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表紙(台中駅)説明

 

 

台中駅は日本時代の1905年(明治38)に開業し、1917年(大正6)落成した駅舎はバロック式の風格ある駅として台中の玄関として一世紀にわたり君臨してきました。台湾鉄道豊原・台中間の踏切撤廃に伴い台中駅は高架式となったことにより、2016年に本来の役目を終えて今では国定古跡として保存されています。今年7月に駅前広場はリニュールされ、広場周辺には初代の駅施設の遺構と二代目の駅舎と2016年に開業した新駅舎が共存しています。長い間台中市民のランドマークだった駅舎は「台中の小京都」と呼ばれていた旧市街地の再生を静かに見守っているのです。      

 


はじめに

はじめに

 皆さんはこの冊子のタイトルを見て「小確幸」って中国語? 

それとも日本語? 小確幸って何なの?と疑問を持ったことでしょう。

 

それは次のようなことがあったからなんです。

今年の二月初めに台中市内をバイクに乗って走っていると、不動産会社の販売するマンション「小春日和」の看板広告が目に止まりました。

 

 「小春日和の四字熟語は中国語にないよな。」と思ってよく見ると漢字の左下に「しょかっこ」と平仮名で書いているではありませんか。「小学校でもないし正月でもないし、これは何の意味?」としばらくの間その意図とする意味がわからなかったのです

  すると、一か月後友人から送られてきたメルマガ記事を読んで「あ~そうだったのか」と納得したのです。

  台湾では数年前に「小確幸」が流行したそうですが、これは作家の村上春樹の造語で、漢字をそのまま読むと「しょかっこう」、でも書かないと聞いただけでは何の意味かわかりません。「小さいけれども確かな幸せ」の意味なのです。 

 台湾の人たちは「ありがとう」の発音は正しく「有難うー」と言っても、書く時は長音の「う」は省いてしまう人がほとんどなのです。「しょうかっこ」も同じ道理。現地の人には「小確幸」と書けば誰でもわかるのに、「小春日和」が日本語なら「しょうかっこ」も日本語(平仮名)で書けばナウい広告文と考えたからではないのでしょうか。例えば日本人が「驚く」の日本語を使わず「サプライズ」なんてカタカナで書くような感覚かもしれませんね。
ともあれ、意味がわかって「小確幸」でした。

 

そんなわけで、今回の冊子のタイトル(副題:台湾あれこれ)にしたわけです。

 本冊子は『遥かなり台湾』シリーズに続くものとしてFB記事に投稿した文章や未公開の文章、そして台湾で知り合った人たちのネットに投稿された文章なども含めて、台湾に関するあれこれをまとめたものです。

 

それでは読者の皆さんに興味のある個所から、これまであまり知らなかった台湾の世界を知ることにより、ささやかな幸せを感じたと思っていただけたら幸甚です。なお、転載した原稿や写真の中には、紙面の関係上、一部割愛または修正された個所などが生じたことをご了承ください。最後に本冊子に転載許可して下さった皆さんには深く感謝します。

                           2018年 初夏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


台湾のあいさつ

 台湾のあいさつ

 

台湾には原住民、ホーロー人(戦前から住んでいる台湾人)、客家(ハッカ)人と終戦後にやって来た中国人と大まかに言って四種類のグループがあり、それぞれ違う言葉で話しています。戦前日本統治時代は日本語が国語でしたが、戦後は中国人が話す北京語が「国語」になりました。

 

 

それで、国語での挨拶は、朝は「早安(ザォアン)」単に「ザオ」だけでも通じます。昼近くからは「こんにちは(ニーハォ)」と挨拶しています。台湾語では台湾人と客家人の挨拶は似ていて、「早いですね(ガウツァー)、または「ご飯食べた?(チャパーブェ)」が挨拶です。これは昔の中国はいつも内乱、内戦、災害などによって生活苦が続き、朝食も食べられなかった時代が続いたことがあり、その生活苦の中からにじみ出たことば---これが挨拶の形になったとか。実に重みを持った一言ですね。でも飽食の現在。それよりも「元気?」の「リーホーボ?」に変わって来ているようです。

 

過日図書館で盧千恵さんの著書『フォルモサ便り』を見つけ読んでいるとその中に下記のように原住民の挨拶が紹介されていました。

 

30年間日本に滞在したあと、国へ戻って来た私たちは、ちょうどその年国連の原住民年だったこともあって、当時、台湾唯一の原住民大学、玉山神学院へ教えに行きました。アミ族のルギーはいつも美しい声で「ガイアイホ(お元気ですか)」と挨拶してくれました。道で出会ったブヌン族の学生から「ミフミサ(まだ生きてるのー?まだ空気吸っているー?)」とにっこり笑いながら声をかけられ、びっくりしました。急いで「生きているー」と返事をし、何ていい挨拶だろうと思いました。ブヌン族は玉山の中腹、1500メートルの深山に住んでいるので、この様な挨拶言葉が出来上がったのでしょう。勇猛なルカイ族は「今日の酒量はどうだ?」と問い、「うん! うんと飲めるよー」が「今日は健康だ」と相手を安心させる返事だと、神学院で隣に住んでいた林道生教授が話してくれました。(p109

