目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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第4章 アフリカからの便り

とても寒い冬でした。

12月のある晩のことです。
みんなは台所の火のまわりに寝そべり、先生は自分の書いた動物語の本を大きな声で読んで聞かせていました。

突然、フクロウのホーホーがいいました。

「シッ! 何か外で音せえへんか?」

耳をすませると、誰かが走ってくる音が聞こえてきます。

バッとドアが開いて、サルのチーチーが息を切らせて走りこんできました。

「先生! 今、アフリカのいとこから連絡が来ました。むこうで恐ろしい病気がはやってるんです。みんなにうつって、サルが何百匹と死んでます。先生のうわさを聞いて、先生にアフリカに来てもらいたいって、病気をとめてほしいって、いってます」

先生はメガネをはずし、本を閉じました。

「だれから聞いたんだね?」

「ツバメです。外で雨どいにとまっています」

「火のそばにつれてきてあげなさい。寒さでまいってるにちがいない。ほんとうなら、ツバメは6週間前には南へ行ってるはずなんだ」

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ツバメがつれてこられました。
すっかりちぢこまって、ぶるぶるふるえています。
最初は少しビクビクしていましたが、すぐに体があたたかくなり、マントルピースのはじにとまって口を開きはじめました。

ツバメの説明が終わると、先生がいいました。

「アフリカかあ。行きたいなあ。ここは毎日寒いし。だが、キップを買う金があるかなあ? 貯金箱をとってくれ、チーチー」

チーチーは、ひょいひょいとタンスに登ると、貯金箱をとってきました。
中にはなにも入ってません。
1円も!

「たしか、300円くらいはあったはずなんだが……」

先生がそういうと、ホーホーがいいました。

「たしかにありました。けど、アナグマの赤ちゃんに歯ぁはえたとき、おもちゃのガラガラ買おてやりましたがな」

「そうだっけ? やれやれ、まったく、金というのはめんどうだ! いいよもう。気にするな。たぶん、浜へ行けば、アフリカに行く船くらい借りられるさ。ひとり、船乗りに知り合いがいる。そいつの赤ちゃんがハシカのとき診てあげたことがある。おそらく、その船乗りが貸してくれるだろう。なにしろ赤ちゃんを治したんだからな」

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次の日の朝早く、ドリトル先生は浜まで出かけて帰って来ました。

「バッチリうまくいった。船乗りが、船借してくれるってさ」

よろこんだのはワニとサルとオウムです。
ふるさとのアフリカへ帰られるというので、うれしさのあまり歌い出しました。

「つれていけるのは、おまえたち三匹と、犬のジップ、アヒルのダブダブ、ブタのブウブウ、それからフクロウのホーホーまでだ。残りのものたち、ヤマネとか、水ハタネズミとか、コウモリとかは、自分が生まれた野原に帰るんだ。わしらがもどるまでな。まあ、どうせ冬眠するんだ。問題ないだろう。それに、アフリカは体にあわんだろう」

オウムのポリネシアは海の長旅の経験があるので、船の積荷に何が必要か先生に講義をはじめました。

「船用のパンがドッサリいります。いわゆる『乾パン』ってヤツです。それから、牛肉の缶詰めもいります。あとは、イカリ」

「イカリはもともと船についとるだろう」

「念押しです。イカリは大変重要なものなんです。なにしろ、イカリがないと止まりたくても止まれませんからね。それから、ベルがいります」

「何につかうんだ?」

「時を告げるのです。30分ごとに鳴らせば、何時かわかります。あと、大量のロープもいります。船の上ではなにかと重宝します」

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さて、では、そういったものを買うお金をどうするか。
ここで詰まりました。

「また金の悩みだ!」

先生は叫びました。

「まったく、アフリカが待ち遠しい。あそこなら金なんかいらんからな。うーむ……雑貨屋に頼んで、帰るまで支払いを待ってもらうか。よし、あの船乗りに頼んできてもらおう」

船乗りは雑貨屋へ行くとすぐに帰ってきました。
必要なものはすべて手にはいったようでした。

みんなで荷物を詰め終わると、水道管が凍らないよう水を抜き、雨戸を閉め、戸じまりをし、カギをウマ小屋のウマに預けます。
干し草が冬の間もつだけあるか確認して、荷物を持ち、浜へ行き、船に乗りました。

浜辺には、ネコマンマの主人が見送りにきていました。

「せんべつでさあ」

そういって、大きなプディングを先生にくれます。
なんでも、「外国にはプディングがないから」というのが理由だそうです。

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船に乗りこむやいなや、ブウブウが「ベッドはどこだ」とさわぎました。
夕方の4時になって、眠くなってきたのです。

ポリネシアはいっしょに階段をおりて、ブウブウにベッドを見せました。
壁にそって何段にもなっていて、まるで本棚のようなベッドです。

「なにこれ? ベッドじゃないじゃん! 棚じゃん!」

「船のベッドというのは、こういうものなの。棚じゃないのよ。これに登っていって、寝るの。いわゆる『寝台』ってヤツね」

「オレ、まだ寝たくないや。興奮してきた。上行って、船が出るとこ見たい!」

「ま、初めての旅行だものね。そのうち慣れてくるでしょう」

ポリネシアは階段をあがりながら、こんな歌をハミングしました。

 黒海も見たし、紅海も見た。
 ホワイト島も行った。
 黄河を見つけて、オレンジ川も夜に見た。
 今また、グリーンランドをあとにして、青い海を航海中。
 色々みたけど、あきたから。
 ジェーン、お前のもとに帰るのさ。

さあ出発という段になって、ドリトル先生がいいました。

「しまった。アフリカまでの行き方がわからん。もどって船乗りに聞いてくる!」

それを聞いて、サルの病気のことを連絡してきたツバメがあわてていいました。

「大丈夫です! 私がわかります。何度も往復してますから!」

「そ、そうか。では、チーチー。イカリをあげてくれ。出発だー!」



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