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無題 4

深い青の澱みを

蜘蛛が歩く

のそのそ

誰かの気配に気づき

目隠しに隠れる

こそこそ

一昼夜の契りの後に

雲が霽れて

気持ちの良い風と

濃いめの珈琲


火は拡がり

制約を超えて

色はつながり

記憶と妙

お能の劇場の裏の

路地裏で

鳴る拍子木

他を容れるため

無辺も暖まる

柏手を打てば

七福神も

ほくほく

途切れぬ紫色


.

再生産に

熱狂に

巻き込まれず

煩わされず

のらり

くらり

ゆらり

ゆるり

方々

茫々

煌々

堂々

義理

契り

語り

切り

.


置去り

冬の厳しさに

雅楽の笛が

笑って

泣いて

垂直に打下ろした

ボールが跳ねて

螺旋で立ちどまる

離れては近づき

遠ざけたものは

夕日

駱駝も

雨音も

街も

何等かの流れも

置去りにして

じりじりと

私達を乾かす

光りのたまが

沈みゆくのを

眺める

温度は

置去りにして


それ

そうと知らずに

解く

それは

何年

何十年後

怒ること

悲しむこと

泣くこと

花が

視界に入って

それを

思い出すこと



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