目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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それからしばらく、白ネズミがトランクのどこにはいれば、快適に移動できるか、みんなであれこれ検討していました……が、突然、サルのチーチーが叫びました。

「シッ! ジャングルで足音がする」

みんな、いっせいにしゃべるのをやめ、聞き耳を立てます。

すぐに、ひとりの男が森から姿を現しました。

「おまえ、そこで何をしている?」

「私の名はジョン・ドリトル。医学博士だ。病気のサルを助けるために、呼ばれたのだ」

「おまえたち全員、王様のところへ来い」

「王様?」

時間がもったいないのに、と思いつつ、先生は聞きました。

「ジョリギンキの王だ。土地はすべて王のもの。よそ者はすべて王のもとへ。ついて来い」

仕方ありません。
みんなは荷物をまとめると、男についてジャングルにはいりました。

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第6章 ポリネシアと王様

深い森の中を行くと、広場に出ました。
そこには、土でできた王の宮殿がありました。

この宮殿には、王と女王のアーミントルードと息子のバンポ王子が住んでいます。
王子は、川へサケを釣りに行っていて留守でした。
しかし王と女王は宮殿の前にある日傘のかげで座っていました。
女王は眠っています。

宮殿に着くと、王は、先生に職業とアフリカへやってきた理由を聞いた上で、こういいました。

「わしの土地を通ることは、まかりならん。何年も前、外人がこの海岸へやってきた。わしはたいそうもてなしたもんじゃ。にもかかわらず、そやつらは、金が欲しくて地面を掘りまくり、象牙が欲しくて象を殺しまくり、あげくのはて、こっそり船で逃げていきおった。一言のお礼もなしにじゃ。だから、もう二度と、外人はジョリギンキの土地は通らせないと決めたのじゃ」

王は、そばに立っている家来にいいました。

「この医学……なんとかという者と動物を連れて行け。一番頑丈な牢屋にいれるのじゃ」

みんなは、6人の家来に石牢へ連れていかれ、閉じ込められました。
窓は、高いところに柵のはまった小さいのがたったひとつあるだけです。
牢の扉は、頑丈で分厚いものでした。

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みんな、ガックリと落ち込みました。

「うえーん……ブヒブヒブヒブヒ」

ブウブウが泣きはじめましたが、

「変な声出すな。なぐるぞ!」

と、チーチーにいわれて、だまりました

 薄暗い光に慣れてきたころ、先生がいいました。

「全員そろってるか?」

「はい。たぶん」

アヒルのダブダブが仲間の数を数えはじめます。
そのとき、ワニが声をあげました。

「ポリネシアは? いないぞ」

「なんだと? よくさがすんだ。ポリネシア! ポリネシア! どこいった?」

先生が呼びかけると、ワニがぶつくさいいました。

「逃げんたんだ……ま、あのオウムらしいよ。仲間が困っているときに、ジャングルに逃げるなんて」

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「わたしはそんなトリじゃないわ」

ポリネシアの声が聞こえたと思ったら、先生のコートの尻ポケットから出てきました。

「ほら、私は小さいから、あの窓の柵をすりぬけちゃうでしょ。それで、私だけ牢屋の代わりに鳥かごにいれられたら困ると思って、王様がしゃべってる間に、先生のポッケに隠れたのよ」

「おいおい!」

先生は思わず叫びました。

「たまたま、座らなかったからよかったものの……」

「それより、聞いてください。今夜、暗くなったら、私はあの窓から抜けだします。それから宮殿まで飛んでいって、それから……えーと、とにかく、王様が私たちをここから出すよう、なんとかしてきます」

「はん! なにができるっていうんだ? たかがトリに!」

ブウブウが鼻をあげて、また泣きはじめました。

「うえーん……ブヒブヒブヒブヒ」

「たしかに、たかがトリよ。でも、おぼえといて。私は、人のことばが使えるの。それに、この土地の人間のこともよく知ってるわ」

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夜になりました。

月の光がヤシの木に落ち、王の家来がみな寝静まったころ、ポリネシアは牢の窓の柵をすりぬけ、宮殿まで飛んでいきました。

食料庫の窓ガラスが割れています。
一週間前、テニスボールが飛び込んできたのです。
ポリネシアは、その割れた穴から中に忍び込みました。

「グーグー……マロは……ムニャムニャ」

宮殿の奥の寝室から、バンポ王子のいびきが聞こえてきます。
ポリネシアは抜き足差し足で階段をあがり、王の寝室まで行きます。
そおっとドアをあけ、中をのぞきます。

女王は留守でした。
いとこの家のダンス・パーティーに行っているのです。
けれども、王はベッドでぐっすりと眠っています。


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