目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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次の日の夕方、太陽が沈むころ、先生がいいました。

「望遠鏡をくれ、チーチー。わしらの旅も終わりに近づいてきた。もうすぐアフリカの海岸が見えるだろう」

30分ほどすると、確かに、前方になにやら陸地らしいものがみえたような気がしました。

しかし、どんどん暗くなってきて、よくわからなくなってしまいました。
すごい嵐がやってきました。
稲光と雷鳴。
暴風と大雨。
高波が船を叩きます。
そして……。

バーン!

大きな音とともに、船は動かなくなり、横にたおれました。


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「どうした!」

先生が叫ぶと、階段の下からポリネシアの声がしました。

「難破かもしれません。アヒルに、外へ出て調べるよういってください」

それを聞いて、ダブダブはすぐさま海に飛び込みました。

ダブダブは帰ってくるといいました。

「岩とぶつかって、船の底に大きな穴があいてます。水がはいってきてるので、すぐに沈んでしまいます」

「アフリカと衝突してしまったのか! やれやれ、みんな、泳ぐしかないな」

先生はそういいますが、チーチーとブウブウは泳げません。

「ロープを持ってきて!」

ポリネシアが叫びました。

「ほらね。重宝するっていったでしょう? アヒルはどこ? こっち来て、ダブダブ。ロープのはしをくわえて、岸まで飛んで、ヤシの木にくくりつけてきて。もう片方は、ここにしばりつけましょう。泳げない者は、ロープを伝って陸まで行くのよ。いわゆる『命綱』ってヤツね」

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なんとか全員無事に岸までたどりつきました。
あるものは泳いで。
ある者は空を飛んで。
ある者はロープを伝って。
先生のトランクとカバンも持って行きました。

しかし、船の底には大きな穴が開いて、もう使い物になりません。
見る見るうちに、荒波にもまれ、船は岩に叩きつけられ、砕け散った木片が海の藻屑と消え去りました。

崖を少しあがったところに、雨のあたらない居心地のいい洞窟を見つけました。
嵐が去るまでの避難場所にしました。

翌朝、太陽が昇ると、砂浜に出て体を乾かします。
ポリネシアがため息をつきました。
「おお、わがふるさと、アフリカ! もどってきたよ! 思えば、ここを去って、あしたで169年だわ。なんにも変わってない! ヤシの木も、赤い大地も、黒い蟻も昔のまんま。アフリカこそ、わがふるさと!」

みんなは、ポリネシアが泣いているのに気がつきました。
ふるさとに帰ったのが、それほどうれしかったのです。

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ふと、ドリトル先生は帽子がないことに気づきました。
嵐のとき、海に吹き飛ばされたのです。

アヒルのダブダブが探しに行くことになりました。
空を飛んでいると、やがて遠くに見えてきた先生の帽子は、まるで水面に浮かぶおもちゃの船みたいでした。

帽子をくわえようとして近づくと、なんと、その中で、白ネズミがふるえています。

「なんで? あなたパドルビーにいるはずでしょ?」

「ボク、残りたくなかったんだ。アフリカがどんなところか見たかったんだよ。親戚もいるし。だから、ボク、荷物の中にかくれて、乾パンもって船にのりこんだんだ。でも、船が沈んで、ボク、すごく怖くなって。だって、ボクあんまり泳げないから。でも、とにかく泳げるだけ泳いで。でも、くたくたになって。もうだめだ、沈む、と思ったら、そしたらそのとき、先生の帽子が流れてきたから、乗ったの。だって、ボク、おぼれたくなかったから」

ダブダブは、ネズミごと帽子をくわえると、海岸にいるドリトル先生のところへまで連れて行きました。

みんながネズミを取り囲みました。

「いわゆる、『密航者』ってヤツね」

ポリネシアがいいました。

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それからしばらく、白ネズミがトランクのどこにはいれば、快適に移動できるか、みんなであれこれ検討していました……が、突然、サルのチーチーが叫びました。

「シッ! ジャングルで足音がする」

みんな、いっせいにしゃべるのをやめ、聞き耳を立てます。

すぐに、ひとりの男が森から姿を現しました。

「おまえ、そこで何をしている?」

「私の名はジョン・ドリトル。医学博士だ。病気のサルを助けるために、呼ばれたのだ」

「おまえたち全員、王様のところへ来い」

「王様?」

時間がもったいないのに、と思いつつ、先生は聞きました。

「ジョリギンキの王だ。土地はすべて王のもの。よそ者はすべて王のもとへ。ついて来い」

仕方ありません。
みんなは荷物をまとめると、男についてジャングルにはいりました。


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