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16.ソニーと監査部門

16.ソニーと監査部門

 

最初に入社した企業は、資本金が約25億円でしたので監査法人、いわゆる会計監査をおこなうことを専門にしている企業の会計監査を受けなければならない事業体でした。ソニーと同じプライス・ウォーター・ハウスが監査をおこなっていました。これは、米国企業との合弁ということで、前記監査法人に依頼していたようです。もっとも約11年勤務していましたが、監査法人の監査を実際に受けたのは、福岡で勤務していた1回だけでした。その他、企業に常駐している常勤監査役から監査を受けた経験もありません。まぁ、監査なんて経理部門など間接部門の話だと考えていました。

ソニー入社して総務部門の仕事をはじめて3年目でしょうか、ソニー本社の監査部の会計監査を実施しますとう通達がきました。

社長の小林さんは、ありのままをちゃんと話せ、と一言。

実際監査の経験などまったくないわけですから何がなんだかわからないといった状況ですかね。

いよいよ監査の当日です。

いやぁ、驚きの連続。チェックの雨嵐ってな感じですか。

猛烈の一言。

先ず、決裁申請書のチェック、決裁ルールの確認、誰が起票して誰が申請しているか。また、必要な証憑などの確認をおこないます。通常の仕事の合間というよりは、ほとんど監査の仕事におわれるほどの厳しさ、会社の借上社宅などの契約書と契約金の支払状況の確認、さらに敷金や保証金の計上ルールの確認や処理方法の確認など詳細に聞き取り調査をされます。経理部門と関係性があるものは、経理部門の担当者に確認をするといったぐわいに部門間の業務の流れや問題点、課題などを指摘されながら実施されます。上司をいっしょにいれておこなうことなどしません。あくまですべての担当者を含めて監査する項目に関する確認を直接おこないます。他の担当者の回答や手順が悪ければ、上司である私の責任です。担当者が理解できない場合は、私が呼ばれてチェックを受けることになります。そこで整合性がとれていればいいのですが、中には私でも理解できないケースに関しては、私の上司がチェックを受けることになります。

部門における業務処理に関して、徹底的に実施します。監査担当者は、このような作業から部門業務の運営に関する課題や問題点、改善方法の提案などを最終的に社長の小林さんあてに報告書が送付されてきます。尚も、改善点に関する指摘事項を指示された期間内に実施し、その改善報告書に社長印をもらって監査部へ提出しなければなりません。

大体、5日間くらい実施しますが、回答できない事項に関しては、指定された期日までに担当者本人が書面で報告をしなければなりません。

本当に厳しい監査システムです。

経理部門に在籍しているときにも一度会計監査を受けましたが、同様に厳しい監査を受けました。

領収書の発行チェック、小切手帳や手形帳のチェックから決算業務の手順と書類の確認、さらに経理計上に必要な契約書のチェック、振替伝票や入出金伝票のチェックなど他項目にわたるチェックをおこないます。

こちらも5日間でしたが、この期間に報告できない事項については、後日書面で報告することが求められます。

また、現場部門では、毎年1回抜打ちで業務監査が実施されています。

ソニーといえば、自由な雰囲気で何事もおおらかなイメージが想像されるでしょうが、企業活動の根幹をささえる業務や会計システムにおける処理方法やルール、あるいは実際に業務をおこなう担当者の業務執行に関しては、非常に厳しい仕組みを設けてあります。

このような監査システムを導入しているのも、早くからADRを発行してニューヨーク証券取引所に上場しているために株主に対する責任、あるいは適法な経営システムの確立といった企業活動を支えるこれらのインフラの重要性を創業時代から十分認識していたものと考えられます。だからこそ、世界の企業を凌駕できるだけの確信と自信をもっているのだと思います。日本的監査制度とは、まったく異質な方法で実施されています。

決算に関しては、月次決算をおこなっていますが、棚卸資産なども毎月現物チェックをおこないます。また、不稼動部品の除却などもグループで統一された基準をもっています。さらにADRの発行にともなう会計情報の処理もオンラインで簡単に実行できるシステムを有しています。

今後は、月次決算処理を2稼働日で実施するなど会計システムの強化を打ち出していますが、このような展開を可能にするのも監査制度の充実とグループ企業間の会計制度の統一的運営をおこなうことができるといった仕組みの充実、またそれらを可能にすることができる多くの人材を有しているからです。

ベンチャー企業や小企業においても、ある意味では最初からしっかりとした仕組みと人材育成をおこなうことが企業発展の前提となりそうです。ソニーのこのようなシステムを参考にしながら企業活動の充実を図っていただきたいと思います。

