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ばしょ

心が在る場所

砂の上の

氷河の上の

林の中の

海の底

心から笑うことを

忘れたRⅡDⅡ

肩の上には

小鳥が訪れ

日々の挨拶

何かを求めた

眼差しの先に

かつて

身近だったものを

みつける

嗚呼、と歩く

行者の中にも

雨宿りの一椀


花束

どういうことで

あっても

雪は溶けて

風が吹く

新しい芽は

生まれいづる

もしも今

誰かのために

酸に両手を浸すなら

私の腕も抛とう

知らぬ間に

針を呑むなら

代理しよう

揺れ動き続ける

発電機とファンの音が

耳朶を裂くなら

私も一緒に

雨宿りをしよう

望まれない働きも

素直な花束

海の鮭


無題 3

淀みのないもの

小さな虫の鳴きごえや

蛍の光

昼間の暑さが柔らいで

透き通った匂い

遠くの花火は

彩りを添えて

後から奏を打つ

流れない時間の終わりに

そっと手をとり

慈しむ


交換できないこと

訪れた人の記憶

交わした言葉

時折の衝突

喜びと温かさ

いつか

もうすぐ死ぬ

それは誰も変わらない

けれど

それが一層

光を注ぐ

いくつになっても

種をまき続けること

明日へと枝を伸ばすこと

一周まわった

楓の葉は

意識のひとつで

元通り


étude

前に進んで

砂塵は

喉を突き抜け

双葉は遠い未来の

黒髪に

風が舞う

今一瞬を通り過ぐ

揺れ動く人の étude

飛び乗った列車は

反対方向で

重なりあったのは

急ぎすぎ

雲もまた

円を描いて薄まっていく

切手の消印は

夏の浜辺に

手痛い失敗

訪れる線路の微分に

肩がぶつかって

食い逸れた

春夜の海



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