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つつじと茶、青空

車の扉を開くと

甘いつつじの匂いが香る

乱れた季節の年の

温かな五月

一度目を閉じて

次に目を開けたら

幾つもの時間が過ぎ去って

残るのは今

天の廟の中で

おかしさと楽しさがこみ上げてきて

ほんのちょっぴりの寂しさの後味

つつじの色が

季節が変わっても

あざやかに残り続けるように

一緒に時を重ねて

年月を過ごした人達の

笑顔と声と

悲しさや怒りでさえも

その全部を記憶して

一杯の緑茶と

青い空


あの

あらあら新たを菖蒲が殺めて

幾ばくか薄弱な慈しみは何処か

うとうとと問うて疎い凍土に

延々たる灼熱の永遠なる洋々

追う王の魚の音の戸の

かんかん叩きつけられる怒った金鎚

きいきい揺れる生糸の奇異さ

くすくす笑って竦む楠木の屑に

けろっとして計測された経験に

昏々と眠り続ける狐

さらさらとさらわれて去っていった羅紗の

しわしわな和紙の鷲は輪になり

するする登って居留守で留守さ

せこせこ狸とせこせこそこの

そろそろ揃える揃わぬ草紙

ただただただいま只の今まで

ちりちり積もる理知の塵

つとつと努めて訳知り顔の

手と手の隣は通せんぼ

滔々と問うて等々うとうと

なんとなく泣いた言い訳を言うまでもなく

偽物の中にはその中の存在意義が無くて

ぬるっとして溶いたくすみの

ねえと言って問いかけられたら素知らぬ振りをしなければならぬという

野は淀んだ濃を良く知る

去り際の渦巻きとかげ


春の空

春、崖に立って

砂浜に押し寄せる波をみていた

ふと、振り返ると

パンが焼けていた

空は青い


誰にも言わずに

好きだった風景を

雪が隠した

そっと降り注ぐ

見慣れた路の

objectを連結して

新しい世界が輝く

今日の出会いが

思いもよらない

世界を創る

いつまでたっても

達成されないように

いつまでたっても

遊べるように

雪をふむ

雪は降り注いで

その足跡を消したが

大地を踏みしめた

彼の感覚は

いつまでも残る


おわりに

最後まで読んで頂き、大変ありがとうございました。

2013年から2015年の詩は、若干の重さと、次につながる淡い明るさのようなものが見えている、そういう詩が多かったかなと感じます。こうしてまとめられるようになったということそれ自体は、それらの雰囲気から、一歩進んだということのあらわれのような気もします。

詩を書くということが、こんなに長く続く趣味になるとは、全く思っていませんでしたが、実は今でもまた時折詩を書いています。今回は過去に書いた詩を纏め直した本でしたが、もしこの詩の続きを知りたいという方がいましたら、「詩的雑記から」というブログで、時折更新していますので、そちらの方をチェックしていただけたらと思います。

なお今回、表紙の絵は、KICHIさんというイラストレーターにお願い致しました。クラウドソーシングで表紙の絵を公募して、その中から自分と感性の合う方をみつけるという作業は、初めての体験でしたが、非常に面白いものでした。KICHIさん、どうもありがとうございました。

繰り返しになってしまいますが、読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。3年おきに書きためたものを電子書籍化していく計画ですので、さぼっていた分、次は、来年2018年の予定です。もし次も読んでみたいと思いましたら、また宜しくお願い致します。それでは。

 

Link

詩的雑記から http://poet.my-memos.com

 

 

 


この本の内容は以上です。


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