  コンピュータシステムの進化は著しいものがありますが、企業経営には適法性の認識が必要であり、その仕組みをどう作るか、そのために人材育成をどうするかという本質的な発想がないかぎり経営システムの発展はないと言っても過言ではないでしょう。

  こように経営者の発想の差が事業活動の差となって企業の発展の差となっていくと思われます。まさに経営能力が問われる時代だと言えそうです。

 


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最終更新日 : 2010-11-11 08:35:41

17.ベンチャー企業と人事的視点

17.ベンチャー企業と人事的視点

 

現在、第二次ベンチャーブームといわれIT企業を中心に多くのベンチャー企業が生まれています。

その多くは、それぞれの企業が独自性を発揮しなが付加価値を創造できるIT産業の展開、特にASPなどIT産業をリードしていく新たな事業構造を創造するといった展開が進んでいます。若い人達の自由な発想とすばやい行動力に関しては、既存の大手企業の事業展開のスピードとは比較にならない速さです。事業展開に合せた人の増員やオフィスの増床など急展開で実施しています。特にASP分野などでは、大手企業が参入するにはマーケットが小さく簡単に参入できないという現実が存在しています。これに比較してベンチャー企業の企業規模、大体10名前後から企業の骨格ができあがりITビジネスにおいて付加価値を兼ね備えることができれば、これをビジネスの新機軸として急速な増強を図っています。売上規模が小さいだけに伸び率の大きさは計り知れないものがあります。これらベンチャー企業の多くが給与においては年俸制や成果給、あるいは業績給さらに成功報酬制度といった仕事の成果や結果に基いた給与制度を採用しているようです。また、勤務形態に関しては、フレックスタイム制や裁量労働制、あるいは営業関係ではみなし労働時間制を採用しています。

このようにできる限り自由な勤務形態と仕事の成果に応じた給与体系を取り入れて若い社員の可能性を引き出そうとしています。

ベンチャー企業の経営者は、既存の大手企業でおこなわれている勤務形態や給与制度の硬直化などを理解しているだけに、チャンスと成果をできる限り直接的に結び付ける制度を採用して自社の業績と人材の活用をストレートに反映しようとしているようです。また、ベンチャー企業におけるこのような運営形態は、若い人達からも大半が支持されているように思われます。

大手企業でもこれまでの硬直した勤務形態や給与制度、あるいは昇格における年功制といったオールド・エコノミーにおける旧態依然の制度との決別が急がれているところです。大手電機メーカーなどでも裁量労働制やフレックスタイム制を導入して若い人達の意欲を引き出すための運用制度拡充を目指しています。

しかし、一方で先般大手電機メーカー数社に労働基準監督署が立ち入り調査を実施しました。係長をはじめ主任クラスなどの一般職における裁量労働制の導入に伴いこの制度がサービス残業の温床になっているのではないかと危惧されています。成果主義の導入に応じた労働基準法の整備は、現段階では管理職を対象としたものであり、前記一般職に対して労働基準法は厳格に労働時間の管理を求めています。ここのところはベンチャー企業においては、十分慎重な運営が求められるところです。

スタート時点では、一人ないしは数人の協力者を得て事業の立上げをおこなっていますが、10名を超えると労働基準法に基く就業規則を作成し、労働基準監督署に届けでなければなりません。このあたりから事業展開の難しさと重要性が増加していきます。他方、社員の側では、なんだか管理指向が強くなるような気がするのでしょうか、一部には反発や意見の相違がみられ企業運営の本質的な問題に直面しています。中途採用者の中でも大手企業勤務の経験がある人達は、このような時間管理の現実と組織的企業運営を理解できていますので、あまり多くの矛盾は感じないようです。これらの人達は、まぁ、これまでよりも多くの自由度があると感じてくれているようですね。

経営者にとっても時間管理を全面に押し出して、これまでのオールド・エコノミー流の会社運営をおこなうなどといったことは、毛頭考えていません。むしろ各個人の成果に応じた報酬を短いサイクル、例えば3ヶ月程度で反映させていきたいといった急速発展型の企業運営と活動が主眼となっています。可能であれば、全員管理職の年俸プラスインセンティブ型のマネジメントを実施したいのが本音でしょう。

やむなく労働基準法に基く時間管理を最低限実施するといった比較的消極的な導入に他なりません。あくまで個人の主体性で実績を生み出すことができ、出社の有無や時間の管理などを前提とした一般職的な人材を求めているわけではありません。実力があれば年齢に関係なく報酬を得ることができる実力主義の企業運営を目指しています。

