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企業における人材の扱い方を考えてみる?

企業というところは、社会を学ぶという点や仕事自体を覚えると

いう意味では良いところですが、多くの人間と接することによる

人間関係、あるいは組織による運営形態は職制などによる役割が

あり、人間にとって結構負担がかかります。

その点で言えば、案外恐ろしいところでもあります。

その両面があることを知りながら、一人の人間として挑戦すれば、

意外と面白いところではないでしょうか。

 

その前に一人の人間が、教育を受けて一人前になるまでに何年か

かるのでしょうか。

また、その費用は?

大学まで入れれば、およそ16年という長期的な時間が費やされ

ます。

個人が負担する教育費は、一説によれば約2500万円~約3000万

円ほどかかるようですが、家庭によっていろいろな教育パターン

があり塾や家庭教師などまで入ると、さらに教育費は膨れていく

ことになります。

また、国が支払う義務教育費用は、12年間で約1000万円ほどが

使われているようです。

しかも、そこには多く人たちが携わり、すべてに満足いくもので

なくとも、相当な時間と手間がかかります。

この教育期間は、日本の長い歴史の中で築いてきたシステムでも

あります。

勿論、このシステムの良し悪しもありますが、それでも日本とい

う国は、このように多くの時間と費用をかけて人間を一人前にし

ようと努力してきました。

 

まともな企業では、我が国におけるこのような人の教育システム

を理解していますから、入社してきた社員に対して自社の費用を

かけてそれぞれの分野の仕事ができるように育成しています。

ここでも長期的な観点から人材に対する投資がおこなわれていま

す。

勿論、日本的な企業システムにも問題がありますが、大きく変わ

らないのは、このようなシステムがうまく機能しているからでし

ょう。

 

 

 

 

また、日本人が受けてきた教育システムと企業入社後における企

業の人材育成を連動しながら日本型の産業構造が出来上がってい

るとも言えます。

大企業ほどこのような仕組みがしっかりと根付いており、入社後

の社員に対する対応も、より丁寧におこなわれていると、考えて

います。

とくに製造業などではこのことが顕著でしょうか。

 

もっとも、現代では個人の自由が効く時代ですから早期に退職す

る人材もいますが、それでも一旦大企業に入社すれば、相応な人

材に対する投資が存在しています。

また、大手企業においては、社員がどのようなプロセスを踏んで

入社してくるのかという丁寧な(悪く言えば、人間を深堀しなが

ら)採用しています。

入社してくる人間が置かれていた環境やプロセスを把握しながら

採用し、自社の人材育成をおこない戦力化を図ります。

日本型企業の悪い部分が強調されますが、意外と長期的な観点か

ら、とくに製造業では人材育成をしているものです。

もっとも、このことが変化に弱いといわれているようですが、一

概にそうともいえないのではないでしょうか。

問題があるとすれば、企業内部に外部の視点が入らず唯我独尊状

態となり、マーケットを俯瞰することができにくくなることでし

ょうか。

しかし、私が見てきた大企業では、そのような環境の中でも常に

外部に目を向けている人たちが確実に存在し、相応の健全な意見

とマーケットに対する具体策をもっていました。

問題は、むしろ多くの人材の多様な視点を取り込めないマネジメ

ントの貧弱さにあると、私は確信しています。

 

それに比べて中小企業は、採用する人材が16年もの間、我が国

おいて教育を受けてきた事実すら認識しておらず、また、入社後

人材育成することも少なく、すぐに現場に配属し、仕事をさせて

その能力を超短期間に判断し、しかも仕事ができなければ解雇と

いったことを平然とする企業もあります。

 

 

 

 

このようなタイプの企業では、およそ人材に対する根本的な考え

方が大手企業と違います。

もっとも、データをみると企業規模よりは、業種間による差異の

ほうが大きいようです。

サービス業の経験がない私からするとこの分野の実態を体で感じ

ることができないのは非常に残念ですが、データと業種特性から

考えれば、なるほどと思ってしまいます。

 

しばしば、大卒(新卒)は3年程度で3割が辞めるといわれてい

ますが、平均でみるとそのようになるのでしょうが、実際には中

小企業における退職者のほうが、大手企業に比べるとやや多いよ

うですが、実態は、むしろ業種間の差が大きいことが厚生労働省

データ(少々古いH26年版)から理解できるところです。

おそらく業種における特性は、経営職の人材投資に対する意識の

低さではないでしょうか。

アパレルなどをみていると、このことはある程度理解できる範囲

でしょうか。

すぐにある企業の企業名が頭に浮かびます。

 

他方、業種間の違いは人材の扱い方の違いでもあります。

少々乱暴な言い方ですが、このような企業ではすぐに戦力ですか

ら実践的な仕事ができるというメリットがあります。

解雇や自主退職を厭わないのであれば、最初からやれるところま

でやってみることは、自らの可能性を把握する点でよい場所かも

わかりません。

若い人たちで運営するベンチャー企業も同様な覚悟があれば、よ

い機会だと、考えられます。

 

かなりのやんちゃをしてきた私でさへ、息子たちには大手企業、

しかも可能な限り製造業へ入ってくれればと思うのですから、世

の親はみな同じように考えるものでしょうか。

それでも大手や製造業へ入社できなければ、中小、あるいはサー

ビス業などで挑戦するしかありません。

私は、とくに息子たちの就職活動へ干渉はしませんでしたが、た

だただ運よく大手企業(製造業)にはいっただけです。

 

 

 

 

当然、辞めたいと言っていますが、転職はやめて起業することを

進めています。

理由は、転職しても日本人の特性は変わりませんから、どの道ど

この企業でも同じようなものだからです。

私の言葉は、私の経験をみてきた息子たちにはかなり説得力があ

るようです。

 

物事には、人間が基盤を作っているという本質があり、その基盤

を作る人間には、その国固有の特性が存在していると、感じてい

ます。

良い時代(ある程度豊かな)の変化というものは、本来、大きく

変わるものではないのかもわかりません。

政治などをみていると、毎度同じことが繰り返されます。

要は、有権者の意識がこの国の実態を作っている以上、大きな企

業ほど変化はしないものなのでしょう。

 

この意味で人間が変化を求めるのであれば、やはり自分でなにか

をやるのが一番でしょうか。

自分が一番変われるのは、自分をがけっぷちにおいたときでしょ

から?

私は変化を求めてきましたが、案外、大きな枠の中だけの変化だ

ったように思います。

この点では、どんなに小さくとも事業を起こした人間と比較する

ことなど一生できないでしょう。

それがわかっただけでも収穫でした。

 

 【参考】

旺文社 教育情報センター 平成 29 年 10 月

厚生労働省平成26年度データを独自にグラフ化

 

 

 

 


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最終更新日 : 2018-05-14 10:49:01

この本の内容は以上です。


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