閉じる


<<最初から読む

9 / 11ページ

FXをやってはいけない人間

 

日本は、世界の、それも先進国といわれる中では、かなりの自殺大国です。

1990年代以降、すなわちバブル崩壊以降、戦後最悪の自殺者数(3万人以上)を記してしまい、それは米国の2倍、イギリスの3倍といわれています。

自殺原因と言われているものは、特に男性においては、事業不振、倒産、失業といった経済苦であることが圧倒的な見方とされています。

精神医学的な見地でも、不況と労働条件の悪化が、自殺者数増加の相関関係を立証しているとのことです。

現在も、男女含めた労働年収は、一人あたり300万円台が圧倒的で、これで家族を持って養っていくとしたら、尋常ではないと多くの人が実感することでありましょう。

そもそも、なんで日本という国は、先進国にもかかわらず、そんなに貧しい人が多いのか、といった理由はともかく。

先日も、あまりの年金額の少なさに絶望した70代の男性が、新幹線の中で自らガソリンを被り、他人を巻き込んで焼身自殺をしてしまいました。
(これは、以前、人様の年金運用に失敗をしたAIJや年金基金の大罪の余波でありましょう)

とにかく、お年寄りはもちろんのこと、現実の日本で暮らす自分たちの多くは、いつも経済苦を強いられた生活を余儀なくされているといえます。


そんな自分たちが、今の生活、今後の老後のことを鑑みて、中にはFXや株を始めることは、少し安易とはいえ、仕方ないことかもしれません。

ギャンブル?ならいざ知らず、投資なら、よく勉強でもして実践すれば、うまくいけば仕事の収入以上に稼げるかも知れない、と思ってしまうからです。

こういう気持ちの持ち方は、実は金銭に余裕のない人の考え方の典型、です。

一応、僕はFXはギャンブルではない、と思っています。

でも、先の項目でも述べましたが、FXをやる人の心理いかんによっては、FXをギャンブル化してしまうといえるでしょう。

金銭に余裕がない場合、手持ちの資金だって少ないのです。

そんな資金で、生活できるほどの利益を出そうとするなら、必ず大きく賭ける手(レバレッジをかける)に出てしまうことでしょう。

プロスペクト理論、なるものがあります。

同じ額でも、「利益」と「損失」では「損失」の方がより強く印象に残る、という意味合いなのですが。

よくFXを勉強する中で出くわす用語です。

だから、その「損失」を回避することに、FXをやる人たちは悪戦苦闘します。

でもよく考えたら、そんなことに囚われるということは、実は、自分たちの手持ち資金が少ないからこそ陥る感覚ではないのか。

そんな自分たちの「現実」を慮ることなく、プロスペクト理論などと、さもFXをやる人間にとっては必須用語みたく喧伝するFX(をやらせる)業界。

だから今の自分からしてみれば、プロスペクト理論なんて、クソくらえです。

そもそもプロスペクト理論なるものに振り回されてしまう時点で、もうFXをする資格はないと思っています。

世の中にはいろいろな人がいます。

個人投資家の中には、自分たちの想像もつかないぐらいの資金でFX運用をしている人がいます。

そういう人が、例えば100万円いっぺんに損失を出したとしましょう。

人によっては自宅の壁に拳で穴を開けるほどの力で殴りつけてしまうかもしれません。

いや、それで自殺してしまう人だっているかもしれません。

ところが、大金持ちの「その人」は、大して惜しい気持ちもさらさらない、といった感じで平気?なのです。

FXは、実は、そういう、自分の生活に十分余裕があるというメンタルを持った人間がやるものなのです。

誤解しないでもらいたいのですが、僕はなにも、FXでちゃんと利益を出している人にまで、FXをやめなさい、というつもりはありません。

もっといえば、ギャンブルと思われているパチプロだって、ちゃんと一定の収入を稼ぎ出しているのであれば素晴らしい、いや、うらやましい。

損切り、という概念のあるFXは、それをしっかり頭に入れて運用すれば、技術次第で確かに稼げるものと思います。

そして、個人的には、最近は、株よりもFXで利益を上げている投資家の方が圧倒的ではないか、と思っています。
(別に何かの統計に寄ったわけではないので、あくまでも自身の実感なのですが、それでもFX人口は株よりも今後、どんどん増え続けるのではないでしょうか)

