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24.契約と企業活動

24.契約と企業活動

 

企業活動では、様々な取引が発生します。各種取引に関して口頭で約束することは特に問題はありませんが、一旦、契約内容を破るような事態が発生した場合、日本の裁判制度では、ドキュメント主義の原則から必ず証拠となる書面が必要になります。また、必ずしも裁判だけの問題ではなく、お互いの契約内容を後日確認することができるように書面(契約書)として残す必要性があります。

企業活動の中で必要になる契約は多数ありますが、基本的な契約書としては次のようなものがあります。

先ず(1)商品売買契約書あるいは売買基本契約書などですが、契約書に定める事項は、売主、買主いずれの立場に立つかで契約事項に差違が生じてきます。売主側からは、売掛金の効率的で早期回収できるように、また買主側からは、品質が保証された製品を指定日までに購入できるかどうか、といったことが重要になります。

売主側は、代金支払に関する条件、現金なのか、小切手なのか、あるいは手形なのかといった支払条件、さらに支払日に関する条件が重要になります。買主側では、納入価格、納品日、品質などです。しかも製品に瑕疵があった場合の瑕疵担保責任の条項などが重要になります。大手企業では、法務部がありますので、このような確認を厳格におこなうことができるでしょうが、すべての人達がそのような環境で仕事をおこなっているわけではありません。業務上必要な契約に関する基礎知識は自分で学んでいくことが必要です。その上で、理解できない点や問題を惹起させるような交渉内容は事前に顧問弁護士等に相談することが必要です。顧問弁護士がいない場合は、東京弁護士会が主催する法律相談にいって確認するくらいの実行力が必要なのです。契約に関しては、今後益々シビアになることはあっても緩くなることはないと考えられます。

 その他(2)不動産売買契約書(3)賃貸借契約書(4)特許使用許諾契約書(5)工事請負契約書(6)保守契約書(7)リース契約書などは比較的間近に見ることがあると思います。

特に総務部門では、借上社宅の契約で賃貸借契約書を自ら判断することが必要になります。あるいはリース契約書や導入した機器の保守契約書などは、直接目をとおして判断する必要性があります。この程度の契約書に関する基本的知識の習得は極あたり前です。一々弁護士に相談することではありません。実務では、それぞれの知識を勉強して自分で交渉をおこなっていきます。

  さらに就業規則などの労働法関係の規程の作成は、自ら学んで各企業の実態にあった制度を策定していきます。労働基準法や労働安全衛生法、労働者災害補償法といった労働関係を取り巻く法制度の勉強は、日常茶飯事に必要になります。総務・人事の実務的側面では、非常に重要な要素です。特に就業規則は、第一に労働関係組織づけの法規範性があると判示されており、社内の秩序維持は就業規則によるとされています。また、第二には、労働条件決定の法規範性があるとされており、就業規則は雇用契約にかわる契約だと判例で労働契約書としての効力が認められています。総務・人事では、このような点でより専門的な知識と実務対応能力が要求されます。

  自分が配属された部門で、どのような法律知識が必要なのか、仕事とともに自己研鑚しておくことが、いざという場合に仕事の窮地を救う手段になります。また、法律的知識があることで、その後の訴訟対応なども的確に進めていくことが可能になります。実際、某企業ではこの面でまったくといっていいほど基本的契約を締結していなかったために莫大な損失を出してしまいました。販売や製品の製造委託をおこなう場合などには、それぞれの権利義務関係をできるか限り明確にしておくことが自社のリスクを最少にする手立てなのです。営業社員個々のレベルが高い企業では、より確実な営業活動を展開できます。企業が教えなくとも自分の仕事のレベルアップを考えれば、法的知識の習得は必須です。

 

25.企業活動と保険

 

企業活動では、資本や借入金を得て生産設備や物流センター、研究所、本社社屋をはじめ各支店社屋など多くの資産を所有したり、あるいは社屋や設備などを借りて企業活動を展開しています。

また、人も人的資産になりますね。

このように資産を沢山もっているということは、資産を失うリスクも非常に大きいということです。そこで企業活動を取り巻くリスクに関して、企業活動を中心とした保険が存在します。基本的には、個人で入っている火災保険や傷害保険と同種のものもありますが、企業活動特有の保険も存在しています。この章では、企業活動に付随する問題点とそれをカバーする保険の関係を書いてみます。

