目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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さて、では、そういったものを買うお金をどうするか。
ここで詰まりました。

「また金の悩みだ!」

先生は叫びました。

「まったく、アフリカが待ち遠しい。あそこなら金なんかいらんからな。うーむ……雑貨屋に頼んで、帰るまで支払いを待ってもらうか。よし、あの船乗りに頼んできてもらおう」

船乗りは雑貨屋へ行くとすぐに帰ってきました。
必要なものはすべて手にはいったようでした。

みんなで荷物を詰め終わると、水道管が凍らないよう水を抜き、雨戸を閉め、戸じまりをし、カギをウマ小屋のウマに預けます。
干し草が冬の間もつだけあるか確認して、荷物を持ち、浜へ行き、船に乗りました。

浜辺には、ネコマンマの主人が見送りにきていました。

「せんべつでさあ」

そういって、大きなプディングを先生にくれます。
なんでも、「外国にはプディングがないから」というのが理由だそうです。

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船に乗りこむやいなや、ブウブウが「ベッドはどこだ」とさわぎました。
夕方の4時になって、眠くなってきたのです。

ポリネシアはいっしょに階段をおりて、ブウブウにベッドを見せました。
壁にそって何段にもなっていて、まるで本棚のようなベッドです。

「なにこれ? ベッドじゃないじゃん! 棚じゃん!」

「船のベッドというのは、こういうものなの。棚じゃないのよ。これに登っていって、寝るの。いわゆる『寝台』ってヤツね」

「オレ、まだ寝たくないや。興奮してきた。上行って、船が出るとこ見たい!」

「ま、初めての旅行だものね。そのうち慣れてくるでしょう」

ポリネシアは階段をあがりながら、こんな歌をハミングしました。

 黒海も見たし、紅海も見た。
 ホワイト島も行った。
 黄河を見つけて、オレンジ川も夜に見た。
 今また、グリーンランドをあとにして、青い海を航海中。
 色々みたけど、あきたから。
 ジェーン、お前のもとに帰るのさ。

さあ出発という段になって、ドリトル先生がいいました。

「しまった。アフリカまでの行き方がわからん。もどって船乗りに聞いてくる!」

それを聞いて、サルの病気のことを連絡してきたツバメがあわてていいました。

「大丈夫です! 私がわかります。何度も往復してますから!」

「そ、そうか。では、チーチー。イカリをあげてくれ。出発だー!」


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第5章 大旅行

ツバメに先導され、逆巻く波を乗りこえ、航海は丸々6週間つづきました。
夜になると、闇にまぎれないよう、ツバメは小さなランタンをくわえました。
その姿は、ほかの船からは、まるで流れ星のように見えました。

南に行けば行くほど、あたたかくなってきます。
ポリネシアとチーチーとワニは熱い太陽が大好きです。
笑いながら走りまわり、「まだアフリカは見えないかな」と船から身をのりだします。

しかし、ブタとイヌとフクロウは、こう暑くてはなにもできません。
船の後ろに置いてある大きなタルの影にはいって、ハアハアと舌をだしたり、レモネードを飲んだりしています。

アヒルのダブダブは、涼を取るため海に飛び込み、船のあとからついてきます。
しかし、そのままだと頭のてっぺんが熱くなってくるので、船の下にもぐって、逆側に顔をだしたりします。
そんな調子で、火曜日や金曜日にはニシンをつかまえました。
食料の節約のため、火曜と金曜は魚を食べる日にしていたのです。

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赤道に近づくと、トビウオの群れが近づいてくるのが見えました。
トビウオは、ポリネシアにたずねました。

「これはドリトル先生の船ですか」

「そうですよ」

「よかった!」

トビウオはとてもよろこびました。

「もう来ないんじゃないかって、アフリカのサルが不安がってたんです。来ていただいてよかったです」

「あと何キロくらいでしょうか」

「ここからアフリカの海岸まで、ほんの90キロ足らずですよ」

別の時には、ネズミイルカの群れが波間をおどるようにやってきて、またポリネシアにききました。

「これは、有名なお医者さんが乗っている船ですか?」

「そうですよ」

「なにか、旅に必要なものはありませんか?」

「そうですねえ。玉ねぎが足りないかなあ」

「すぐ近くに島に、野生の玉ねぎが生い茂ってるんです。そのまま行っててください。今行って、とってきます」

イルカはあっという間に海のむこうに消えてしまいました。
そして、これまたあっという間に、海藻でできた網を引きながらもどってきました。
中には玉ねぎがぎっしりと詰まっています。

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次の日の夕方、太陽が沈むころ、先生がいいました。

「望遠鏡をくれ、チーチー。わしらの旅も終わりに近づいてきた。もうすぐアフリカの海岸が見えるだろう」

30分ほどすると、確かに、前方になにやら陸地らしいものがみえたような気がしました。

しかし、どんどん暗くなってきて、よくわからなくなってしまいました。
すごい嵐がやってきました。
稲光と雷鳴。
暴風と大雨。
高波が船を叩きます。
そして……。

バーン!

大きな音とともに、船は動かなくなり、横にたおれました。



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