では何故に僕は、あなたにFXはやめるべき、というのか。

それは自分たちの生活に余裕がないからです。

そして、そんな生活レベルのメンタルが、FXをやる資格からは程遠いのです。

先ほど、FXには損切りがあるといいました。では損切りになる状態って、どんな時でしょう。

手持ち資金が目減りしている状態のことです、当たり前のことですが。

日々の生活で、1円2円を大事に考える、いわゆる主婦感覚?であれば、目減り状態は耐え難いものです。

だから、もしそんな主婦がFXを実践したとしたら、数日で忽ち金銭感覚が麻痺、崩壊します。

もちろんいろいろな考えの人がいます。

主婦の中には、FXでちゃんと成功している人もいる様です。

僕の考えに反論を唱える方もいるでしょう、そしてある意味、それは正論に及んでいることがあるかもしれません。

しかし、繰り返しますが、世の中の大半の人は、1円2円の損失でさえ、耐え難い人がほとんどなのです。

元々散財?目的で行うならばよいでしょうが、FXを始める人の大半は、お金を増やしたいのであって、散財したいのではありません。

プロスペクト理論でいうならば、1円2円の損失は、1万円の価値、といっても過言ではないのです。

これが自分たち、一般?日本人の悲しいメンタルです。

このメンタルの克服は、ハッキリ言って努力で賄えるものではありません。

よくFXの本で、メンタルを強くするなどと謳っていますが。

FX以前に、日本の年間自殺者数がバブル期以降、ほとんど減っていないことから見ても、そんな精神論で解決などされないことは明らかであります。

 


何も生み出さないFX

 

最後に、僕が一番伝えたいことを記します。

例え、FXで利益を出していても。

ある程度、十分稼いだら、きっぱり足を洗うべきです。

僕はFXを4年やってきて、トータルで利益は・・・ゼロです。

そんな自分が言うのもおこがましいのですが。

僕がFXを始めた当初、youtubeでFX商材を売っている青年がいました。

その青年は自称、数年で成功を収めて全国を飛び回っている、と豪語し、傍から見てもとても羽振りが良い印象ではありました。

一度お勉強を兼ね、その人のメルマガを登録したんですが。

その人、100歩譲って、確かに成功はした?のかもしれないけれど、言葉遣いといい、話す内容といい、なんというか・・・全く教養が感じられなかった(笑)

あれでは、こちらとしてもFXのことを彼から学ぼうとする以前の問題、と感じてしまいましたね。
(そのうち、その青年は、ネットから全く見かけなくなりました)

最近も株の方ですけれど、やたら何億稼いで、一等地のマンションを購入して、他に音楽活動で誰某をプロデュースしているとか。

その音楽活動に関しては、おそらく世間一般の人は誰も知らないし、今後も知られない(笑)

ホントは逆で、音楽活動でそれなりに名を馳せた人が、実は株でも何億稼ぐ、となれば、とても粋でカッコイイんですが。

偏見を恐れずにいえば、投資でとりあえず成功しましたと宣言して世に知られるようになる、こういった人達は、だいたい品が無いんですね。

それはやっぱり、投資を行うということ自体に関係があると思います。

かつてはジェイコム男という、一瞬にして数十億ドル稼いだトレーダーがいました。

彼は、そんな大金を稼いだにも拘らず、「その金で何をしたらいいかわからない」が口癖だったそうです。

だからそんな人がいきなり金を持つと、プライベート・ジェットでも買って(日本だったらポルシェとか)見せびらかしたり。

いやまあ、うらやましいんですが(笑)

