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tovo plus〜あおもりの100家族、わたしたちのこれから。[season 7] No.072

今号(73 家族目)のご家族 ▶

三上 貴史さん・恵美さん

撮影場所 ▶ カルチャースクール  LOCO STUDIO(ロコスタジオ)(弘前市駅前町)

 

【インタビュー】

●2011年3月11日のこと、憶えていますか?

▶貴史さん「ダンスレッスンの仕事へ行く準備してたんだけど、え?!何?って、母親と2人で驚いていて、ダンススクールのスタジオの鏡とか絶対割れてるかもなとも思ったんだよな。」

▶恵美さん「私は、今はタヒチアンダンスのインストラクターをしてるんだけど、当時はOLで事務職をしてたから、職場で仕事してたね。」

▶︎恵美さん「すぐ停電になったんだっけ?」

▶︎貴史さん「いや、途中でなって。」

▶︎恵美さん「あ、で、TVつけてビックリしたんだ。津波に飲まれてたから。」

▶︎貴史さん「自分は携帯のワンセグで見て、え!そんなに!?みたいな。」

▶︎恵美さん「で、帰る頃に、たしか停電になったんじゃないかな?」

▶︎貴史さん「その日はけっこう寒くて、でも、停電で石油ストーブが点かなくて、反射ストーブをめっちゃ探したんだけど、みつからなくて、自分の父親が借りてきて、それで暖をとってたな。それと、ずっと前に郡山に住んでたことがあって、みんな大丈夫かなってのが頭をよぎった。」

▶︎恵美さん「私はすぐには帰れなくて、営業の人たちが帰ってきて、みんな揃ってから帰ることになって、その帰り、街中の電気が消えてて真っ暗すぎてゾンビタウンみたいでビックリした。そんな光景一生に一度見るか見ないかで、映画のワンシーンみたいだった。信号も消えてたけど、意外とみんな交通ルールを守って運転するんだなって不思議に思ったんだよね。」

▶︎貴史さん「あとは携帯の充電ができなくて、車だったら充電できるからと思ってガソリン入れにいったら車がすごい並んでたな。恵美に『大丈夫?』って電話かけたんだけど、『電池なくなるから切るよ!』って言われたのも覚えてる(笑)」

▶︎恵美さん「覚えてる?繋がったかどうかも、覚えてないや(笑)」

▶︎貴史さん「あと、その時に葛藤があって、こんな時にダンスレッスン、楽しいことなんかしててもいいのかな?って。」

▶︎恵美さん「私も。みんな思ってたよね、私の周りの先生をやってた人たちもそれは思ってた。」

▶︎貴史さん「さすがに震災直後はできなかったけど、でも、しばらくして、自分たちはそういうダンスとかでみんなを楽しませられるんだ!って思えるようになったんだよな。」

▶︎恵美さん「みんなの喜ぶことをするのが、私たちの仕事なんだってなっていったよね。」

 

●震災後、何か変わったことはありますか?

▶︎恵美さん「震災後に結婚して、花嫁道具の中に反射式ストーブがあったよね。2人で絶対買わないと!って言って買ったよね(笑)。2013年に結婚して、震災から時間は経ってたんだけど、絶対家にないとダメだって思って、あの時、家に反射式ストーブがあることに凄い感謝したんだよね。親さすがだなって。あと、懐中電灯とかローソクとかも花嫁道具の中に用意したよね。」

▶︎貴史さん「震災が起きてから、そういう物を用意することの大切さに気付かされたよね。」

▶︎恵美さん「あとは、何かあったら何処に集合とか、そういう意識はついたよね。2人で学校に集合しようって決めてね。」

▶︎貴史さん「岩木にいたら、いわき小学校で。」

▶︎恵美さん「私は、地元にいたら地元の小学校にいるからとか、そういう話したよね。結婚してからは決めてないけど、そういうことは一応考えるようになったよね。」

 

●10年後の2人がイメージすることは?

▶︎貴史さん「10年後はまだイメージできないけど、最近怖いなと思ったのは、北朝鮮のミサイルが飛んできた時に、Jアラートが鳴って、震災の時に感じたザワっとした思いが蘇ってきたね。」

▶︎恵美さん「あれは、大げさじゃなくて本当に死ぬ!って思って、Jアラート鳴った時に、2人で飛び起きて避難しようとしてたよね。」

▶︎恵美さん「今は携帯でJアラートとか、地震を知らせてくれるからありがたいよね。知らせてくることで待ち構えられる。この前、会議中に地震がきた時も鳴って、みんなでドアとか開けて、逃げる態勢が取れたから、そういうものがあることに感謝だよね。」

▶︎貴史さん「それが、10年後にもっと発達しててくれたらありがたいよね。自分の10年後のイメージってわけじゃなくて、周りに対する望みだけど。」

▶︎恵美さん「私は、震災の時も今も、何かが起きた時に人のために何ができるか考えて行動できる人になっていたいと思うし、これから、人の役に立てる、知識や経験を蓄えられたらイイなって思うかな。」

 

【取材後記】初めまして、今月のtovoの取材を担当させていただきました赤石嘉寿貴です。震災から7年目の3月、思い出すのは、「自分は被災者の方々のために何ができるんだろう?」と考えていたこと、でも、その当時していた仕事を放り出して復興支援に行くもの何か違うなとも感じていました。仕事を続けて、今、目の前にいる人たちの生活を守ることが、間接的にでも復興に繋がるんだとも思っていたし、それで良いのだと思っていました。2017年の9月偶然にも見かけた、tovoへの協力者募集の案内を見て「今出来ることがあるなら力になりたい」と思ってすぐ連絡をしました。今回、偶然にもこのフリーペーパーの編集に携わる機会を頂けたこともまた間接的な支援なのかもしれないけど、前よりも復興支援というものに関われている気がしています。7年という月日の流れの中で自分自身も成長して、その当時は、力不足でできなかったことも少しはできているのかもしれません、取材してお話を聞く中で、自分もまたこれからたくさんの知識と経験を積み重ねて、自分のしていることで人の役に立てるようにますます成長していきたいと思いました。(今号No.072 インタビュー&撮影:赤石 嘉寿貴)

 

【寄付総額】2011年6月〜2018年2月16日まで「¥6,165,483」を、あしなが育英会「あしなが東日本大震災遺児支援募金」へ寄付することができました。ご支援に深く感謝致します。

 

【定期購読のご協力を!】1年間の定期購読を承ります。1,800円(送料・寄付含)/1年間(12号)です。このフリーペーパーは定期購読の皆様のご支援で発行されております。ご支援の程、宜しくお願い致します。ご希望の方は、ウェブショップ(http://shop.tovo2011.com)よりお申し込みください。


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最終更新日 : 2018-03-03 09:50:13

この本の内容は以上です。


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