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tovo plus〜あおもりの100家族、わたしたちのこれから。[season 7] No.074

今号(75 家族目)のご家族 ▶

櫛引 優司 さん・紗織 さん・木綿花 ちゃん

撮影場所 ▶ 最勝院五重塔(弘前市)

 

【インタビュー】

●2011年3月11日のこと、憶えていますか?

▶優司さん「私は訪問介護の仕事をしていて、地震が来た時は利用者さんをお風呂にいれているところでした。電話が繋がらないからとりあえず会社に戻って、人工呼吸器が必要な利用者さんを受け入れ可能な病院に連れていくために動き回りました。家に帰ったのは夜8時くらいだったかな?当時は結婚する直前で、仕事から帰る前に紗織の実家に寄ったら家族みんなが無事だったので一安心しました。」

▶紗織さん「当時は東京から地元に帰ってきた次の年で、臨時で津軽塗の仕事をしていました。地震で停電したのでその日はもう作業ができず、いつもより早めに帰りました。コンビニには行列ができていて、自分も何か買わないといけないような気になって、家族の食べるものを買って帰りました。停電で暗い中聞いたラジオでの被災地の様子や、次の日電気が復旧してから見たテレビの映像にショックを受けて、今でも津波の映像はあまり見たくないです。」

▶優司さん「地震の直後ケータイで『津波が何メートル』とかそういうニュースを見たので、大変な地震だという認識はあったけど、電気が復旧してテレビをつけて、実際に映像として見た時には想像をはるかに越える被害でした。個人的にはそういう映像が流れる時にはしっかり見て、忘れないようにしなきゃいけないと思っています。」

 

●その日の夜は?

▶優司さん「普段は使ってないダルマストーブを出してきて暖をとりました。カップラーメンとビール1本飲んで寝ましたね。」

▶紗織さん「うちはオール電化ではないんですが、ほとんど全てを電気で賄っていて、停電で暖房も使えなかったので寒くて暗くて、とても不安な気持ちでした。」

 

●震災後、何か変わったことはありますか?

▶優司さん「仕事で車を使うのでガソリンの確保が一番大変でした。地元のFMラジオで『どこのガソリンスタンドが何時から開く』といった情報を流してくれていたので、ラジオはずっと聞いていました。非常食を備えたり、節電する意識を持ったりもしましたね。」

▶紗織さん「地震が起きる前から思っていたことですが、『必要なものを必要な分だけ消費して暮らしていけたらいいな』と、より強く思うようになりました。」

 

●10年後の家族のイメージは?

▶紗織さん「この10年の間に家族が増えていたらいいな。木綿花には10年後はまだ子どもらしい子どもでいて欲しいです(笑)。子ども服『inorino』はこれからもずっと続けていきたいです。今はネット社会だから、全国どこにでも商品を売ることができるけど、自分の手が届く範囲でやっていけたらいいと思っています。『街を歩いていたら自分の作った洋服を着た子に会えるかもしれない』って距離感を大事にしていきたいです。今は育児手当を貰ったりして『支援をされる側』だけど『支援をする側』でもありたいと思います。洋服を作るとどうしても端切れが出るので、それを利用して作ったものを売って、その売り上げを寄付しています。そういう活動ができるのも自営業ならではだと思うので、自分でお店をやるようになった良いことの一つですね。10年以上先の話だけど、木綿花に子どもができた時にはたくさん手助けをしてあげたいと思っています。」

▶優司さん「家族それぞれのやりたいことを10年後もやれていればいいと思います。木綿花には紗織のように笑顔が素敵な人になって欲しいと思うし、10年後も笑っていられるように、その環境を作ってあげたいですね。」

▶木綿花ちゃん「きいろいプリキュアになる!」

 

【取材後記】

子どものための双子服『inorino』をはじめた紗織さん。ワンオペ育児で双子を育てる友人の励みになればと、双子それぞれのサイズにぴったり合わせた洋服をプレゼントしたことが、お店を起したきっかけだそうです。気が滅入ることも多い育児の中で、それでも頑張る母親の手助けになればと祈りを込めて服を作る紗織さん。それを暖かく見守る優司さん。どこまでも明るくひょうきんな木綿花ちゃん。取材場所は、木綿花ちゃんを授かる前に子宝成就を願ってお参りしたという最勝院五重塔。境内は桜が満開で、気持ちの良い春の風が吹いていました。(今号No.074のインタビューと撮影:工藤 文昭)

 

【寄付総額】2011年6月〜2018年4月25日まで「¥6,299,286」を、あしなが育英会「あしなが東日本大震災遺児支援募金」へ寄付することができました。ご支援に深く感謝致します。

 

【定期購読のご協力を!】1年間の定期購読を承ります。1,800円(送料・寄付含)/1年間(12号)です。このフリーペーパーは定期購読の皆様のご支援で発行されております。ご支援の程、宜しくお願い致します。ご希望の方は、ウェブショップ(http://shop.tovo2011.com)よりお申し込みください。


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最終更新日 : 2018-05-09 16:42:19

この本の内容は以上です。


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