先ず、保険の種類ですが、(1)物的損害を補償する保険①火災保険②動産総合保険、(2)費用損害を補償する保険①利益総合保険②リコール保険③取引信用保険などがあります。次に(3)賠償責任損害を補償する保険①施設賠償責任保険②生産物賠償責任保険(PL保険)③会社役員賠償責任保険、(4)損害を総合的に補償する保険①自動車保険②船舶・航空機保険③労災総合保険(法定外補償)といったものがあります。

保険実務の難しさは、各企業とも保険の専門知識を有する人材がいないことです。身近で頻繁に利用するのは、なんといっても会社車両に関する物損事故や人身事故ではないでしょうか。自動車事故の場合には、保険会社の示談サービスを利用できるので、安心して事故時の対応をお願できます。

ところが前述の自動車保険の示談サービスは、保険実務の中では例外中の例外です。結論から言えば、その他の保険に関しては、保険会社が示談をおこないません。企業が主体となって賠償に関する交渉を実施しなければなりません。その意味では、素人担当者が担当している企業がほとんどではないでしょうか。特にPL保険では、自社製品のクレームに関して、先ず企業が実施するのは、製品クレームの再現試験をおこないます。できる限りお客様が使用していた環境に近づけて、再現テストをおこないます。そのテストでお客様が指摘する症状が出現すれば、メーカー側に有責性があるわけです。いわゆる責任があるということです。しかる後に保険会社との間で責任範囲を確定していきます。企業側の有責性にかかわらず必ずしも100%保険対応してくれるわけではありません。保険会社では、補償範囲の査定をおこない賠償範囲を確定します。お客様との見解の相違があれば、賠償額の再交渉や説得、場合によっては訴訟になることもあります。

営業行為におけるクレームは、先ず営業担当者がお客様のところへいくことが一番なのです。その時点でクレーム内容を十分に聞いてさしあげることができれば、状況はかなり好転してきます。この第一歩の対応能力に欠けると初期損害以上に損害を拡大させてしまうようです。さらにクレーム対応と保険対応が明確化されておらず、お客様に対する不信感を増幅させているようです。PL事故に対応するには、保険知識を有する専門担当者を専任して、組織的に対応することが望まれます。私が、お世話になったある企業では、大手外資系損害保険会社から早期退職された方を雇用することで非常に効果的な対応をおこなうことができました。後述しますが、クレームには、その他特殊暴力等の対応が含まれることがあります。この場合には総務が積極的に関与していきます。製品クレームといえども、販売を担当する営業担当者、また保険担当者、さらに開発部門、生産部門、場合によっては総務担当者と広範囲なメンバーで対応するのです。このような関係式を理解しながら自分が担う役割を認識しておくことがポイントになります。

  保険に甘えることなく自分で客観的に判断できる製品知識やクレーム対応能力をつけてクレームからさらに次の販売活動に展開できるだけの自己革新性が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 


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最終更新日 : 2010-10-18 08:17:32

25.企業活動と保険

25.企業活動と保険

 

企業活動では、資本や借入金を得て生産設備や物流センター、研究所、本社社屋をはじめ各支店社屋など多くの資産を所有したり、あるいは社屋や設備などを借りて企業活動を展開しています。

また、人も人的資産になりますね。

このように資産を沢山もっているということは、資産を失うリスクも非常に大きいということです。そこで企業活動を取り巻くリスクに関して、企業活動を中心とした保険が存在します。基本的には、個人で入っている火災保険や傷害保険と同種のものもありますが、企業活動特有の保険も存在しています。この章では、企業活動に付随する問題点とそれをカバーする保険の関係を書いてみます。

先ず、保険の種類ですが、(1)物的損害を補償する保険①火災保険②動産総合保険、(2)費用損害を補償する保険①利益総合保険②リコール保険③取引信用保険などがあります。次に(3)賠償責任損害を補償する保険①施設賠償責任保険②生産物賠償責任保険(PL保険)③会社役員賠償責任保険、(4)損害を総合的に補償する保険①自動車保険②船舶・航空機保険③労災総合保険(法定外補償)といったものがあります。

