愚問の誉れ/集団カンニング大作戦
35歳のときのだった。
世の中、知らないと損をすることばかり・・・
「せめて、わたしと出逢った人には損をさせたくない」 がモットー で、これまでの体験を生かす人生を選びたかった。
大手生命保険会社勤務2年目 (当時は生損保分離・時代)に、独自で損害保険会社の代理店普通資格を修得し、コンサルタント会社も設立、三足の草鞋(わらじ)状態。
保険会社は、売り上げ本位で鼻につく業界・・・
そのようにしか思えなかった。
本社の管理職とも激論を交わし 「異端児扱い」 されていたが、管理職からプランニングの相談を受けることも多かった。
“本当の意味で、顧客本位のプランニングを実践”
銀行からも依頼があり、セミナー講師を務めたりしていた。
そんなとき、態勢を根本的に変える必要があったが、その壁は厚く見通しも悪く、断り続けていた支部長だったが、やる気のある職員を守るために引き受けざるえない状況となった。
営業所の掲げるグラフは 「契約保険金額を知るためだけ」 のもの・・・
月末になれば 「契約ゼロ」 など許されず、仕方なく必要のない保険に家族を加入させる者も後を絶たなかった。
頑張ってもゼロのときもある・・・
至る過程の内容が重要で、わたしの支部だけしかできなかったが、契約に至らなくても反映するグラフを掲げ、ケースバイケースのノウハウを学ぶことを重要視していた。
中級試験をクリアしていないと、居心地の悪い空気が営業所に漂いはじめた。
わたしの支部でも、52歳の最年長者1名が修得していなかった。
上級試験合格者であっても知識の活用は皆無、実践で利用できる知識を養うための受験目的とは掛離れ、試験に合格だけの目的が現状だった。
どういう訳か、合格してる試験を何度受験してもOKで・・・
それなら、わたしは意を決して
『答えをみせてあげるから、中級試験を受けよう』 と、集団カンニング奨励の一声で、営業所のベテラン5人 (52歳~58歳)を引き連れて、受験することになった。
万が一を考え、その旨を所長に告げる。
本社からお尻を叩かれ続けていた彼は
「やってくれるか “そいつは助かった”」 と、二つ返事で同調。
試験官は見過ごしてくれたのか・・・
大胆なカンニング作戦は成功を収め、5人は100点。
わたしは小細工で90点だった。
できることを…できるところから…
【印税は「ユニセフ/国連児童基金」へ寄付しています。】
ユニセフへの送金は、印税の合計金額が 「¥10000以上」 もしくは
「着金後、6カ月経過」 の月末に行います。