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tovo plus〜あおもりの100家族、わたしたちのこれから。[season 7] No.076

今号(77 家族目)のご家族 ▶

清水 亜希子さん・輝之さん(亜希子さんの夫)

兼田 康博さん(亜希子さんの父)・えり子さん(亜希子さんの母)

・貴子さん(亜希子さんの妹)・祷悟くん(亜希子さんの甥)

撮影場所 ▶ ポムミエル(青森市浪岡大釈迦)

 

【インタビュー】

●2011年3月11日のこと、憶えていますか?

▶亜希子さん「まだ結婚前で東京にいて、揺れた時はアパートの自室にいました。外の様子を見たら道路が波打って信号もしなってて、この世の終わりかなと思いました。その後、2日間くらいは余震もあったし、靴を履いたまま布団から足ふたつ出して、すぐ動けるようにして寝てました。それくらいで精一杯でしたね。」

▶輝之さん「地元の埼玉の職場にいました。元銀行で頑丈な建物だったのにガタガタ揺れて。停電は平気だったけど、電車が止まっちゃったもんだから、『帰れないね〜飲んで待つか〜』って仲間と居酒屋に行って、23時くらいに電車が復旧するまで飲んでました(笑)」

▶康博さん「停電したけど、30アンペア(家一軒分まかなえる)の発電機があったから、電気には困らなかったな。家がオール電化で困ってた知人たちを迎えたりした。町中は信号が止まっていて、ライトを点けて車を走らせても、辺りが山の中のような暗さだった。」

▶えり子さん「りんごの果樹園をやっていて、薪が沢山あったので、薪ストーブを使いました。薪を分けてあげることもできました。」

▶貴子さん「私は長野で旅館に勤めていて、お客様のチェックイン前の点検をするためにエレベーターで8Fに向かってた時に揺れたんです。8Fに着いて、降りた途端にガタンと止まって、映画のようでした。息子の祷悟は震災の翌年に生まれました。震災を忘れないきっかけになる存在だと思って、名前にはすごく悩んだんです。人のために祷って、気持ちを悟ってあげられる子になってほしいという思いで名付けました。」

▶輝之さん「そういえば、友人が金魚を飼っていて。停電で酸素を送るコンプレッサーが止まっちゃって、金魚が死んじゃう!ってなって、ストローにビニール袋をつけて手動で空気を送ってなんとか乗り切ったという話も聞きました。いろんなドラマがあったんですね。」

 

●震災後、何か変わったことはありますか?

▶輝之さん「地図を作る仕事をしてた時期もありました。どこまで津波がきたかの記録をしたんです。亡くなられた人がどこに住んでいて、どこで見つかったかという記録をすることもあって。津波の映像なんかも、あれはたぶん意図的にですけど、テレビではあまり流れなくなっていったし、実際に起きた現実が時と共に薄れているように感じていたので、あの作業はとても印象に残ってます。」

▶亜希子さん「懐中電灯は寝室に置くようにしました。水や食料を備えておこうというのは最初だけだったかな…。準備しておくべき物に関しては、時間が経つに連れ気が緩んでしまってると思います。でも、震災の記憶があったから、店舗を新しくする時には、お店の暖房を薪ストーブにしようと決めてました。何かあったとき少しでも人を入れてあげられるように。」

▶輝之さん「せっかく飲食をやってるんだから、もしもの時は炊き出しをやれたらいいよね。」

▶亜希子さん「現地に赴いて何か…という勇気は正直ありませんでした。遠くから…という感じで。」

▶貴子さん「長野の旅館の社長が福島出身で、震災後は被災地の人たちを無償で受け入れていたんです。あんなふうに何かできることがあればやりたいという気持ちはあったんですけど、なかなか行動できなくて。だからこそ、tovoに協力したい!と思いました。」

 

●ご家族の10年後のイメージは?

▶亜希子さん「お店をバリバリやっていたい。商売していると波があって不安にもなるけど、家があって、店があって、商売できているという環境は本当にありがたいと思います。」

▶輝之さん「店の周りの土が見えているところ、緑になっていてほしいなぁ(笑)」

▶えり子さん「今やっている畑をもうちょっと整備して、いろんな人が利用できる交流の場にしたいと考えてます。人とのつながりを大事にすることは、災害がまた起きた時の為にもなると思いますね。」

▶貴子さん「息子が反抗期真っ只中だと思うので、日々戦ってるのかな(笑)。ちょっときれいごとになるかもしれないけど、元気に生きてるだけでありがたいと思いますね、やっぱり。」

▶輝之さん「皆元気なら、なんとかなるかなって思いますね。プラスに考えていきたい。」

▶祷悟くん「(ゲームをしながら)マリオになる!」

▶輝之さん「じゃ、オーバーオール買ってあげなきゃ(笑)」

 

【取材後記】

震災当時バラバラの地でそれぞれの体験をした清水さんご家族には、祷悟くんという存在もきっと大きく、より一層家族の団結力や絆の強さが感じられました。そんなご家族が一丸となって営むベーグル専門店、あたたかな雰囲気の店内や豊富な種類のベーグルにはお客様への愛情がたっぷりです。パン好きな坂本は3食+おやつの時間に食べても絶対飽きない自信があります。ぜひ一度ご賞味ください!(今号No.076のインタビューと撮影:坂本小雪)

 

【寄付総額】2011年6月〜2018年6月25日まで「¥6,457,266」を、あしなが育英会「あしなが東日本大震災遺児支援募金」へ寄付することができました。ご支援に深く感謝致します。

 

【定期購読のご協力を!】1年間の定期購読を承ります。1,800円(送料・寄付含)/1年間(12号)です。このフリーペーパーは定期購読の皆様のご支援で発行されております。ご支援の程、宜しくお願い致します。ご希望の方は、ウェブショップ(http://shop.tovo2011.com)よりお申し込みください。


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最終更新日 : 2018-07-04 21:00:57

この本の内容は以上です。


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