ところで現実はどうかといいますと、残念ながらベンチャー企業の経営者が求める自立して自己責任で仕事ができる人材は枯渇状態です。中高年サラリーマンだけでなく若い人達にも起業家精神を有し、自立できた人材が実際少ないですね。これもこれまで日本企業がおこなってきた人材育成が、いわば家族的、家父長的な制度の延長線上に人材を利用するといった企業内活用の必然的な結果ではないでしょうか。

若い人達にも転職イコール自立だと錯覚している伏しもあるように思われます。ひとつには、就職した企業で実績を残すという成功体験があるかどうか、ふたつめには勤務年数は短くとも相当の問題意識をもって果敢に仕事をした人でないと、転職後、それなりの成果を出すことは不可能ではないかと思っています。ベンチャーであろうとなかろうと仕事をおこなっていく際にもっとも重要なことは自分自身でそれぞれが担当する仕事を通じて自分なりに仮説を設定することができるか、また目標達成のためにいかに制約条件をクリアすることができるか、さらに自ら実戦することで仕事の現場を把握し、目標と現実の間を走りぬけ常に現実から目標を狙えるだけの理論的裏付けと徹底した行動力が必要になるからです。

この点は、企業規模の大きさにかかわらず個人が有する思考特性や行動特性といった基本的な人間特性そのものだからです。このような認識がなくベンチャーへ入社しても到底成果など期待するべくもありません。むしろこの点はベンチャー企業においては重要な特性なのです。個人の抜きんでた特性なくしてベンチャー企業そのものの存在などなくなってしまうでしょう。

ベンチャー企業の人材活用の主たる姿勢はなにかといえば、なんといっても若い人達で企業運営することでしょうか。採用条件を眺めてみれば、先ず40才以上の人達の入社は不可能でしょう。平均的には35才くらいを中心に採用を進めているようです。

デジタル社会、あるいはIT産業を展開するにはこのような若い人達が中心になって起業していくのも時代の流れであり、米国においてもIT産業の主役は、若い人達だということは間違いないことでしょう。

おそらくベンチャー経営者の人達にとっては40才を超えた人間のマネジメントに関して、信頼感そのものを失っているのではないかと思います。既存の大手企業で超低速な企業運営をおこなうという重大な問題を発生させているのは、明らかにこの世代ではないかと思っているように見えます。

だからこそ彼らは、40代未満の若い世代を活用することで次代を切り開いていこうという情熱と信念をもって行動しているのだと確信できます。起業できない、時代の変化に対応できないこの世代の人間を採用したところで、所詮企業運営におけるギャップを克服することはできないと信じているかのようです。

では、ベンチャー企業にとって若い人達だけの企業運営で十分な成果を生み出しているのでしょうか。

これもまた、現実は厳しいのではないかと想像できます。

デジタル技術やコンピュータ技術を利用した開発技術は、この世代の武器でありこれなくしてベンチャー企業のそのものが成り立ちません。比較的投資額が少なくて多くの付加価値を生み出すことができるのもこのようなコンピュータ技術やデジタル技術の進化のお蔭であり、その恩恵を最大限に利用しているといえそうです。まさに彼らこそIT産業の主役なのです。また、これからもこのような技術を利用した産業を次々と展開していくことでしょう。

だが彼らに死角はないのでしょうか。

実は、ゼネレーションギャップこそが死角になるのかもわかりません。何故かといえば、技術を応用した機能を創造する実戦力と展開力は彼らの右に出る者はいないと思います。他方、このような技術を利用した低コストで利用価値があるサービスを利用する企業、ひいては利用する担当者の中心は、案外40代の世代が実権をもっているといえそうです。担当者といわないまでも、裁量権限者はこの40代の世代だといえそうです。

技術のギャップもさることながら、販売活動におけるこの世代のギャップも相当なものといわなければなりません。利用価値を説明するだけでも難儀だといえそうです。行動様式、考え方、生き方、仕事観といった全人格的な課題があるように思えます。この部分を若い人達だけの販売活動で切り抜けるには相当な覚悟と努力が必要になると思います。事実、ベンチャーといわれる企業の中でも、マザーズに上場後、業績の下方修正をおこなっている企業が結構あります。この原因の多くは、大手企業からの売上減と若い世代の営業力の欠如が主たる原因ではないかと思われます。IR情報から内部活動を知ることができます。

このことは取りも直さず、他の多くのベンチャー企業にも多くの課題があることを意味しています。営業という人間活動が中心となる行動には、相当の経験と実戦が必要になります。ここをきり抜けるのは、案外容易ではないと想像できます。人間を中心とするアナログ的活動には、非常に厳しいことですが時間と経験が必要になります。また、個人差が顕著になります。この点を理解していなくては、今後大きな成長を望むことは不可能だと思います。

