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なにか変だよ、働き方改革の議論?

現在、国会では働き方改革の議論が行われていますが、政権のキャッ

チフレーズに基づく法案提出によって「裁量労働制」が大きな問題に

なっています。

 

本来、働き方改革の中身は、以下のように幅広いものです。

 

1.働き方改革の総合的かつ継続的な推進

職業生活の充実、労働生産性の向上などが目的として加えられていま

す。

 

2.長時間労働の是正と多様で柔軟な働き方の実現等時間外労働の上

限規制を罰則による強制力をもたせた

*長時間労働の抑制(割増賃金率を5割増)

*年次有給休暇の取得促進(5日について毎年与える)

*フレックスタイム制の見直し(清算期間を3か月に延長)

*企画裁量労働制の対象業務の追加(現在問題になっているところ

*高度プロフェッショナル制度の創設(年収1000万円以上など)

*勤務時間のインターバル制度の普及促進

*産業医/産業保健機能の強化

 

3.雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

*不合理な待遇差を解消するための規定(パート法等の改正)

*派遣先との均等・均衡待遇方式か労使協定方式かを選択

*労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

*行政による履行確保措置と裁判外紛争手続き(行政ADR)の整備

 

結構幅広い議論が必要な内容ですし、今後の人口減少社会を考えれば

、国が早急に方向性を示すことが求められているところでしょうか。

内容に関して多くの国民からすれば、肯定的、否定的な意見がでるこ

とは間違いありません。

だからこそ、多くの議論を国民に開示する必要性が生じます。

残念ながら、現状は裁量労働制の拡大に関する法案のデータだけの問

題をとらえて与野党が不毛な議論をしており、むしろ国会における生

産性の低い議論こそが働き方改革が必要なところといえるのではない

でしょうか。

 

 

 

 

多くの国民は、現代のビジネスが必ずしも労働時間に比例して給与が

支払われている仕事だけだとは考えておらず、多かれ少なかれ課題が

あると感じているのではないでしょうか。

勿論、生産現場のように労働時間に比例して出来高が決定する場合や

サービス業における顧客対応、さらに一般事務などは、仕事をおこな

えば時間を拘束されるわけですから、時間給が当たり前ですし、時間

外労働が発生すれば時間外手当を支給することになるでしょう。

 

このような業務以外でも不動産業でいえば、社員個々人が判断しなが

ら営業をおこなう場合と事務所で電話営業をおこなっている場合など

がありますが、前者は、事務所外で独立して営業行為をすることがほ

とんどでしょうから、必ずしも時間に比例して仕事をしているだけで

はありません。

社員本人が自由に休憩時間をとり、顧客の要望に合わせて営業活動を

おこなうなど、非常に裁量の範囲が広いことが多いものです。

それに対して後者は、事務所に拘束されていますから、電話営業をお

こなっている時間は労働時間となり、本来であれば時間外においては

時間外手当が必要ですが、実際には、休憩時間を90分や120分に

設定したりして拘束時間を長くしていることがあります。

なかには、問題があることを承知しながら休憩時間も電話営業をやら

せている企業もあるのではないでしょうか。

私がおこなっていた営業活動は、事業場外のみなし労働制を採用して

た関係で時間外手当はまったく支給されませんでした。

ただし、営業手当が1~2万円ほど支給されていたでしょうか。

大体、早朝から夜遅くまで仕事をしていましたから、サービス残業状

態だったでしょう。

不満はありましたが、自分の仕事は仕事として妥協できませんでした

から、給与の問題とは別に徹底的に営業活動をやり抜きました。

この点は、その後転職した管理部門の仕事でも通用することがわかり

ましたし、こちらは時間外手当が支給されましたので、さらに徹底し

て仕事をしました。

勿論、経営者や上司の人たちがよかったこともありましたが、仕事の

分野は違えど仕事を徹底的にやりぬくことは、本人の問題であり、で

きなければ辞めればいいだけです。

 

 

 

 

この点もその後の転職で実際にやり抜きました。

辞めすぎたきらいがないでもありませんが、本当に会社を辞めました。

 

本論から外れてしまいましたが、国会の議論はあくまで「一般論」で

しかありません。

仮に法案が削除されようとされまいと、実際の企業活動の中では、大

手企業を含めて中小企業でも労働基準法の要件など無視(理解してい

ない)して採用されているケースをみてきました。

さすがに大手企業では、比較的労働基準法の要件に従って裁量労働制

が採用されていますが、長男が在籍している企業でも採用されており、

課題がないわけではありませんが、まぁ、仕方がないといった程度に

運用されているようです。

時間外手当の清算もきちんとなされているようですが、今年から昇格

して時間外手当がなくなるようですから、年齢、役割、立場等から言

えば、こちらのほうが課題があるのかもわかりません。

その結果は、給与にどのように反映されてくるのかをみればわかるで

しょう。

もっとも、どの企業では、管理職(本当に管理監督職かの判断は別で

すが)に昇格したタイミングでは給与は一時的に下がりますが、その

後、業績がよければ賞与を含めて給与水準は急激に上昇するものです。

 

今度の法案でも裁量労働制に営業分野が追加されることや適用要件が

緩和されるなどの課題があるようですが、企業の実態からすれば、法

案が後付けになるだけであり、その実効性を担保させる機能をもたせ

ておいたほうが実態に合うのではないでしょうか。

首相が「労働時間が短くなる」といった答弁をしたことが、一番の問

題ですが、その根拠になったデータだけに固執する野党にも問題があ

りそうです。

この国の政治は、常に政争になるというレベルが低い政治家ばかりで

あり、国民にとって、とくに遠い将来この国を背負っていく人たちに

とってこのような議論しかなされないのは、生産性が低くすぎるよう

に感じるは、私だけでしょうか。

 

生産性といえば、一番の問題は、経営者のレベルが政治家同様低いと

いうことかもわかりません。

 

 

 

【参考】

働き方改革で今起きている現実」武神健之/医師

ビジネスジャーナル 2018.02.17

 

労働生産性は働き方の問題とはまったく関係ない理由」後藤百合子

BLOGOS 2018.03.02

 

 

 

 


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最終更新日 : 2018-03-06 10:10:59

この本の内容は以上です。


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