目次
第1章  パドルビー
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第2章  動物語
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第3章  またお金の問題
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第4章  アフリカからの便り
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第5章  大旅行
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第6章  ポリネシアと王様
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第7章  サルの橋
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第8章  ライオン総長
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第9章  サルの会議
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第10章 この世でもっとも珍しい動物
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第11章 キモメン王子
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第12章 医学と魔法
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第13章 赤い帆と青い翼
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第14章 ネズミの警告
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第15章 バーバリー・ドラゴン
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第16章 ホーホーは耳のプロ
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第17章 海の情報屋
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第18章 におい
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第19章 岩
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第20章 小さな漁村
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最終章  ふたたび、わが家へ
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ある日の午後、ドリトル先生は熱心に書き物をしていました。

ポリネシアはいつものように窓にとまって、庭でゆれている木の葉をながめていましたが、いきなり大きな声で笑い出しました。

「どうしたね。ポリネシア」

先生は書き物の手をとめました。

「ちょっと考えてたんです」

ポリネシアはそういうと、また木の葉に目をやりました。

「なにを?」

「人間のことです。なんだかねえ……。人間は自分のことを一番えらいと思ってますよね? 全然、動物のことばをおぼえないくせに。何千年たっても、わかるのは、『犬がシッポををふってるときは喜んでる』だけなのに。バカバカしい!」

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「やっと先生が最初ですよ、私たちみたいに話せる人間は。あー、腹が立つ。なにが、『モノいわぬ動物たち』だ! お前の方こそモノいうな、だ。ふん!」

それからポリネシアはしばらくだまっていましたが、またゆっくりと話しはじめました。

「……知り合いに、7種類もの方法で、『おはよう!』がいえるインコがいるんです。それも口を使わずに。世界じゅうのすべての国の言葉も話せるんです。ギリシャ語も話せます。あるとき、どこかの年とった、えらそうな大学教授がこのインコを飼おうとしたんです。でも、長くは続きませんでした。インコからききました。その教授、まちがったギリシャ語を教えてたんですって。見てらんなかったって。……あのインコ、どうしたかなあ。ときどき思い出します。地理だって、だれよりもくわしかったんですよ。ああ、もしも。もしも人間が空の飛び方を覚えでもしたら、スズメくらいの飛び方でも、いばりちらすんでしょうね!」

「お前さんはかしこい鳥だ。いったい何歳になったかな? オウムと象の中には、そりゃもう、とても長生きするのがいるというが」

「正確なところはおぼえてません。182歳か183歳かのどっちかです。最初にアフリカからイギリスに来たとき、のちに王様になるチャールズ王子が、まだカシの木でカクレンボをしてました。たまたま見たんですけど、とても怖がりのようでした」

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第3章 またお金の問題

そうこうしているうちに、先生はまたもや金持ちになりました。
妹のサラも新しい服が買えて満足そうです。

患者の中には、病気が重くて1週間ほど入院していく動物もいます。
そういった患者は、よくなってくると、庭の芝生のイスにいついたりして、治ってもなかなか帰りたがりません。
先生やこの家が、とても気にいってしまったのです。
先生もお人よしなので、いさせてほしいと頼まれると断り切れません。

そんなこんなで、動物の数はますますふえていきました。

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ある日、こんなことがありました。

夕方、先生が庭のフェンスに腰掛けて、パイプをふかしていた時のことです。
イタリア人のオルガン弾きが、サルをヒモで引っ張りながらやってきたのです。
先生はそのサルを一目見て、首輪がきつすぎるのと、汚れていて、つらそうにしているのがわかりました。

先生はサルの首輪をはずすと、イタリア人に1万円札をつきつけて、いいました。

「どっか行け!」

イタリア人はカンカンに怒りました。

「これはオレのサルだ」

しかし、先生はいい返しました。

「行かないなら、その鼻にパンチだ! へし折ってやる!」

先生は背は高くないけれど、力は強いのです。

イタリア人は文句をいいながら去っていきました。
サルは、居心地のいいドリトル先生の家に住むことになりました。

ほかの動物は、このサルのことを「チーチー」と名づけました。
これは、サル語で、「赤毛」とか「元気」とか「しょうが」というような意味の、ありふれたことばです。

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またある日、こんなこともありました。

パドルビーにサーカスがやってきたときのことです。
サーカスに、クロコダイルという種類のワニがいたのですが、このワニがひどい虫歯になり、夜中に抜け出して先生の庭にやってきたのです。
先生はクロコダイルのことばでワニと話すと、家にいれてやり、虫歯を治してあげました。

ところが、このワニは先生の家のすばらしさに気づいてしまったのです。
先生の家には、どんな動物にとっても、居心地のいい場所というのがちゃんとあるのです。

ワニは自分もこの家に住みたくなったので、「魚を食べたりしないから、庭の池にいさせてください」と、たのみました。

サーカスの人たちが連れ戻しに来ましたが、あまりにも暴れ狂うので、おそれをなして帰ってしまいました。
でも、家のみんなに対しては、とてもきちんと紳士的にふるまいます。

しかし、ペットのイヌを連れてくるおばあさん連中は、ワニが怖くてたまりません。
お百姓も、連れてきたヒツジや子ウシが、ワニに食べられてしまうと思いこんでいます。

しょうがないので、先生はワニにいいました。

「すまんが、サーカスにもどってはくれんか?」

すると、ワニは大粒の涙を流します。

「どうかここにいさせてください」

そういって、強く強くお願いするのです。

こうなると、先生も帰すわけにはいきません。


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