保険実務の難しさは、各企業とも保険の専門知識を有する人材がいないことです。身近で頻繁に利用するのは、なんといっても会社車両に関する物損事故や人身事故ではないでしょうか。自動車事故の場合には、保険会社の示談サービスを利用できるので、安心して事故時の対応をお願できます。

ところが前述の自動車保険の示談サービスは、保険実務の中では例外中の例外です。結論から言えば、その他の保険に関しては、保険会社が示談をおこないません。企業が主体となって賠償に関する交渉を実施しなければなりません。その意味では、素人担当者が担当している企業がほとんどではないでしょうか。特にPL保険では、自社製品のクレームに関して、先ず企業が実施するのは、製品クレームの再現試験をおこないます。できる限りお客様が使用していた環境に近づけて、再現テストをおこないます。そのテストでお客様が指摘する症状が出現すれば、メーカー側に有責性があるわけです。いわゆる責任があるということです。しかる後に保険会社との間で責任範囲を確定していきます。企業側の有責性にかかわらず必ずしも100%保険対応してくれるわけではありません。保険会社では、補償範囲の査定をおこない賠償範囲を確定します。お客様との見解の相違があれば、賠償額の再交渉や説得、場合によっては訴訟になることもあります。

営業行為におけるクレームは、先ず営業担当者がお客様のところへいくことが一番なのです。その時点でクレーム内容を十分に聞いてさしあげることができれば、状況はかなり好転してきます。この第一歩の対応能力に欠けると初期損害以上に損害を拡大させてしまうようです。さらにクレーム対応と保険対応が明確化されておらず、お客様に対する不信感を増幅させているようです。PL事故に対応するには、保険知識を有する専門担当者を専任して、組織的に対応することが望まれます。私が、お世話になったある企業では、大手外資系損害保険会社から早期退職された方を雇用することで非常に効果的な対応をおこなうことができました。後述しますが、クレームには、その他特殊暴力等の対応が含まれることがあります。この場合には総務が積極的に関与していきます。製品クレームといえども、販売を担当する営業担当者、また保険担当者、さらに開発部門、生産部門、場合によっては総務担当者と広範囲なメンバーで対応するのです。このような関係式を理解しながら自分が担う役割を認識しておくことがポイントになります。

  保険に甘えることなく自分で客観的に判断できる製品知識やクレーム対応能力をつけてクレームからさらに次の販売活動に展開できるだけの自己革新性が必要です。

 

 

 

 

 

 

 


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最終更新日 : 2010-10-18 08:17:48

26.企業と特殊暴力

26.企業と特殊暴力

 

コポレートガバナンスの章でも書きましたように、大手企業における総会屋に対する利益供与事件は、相も変らず発生しています。過去の因習を変えることができない性を垣間見る思いです。

企業と特殊暴力あるいは総会屋の関係は、元々自社の株主総会の円満な運営のため、企業側も積極的に利用してきた経緯があるのです。このような理由から企業側も総会屋に便宜供与してきた事実があるのです。いわば裏世界のことは、裏にまかせることが普通であった。株主総会の関係で企業の総務部門との繋がりが深くなっていたという事情があったようです。しかし今日開かれた企業活動を推進していくためにも、適法性に基く企業運営をおこなう上でも、このような社会悪と決別することが必須の課題です。しかも当局の積極的支援があるわけですから直ちに決別することが求められているのです。

では、特殊暴力とは、一体どういうことでしょうか。

暴力団、総会屋、右翼、えせ同和等の組織の威力を利用して違法な金員や取引行為を強要する特殊な団体の行為です。

具体的には、第一に暴力団とは、従来は「組」の組織として暴力利用して不法行為に及んでいましたが、近年は「組」として暴力を使用して不法行為に及ぶというよりは、「フロント企業」として通常の企業活動のごとく、最初は通常の取引から一般企業に入り込む等手口が巧妙化してきています。

第二には、総会屋ですが、こちらは、企業の株主総会を取り仕切る役目で、企業派、反企業派とわかれて株主権を行使してきた過去があります。但し、現在は商法の改正に伴い、前述の特殊株主に便宜を図ると利益供与罪(商法292条2項)で供与側、要求した側双方ともに民事上の問題のみならず刑事罰もかされます。