一体解決策はあるのでしょうか。

私は、ふたつの解決策があると考えています。

ひとつは、40代以上の世代の優秀な人材を社内にいれて、営業や総務、人事などアナログ的、いわゆる人間系の経験を必要とする活動を補完してもらうことです。

ふたつめは、営業を人に頼らないで実行する。即ち、全てのサービスをダウンロードを利用することで実施する。いわば営業行為においてもデジタル化を推進することです。

そんなこといってもそのような企業などあるはずはないといわれそうですが、実際、数は少ないですがベンチャー企業にはそのような企業があるのです。しかも起業後すべての事業年度で黒字化しています。このように徹底したデジタル化が可能かどうかです。このようなデジタル化ができない場合には、やはり人間を中心とした営業活動が必要になります。いわば技術のデジタル化と販売のアナログ化をいかに調和させて機能的に展開できるかです。

ベンチャーの経営者にとって自分より年上の従業員を使うことになんとなく抵抗があり、しかも信頼ができないといった心理的状況がるあるのは理解できることです。実際非常に困難でしょうが、克服する必要性がある部分だと考えています。

一方、採用される側、40代以上の世代の人達においても、自分の経験だけを押しつけるやり方では信頼関係さえも築けないまま退職しなければならないことになるでしょう。若い人達がチャレンジしているのです。当り前ですが、最初から完璧にできるはずなどありません。40才以上の世代の人達が若い世代の人達をどのように育てることができるかどうかが重要です。そこで必要なことは、自分の息子や娘達を育てるような思いやりと自立できるための実戦を支えていくことだと思います。上司、部下といった垂直的な関係ではなく同じ目線で仕事をやっていける人間としての視線が重要な意味をもってきます。この点もベンチャー経営者、中高年世代ともにパーセプション・ギャップが大きくなかなか理解できない部分のようです。

しかし両者ともにこのような観点から企業活動を構築することは、今後事業展開の質的な展開を求めるのであれば重要な手段となると考えています。多くの中高年世代が必要なわけではありません。ベンチャー企業に必要な営業活動、あるいは経理、総務、人事業務におけるアナログ的経験を要する業務に関しては、必要な人材を積極的に活用する場の提供を考えていくべきだと思います。その際、若い経営者の起業に対する姿勢や多くの困難の中でチャレンジしている真摯な姿勢を理解することが、多くの中高年世代の人達に必要なことなのです。真に謙虚な姿勢と行動力において証明できる本当の実力が要求されるのです。それは、邪魔をしないで人を育て、仕事の成果を出すことができるという本物だけに許された価値ある生き方なのです。

沈着冷静で知的な判断力をもち、若い人達へ対する深い思いやりがあり、なおかつ遊び心を忘れないでいつも余裕を感じさせることができる人間なのかもわかりません。

若い経営者の方々も人材に年齢や性別は関係ありません。常に本物の能力がある人材を求め、お客様に認められる創造的事業の展開を可能にするために進んで人を求める真摯さが大切になるでしょう。

今しばらくはこのような観点から事業展開を考えていくことはむずかしいのかもわかりませんが、いずれこの点を踏まえて新たな事業展開をおこなう時期が早晩くるような気がしてなりません。それぞれの人材が出会う場ができるだけ早く来ることを願ってやみません。双方妥協なき切磋琢磨があってこそベンチャーの真の発展があるのだと確信しています。使う使われるためだけの出会いではなく、自分とベンチャー企業成長のための出会いなのです。


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最終更新日 : 2010-11-11 09:00:41

18.自由と自己責任

18.自由と自己責任

 

私は、仕事とは○○○、あるいは○○○だと考えています。

さて、みなさんは、この○○○の中になにが入ると思われますか。

実は、私は、仕事=あそび、あるいはゲームだと考えています。それは、何故か?

非常に簡単です。小学生時代のあそびの延長線上に仕事を捉えているからです。

私は、小学生時代を福岡で生活してきました。毎日毎日あそびの連続。しかも我々の時代、あそぶおもちゃも少なく、あそびといえば、もっぱら野山や田んぼをかけまわるのが日課でした。私は、勉強なんてほとんどしたことがありませんでした。当然、通信簿は電信柱のオンパレード。いわゆる1と2ばっかりです。そんな日常で身につけたものは、あそびの楽しさと創造性です。山の中に隠れ家を作ったり、大きな洞穴を見つけて秘密の場所にしたり、かぶとむしやくわがたを採ったり、めじろを鳥もちでつかまえたり、くろあげはやクマゼミを採ったりと、そんな毎日の連続です。あるいは、川でフナやこいあるいははやなどをとっていました。秋には、近くの大きな池の池乾しがおこなわれ、池の水を1日で落としてしまいます。友達とみんなで水が少なくなる池の中に入ってこいやフナをつかまえるのです。冬は、雪がふれば雪合戦や大きな雪だるまをつくり、雪の田んぼの中を走りまわっていました。また、そりを作って坂道をすべったりと。春は、田んぼ一面のれんげの中でころげまわってあそびます。つゆの時期、大雨で田んぼの中にできた池で、いかだをつくってこぎだします。

