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あいいん 合印

合印 あいいん。「あいじるし」とも読む。

 近世から近代にかけて、金銭や米穀などの諸品の支出・収納の額・数量の正誤を確認するために使用された〇に合のかたちの印形。おもに幕府・藩の、財政・年貢収納関係、農村の年貢徴収・小作料収納、漁村の漁税徴収・漁獲物売買、都市の地子銭・家賃の徴収や、商品取引・金銀貸借などの元帳・台帳・決算簿のような帳簿や証文類に記載されている金額・物品数量と、個々の金銭・物品の出納関係文書の記載額・数量を照合し、合致した時、この印形を前者の記載数字の上部に押した。

 また、勘定所が起印した米金支払証文に対して、村方三役が印を押して、再び勘定所へ差出し、留帳と合せ、そのうえで確認の印として丸に合の字の小さな印形を押すこと。これは、確認の手続きとして必要な印判であった。


いけん 意見・異見

意見 いけん。 異見とも書く。

 

 ①天皇の詔によって、律令官人から徴される政治上の問題についての見解。こうして上奏される密封の意見書を意見封事という。

 ②中世では、一般的な個人的見解をいう。

 ③室町幕府訴訟制度上の判決原案作成手続。室町時代中期以降、幕府の訴訟決済は将軍親裁であったが、将軍は判決原案を右筆衆に諮(はか)った。その答申を意見、記述文書を意見状という。

 ④惣庄、惣村、あるいは領主などの間での二者の相論に対する中人(ちゅうにん)の調停。

 ※中人は、仲人とも書き、中世には、とくに争論の仲裁をする人をさした。江戸時代以降は、結婚の仲介をする媒酌人をさすようになった。

 ⑤近世では、諫戒・忠告の意に用いられた。


おうばん 椀飯・埦飯・垸飯

椀飯 埦飯・垸飯とも書く。おうばん わうはん。 ワウはワンの転。

 椀に盛って進める飯。盛んな饗宴。供応のために設ける食膳または人を供応する意。広く饗応にもいう。『貞丈雑記』に、「椀も埦も同字也。旧記には多く埦の字を用ひたり。又垸字を用ひたるものあり。是誤也。垸はクワンの音、別也。埦飯の飯の字は盤の字にて垸飯と書くは誤なるべけれども、昔より用ひ來れることなれば改がたし」とある。

 平安時代、公卿が殿上に集会した時、一人または数人に命じて衆人を饗応させたこと。歳首・吉事にあたり、宮中に参集した朝臣の何人かに課して殿上をはじめ台盤所・武者所などで会衆に供応させた。

 鎌倉・室町時代、宿将・老臣が毎年正月元日・二日・三日・七日・十五日などに将軍を自分の営中に招いて盛宴を張ったこと。武家では、歳首・慶賀・遊覧の時などに、家臣が主君を供応して主従関係をより緊密にした。

 鎌倉時代以後、歳首埦飯は幕府の恒例となり、足利義満のころになって日時と担当の家を定めた。

 文禄四年十月に大友吉統が作製した『當家年中作法日記』によると、「朔日椀飯、直入郷ヨリ調ニ付て、越年也。……椀飯奉行、先代ハ、下郡上総介、同備後守、疋田越前守、志村越後守、葛城山城守也」とあり、二日の項には、「椀飯、緒方庄ヨリ調之條、戸次右近大夫越年被申、志賀同前、朔日出頭候」とあり、三日の項には、「從高田庄、今日之椀飯、勤申候。朔日、二日ニ替、殊之外、馳走候。東北國之、珍肴ハ不及申、近年ハ、大唐、南蠻、高麗菓、已下進上也。白鳥十、靏廿、鴈三十、水鳥百、雄百、兎狸五十、以上三百竿參候。夜半程迄、亂酒にて、祗候のかたかた、沈醉申候」とある。

 江戸時代以降、民間で、人を供応することを「大盤ぶるまい」というようになったのは、この「椀飯」に由来する。

 

(製作中)

 


いそのかみ 石上

石上 いそのかみ。

 「ふる」(旧る・降る・振る)にかかる枕詞。

 奈良県天理市石上辺の郷名「石上」に布留(ふる)という所があることに因る。

 


うえぶし 上臥

上臥 うへぶし・うえぶし 「うはぶし・うわぶし」とも読む。

 

 禁中の宿直・禁中に宿直することの意。



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