第三は、右翼ですが、右翼の名前を名乗り、一見社会正義のごとくみせながら不当な要求をおこないます。但し、受け入れない場合、街宣車をだして街宣行為をおこなったりします。上部組織では、暴力団と繋がりがある場合が多いようです。

第四に、えせ同和ですが、同和組織をなのり不当な要求をおこないます。

今日、企業に求められるものは、コンプライアンス、コポレートガバナンスに基く法律を遵守し透明性が高い、社会に開かれた経営です。

企業は、商法改正に伴う利益供与に対する不法行為をしっかりと認識して、特殊暴力には、警察当局、関係諸団体および弁護士と相互に連携をとりながら日常的に情報交換をおこない、緊急時に組織的対応が可能なように企業のトップ並びに担当者を含めて社内システムを確立しておくことが必要です。さらに特殊暴力に限らず、日常の企業活動においても適法性を追求し、企業活動の創意工夫とお客様に認められる付加価値において正々堂々と利益を得ることが求められます。

このような特殊暴力に企業単独で立ち向かうことは、また担当者個人が標的にされては毅然とした対応ができないことになりかねません。そこで、警視庁を中心に特殊暴力の排除と企業・警察との相互の情報交換、あるいは企業同士の連携を築く目的で特殊暴力排除を目的とした各団体が結成されています。

 

(1)社団法人 警視庁管内特殊暴力防止対策連合会

   (2)財団法人 暴力追放運動推進都民センター    

   (3)警視庁 暴力ホットライン                  

 

私が実際経験した範囲でも、取引契約に絡んで街宣行為をおこなわれたり、あるいは製品クレームの代理人として自称右翼となのる人物が登場しています。さらに取引先では、手形詐欺グループが企業に入ることでその企業が倒産しています。

企業活動には、前述したリスクが結構あります。一部大手企業の事件などという認識では、自社の特殊暴力に関するリスクの排除はなかなかできないことになります。

  仕事をしていくなかでこれは自分がやる仕事なのか、あるいは他の部門がおこなう仕事ではないかと思うことがしばしば発生します。例えば、製品クレームについて、販売部門で対応していくべきケースと拡大損害の発生がありPL担当部門が対応するケース、さらに特殊暴力関係のクレームであれば総務部門も積極的に関与していきます。

  このように企業を取り巻く業務は、複数の部門と密接な関係を持って動いています。前記、特殊暴力の場合などは、クレーム内容と適法な損害額をPL部門と共同で算出しながら、不当な要求に対しては総務部門がイニシアチブをとって排斥していきます。

  この事例ひとつをとっても、総務担当者は、経営トップ、販売部門、PL部門、開発部門、警察当局、弁護士、損害保険会社などと情報交換をおこない最善の対応方法を検討します。また、実際、対応窓口の最前線に立って会社を代表して交渉をおこないます。

  特に、総務部門の業務を希望している方達や実際担当している方達は、このような現実をよく理解しておかないと、本質的な仕事の意味がいつまでも理解できないことになります。これらは、仕事の好き嫌いの範疇を超えた部分ですから人間としての使命感が必要なのです。

 

 

 

 

 

 

 


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最終更新日 : 2010-10-18 08:18:11

27.事業計画と管理会計

27.事業計画と管理会計

 

事業計画とは、企業が各事業年度(日本企業の場合4月~翌年3月までの1年間が多い)において売上、費用、投資等の予定金額を算出し、予定利益を計画するといった一連の企業予算計画をいいます。

ソニーシステムサービス株式会社では、前述しましたが部門担当者がこのような予算計画を策定する運営形態でした。社長の小林さんは、大所高所からのアドバイスや意見をいうことはありましたが、できる限り部門の独自性を尊重するやり方を採用していました。

さて、管理会計とは何でしょうか。

前述した事業計画、いわゆる予算計画と実際の売上、費用、投資等との差異を比較することによって進捗状況を把握して修正計画等を速やかに実施する目的でおこなう会計上の手法です。

事業計画の実務は、第一に各部門ごとに売上、費用、投資などの予定数字と各部門の基本方針、重点項目、行動実施計画を策定していきます。

また当然ですが、管理部門では売上予算はありません。費用および投資になります。

第二には、全社で各部門ごとの事業計画のすりあわせをおこない各部門間の調整事項や全社的投資項目の選択などをおこない最終案を作成していきます。この最終案は、企画部門が取りまとめていくことになります。