まさに子供は、あそびの天才なのです。

次々とあそびを生み出す子供時代のパワーは、一体なんなのでしょうか。

それは独自性と創造性とが一体となり、あるいは混濁した大きなエネルギーの渦のようでした。あそびを生み出すエネルギーのすごさは感動的です。

では、このような感動的エネルギーを生み出す源はなんでしょうか。

それは、まさに『自由さと主体性』だと信じています。

私にとって仕事とは、この小学生時代の延長なのです。『あそび』なのです。

なんだか不謹慎に思われるでしょうが、私にとって仕事とはあそびなのです。毎日新しい物の発見です。また、多くの難問はゲームをクリアするときに考える自分なりのプロセスです。結果は、自分で選択したプロセスの成果ですから自分の責任となります。極当り前ですが、子供時代のあそびのときと同じなのです。言ってみればあそびの対象が変っているだけなのです。ですから、11年もやっていた営業の仕事、いや営業のあそびも11年目には飽きてしまったというのが本音でしょうか。なんだか次のあそびをやりたいような、次の仕事にチャレンジしたいようなそんな感覚でしょうか。

人生の主役は誰なのでしょうか?

私は、人生の主役とは、自分自身だと思っています。大前研一さん流には、『人生の最高執行責任者』なんてことになるのかなぁ。

あくまで自分の人生をどのように選択するかという自分自身の意思が重要なのだと思います。まさに子供時代のように自分の自由な意思と行動力で楽しめる人生こそが大切ではないでしょうか。

自由と自己責任とは、小学生時代のあそびの本質なのです。そう考えれば、気楽なもんです。いかに仕事をあそびとして楽しめるかなのです。私は、そんなときいつも小学生時代の自分に戻っています。あそんでいる自分。なにかを創造している自分。なにかにチャレンジしている自分。そこに自由と自己責任が見えるのです。大人の世界よりも余程多くのことを学べると思っています。

現在、ベンチャー企業にお世話になっています。ようやく年間の売上が固まり、企業を拡大するための人材募集をしています。ベンチャーへ入社することは、ある意味でハイリスク、ハイリターンを目指すことになります。ベンチャー企業から見れば、高付加価値の創出を求めています。具体的には、自分の頭で考えて、特に販売におけるビジネスプランを考えて、行動計画を立て、ベンチャーが求めるビジネス成果を出すことができるかどうかです。いわゆるサラリーマンを求めているのではありません。求めているのは、企業家なのです。現実には、残念ながらこのような資質を備えた人材が不足していると思われます。フォロアーを求めているのではありません。ビジネス展開のすべてを創造できるリーダーを求めているのです。ある意味では、経営者と同じ目線で思考でき、行動できる人材を必要としているのです。ビジネスプロセスは、どうでもいいのです。各人が創造できるビジネスプロセスを自由に創造して、いかにベンチャーの発展へつないでいくかということが非常に重要になります。あそびの感覚がない人達にとっては、将来像を描くことさへできない状況におかれることでしょう。あきらかに大手企業が求める人材とベンチャー企業が求める人材では、人材の本質的な要素で大きな違いがあると言わざるを得ません。

大企業では、マーケットの大きさ、いわば市場の大きさが必要になります。企業規模の大きさは、端的に言えば売上の大きさです。また、多くの従業員を雇用して日本の経済活動を支えています。その前提には、製品戦略やサービス戦略といった市場やマーケットに対応した独自の製品、サービスを有しています。そこで必要になる人材の要素は、企業が打ち出すビジネスプランを理解して実行することができるというどちらかといえば、与えられたビジネスが中心となります。あるいは自社の製品やサービスを理解していかにお客様に販売できるかという販売能力に関する資質が重要になるようです。後は、大手企業のブランド力やネームバリューに基くマーケティング力がものを言います。飛び込み訪問をおこなっても、先ずどのよなお客様でも会ってもらえるだけの存在価値があります。自分の力というよりは、企業力が先行する活動と言えそうです。

