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もや

海に

波がたったら

コーヒーカップをおいて

一つ息をはく

サラダの葉っぱは

スプーンですくう

いくつかの声が重なって

重なりすぎて

重くのしかかっているのなら

静かな場所で目を閉じて

十を数える

ひいふうみいよう

いつむうなあ

心から此処は

遠くもあり近くもあり

緊張がほぐれて

残った音のもやがとれる

析出


無題 4

深い青の澱みを

蜘蛛が歩く

のそのそ

誰かの気配に気づき

目隠しに隠れる

こそこそ

一昼夜の契りの後に

雲が霽れて

気持ちの良い風と

濃いめの珈琲


火は拡がり

制約を超えて

色はつながり

記憶と妙

お能の劇場の裏の

路地裏で

鳴る拍子木

他を容れるため

無辺も暖まる

柏手を打てば

七福神も

ほくほく

途切れぬ紫色


.

再生産に

熱狂に

巻き込まれず

煩わされず

のらり

くらり

ゆらり

ゆるり

方々

茫々

煌々

堂々

義理

契り

語り

切り

.


置去り

冬の厳しさに

雅楽の笛が

笑って

泣いて

垂直に打下ろした

ボールが跳ねて

螺旋で立ちどまる

離れては近づき

遠ざけたものは

夕日

駱駝も

雨音も

街も

何等かの流れも

置去りにして

じりじりと

私達を乾かす

光りのたまが

沈みゆくのを

眺める

温度は

置去りにして



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