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tovo plus〜あおもりの100家族、わたしたちのこれから。[season 6] No.069

今号(70 家族目)のご家族 ▶

白濱 聡さん・奈津子さん・千紘さん・智礼さん

撮影場所 ▶ せせらぎ温泉(弘前市)

 

【インタビュー】

●2011年3月11日のこと、憶えていますか?

▶聡さん「高校教員をやっているので、あの時は学校の職員室にいました。生徒たちには教室へ行って待機するよう指示してから、職員で集まって、遠くから通っている生徒の親御さんへ連絡して迎えに来られるかを確認しました。迎えを待つ子は理科室にストーブを入れて待機させて、迎えが来られなかった生徒は職員が送っていって。生徒たちを帰宅させて、職員も18時半頃には学校を出ました。私は学校から自宅まで徒歩で通える距離なので、外に出てうちに着くまで歩いた真っ暗な道中、すれ違う車のヘッドライトだけが明るかったのが印象に残ってますね。私が小6のとき、十勝沖地震を体験したんです。あの時のようにゆっくりと大きく揺れていたから、どこかで大きな地震が起きてるんだろうなとはわかった。停電もしてるし、ただ事でないなと。うちに帰ったらロウソクがついてたのも印象的でした。」

▶智礼さん「小6の時で、帰りの会の時でした。机の下に隠れてと言われて、町会ごとにみんなで固まって帰ったのを覚えてます。」

▶千紘さん「私は中3で、塾に向かう途中の道路を歩いてたら揺れがきたんですけど、最初は自分が揺れてるんだろうなって思いました。でも電線が変に揺れてるし、そのへんの家の人が外に出てきて『震度4だって』とか、全然知らない人だったけど話をして。それですごく心配になったので家に戻りました。」

 

●その日の夜は?

▶奈津子さん「結婚式の時の大きいキャンドルを点けました。カセットコンロでお湯を沸かしたり、ガスも使えたので鍋でご飯を炊いたり。テーブルに布団をいっぱいかけて、こたつみたいにしてみんなで寝ました。」

▶智礼さん「ケータイのワンセグが使えたので、それで津波の様子を見ました。」

▶聡さん「前の年の夏、家族で宮古へ行った時に通った景色が波に飲まれていて、言葉が出ませんでしたね。その他の情報も車のラジオで知ることができました。」

▶奈津子さん「それまで、大きな災害は自分たちの身近にはこないだろうという思いがどこかにありました。でも実際に、東北で今まさに起きているという映像の中の光景は衝撃的でした。」

 

●震災後変わったことは?

▶奈津子さん「家具の配置や設置に気をつけるようになりました。倒れないよう突っ張り棒で固定したり。電池や缶詰も備えておくようになりましたね。それから、あまり連絡をとっていなかった親戚から震災の時は大丈夫かと連絡がきて。それで返事をしてやりとりしたのをきっかけに、近頃のひどい雨や台風なんかの時も連絡しあうようになりました。遠くの親戚や友人とのつながりが再確認できたなと感じます。」

▶千紘さん「実は当時前期の受験に失敗していて…(笑)そのショックがあるうちに地震があって、でも逆に『負けてたまるか』っていう気持ちになれたんです。電気点かなくても勉強できる!!とか(笑)元々負けず嫌いではあったんですけど、もっと強くなったかんじがしました。あとは…これからもし一人で別のところに暮らして地震が来たとして、咄嗟の時に一人でなんとか出来る自信がないので、普段から油断せずいようって危機感をしっかり持てるようになったかなあと思います。」

 

●10年後のご家族のイメージは?

▶聡さん「あまり変わらなさそうな気がする(笑)」

▶智礼さん「10年前と今もあまりかわってないよね(笑)」

▶千紘さん「私自身のイメージとしては、自分の力で生活をしていけるようになっていたいなと思います。家族には元気でいてほしいし…とにかくみんな健康で(笑)」

▶奈津子さん「子供たちが結婚して家族が増えても、みんなで温泉行ったりして、のんびりしていたいと思いますね。」

 

【取材後記】ご家族でよく温泉を利用されるという仲良しファミリー。撮影場所も、許可をいただき行きつけの温泉前で。奈津子さんや千紘さんのエピソードにあるような震災をきっかけに生まれたプラス要素が、自分自身の成長や変化を振り返った時にあの時のことを思い出せる鍵になるんだと思います。変化を振り返り、風化させることなく、これからにつなげる、ご家族にとってtovo plusの取材がプラス要素のひとつになったらいいなと思います。(今号No.069のインタビューと撮影:坂本小雪)

 

【寄付総額】2011年6月〜2017年10月23日まで「¥5,708,704」を、あしなが育英会「あしなが東日本大震災遺児支援募金」へ寄付することができました。ご支援に深く感謝致します。

 

【定期購読のご協力を!】1年間の定期購読を承ります。1,800円(送料・寄付含)/1年間(12号)です。このフリーペーパーは定期購読の皆様のご支援で発行されております。ご支援の程、宜しくお願い致します。ご希望の方は、ウェブショップ(http://shop.tovo2011.com)よりお申し込みください。


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最終更新日 : 2017-12-05 21:19:57

この本の内容は以上です。


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