人生の、世の中の、本当の意味での価値となるものは、FXではなにも生めない。

極端なことをいえば、一生、投資だけで稼いで生きるということは、世の中が未成熟であることをよしとする「元凶」たる連中と同列、といえましょう。

僕の場合、FXをやっていた4年間は、お金を稼げないという苦しさよりも、元々余裕のない生活に輪をかけて、寝ても覚めてもFXのことばかり考えるようになってしまい、やがては自身の社会におけるアイデンティティまで失われるような思いに苛まれました。

今までやっていた趣味すら楽しめなくなったし、周りの知人とも段々距離を取るようになってしまった。

これは要するに、FX中毒に陥った、ということだったんですが。

まさに、向いていなかった、と言えます(笑)

お金は手段、という意見があります。

そのお金で何をするか、ということが、人生にとっては重要という意見、一見正論です。

でも、逆にお金自体の方が目的になったとしたら、今の日本で生活をする自分たちにとって、それを覆せるほどの説得力は、実はそうそうあるものではない、かもしれません。

きれいごとではないというか、自分の場合、それが、FXから抜け出せなくなってしまった要因でした。

でも。それでも。

人間はいつかは死にます。

自殺にしてもなんにしても、僕たちはいずれ死にます。

別にスピリチュアルなことを語るつもりはありませんが、人間社会で自分が死んだら終わり、と考えた時、後に残された人達の世界がより「成熟」に向かう為の爪痕(つめあと)を残せたら、自分が死ぬときにそんな思いに少しでもなれたとしたら、案外幸せなんじゃないか、と、段々考えるようになって。
(FXで稼げずにやめてしまった人間の負惜しみ、と思われても仕方ありませんが)

某アニメのセリフじゃないけれど、未だ、世界は残酷、です。

これからだって、日本の未来は、政治にしろ経済にしろ近隣国との関係にしろ、深刻な問題は山積みです。

現実を直視すれば、むしろ絶望の淵と隣り合わせで生きている自分たちが、ちゃんとした夢を持つことなど、これからだってとても難しいかもしれません。

ただ、そういった現実を愚痴って呪ってみたところで、同じ場所に立っているという点で、考えようによっては、自分たちは、未成熟たる「元凶」たちの末裔、といった面も少なからずあるのかも。

だとしたら、もしそういう自覚に立つのなら、そんな先人たちを、他人事のように、非難・中傷したところで、なにも変わらない。

そういった呪縛?から自分を解き放つためには、自分自身で主体的にそれらを打開していけるような「爪痕」を残すしかない。

爪痕のなんたるかは、人それぞれとしても。

別にヘンな夢など持たず、普通に仕事をして、普通に家族を大事にすることだって、りっぱな爪痕。

だったら。

どうせ死ぬなら、少しでもそんな思いになりたいと思い、まずはこんな稚拙なサイトを作った次第です。

何も生み出さないFX、そんなものに、今後もしがみつくのか。

いたずらに未成熟な社会に埋もれ、みじめな末路になるところを、必死で這い上がるのか。

ということで、このサイトによって、これをご覧になったあなたにとっても、FX投資への気持ちがしっかり踏みとどまり、そして少しでも価値ある方向に軌道修正して頂けることになったとしたら。

こんな僕としても、とても嬉しく思えるのではないかと。






ご清読、ありがとうございました。

 

 

 

http://nolifefx.blog.fc2.com/

「FXなんて、やめなさい」より

 

 

 

 


奥付



FXなんて、やめなさい


http://p.booklog.jp/book/122837


著者 : hirofumi
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/hirofumifumi/profile


感想はこちらのコメントへ
http://p.booklog.jp/book/122837



電子書籍プラットフォーム : パブー(http://p.booklog.jp/)
運営会社:株式会社トゥ・ディファクト




この本の内容は以上です。


読者登録

hirofumiさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について