目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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「いえね。ほかでもないっす。オレたちはこの船から出ていくっす。でも、その前に先生に伝えておこーと思って……。この船、ボロ船っす。危険っす。船の横が弱ってて、腐ってるっす。明日の晩には海の底に沈むっすよ」

「なんでわかる?」

「わかるんすよ、ネズミには! シッポの先っぽが、こう、ビリビリッと……足がしびれたみたいになるんすよ。今朝、6時に朝メシ食ってたら、いきなりビリビリッときたんで、最初は、リューマチがぶり返したかなって。で、オレのおばさんに……先生、おぼえてます? オレのおばさん。白と黒のまだらでガリッガリのネズミで、去年の春に黄疸になったんで、先生にみてもらいにパドルビーに行ってるんすけど?」

「ああ! おぼえとるよ。そうか、あのネズミの……」

「そのおばさんに聞いたら、やっぱおばさんも、いつもみたくビリッビリにきてたんす。それでもうまちがいない。この船は2日もたないって……。だから、どこでも船がついたら、みんなですぐに逃げようって決めてたんすよ。これ、ボロ船っすよ、先生。これ以上乗ったらダメっす。終わりっす……というわけで、おさらばっす! この島で、どっか住めるとこ、探すっす」

「ああ、さようなら! それから、ありがとうよ。わざわざ教えてくれてなあ。気をつかってくれて、ほんとにありがとうよ! おばさんにもよろしくな。……こら、ネズミをかまうのはやめんか、ジップ! こっちに来て、おすわり!」

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みんなで水をさがすため、バケツやナベをもって島に上陸しました。

ツバメはそのあいだ、休憩です。

「この島の名前はなんじゃろうな。気持ちの良さそうなところだ。ほら、あんなにたくさん鳥がいる!」

先生が、山を登りながらそう言うと、ダブダブがいいました。

「だって、カナリア島ですから。カナリアが鳴いてるの、聞こえません?」

先生は立ち止まって、耳をすませました。

「なるほど、たしかに……そうか! わしがバカだった。カナリアに水のありかを聞けるかな?」

この島のカナリアは、全員、ジョン・ドリトル先生のことを知っていました。
通りすがりの鳥からうわさを聞いていたのです。

カナリアは、いつも自分たちが使っている、冷たくて、とてもきれいな水のでる美しい泉まで先生を連れていってくれました。
それから、鳥のエサがとれるきれいな草地など、この島の案内もしてくれました。

オシヒッキーは、この島に来て、大よろこびです。
というのは、オシヒッキーは船で食べていた干しリンゴなんかより、青い草の方がよっぽど好きだったからです。

ブウブウもよろこんでます。

「やったー、サトウキビだー! 野生のサトウキビがいっぱい谷にはえてるー! ブヒー!」

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しばらく、さんざん食べたり飲んだりして、みんなでゴロンと横になりました。
カナリアがみんなのために、歌をうたってくれます。

そこへ、2羽のツバメが急いでやってきました。
あわてて、とても興奮しています。

「先生! 海賊が入り江まではいっきて、先生の船をのっとってしまいました。全員で、船底に盗みにはいっています。」

「ええ!」

「でも、今、あいつらの船にはだれもいません。すぐにもどれば、海賊船に乗りこめます。あの船はすごくスピードがでるから、逃げられます。急ぎましょう!」

「それはいいアイデアだ。素晴らしい!」

先生は、すぐにみんなを呼び寄せると、

「カナリアよ! いい歌だった!」

カナリアに別れを告げて浜辺へ走りました。

海岸につくと、赤い帆を3本立てた海賊船が浮かんでいるのが見えました。
それから……まさしくツバメのいったとおりです。
船にはだれもいません。
海賊は全員、先生の船に盗みにはいっているのです。

「そおっと移動するんだ。そおっとだぞ」

全員、海賊船に忍び込みます。

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第15章 バーバリー・ドラゴン

すべてはうまく行くはずでした。
ブウブウが島でサトウキビを食べているときに、カゼさえひかなければ。

イカリを静かに引き上げ、そおっとそおっと、船を入り江から出そうとしていました。

ところが……。

「ブワックショイッ!」

ブウブウが突然、大きなクシャミをしたのです。

「なんの音だ!」

もう片方の船にいた海賊たちが、甲板に上がってきました。

「あ、あいつら、俺たちの船を!」

海賊は、先生が逃げようとしているのに気づくと、入り江の出口をふさごうと船を動かし始めました。
そこをふさがられると、先生の船は外海に逃げられなくなってしまいます。

悪党たちのボスが拳をふりあげ、海の上で叫んでいます。
このボスは、自分のことをベン・アリ・ザ・ドラゴンと名のっていました。
まるで竜のようなベン・アリという意味です。

「ハハハ! 逃げられないぜ、お客さん! さ、オレの船から下りるんだ。このベン・アリ・ザ・ドラゴンに勝てるはずがない。ほう、アヒル……ブタもいるのか。今夜は、焼き豚に焼き鳥だ! 助けて欲しかったら、知り合いに頼んで、トランクいっぱいの金貨を用意するんだ」

「ひいいいいー。ブヒブヒヒヒイイイイー!」

かわいそうに、ブウブウは涙をながして泣いています。
ダブダブは飛んで逃げる準備をしています。

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ホーホーが先生に耳打ちしました。

「あの海賊、ずうっとしゃべらせときなはれ。おもろなりまっせー。わしらのボロ船、すぐに沈んでしまいよるわ。明日の晩までには海の底、ちゅう話でした。ネズミのいうことは確実ですわ。ああ、おもろい! 船が沈むまで、ずっとしゃべらせときまひょ」

「なに、明日の晩までか? わかった。頑張ってみるよ……。えーと――何をいえばいいかな?」

ジップがいいました。

「くそっ! あいつら、こっちに呼んでください! 汚らしいゴロツキなんか、やっつけてやります。6人しかいないんだから。呼んでください! 帰ったら、となりのコリーに自慢できる。本物の海賊をかんでやったって。ね、呼んでください。やっつけますから!」

「しかし、あいつら、ピストルも剣ももってるぞ。むむ、いかんな。まずは話かけてみるか……。おい、こっちを見ろ、ベン・アリ――」

しかし、それ以上はコトバが続きませんでした。海賊が、ゲラゲラ笑いながら船を近づけてきたのです。
「だれが最初にブタをしとめるかな」などといっています。

「あわわわわわわわ、ガクガクブルブル……」

かわいそうに、ブウブウはふるえています。

オシヒッキーは、戦闘にそなえて、頭のツノを船のマストを使ってとぎはじめました。
ジップは飛びはねながら、吠えたり、イヌ語でベン・アリをののしったりしています。


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