目次
第1章  パドルビー
page 1
page 2
page 3
page 4
第2章  動物語
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
page 8
page 9
page 10
page 11
第3章  またお金の問題
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
第4章  アフリカからの便り
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
第5章  大旅行
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
第6章  ポリネシアと王様
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
第7章  サルの橋
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
page 8
page 9
第8章  ライオン総長
page 1
page 2
page 3
page 4
第9章  サルの会議
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
第10章 この世でもっとも珍しい動物
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
page 8
第11章 キモメン王子
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
第12章 医学と魔法
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
page 8
page 9
page 10
第13章 赤い帆と青い翼
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
第14章 ネズミの警告
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
第15章 バーバリー・ドラゴン
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
第16章 ホーホーは耳のプロ
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
第17章 海の情報屋
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
第18章 におい
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
page 8
page 9
第19章 岩
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
第20章 小さな漁村
page 1
page 2
page 3
page 4
page 5
page 6
page 7
最終章  ふたたび、わが家へ
page 1
page 2
page 3

閉じる


<<最初から読む

44 / 137ページ

試し読みできます
そこからは長い長い道のりでした。

みんなクタクタに疲れています。
とくにブウブウはすぐに泣くので、そのたびに、大好物のココナツミルクを飲ませないといけませんでした。

でも、食べ物、飲み物には困りませんでした。
チーチーもポリネシアもジャングルでとれる果物や野菜にくわしくて、ナツメヤシやイチジク、ピーナッツやショウガ、ヤマイモなどを見つけてくるからです。

レモネードも作りました。
木のウロにできたハチの巣からハチミツをとってきて、野生のオレンジに入れるのです。

ほかにも、チーチーとポリネシアにたのめば、なんでも手に入りました。
なくても、似たようなものを見つけてきます。
ある時、持ってきたタバコが底をつき、先生がつらそうにしていると、それすら用意してきました。

試し読みできます
夜は、ヤシの葉でテントを作り、分厚く、やわらかい干し草を敷いて寝ます。

そうこうしているうちに、みんな、たくさん歩くのにもなれてきて、あまり疲れないようになってきました。
すると、旅は、たいへん楽しいものになってきました。

夜になると、歩くのをやめて休みます。
これがまた楽しみです。
木の枝を集めてたき火をおこし、晩ご飯です。
みんな、輪になって座り、ポリネシアの海の歌や、チーチーのジャングルの話をききます。

なかでも、チーチーのかたる物語にはおもしろいものがたくさんありました。

ドリトル先生が書きのこすようになるまで、サルは自分たちの歴史の本というものを持っていませんでした。
こどもに聞かせるためには、全部おぼえていたのです。

チーチーは、おばあさんから聞いたという物語を、たくさんかたってくれました。

昔、昔、昔、とても昔、ノアの洪水よりもっと昔、人間が毛皮を着て、岩の洞穴に住み、まだ火も知らず、料理もせずにヒツジの生肉を食べていた頃の物語。
かつて、巨大マンモスや、電車ほどの長さの恐竜が山々をうねり歩き、木々のこずえをかじっていたころの物語。
そんな物語に、みんなが夢中になりました。

あんまりおもしろかったので、気がつくと、たき火の火が消えていて、あわてて新しいたき木を探しにいくことすらありました。

試し読みできます
さて、宮殿に戻った王の兵隊が、

「先生を見つけられませんでした」

と報告したところ、王は、

「つかまえるまで、帰ってくるな!」

といって、追い出してしまいました。

つまり、サルの国へ向かう先生とみんなは、もう安全だと思い込んでいたのですが、実はまだ、兵隊たちに追いかけられていたのです。

チーチーがこのことを知っていたら、またみんなを隠したことでしょう。
しかし、チーチーはもちろん知りません。

ある日、チーチーは高い岩にのぼり、上からジャングルを見わたしました。

「サルの国はすぐそこです。もうまもなく到着です」

そのとおりでした。

夕方には、チーチーのいとこや他のたくさんのサルと会うことができました。
まだ病気にかかってないサルが、沼のほとりの木々にとまって、先生のことを待っていたのです。

「キャッ、キャッ、キャッ、キャッ! キーキーキーキー」

有名な先生が本当にきてくれたとわかって、おおぜいのサルが、手をたたいたり、葉っぱをゆらしたり、枝をふったり、とんでもない大さわぎになりました。

サルは、先生の持ち物ならカバンでもトランクでも何でも持ちたがります。
大ザルが、まいどのごとく、ぐったりしているブウブウを運んでくれました。
2匹のサルが、病気の仲間に先生の到着を知らせるため、先に走って行きました。

試し読みできます
さて、王の家来どもは、なおも先生のことを追っています。
その耳に、サルのさわぐ声が飛び込んできました。

「なんだ? ――あ!」

ついに先生の居場所をつきとめました。

「いたぞ! あの医学なんとかがいたぞ!」

急いで、つかまえに来ます。

ブウブウをかついでる大ザルは、少しおくれて歩いてましたが、捜索隊の隊長がそっと近づいてくるのに気づいて、あわてて先生に知らせました。

「いかん! 逃げるんだ!」

みんなは、今までこれほど必死に走ったことはないというほど、走りました。

「まてー!」

おいかけている方も走り出しました。
中でも隊長は、死にものぐるいで走っています。

試し読みできます
「うわっ!」

先生は薬カバンに足をひっかけてしまい、泥のなかに転んでしまいました。

「よし、捕まえた!」

隊長はそう思いました。

しかし、この隊長の耳は、異常に長かったのです。
髪は短かったんですが。
そのため、先生を捕まえようと突進したとき、耳が木の枝に引っかかってしまいました。

あとから来た兵隊も、隊長を助けるために止まることになってしまいました。

「よし、今のうちだ!」

そのあいだに、先生は立ち上がって逃げることができました。

走って走って走りました。

チーチーが叫びました。

「やった! あとすこしです!」


読者登録

麻野一哉さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について