目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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「うわっ!」

先生は薬カバンに足をひっかけてしまい、泥のなかに転んでしまいました。

「よし、捕まえた!」

隊長はそう思いました。

しかし、この隊長の耳は、異常に長かったのです。
髪は短かったんですが。
そのため、先生を捕まえようと突進したとき、耳が木の枝に引っかかってしまいました。

あとから来た兵隊も、隊長を助けるために止まることになってしまいました。

「よし、今のうちだ!」

そのあいだに、先生は立ち上がって逃げることができました。

走って走って走りました。

チーチーが叫びました。

「やった! あとすこしです!」

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しかし、サルの国にはいる手前で、地面が終わっていました。
そこは崖になっていて、下には川が流れています。

ここが、ジョリンギンキ王国のはずれなのです。
そして、川の向こう側が、サルの国です。

イヌのジップが見下ろすと、断崖絶壁です。

「うぎゃー。どうやって渡ればいいんだ?」

「うわー! 王様の家来が、もうそこまで来てる。見て見て! また牢屋にいれられちゃうよー」

ブウブウがまたブヒブヒ泣き出しました。

ブウブウをかついでいた大ザルが、ブウブウを地面におろし、他のサルに向かって叫びました。

「みんな! 橋だ! 速く! 橋を作れ! 時間がない。隊長の耳がはずれた。カモシカみたいにすっ飛んでくるぞ。元気出して! 橋だ! 橋だ!」

先生は驚きました。
何を使って橋を作るのか、見当もつかなかったからです。

「どこかに板でも隠してあるのか?」

まわりをさがしました。

しかし、先生が次に崖の方にふり返ったとき、すでにもう橋はかかっていました。
生きたサルの橋です。
先生がキョロキョロしている間に、サルは、目にもとまらぬ速さで手をつないで、自分たちの体をつかって橋をかけたのです。

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大ザルが先生に叫びました。

「渡って! 渡って! みんな、いそいで!」

ブウブウは、怖がってます。
橋のハバはせまく、川を見ると目がくらみそうな高さです。
しかし、なんとか渡りきりました。

みんな、渡りきりました。

ドリトル先生が最後です。
先生が渡りきったとき、王の家来どもが、さっきまでいたガケに到着しました。

「ちくしょー! まてー! 帰ってこーい!」

こぶしをふりあげ、怒りの叫びをあげています。

しかし、時、すでにおそしです。
先生とみんなは無事、サルの国にはいり、サルの橋はすっかり引き上げられてしまいました。

チーチーが先生にいいました。

「サルの橋のナゾをさぐろうと、たくさんの大探検家や立派な自然学者が、ジャングルの中に何週間も潜んでいたこともありました。でも、我々は、いまだかつて、よその国の人間に見せたことはありません。有名な『サルの橋』をごらんになったのは、先生、先生がはじめてですよ」

ドリトル先生は満足気にうなずきました。

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第8章 ライオン総長

ドリトル先生は、今、目が回るのを通りこして、目玉が爆発しそうなほど忙しくなっています。

何百、何千というサルの病気をみなければいけません。
ゴリラ、オランウータン、チンパンジー、マントヒヒ、マーモセット、灰色ザルから赤いのまで、サルというサル、すべての種類がやってきます。
死んだサルもたくさんいます。

先生が最初にやったことは、病気のサルとそうじゃないサルを分けることでした。
次に、チーチーとチーチーのいとこにいって、葉っぱでできた小屋を作らせ、そこで、まだ病気になってないサルに予防注射を打つことにしました。

それから三日三晩というもの、ジャングルから、谷から、丘から、その小屋めざして、サルが続々とやってきました。

先生は、昼も夜も、ただただひたすら予防注射を打ちつづけました。

つぎに、先生は大きい小屋をもうひとつ作らせました。
ベッドのたくさんある小屋です。
病気のサルはすべて、その小屋に寝かせました。

しかし、あまりにサルの数がおおいので、看病の手がたりません。

先生は、他の動物に応援を頼みました。
ライオンや、ヒョウ、レイヨウといった動物に、看病の手伝いに来るようたのんだのです。

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ところが、ライオン族のヘッド、ライオン総長はとてもタカピーなヤツでした。
患者であふれている小屋に来たときも、肩をいからせ、上から目線でした。

ライオン総長は、先生にガンを飛ばします。

「先生よう。マジ、オレに頼んでんの? いっとくけど、オレ、百獣の王なんだけど。こんな汚ねえサル、めんどう見るなんてありえねえ。エサにもなんねえぜ!」

かなり恐かったのですが、先生はがんばって平気な顔を作りました。

「だれもエサにしろなんていってない。それに、汚くなんかないぞ。サルはみんな、毎朝風呂にはいっとる。お前の毛皮こそ手入れが足りないんじゃないか。いいか。わしのいうことをよく聞くんじゃ。いつか、お前さんたちも病気になるかもしれない。今、ほかの動物を助けておかないと、いざ困ったとき、お前たちライオンは仲間はずれになるぞ。あんまりえらそうにしてると、そういうことになるんじゃ。ほんとだぞ」

すると、ライオン総長は、鼻を高くしてこういいました。

「困ることなどねえ。ライオンは、いつも、困らせる方だ」

ライオン総長は、「決まった!」といわんばかりに、ノッシノッシと気取った歩き方で、ジャングルに姿を消しました。

同じように、ヒョウもタカピーな態度で、手伝わないといってきました。

となると、レイヨウも手伝いません。
ただ、レイヨウは草食系なので、ライオンほど高飛車なことはいいません。
足で地面をガリガリひっかきながら、

「だってぇ、看病とかぁ、したことないしぃ」

といって、ヘラヘラ笑うのです。

さあ、気の毒なことに、先生は死ぬほど困り果てました。
どうすれば、何千ものサルを、まともに世話することができるのでしょう?


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