これに比べて、ベンチャー企業に求められる人材は、ベンチャー企業が有する製品やサービスを理解することも重要ですが、製品やサービス自体の中身を考えることも必要になります。大手企業のように出来上がった製品やサービスなどないと考えていたほうがよさそうです。ビジネスプランひとつをとってもこれといった前提がないわけですから自分自身で市場を歩き、自分自身で作りあげるしかありません。製品やサービスにおいてもお客様の要望を聞きながら製品やサービス自身を検討していくことが必要になります。まさに企業家としての人材が求められます。

このように大手企業とベンチャー企業で求められる人材の要素は、多くの点で根本的な違いがあります。イメージだけでベンチャー企業に入社しても何もできないということもありそうです。自分自身が大手企業タイプなのか、ベンチャー企業タイプなのかを慎重に検討することが必要です。

ベンチャー企業の社長自体非常に若い人達ですから、当然やってきた発想や行動力にいたっては大手企業のサラリーマンとは比較にならないくらい強烈です。また、猛烈に働いています。この現実を知っておかなければ、大手企業よりも厳しい現実が待っています。相当な企業家精神と自分自身で考えることができ、常に実戦状態で行動することができるという高いレベルのビジネスが要求されます。しかも成果を出すことができなければ去るしかないのです。まさに『自由と自己責任』が要求される世界なのです。

コンサルタントの高橋俊介氏は著書「自由と自己責任のマネジメント」ダイヤモンド社刊の中で、『「自由と自己責任」に基く組織運営においては、仕事は与えられるものではなく、与えられた大きなミッション(使命)の中で、自分たちでつくっていくものだ。

さらにいえば、自分たちのつくった仕事を進めていく際、中間段階の状況を自分たちでモニターしながら、業績を最大限に引き上げていく。つまり、自分たちの組織をセルフマネジメントする。それが「自由と自己責任」に基く組織運営といえる。

こうした組織運営がうまく機能するためには、二つの条件が必要となる。

一つは、ブレーンストーミング・カルチャーと呼ばれるものだ。

自分たちで仕事をつくり、進めていくには、いかに創造性を発揮できるかが大きなポイントになる。現代のように価値観が複雑化した社会では、個人の単独の力では創造性を生み出すことは難しく、それは、異質な考え方がぶつかり合う中からでないと生まれにくい。

だから、この仕事は誰それの担当であると、一人ひとりの職務限定をしてしまうような組織運営の中から創造性は出てこない。自分の担当であろうとなかろうと、しかも、上下の隔ても関係なく、互いに自由に考えをぶつけ合うことができるような組織運営のカルチャーがどうしても必要になってくるのだ。

もう一つの条件は、オープンで納得性のある意思決定システムだ。

とかく、日本企業では、本当は白でも上の方が黒といえば黒にしなければならないような、権威主義的な風土がある。あるいは、下の者がいいだしたことは、それがたとえ正しくても、認めたがらない官僚的な土壌がある。だが、これでは、自分たちで仕事をつくり、セルフマネジメントを実現することなど望むべくもない。誰であろうと、正しいことをいった人の意見が通るような意思決定のスタイルが欠かせないものとなる。』

また、同氏は、週刊ダイヤモンド1996年9月28日号において、これからのビジネスマンの競争力の条件について『(1)リスクテイキング、「火中の栗」を「棚からぼた餅」と読む力 (2)制約条件排除の発想、「できない」条件をあげるより、「やりたい」ことをやるために制約条件をひっくり返す (3)戦略的キャリアデザイン、自分から仕掛けてキャリアを積み上げる (4)デュアルキャリア、複数のエキスパートになる/2つ以上の成功ストーリーを持つ (5)ラーニングビジネスマン、「仮説→検証」を繰り返しラーニング(学ぶ) (6)実績→チャンスの良循環、最大5年以内に必ず実績を生み出み、次のチャンスにつなぐ (7)変化の5段階、「変化を読む」、「変化を利用する」、「変化に身を置く」、「変化を起こす」、「変化を楽しむ」、「変化に流されず」に (8)地アタマのよさ、受験勉強型秀才ではなく、本質をつかむ感性とロジック』だといっておられます。

時代は、自ら次代を切り開いていくことができる「自由と自己責任」を求めているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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最終更新日 : 2010-10-18 08:15:49

19.ソニーにおける企業実務

19.ソニーにおける企業実務

 

ソニーシステムサービス株式会社におけるソニーグループとしての業務の捉え方や進め方は、企業社会で生きているみなさんにとって多くの示唆を与えてくれるように思われます。さらにこれから企業社会へ入られる学生のみなさん、あるいは新入社員のみんさん、またベンチャー企業における業務の在り方に多くのヒントと方向性を示してくれると確信しています。

