目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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考えこむ者もいれば、議論をかわすものもいます。
あるものは、

「ココナッツを50袋!」

といい、あるものは

「バナナ100ふさがいいよ。そしたら、お金のいる国に帰っても、くだものだけはお金を払わなくてすむよ!」

とか、いってます。

しかし、チーチーは、

「そういうのは重すぎて遠くまで運べないし、くさってしまって半分も食べられないんです」

と説明しました。

「先生がよろこぶのは動物です。ぜったいに大事にします。動物園にもいないような珍しい動物をプレゼントしてください」

「動物園ってなんだ?」

みんな知らないようです。

チーチーは動物園とはなにか、説明しました。

「都会にある施設で、オリにはいった動物をお客さんが見に来るんです」

すると、みんなはとてもおどろいて、口々にいいました。

「なんとまあ、アホらしいというか、他愛もないというか、そんな幼稚なことが楽しいのかい、人間は? はぁ……牢屋ごっこがねえ」

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次は、先生に贈る珍しい動物には何がふさわしいのか、人間が見たことない動物というのは何なのかという話になりました。

マーモセットの大将が質問します。

「イグアナはむこうにいるかい」

「いますねえ。ロンドン動物園に一匹いました」

別のサルが質問します。

「オカピは?」

「いますねえ。ベルギーです。5年前、オルガン弾きに連れられていったとき、アントワープって大きな街にいました」

また別のサルが質問します。

「オシヒッキーは?」

「あ、それはいません。人間はオシヒッキーはまだ見たことがないでしょう。それを先生に贈ってください」


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第10章 この世でもっとも珍しい動物

オシヒッキーは、今はもう絶滅しています。
どこにもいません。

でも、昔々、まだドリトル先生が生きていたころは、アフリカの深いジャングルには少しは残っていたのです。
とはいえ、その当時にしても、とてもとても少なかったのですが。

オシヒッキーにシッポはなく、かわりにもうひとつ頭がついています。
二つの頭に、二本の鋭い角がはえています。

オシヒッキーはジャングルの奥に引きこもって、捕まえるのが大変むつかしい動物です。

アフリカの人は動物をつかまえるとき、その動物がこちらを見ていないすきをねらいます。
しかし、オシヒッキーの場合はそうはいきません。
なぜなら頭が二つあって、どっちから近づいても、いつもこちらを見ているからです。
それに、片方が寝ていても、もう片方の頭が起きていて、警戒しています。

これが、オシヒッキーが今まで一度も捕まったことがなく、動物園にもいない理由です。

今まで、腕利きのハンターや優秀な動物園の専門家が何人も、雨の日も風の日もオシヒッキーをさがして、長い年月、その人生を費やしました。
しかし、たったの1匹さえも捕まっていなかったのです。

ずいぶん昔の、その当時でさえ、頭が2つある動物は、世界にこのオシヒッキー1種類だけでした。

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さて、この動物を捕まえるために、サルが数匹、ジャングルへでかけました。

何キロも何キロも行ったところ、川のほとりでオシヒッキーのものらしい足跡をみつけました。

「この近くにいるにちがいない」

「ああ」

そこから川の土手にそって細い道を歩いていくと、高い草が生い茂っている場所にでました。

「きっと、この草むらの中だ」

「よし。じゃあ、みんなで囲むんだ!」

サルは手をつないで、高い草のまわりに、おおきな囲いをつくりました。

オシヒッキーはサルに気づきました。
なんとかサルの囲いかからのがれようと頑張ります。

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しかし、ムリでした。
オシヒッキーは逃げられないとわかって、その場に座り込み、サルが何かいってくるのを待ちました。

サルがオシヒッキーに頼みます。

「ドリトル先生といっしょに都会へいって、ショーに出てくれないか」

それを聞いたオシヒッキーは、おどろいて2つの首を振りました。

「ありえない!」

サルはオシヒッキーに説明しました。

動物園に閉じ込められるわけではない。
ただ、見物されるだけだと。
ドリトル先生はとても親切な人だけど、お金がない。
頭が2つある動物を見物できるなら、人はお金を払う。
これで先生はお金ができて、アフリカに来るとき借りた船のお金が払えるのだ、と。

「イヤなんだ! ボクが引きこもりなの知ってるくせに。人前に出るのはイヤなんだ」

オシヒッキーは今にも泣き出しそうです。


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