目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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ポリネシアは、そおっとそおっと中にはいると、ベッドの下に忍びこみました。

「コホン」

せきをします。
ドリトル先生そっくりのせきです。
ポリネシアは人まねがうまいのです。

王は目を覚まして、眠そうにいいます。

「おまえか? アーミントルード」

王は、女王がダンスから帰ってきたのかと思ったのです。

「ゴホン」

ポリネシアは、またせきをしました。
今度は大きめに、男の人だとわかるように。

すると、王は体をおこし、完全に目をさましました。

「だれじゃ?」

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「医者のドリトルだ」

ポリネシアはいいました。
まるで先生がしゃべっているみたいです。

王は叫びました。

「ここで何をしておる? いったい、どうやって牢屋を出たんじゃ? どこにおる? 姿が見えんぞよ」

しかし、ポリネシアは笑うだけです。
長く、深く、楽しげに。
ドリトル先生そっくりに。

「わっはっはっはっはっはっはっは……」

「笑うのをやめて、出て来るのじゃ。すぐに。姿を見せんか」

「愚かな王よ。おぬしはだれと話しておるつもりだ。わしは医学博士ジョン・ドリトル……この世でもっとも偉大な男だ。何も見えないのは当然だ。わしは今、自分の姿を透明にしておる。わしにできないことなどない」

「……」

王はおどろいてしまって、何もいえません。

「聞くがよい。わしは今夜、おぬしに警告にまいった。わしらを解放しなければ、おぬしたちの国の人間はサルと同じ病気になる。わしは、病気を治すことも、病気にすることもできる。この小指一本動かすだけでな。だから、家来に命じて、すぐに牢の扉を開くのだ。さもないと、明日の朝、ジョリギンキの丘に太陽が昇るまでに、おぬしは、おたふく風邪になっておる」


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王はふるえはじめました。
すっかりおびえきっています。

「博士! いうとおりにする。小指を動かすのは勘弁してくれ」

王はベッドから飛び出すと走って行って、牢屋の扉を開けるよう家来に命じました。

王がいなくなると、ポリネシアは階段をそっと降りて、食料庫の窓から出て、宮殿をあとにしました。

ところが、ちょうど裏口からはいってきた女王が、窓から出て行くポリネシアを見ていたのです。女王は、寝室にもどってきた王にそのことを伝えました。

「なんじゃとー!」

だまされたとわかった王は怒り狂い、すぐに牢屋にとってかえしました。

しかし、時すでにおそし。
牢屋の扉は開かれ、中は空っぽでした。
みんなはもう逃げてしまっていたのです。

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第7章 サルの橋

女王アーミントルードは、その夜ほど怖い王の姿を見たことはありませんでした。

誰かれ構わずどなりちらして、飼いネコにも歯ブラシをなげつけます。
パジャマのまま走りまわり、兵隊を全員起こして、先生を捕まえるため、ジャングルへ送り込みました。
召使も全員、コックも庭師も散髪係も息子の家庭教師まで行かされました。

女王は、きつい靴をはいてダンスをしてきた帰りだったので、もうクタクタでしたが、そんな女王ですら、捜索隊の手伝いに行かされました。

一方、先生とみんなは、サルの国めざしてまっしぐら、全速力で森を駆け抜けていました。

でも、足の短いブウブウは、すぐにヘトヘトになってしまうので、先生が運んでやらないといけません。
トランクやカバンも持った上に子ブタも持つのは、けっこう大変でした。

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ジョリギンキの王は、兵隊を使えばすぐ見つかると思っていました。
先生にとっては知らない土地だし、道もわからないからです。

しかし、それがちがったのです。
サルのチーチーは、ジャングルにある道という道をすべて知っていました。
王の家来よりもよく。

チーチーは、みんなを森の奥深くへと案内しました。
人はまだ、だれも足をふみ入れたことのないような森の奥。
そんな奥地の、そびえる岩にかこまれた大きな洞穴に、みんなを隠したのです。

「しばらくここにいましょう。兵隊が寝にもどるのを待って、それからサルの国へ行くことにしましょう」

チーチーのことばを信じて、みんなはそこで一晩明かすことにしました。

ときおり、王の家来どものワーワーとした声が聞こえてきます。
ジャングル中、あちこち探しているのです。

しかし、ここなら大丈夫です。
この洞穴は、チーチー以外は他のサルでさえ知らないのです。

ついに、深い森にも朝日が差しはじめました。
女王のアーミントルードの疲れ果てた声が聞こえてきます。

「これ以上さがしても無駄じゃろう。帰って少し寝るぞよ」

兵隊たちが全員行ってしまうと、チーチーはみんなに洞穴から出るようにいいました。
サルの国に向けて出発するのです。


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