企業活動においては、各企業の経営戦略を前提とした企業固有の活動があります。しかしながらそのような企業固有の活動の中にあっても、企業活動全体を貫き通す各企業に共通する企業実務の存在があります。企業活動を組織活動と捉え直せば、組織活動を遂行する上で必要な一定のルールがあるのです。

特に各企業で共通したルールには、購買業務、決裁、文書管理、受取請求書に関する業務、リースに関する知識、固定資産に関する知識、施設全般の知識、セキュリティー、契約に関する業務、業務車両に関する知識、企業活動のリスクに関する保険、物流に関する知識、株式に関する知識、企業活動に伴う危機管理、就業規則に関する知識、事業計画と管理会計に関する知識等、多くの基本的知識が求められます。

これらの基本的知識を駆使して企業業務を遂行していくことになり、また適法な企業活動をおこなう前提としての重要な基礎知識になります。企業で働く個人に必要な知識であると伴に企業においては、このような企業実務の基礎知識を前提に適法な経営をおこなっていくことが益々求められてくることでしょう。

あまりに基本的なことで、日常の企業活動の中で意識することなく運営されていることが多いのでしょうが、実は企業活動を支える重要なポイントなのです。

これら企業実務の基本に乗っ取り日常業務をいかに適正、適法な企業活動にしていくことができるかが今日企業活動に求められているのです。

  一方、企業で働く社員にとっても多くの課題に直面しています。例えば、第二新卒の採用活動と採用後を見ていますと、やはり多くの問題があります。

  企業側にも第二新卒者の実務経験に期待をかけていることもあり、可能な限り即戦力と考えているようです。特に、ベンチャー企業では、新入社員を教育する時間的な余裕もなく、また社長自らが営業活動をおこない、あるいは技術開発をおこなったりと猛烈な仕事量になっています。その意味では、できれば社長と同レベルの人材を希求しています。そこに年齢など関係なく成果に応じた大きな年俸さえ用意しています。

  では、現実はどうなのでしょうか。

採用企業は大きな期待をもって採用活動をおこなうのですが、いざ採用して仕事をおこなっていくと大きなギャップにぶつかっています。

  何か?

  期待する成果がでない。特にベンチャー企業では、若い優秀な経営者のもと短期的業績向上を目指しているところが大半です。いわゆる成長性ですが。その意味では、大手企業以上に実績主義、あるいは成果主義だといわざるを得ません。

一方、これまでの日本的経営環境の中で仕事をおこない、しかも2年~3年の間に仕事の成果を出していない人達にとって、この時期の転職は致命傷になる可能性を秘めています。

先ず持って、入社した企業で実績を出していない人達にとって転職後に実績を出していくことは、転職前の環境よりも厳しいベースが待っているからです。仕事的にも人的にも、新たなベースを開拓をするだけの能力が必要になるからです。相当の覚悟が必要です。

どのような企業に就職しようがあくまで自分自身で成果を出すことが仕事の前提になります。

しかし現実は、企業活動の停滞感、売上の低迷、一向に変化の兆しのない年功的処遇、能力なき上司の存在等々新入社員を取り巻く就業環境の閉塞感も十分理解できます。

  ベンチャー企業に転職するればなんとかなるなんて考えてしまうのもわからないわけではありません。しかし結果はさらに厳しいものになります。

  何故かって?

  大手企業にあるような閉塞感もないかわり、すべてを自分で考え実行することができる能力が求められます。さらに成果そのものを厳しく求められるからです。自立した自己を確立できた人でなくてはかなり厳しい現実が待っています。

  ということは、最初に就職した企業がどのような企業であれ、その企業で成果を出せない人間にとって、他社で実績をだすことなど不可能だと思われます。単なる思い入れ転職となりそうです。

  結論から言えば、自分自身の成功の鍵は、最初に入社した企業で自分なりの足跡、いわば実績あるいは成果を残すことです。どのような形であれ、仕事に関する成功体験を持つことが重要です。それなくして転職後のキャリアアップを実現することは不可能ではないかと考えています。

  現在、採用でコンピテンシーを見ようという考え方があります。その目的は各企業で実績を上げている人材のコンピテンシーを見ることで、採用時における自社の人材に必要な資質を早期に発見しようというこころみです。

  コンピテンシーを利用した人材資質の発見は、その場の付け焼き刃で回答できるような内容ではありません。

むしろこれまで生きてきた個人の価値観や行動様式を見ることでその人の可能性を判断しようとしています。その意味で入社後成果を出しているのかどうかを判断しておくことは、非常に重要な意味があります。

  コンピテンシーから仕事を眺めれば、仕事の目標設定をおこない、仕事に必要な知識を学び、実践することでスキルを身につけ、仕事の将来ビジョンを描き、目標をクリアしていくことです。その上に自分自身のやるきやイメージ、あるいは感性や価値観を築き上げていく作業です。

