い?とか…
 そういう深刻な問題には、ショックを受けたけど…。

 たっぷりのレポートを抱えて、友達と涙でお別れして、
 リツコは夏休みの終わりとともに、元気に帰国しました。

 


序章 朝日ヶ森 学園

『 リツコ冒険記 』…夏休み・異世界旅行…

 

          霧樹里守(きりぎ・りす)

 

 

序章 朝日ヶ森 学園

序章 1 (おもて)

 朝日ヶ森学園。
 知ってるかな?
「天才児が集まる」ので秘かに有名。
 超のつく贅沢な校舎と独特の自由奔放なカリキュラムの秀逸さ、そして学費の高さでも知られていて、我が子を名門私立に進学させたい親たちにとっては、憧れの学園だ。

 基本は全寮制だけど、都心から遠距離通勤・通学してくる生徒や先生もいる。
 緑の豊かな地方の新幹線の停車駅から、自動車なら迂回ルートで二十分くらい。
 歩くなら、県立公園のなかの遊歩道をまっすぐ抜けてくるほうが速い。
 自転車? …まぁ、モトクロスを乗りこなせる人なら、抜けられる道だと思うよ…?

 学園の敷地は広くて、一見すると壁とか塀とか柵とかの仕切るようなものは何もない。
 でもセキュリティは万全で、目立たないところに監視カメラ網がばっちり。
 不審者は入り込めないけど、内部の見学とかは許可制の予約ツアーに参加すれば入れる。
 校舎や講堂や寮の建物は、一見シンプルだけどしっかりお金のかかった造りで、見た目は繊細で温和な感じだけど、どんな災害にもまけない頑丈な耐震骨格なんだって。
 もちろん、屋外と屋内の両方に冷水と温水の競技用プールがあるし、体育館とか柔道場とか剣道場とか弓道場とか、もちろんスケートリンクもテニスコートも、全天候対応型のやつが、それも学年別とかで、複数個所にある。
 さすがにサッカーコートとラグビー場とスキー場は屋外だけ。らしいけど。
 図書館ときたら外部の大人が泊りがけで調べものしにくるほど、質量ともに充実した蔵書数を誇る。
 広大な敷地はゆるやかな起伏があって、種々沢山の緑が豊か。
 天気のいい日は生徒たちがあちこちの芝生や木の下で、ゆったり寝ころがったりグループ課題を片づけていたりする。
 もちろん複数個所にある学内食堂も合計すれば二十四時間営業で、メニューはもちろん好きに選べる上に、無添加とか有機栽培とかのこだわり素材を使って健康に配慮した栄養管理がされていて、しかも一流シェフによる監修で、国際級のホテルのレストランなみに充実したラインナップで美味しいらしい。
 時間割は自学自習に重きを置いていて選択科目が多くて自由。

 生徒のうちで都心から新幹線で週1のスクーリング等にくる通信制の生徒たちには芸能関係の子役とかアイドルの卵とかが多い。学内ではおもに「タレ組」と俗称されている。

 それから特徴的なのは全寮制の一番奥の建物にいる「天才組」と呼ばれる、生まれつき知能指数が平均よりもはるかに高い、ちょっとかなり変人で専門バカな連中。
 そして生徒のなかで数が多いのは、やはり親が金持ちとか有名人とかのセレブで、コネと金を可能なかぎり使いまくってお受験資格をとって我が子をここに「押し込んだ!」という家の子たち。なんだけど…
 それ、本当はちょっとだけ、気の毒な話なんだ。
 なんでかって…?
 ここはあくまでも、関係者からは「おもて」と呼ばれている場所(学苑)で…
 本当の朝日ヶ森「学園」は、「うら」とか「真」とか呼ばれていて、別の場所にあるから。
 なんだ… 

 

 

序章 2 (うら)

 さて。
「うら」とか「真」とか呼ばれている、「ほんとうの」朝日ヶ森について…
 説明するのは、難しい。
 場所は秘密で、首都圏からは「裏日本」なんて蔑称されている地域の、辺鄙な山の奥にある。
 こちらも敷地は広大だけど、目立たないように全域が頑丈なレンガの壁できっちり囲われていて、特殊な警護部隊が昼夜をわかたず厳重な監視をしている。

 さらに点在して見えるまばらな建物群は主に地下通路で緊密につながっていて、むしろ地上部分よりも地下部分のほうが質量ともに広壮な本体だ、とも噂されているが、実は在学生でも現職の職員でも、全貌をきちんと把握している存在は、ほとんど居ないらしい。

 ほとんど「秘密基地」という感じの場所だ。
 こちらに在学する生徒の種類も、おもに三つに分かれる。

 ひとつは国内外の要人、つまり政治・経済的なVIPの子どもたちで、なんらかの事情で家族とは一緒にいられない者…生まれつき病弱とか、テロや誘拐の対象にされる心配があるとか、相続争いによる暗殺の危険を避けるためとか、はたまた、隠し子で正妻には内緒でないとまずい存在とか…そんな感じの。
 だからちょっとひねた性格のやつらが多い。

 ふたつめのグループは、もっと特殊で…
「ふつうの人間じゃない」能力や外見を持って生まれた、「特別な家柄」の、跡継ぎとか先祖返りとか…
 角や牙があったり、鱗や翼があったり、魔術や呪術が使えたり、過去や未来や、人の心が読めたり、操れちゃったり。
 本人たちはそれでも「神でも悪魔でもないから、いちおう人間なんだけどー」と主張する場合が多いが、今の世の中ではうっかり一般社会を出歩くことができない。
 それで、「一族だけしかいない隠れ里に閉じこもってばかりでは世間にうとくなるし、幼なじみと親戚以外は友だちも恋人も探せない人生なんて!」…という理由で「社会体験」と称して「朝日ヶ森学苑に遊学」しに来て、広い構内で文字通り「翼(はね)を伸ばして」学園生活を楽しんでいたり…する。

 生徒の内の三つめのグループについては…長くなるので、また後で説明しよう。

 まぁそんなふうに、観た感じからして不思議な…秘密の、「地球内・治外法権」とも呼ばれる…

 「朝日ヶ森・学園」。 

 このお話は、そんな場所から始まる。

 



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