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めじ

 

 

僕は、子どもの頃から目の下にクマがある。

それは鮮明な夢を毎日見ているからだ。

現実より絶望的な世界や、現実より理想的な世界を、自分の頭の中で作り上げているのだから、疲れるのは当たり前である。たまに、そんな全体像を作り上げる自分の脳の能力を、底知れないと思うことがある。

洗練されたデザイン、設計。だれがこんな世界を作りあげたのか。自分だ。

 

けれど目が覚めると、みすぼらしい恰好をして、外へ出かけていく。

そしてやってくるのは、やらなければいけないこと。

やらなければいけないことは、灰色がかった薄い緑で、いくら食べても増えていく、藻のようだ。

 

夢で見た、あの世界に住めるといい。

そんなことをたまに思う。

カラフルな芯を持った木々、青や赤の色鮮やかな葉、

柔らかなシュークリームみたいなベッド。小さな自分専用の冷蔵庫。

 

そんなことで、僕は休む暇がない。

目を覚ませばやらなければいけないことが押し寄せて、目を閉じれば、鮮明な夢が押し寄せる。

切れ目のないそれらは、液体のように僕の中を通りすぎる。

 

いつかおぼれてしまうのではないかと、僕は思う。おぼれないように、僕は必死で今日も泳ぐ。

生まれてから、死ぬまで。ずっと。

 

 


奥付


【2018-07-16】指さし小説 第28話


http://p.booklog.jp/book/123003
今回のテーマは、「めじ」でした~
知らなかったのですが、メジマグロのことらしいです。
私はマグロが苦手で、あまりマグロ業界のことは詳しくなかったので、ゲと思いましたが、調べていくと、自分と共通点のある部分が……
そんなところをお話にしました。

著者 : かっこ
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/resipi77/profile


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