  評価とは、本来他人がおこなうものです。

  自己評価とギャップがあることが大半です。

  人間の思考や行動パターンを簡単に評価することは、そうそう容易なことではありません。それ故、自分でやったことを第三者に評価してもらっておくことは貴重なのです。

  それこそが、唯一実績と呼べるものなのです。企業の社員として働く以上、その中で評価を得るしかありません。それが嫌なら、自分で起業するしかないのです。

  年齢的に35才程度までの転職は、比較的容易できるでしょう。転職の機会の増大=転職後のキャリアアップと単純につながるものではありません。自己実現と言えども、企業で働く者の前提は、あくまで企業における仕事の実績あるいは成果に対する第三者の評価しかありません。

  キャリアアップのための転職なのか?、現実の仕事や人間関係からの逃避なのか?、ということを今一度考えてみることが大切です。

  先ず就職した企業で実績あるいは成果を出すことです。それができれば、将来の可能性が見えてくるものです。ベンチャー企業では、年功的処遇など考えていません。実績オンリーの成果主義です。年俸も大手企業の年功的処遇とは格段の違いがあります。

  このような現実を理解した上で、現在在籍している企業における自分の仕事にチャレンジしておくことです。多くの転職を見てきましたが、転職の目的意識の希薄さと仕事に対する情熱、さらに仕事をおこなう上での基本的知識の欠如と、転職以前の課題が山積しています。このような視点から自分自身を見詰め直しておくことが重要です。

 

 

 

 

 

 


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最終更新日 : 2010-10-18 08:16:05

20.企業活動に必要な基本的な知識

20.企業活動に必要な基本的な知識

 

企業は、社員を雇い、資金を調達し、建物を借りたりしながら経営活動をおこなっていきます。仕事をおこうということは、必ずなんらかの形でお金が必要になってきます。あるいは仕事上の重要な決定事項に関することなどがあります。その際、各人が勝手にお金を使用したり、仕事の意思決定をしていたのでは、企業活動の統制が取れなくなってしまいます。

そこで、企業活動で使用するお金の使途、あるいは重要事項の決定などに関して企業では、その実施プロセスと承認者を決めています。その目的は、業務運営上の権限委譲範囲ならびに審議手続きを明確にして、業務運営の的確化、迅速化、効率化を実現しようとするものです。

  ベンチャー企業では、社長、役員が直接承認することが日常茶飯事ですし、決裁申請書(図5)を利用しないで電子メールで承認しているケースもあります。しかしいずれ上場する場合には、決裁事項に関する規程を設ける必要性があります。

  どのような企業でも、運営スタイルの違いはありますがこのようなルールに基いて企業運営をおこなっているです。

 

決裁申請の書き方(図6)

(1)内容は、5W1Hで簡潔に記載します。

(2)金額の訂正は、一切できない。

(3)金額以外の軽易な修正は二本線で抹消して起案者の訂正印で訂正する。

(4)修正液の使用はしない

などを注意して書きます。また、このような基本的な書き方ができるかどうかで、その人の仕事のレベルも自ずとわかってしまいます。

    但し、各企業によって考え方がありますから各企業のやり方を習得する必要性があります。

 

 

 

 

発議No.と申請期日

(1)発議No.とは、各部門ごとに起案される決裁事項を事業年度の申請順,No.1

       から採番(番号をとる)する。

(2)申請期日とは、発議No.をとった日付です。

起案者と申請者

(1)起案者とは実際に決裁申請を書いた人。

(2)申請者とは、決裁申請をする部門の最上位責任者。

件名

決裁申請事項を簡潔にタイトルにする。

決裁番号と決裁期日

(1)決裁番号とは、各決裁区分に従って決裁事項の承認がおりたときだけに番号がつけ 

       られる。大体、総務部門などで番号がつけられます。

(2)決裁期日とは、決裁承認がおりた日付。

このように決裁事項が承認されることで、その業務を実施することが可能になります。

その他

部門コード、プロジェクトコード、事業計画計上額、本件決裁申請額、当期累計額、進捗率に関しては、事業年度の事業計画に基づき金額を記入することになります。予算(バジェット)と実績を把握します。

 

企業活動を集約すれば、最終的には、お金として集約されることになります。事業活動の効果、いわゆる利益を上げるということは、企業が有する自己資金や銀行などから借入れたお金をいかに有効に活用して成果をあげるかに尽きます。予算統制という観点からも決裁をとおすことでより効果的な企業運営を目指しているのです。

 

 

 

 

 

 


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最終更新日 : 2010-10-18 08:16:20


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