閉じる


tovo plus〜あおもりの100家族、わたしたちのこれから。[season 7] No.073

今号(74 家族目)のご家族 ▶

坂本 一久さん・愛さん・真樹くん・穂花ちゃん・ショコラ(猫)

撮影場所 ▶ 有限会社 畠山商店(下北郡風間浦村)

 

【インタビュー】

●2011年3月11日のこと、憶えていますか?

▶一久さん「むつ市に向かって運転中に地震が起こりました。運転中でしたが、すごい揺れを感じて、歩いている人が電柱につかまっていました。すぐに引き返したんですが、信号が動いていなくて、大渋滞をくぐり抜けて帰宅しました。ここ(風間浦村)は少し土地が低いので、津波の心配があるということで、山側を通るここに向かう道路はすぐに封鎖されたんです。封鎖される前に帰ってこれたので良かったですね。夕方遅く帰ってくる人たちは、通行止めになっていたので帰ってこられなかったり、子どもの迎えに行けなかったりしていました。漁師たちはすぐに沖に船を出して、その日はすごい漁火でした。」

▶︎愛さん「私は1人で家にいたんですが、すごい揺れで、建物の揺れの音が怖くて、すぐに外に出ました。そとに出ると近所の人たちも外に出てきていました。電池が欲しいともらいにくる方もいて、電池を貸したりしました。着替えとかバックに詰めようかと思ったんですが、薄暗くて、どうしよう、どうしようと思っていたら、パパ(一久さん)が帰ってきて、車のテレビでニュースを見たんですが、とてもビックリしました。電話はつながらなかったんですが、子どもたちの小学校や保育園は高台にあるので安心していました。津波警報は出ていて、漁師の人たちは、引き潮でいつもは見えないような岩が見えたって言ってましたね。」

▶︎真樹くん「小学校2年生でした。児童総会というのがあって、みんなで会議みたいのをしている時に地震がありました。校長先生が外に出るぞ!と言って、みんなで校庭に出ました。揺れがおさまったので中に入ったんですけど、すぐに2回目の長い揺れがきて、また外に出ました。揺れがおさまったので、皆で体育館で待機をしていました。小学校は避難場所にも指定されているので、少し経つと近所の人たちが集まってきました。親が迎えにきてくれる人もいましたが、親が(通行止めなどで)迎えにこれなかったり、家に戻れない人は家族が学校にきて、学校に泊まる人も多かったです。」

▶︎穂花ちゃん「覚えてない…。」

▶︎愛さん「穂花は保育園でお昼寝の最中だったらしいです。私の父が、警察へ協力をするような仕事をしていて、パトロールカーを持っていたんです。迎えに行ってって頼んだわけではないんですが、その車で穂花を迎えに行ってました。」

▶︎愛さん「その日の夜は何を食べたか覚えてないんですが、何度も余震で家が揺れていて、その度に茶碗の揺れる音がとても怖くて、みんなで車の中でテレビを見ながら寝ました。なかなか眠れなくてビール飲んだのを覚えています。充電の少なくなった携帯で、土鍋での米の炊き方を調べて、次の日は土鍋でご飯を炊きました。」

▶︎穂花ちゃん「チョコパイを食べた。」

 

●震災後、何か変わったことはありますか?

▶︎愛さん「集合場所を決めようとしましたけど、なかなかまとまらなかったです。私が買い物に出かけて、穂花が1人になる時、『もし何かあったらどうするの?』ってしつこく聞かれるようになりました。当初は手動式のラジオなどを準備していましたけど、だんだん意識はしなくなってきましたね。仕事の方では、震災後に三陸でわかめ用の木箱を作っている会社が木箱を作れなくなったということで、代わりにその仕事を請け負ったりしました。」

▶︎真樹くん「学校では避難訓練の数が多くなりました。あと、賞味期限が切れる前の非常食もよく配られるようになりました。この震災を経験するまでは、地震がある、津波があるということを知らなかったので、こういうことでも人は死ぬんだということや、海の近くに住んでいるという自覚を持つようになりました。」

 

●10年後の家族のイメージは?

▶︎愛さん「全く休みがないんです。だから、子どもが大きくなったら、夫婦で函館の朝市に行きたいです。」

▶︎真樹くん「今は特にないです。毎日働くのかなぁと。」

▶︎穂花ちゃん「遊んでる?」

 

【取材後記】

フリーペーパー「tovo plus」は、「あおもりの100家族、わたしたちのこれから」というコンセプトで創刊し、目標の100号まで残り27号となりました。当初は、青森の全市町村の家族の声を紹介したいと考えていましたが、青森はとてもとても広く、仕事の傍らで、僕の住む場所から遠い場所での取材を調整し、その為に時間を割くのはなかなか難しいのが現実です。と言っても、できうる限り自分の目標に近く努力はしたいと考え、今回は車で片道3時間半をかけて、下北半島、本州最北端に位置する風間浦村の「畠山商店」さんへお邪魔して取材をさせて頂きました。「畠山商店」さんは、木箱、魚箱、りんご箱などを製造し販売している会社です。坂本さんとは、昨年、ご縁を頂戴しメールや電話で何度かやりとりさせて頂きましたが、今回、初めて直接お会いすることができました。漁業と林業が盛んな、海と山に囲まれた地域ならではの貴重なお話を伺えたと思います。ありがとうございました。(今号No.073のインタビューと撮影:小山田 和正)

 

【寄付総額】2011年6月〜2018年2月16日まで「¥6,165,483」を、あしなが育英会「あしなが東日本大震災遺児支援募金」へ寄付することができました。ご支援に深く感謝致します。

 

【定期購読のご協力を!】1年間の定期購読を承ります。1,800円(送料・寄付含)/1年間(12号)です。このフリーペーパーは定期購読の皆様のご支援で発行されております。ご支援の程、宜しくお願い致します。ご希望の方は、ウェブショップ(http://shop.tovo2011.com)よりお申し込みください。

 


1
最終更新日 : 2018-04-13 15:51:12

この本の内容は以上です。


読者登録

tovoさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について