最後に取締役会で承認されて実施されます。

管理会計とのつながりは、どのようになっているのでしょうか。

各事業年度計画がまとまると、経理部門あるいは企画部門で運用している管理会計システムに予算データを取り込みます。大体、エクセルなどの表計算データをCSV形式で取込むことが可能です。経理システムに取込むと月次の予算一覧が作成されます。後は、毎月の経理データが実績欄にはんえいされ、予算と実績を一覧表で比較することが可能です。   各部門では、予算実績比較表から差異分析をおこない適宜部門運営の問題点の把握、部門活動の将来予測、投資の修正や追加、なかには部門予算計画の抜本的な修正変更もあります。企業活動の中で会計情報は客観性が高く、しかも経理処理システムの進化で非常に早いスピードで実績を見ることができます。数字だけが企業活動ではありませんが、企業活動を支える重要な情報のひとつであることは間違いありません。これらの情報を企業はいかにオープンにできるか、社員はいかに有効利用できるかが問われようとしています。その相互作用によって企業活動の発展と進化があるのだと思います。


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最終更新日 : 2010-11-11 08:37:49

28.目標設定の実務

28.目標設定の実務

 

事業計画を策定する際には、数々の目標設定が必要になります。では、目標はどのように見つけるのでしょうか。

なんといっても日常業務の中から発見するのが一番です。おそらく業務をおこなっていれば、改善、改革したほうがよいと思われる業務、仕組みや項目がありますし、またそのような課題や問題点を発見することを習慣づけておくことが必要です。常に現状の方法がベストかという問題意識をもつこと。さらに課内や他部門との意見交換を日常的におこなうことで課題を発見しておくことが大切です。

特に実際の事業計画の目標に落とし込む場合には、前述した課題や問題点を出発点にして半期別(上・下期)の部門目標にすることで課内の全員で共有しチャレンジしていく姿勢が重要になります。また、全社的視点から部門の真の課題を発見して、部門業務を発展させていくことが求められます。あくまで部門のための業務ではなく、全社的な仕事のなかで部門にどのような役割があるかを理解しながら部門目標を推進することが大切です。

部門あるいは課内の社員全員と目標の共有ができれば、次は重点項目別に行動計画を決定して実施スケジュールを作成します。担当者別、グループ別に具体的なスケジュールを作成します。毎月課の責任者(通常、課長)が予算および行動計画の進捗状況の把握して、さらに問題点の抽出をおこないます。もし課題や問題があれば適宜修正しながら最終目標に向かって計画との整合性を見つけていきます。

  ソニーシステムサービスでは、各部門や課で事業計画の策定をおこなったり、あるいは部門間の異動を積極的に推進していました。ソニーグループでは、カンパニー制の導入など制度変更の場合、単に制度の変更にとどまらず経営活動にかかわる基本的な知識や運用を日常業務として訓練されています。常に、いろいろな制度を柔軟に実施できるバックグランドがあります。むしろ変化することが当たり前だという企業文化があり、常に実戦的な変化を起こしていきます。

  今後、企業では経営的視点を有する人材が、各ポジションで必要になってくると思われます。特に、ミドルマネジメントの早期育成、企業活動全般を把握できる経営者的な発想、行動力、マネジメント能力が、不可欠になると考えています。ミドルマネジメントは、自部門の利益を第一とするか、企業全般の利益を第一とするか、これからは厳しい選択を迫られる局面が数多く発生するでしょう。

  この際、部門をリードしていくにあたり人間的な能力が求められ、部門の利害関係を調整しながら企業全般の利益との整合性をとっていくことが要求されるでしょう。また、個人のスキル、いわゆる専門的能力と管理職としての仕事および人のマネジメント能力が問われることは当然なことです。

  こように管理職として部門経営をおこなう上では、早い時期から専門的能力、マネジメント能力と人間的能力を磨いておかなければなりません。

*前記能力論は新将命氏の能力論を参考にしています。

*新将命著「一流の指導者」より

 


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最終更新日 : 2010-11-11 08:29:08


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