目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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それからは、マッチをすって、また道をもどりました。
おじさんがいいます。

「ベン・アリって、知ってますか? バーバリー・ドラゴンとして有名な」

「ああ、すこしはね」

「海賊になるのを断ったら、この岩に置き去りにされたんですよ」

「ひどい話だ! ところで、どうしてこんな穴の中に?」

「この岩はむきだしで、すごく冷えるんです。夜なんか凍えてしまうんで、ここを住みかにするしかなかったんです」

「そうだったのか。だから、見つけにくかったんだ」

「もう、4日間、飲まず食わずでした。かぎタバコだけで生きてきたんですよ」

おじさんがそういうと、ジップは大きくシッポをふりました。

「ほらね! いったとおりでしょ?」

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やっと、お日様の下まででてきました。
先生は、おじさんにスープを飲ませようと、急いで船へまで連れていきました。

船に残っていたみんなや男の子は、先生とジップが赤い髪のおじさんといっしょにもどってくるのを見て、声をあげてよろこび、船の上で踊りだしました。

高いところにいたツバメは出せる中で一番甲高い声で鳴きました。
ツバメも、勇気のあるおじさんがみつかったので、うれしくて仕方がないのです。
しかし、それが何千も何百万もいるのです。
その音があまりにうるさかったので、遠くの海にいた船乗りは、ひどい嵐が近づいてきたのかと思い……

「聞くがよい、大風が東の方でうなりをあげておるわ!」

……なーんていう風にいったほどでした。

ところで、心の中で、ジップは大いばりでした。
でも、なるべくそれがばれないように、すごく気をつかっていました。

ところが、アヒルのダブダブが、

「ジップ。あなた、すごいじゃない!」

といってくれたとき、思わず、

「いや、別に!」

頭をくいっとあげて、

「イヌっていうのはこういうもんなんだよ。ま、トリには向いてないってことさ!」

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先生は、男の子のおじさんに家の場所を聞き、ツバメにまずはそこへいってくれと頼みました。

来てみると、そこは岩山のふもとにある小さな漁村でした。
おじさんが、自分の住む家を指さします。

イカリを下ろしていると、男の子のお母さんが海岸まで走ってきました。
泣くのと笑うのをいっしょにやっています。
このお母さんは、20日間丘に座って、おじさんと男の子が帰ってくるのをまって、海を見つづけていたのです。

先生はお母さんからのキスの嵐を受けました。
照れ笑いをして、顔をあからめているところはまるで女学生のようです。

ジップもキスされそうになり、走って逃げて、船の中に隠れました。

「キスなんか、ヤだよ! ごめんだ! したいなら、ブタにしてくれ」

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「すぐには出発せず、せめて2、3日は、いてください」

おじさんとお母さんから、そう頼まれたので、先生は土曜日と日曜日、それから月曜の午前中までは、いることにしました。

村中のこどもたちが、浜辺に集まってきました。
停泊している大きな船を指さして、みんなでワーワーいっています。

「すげー! 海賊船だぜ! 7つの海で一番恐い、ベン・アリの船だぜ!」

「あのヘンな帽子のおっさん。あのトレブリヤンのおばちゃんちに泊まってるおっさんが、バーバリー・ドラゴンの船をとったんだって! 海賊に、百姓になれっていったんだって。それってやばくね?」

「ぜんぜん、そんな風に見えねーよなあ。あんなに、たるいオヤジなのに!」

「おい! あれ見ろよ、あのでけー赤い帆! すげー極悪って感じしねー? 赤いと速い感じしねー? すげー!」

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先生が村に滞在した2日半は、村人の訪問と、お茶とランチとディナーとパーティーで埋めつくされました。
村じゅうの女の人が、花とキャンディーの詰まった贈り物をもってきます。
村のバンドが毎晩、先生の部屋の窓の下で演奏をします。

そしてついに……。

「そろそろ帰らないといけません。みなさん、ほんとうによくしてくださった。このことは絶対に忘れません。でも、もう行かなければいけません。帰って、やることがあるんです」

先生とみんなは、出発の準備をはじめました。

そして、さあ出発しようかという、そのときに、市長とか立派な服をきた人が大勢、村への道をゾロゾロとやってきました。
市長は先生のいる家まで来ると、歩みをとめます。

村の人たちは、何が起こるのかと、全員集まってきました。
オシャレな6人の少年がキラキラしたトランペットを吹くと、村人のおしゃべりがやみました。

先生が家から出てくると、市長が述べました。

「ジョン・ドリトル博士。バーバリー・ドラゴンを海より追い払いし方へ。わが市民を代表して、このささやかな感謝の印を贈呈つかまつる。市長としてこれほどの栄誉があろうか!」

市長は、ポケットから柔らかい紙でくるんだ小さな包みを取り出しました。
包みをとき、先生に手渡されたのは、本物のダイヤモンドが散りばめられた、非のうちどころのない美しい時計でした。

次に市長は、ポケットからもっと大きい包みを引っ張り出しました。
そして……。

「あれ? イヌは?」


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