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算命学余話 #R61 (page 1)

 宇宙という言葉の由来は、中国の思想書『淮南子』に「往古来今これを宙といい、四方上下これを宇という」と記されたことにあるとされています。つまり宙は時間を、宇は空間を意味しているので、宇宙とは時空というわけです。算命学では干支で世界を表現しますが、十干は空間を、十二支は時間を表しているので、干支は文字通り宇宙ということになります。これが東洋における宇宙の捉え方でした。

 一方西洋は全く違う捉え方をしています。代表して英語を挙げますと、宇宙を英語でCosmosやUniverseと呼び、Cosmosとは「秩序ある統一」という意味で、反対語はChaos(混沌)です。Universeもまた「1つのまとまった存在」という意味で、Cosmosと似ています。これは一神教であるキリスト教の影響ということもありますが、西洋人の考え方によると「宇宙とはたった1つの法則によって出来上がったもの」であり、従って物理法則などの揺るがぬ法則を発見できれば全て解明できるはずの対象物なのです。そこには時間も空間もなく、統一原理があるだけです。これが西洋人の宇宙観ですから、西洋と東洋の人間がどんなに共通言語を操ろうと、結局は噛み合わないのも頷けます。

 

 最近、理論物理学者のホーキング博士が亡くなりました。享年76。彼は世に出た頃から車椅子にぐったりともたれて動かず、この種の病ではあと何年も生きられまいと誰の目にも映りましたが、21歳から発病して結局健常者並みの長寿を全うしました。驚くべきことです。しかもその業績は更に驚異的です。並みの人間を遥かに超えた偉業、しかも体は動かないのですから100%頭脳労働で生み出した成果です。

 その彼が我々人類に言い残した言葉の中に、「地球外生命体とはコンタクトを控えよ」というのがあるそうです。その心は、「人類史においては西洋人がアメリカ大陸を「発見」して現地と交流を始めた結果、アメリカ原住民は滅ぼされるか植民支配を受け、その土地は西洋人に乗っ取られることになった。地球もこれと同じで、地球から電波や探査機を飛ばして地球外生命体がこれをキャッチした場合、彼らの文明が地球を凌駕するものであったのなら、彼らは地球にやってきて、地球の先住民を滅ぼすなり植民地化するなりし、移住してその土地を乗っ取るだろうから」ということだそうです。

 

 この話が絵空事に聞こえないのは、宇宙物理学の最先端を開拓し続けた博士が、誰よりも宇宙を知っているからです。西洋人であるホーキング博士だからこそ、このような危惧を抱くのでしょう。

 尤も、西洋人とは違う頭で考える東洋人の我々は、彼が恐れたような事態をあまり想像しません。彼の宇宙は「統一された法則」に従うものなので、地球人が犯す愚は、当然宇宙人も犯すであろうという発想です。

 我々の宇宙とは時空のことです。地球人が時空で暮らすように、宇宙人もまた時空で暮らしている。地球人が時空に制約を受けているように、宇宙人もまた時空に制約を受けている。その暮らしや制約の上で「地球の植民地化」が行われるという事態はあり得るでしょうが、もっと別の形の暮らしや制約の上での状態がありえるはずです。その具体性を我々はまだ想像もできませんが、可能性は無限にあります。そのように宇宙を考えたいものです。

 

 さて今回の余話はずばり、ホーキング博士の宿命です。その業績、その難病、自ら自力で言葉を発することもできない体で、余人に真似できないほどの発信力を死の直前まで示し続けたこの人の命式は、一体どうなっているのかと見てみたら、目玉が飛び出るほど仰天しました。

 一点の曇りもない完全格です。滅多にお目にかかれません。こんな宿命、実際にあったんですね。そもそもこの病気に罹患すること自体が珍しいのに、更に寿命まで生き続け、しかも寝たきり老人とはとても呼べない知的生産を、動けなくなった体の分を遥かに超えて成し遂げました。算命学学習者の方は、まあ見てみて下さい。見事な一色塗りです。この宿命にしてこの人生あり。そんなホーキング博士の命式を解説します。


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最終更新日 : 2018-04-08 20:30:12

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