  

かって子供の頃田舎(山形)では出会った人から「何処へ行くの?」と聞かれ「うん、ちょっとそこまで」と答えていました。聞いた本人は「マジで何処に行くのか」と尋ねたわけでなく挨拶かわりだったのです。だから答える方も「曖昧な返事」でよかったわけです。考えてみると台湾での上記の挨拶も同じように人とのコミニケーションの潤滑油のようなもので、あいさつとは自分の心を開いて相手に近づく第一歩ともいえるでしょう。
 台湾でこのほかにどんな挨拶の言葉がかわされているのか俄然興味が湧いてきました。ご存知の方はどうか教えてください。

 

 


緑川に架かる橋

 

緑川に架かる橋

 

  

風なごむ 南の島  空青く 気澄める所

 

緑川流れ豊かに  我らが市 ここぞ台中

 

 

これは日本時代の台中市の市歌で、緑川のことが歌われています。台中で生まれ育った日本人は少年少女時代のことを思い出しながら小学校の同窓会でこの市歌を歌っていたそうです。

 

台中の近くを流れる「緑川」が春節前に再生されました。この川にかかる橋の一つに「中山緑橋」と呼ばれている橋があります。この橋は日本時代は新盛橋と言われ、橋には装飾が施され、スズランの花が描かれていてこの橋の前の通りは台中一の繁華街と呼ばれていた鈴蘭通り。大正元年(1912)当時の佐久間総督が台中神社鎮座祭りに臨席した折に新盛川の柳の生い茂る緑の景色を大いに称賛され、この川を緑川と名づけのだそうです。それ以来緑川は戦前の市歌に登場したわけです。それから一世紀余り立った一昨年、橋のそばに新盛橋(Shinsei-bashi)ホテルが出来るとは思いもよりませんでした。

 

 

今年219日にFBに上記のような文章を投稿した半月後、いつも見ている「台湾フォーカス」に下記の様な記事が載ったのです。

 

 

(台中 2中央社)中部・台中市の目抜き通り「台湾大道」の下部に隠れていた築103年の「桜橋」が復元された。道路下には歩道が設けられ、当時から残る土台部分を間近で見ることもできる。 

日本統治時代の1915(大正4)年に建設された桜橋は、かつて京都の鴨川になぞらえて「小京都」と呼ばれた緑川に架かる橋。長い間、台湾大道の拡張工事に伴って撤去されたと思われていた。

2015
年から緑川の景観整備を進めてきた台中市政府。関連工事中に桜橋の橋桁や橋脚が残されていることが判明したことを受け、土台の保存と欄干の復元を決めた。周辺の景観整備は先月完了、新しさの中にも懐かしさを漂わせるスポットとして生まれ変わった。

緑川には桜橋のほか、1908(明治41)年に架けられた中山緑橋(旧名:新盛橋)も残り、川辺の遊歩道を散策しながら歴史の息吹を感じることができる。また、48日までの毎晩、イルミネーションも楽しめる。

1908年(明治41)台湾縦貫鉄道が完成した時に台中公園で記念式典がありましたが、台中駅とを結ぶ役割をしたのが、緑川に架かる橋で最も古い橋が新盛橋で、もう100余年になります。戦前と戦後を結び、また20世紀と21世紀を結び台湾と日本とも結ぶ架け橋なのです。

 


阿里山にある台湾で一番高い所にあるもの

 

台湾で一番高い所にある郵便局
皆さん、どこにあると思いますか。
そうです。阿里山にある郵便局です。ここの郵便局は民国前四年前と言いますから、西暦1907年は明治40年にあたります。そしていま目の前にある建物は、まるで圓山ホテル風の豪華な造りで、とても郵便局には見えませんね。

 

 

 

阿里山には郵便局以外に学校やセブンイレブンも台湾で一番高い所にあるんです。
学校の名前は香林国民小学校と言い、標高が一番高い所にある阿里山唯一の小学校なのです

         

 

そしてセブンイレブンの入口前に標高2200メートルと書かれてありました。ここは観光地にあるためにおみやげ物が多く、絵はがきを買って向かい側にある郵便局から日本の家族や友達などに出したらきっと喜ばれますよ。

 

阿里山と言えば日の出が超人気。ホテルから朝早く出発するワゴン車に乗れば台湾最高峰の玉山が目の前に見えるスポットに案内してくれて日の出の写真がきれいにとれたら最高の思い出になりますよ。

 

 

 阿里山から見た玉山の日の出(2018年の年賀状に使用)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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