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算命学余話 #R46 (page 1)

 オレオレ詐欺に代表される老人を狙った詐欺事件は、当局が呼び掛ける防御策の先を行って日々進化を遂げています。その驚くべき対応力には舌を巻くほどです。この柔軟かつ迅速な対応力を社会貢献のために駆使してくれたら、どんなに素晴らしい世の中になることでしょう。しかし実際には彼らは反社会的活動のために日々努力を重ねています。

 実に惜しいことですが、算命学は陰陽論なので、こうした詐欺団もまた人間社会の一端には違いない暗部で各々の星を輝かせて生きているのだと認識しています。必要悪だとは言いませんが、そもそも富の偏りがこうした事件を引き起こしている原因なのです。金を余らせた老人がこれほど多くなければ、詐欺に引っ掛かる老人だって多くはないはずです。

 一方詐欺師たちは被害者の老人たちより若いし、且つ貧乏だからこうした犯行に及ぶわけです。背後には経済格差があり、その差を埋めるために若者たちは知恵をしぼっている。老人はというと残念なことに、老齢ゆえに知力体力共に衰退の一途を辿り、血気盛んな若者に対抗するには知恵も力も足りません。

 

 人の脳は年を取るほど人を疑いにくくなるそうです。ドーパミンの分泌量が年齢と共に減少することで、自分で意思決定することの喜びが得られにくくなり、そのため万事他人任せにしがちになり、疑うことをしなくなると。そもそも人を疑うという作業は、脳に負担のかかる行為なのです。脳の多くの場所を同時に活動させなければできない作業なので、頭の動きの鈍い人ほど疲労を感じやすく、疲れたくないばかりに容易に人を信じるようになる。これが老人が簡単に詐欺に引っ掛かるメカニズムというわけです。

 しかしこのメカニズムが正しいならば、別に老人でなくとも脳の動きの鈍い人は「疲れたくない」ばかりに安易な方向へ流れやすく、より頭を働かせている人たちに先を越され、場合によっては犯罪の被害者となることも否めません。

 私は勝ち組・負け組といった所得で人の優劣を量る価値基準には与しませんが、誰だって頭のいい人の方が頭の悪い人よりいいに決まっているという意見です。それは、疲れるのを嫌って怠けている人間が、苦労を厭わず努力を続けている人に後れをとる世の中は正しいと考えるからです。だから学校では頭のいい子が(性格がサイアクでもなければ)人気があるし、結婚相手にふさわしいのは間違っても愚鈍な男女ではないし、我が子には賢い大人になってほしいから教育にも気を使う。獣のように食事と睡眠と生殖行為以外に能のない人間を忌避するのは当然のことです。

 

 このテーマではいろいろ言いたいことがありますが、端的に言うなら、現代人はもっと物事を疑って脳みそを活性化させろということです。昨今は何でも鵜呑みにする人が多すぎます。詐欺のシナリオからテレビドラマのシナリオ、政治家が描くシナリオ、著名人が語るシナリオを、どうしてもっとツッコまないのでしょう。きっと老人でもないのに脳が疲れを拒否して考えることや疑うことを辞めてしまったか、そもそも習慣がないとしか思えません。そんな人の脳は詐欺に引っ掛かる哀れな老人並みに衰えています。

 そんな人と付き合うともらい事故をしますから、距離を取った方がいいと周囲は気付く。つまり脳みそをいくらも動かしていない人は敬遠されるし、そうあって当然です。自分が可愛いなら、もっと脳みそを使いましょう。疲れる作業をしましょう。安易な儲け話や結婚話を疑いましょう。ボケに気付いてツッコミましょう。そして信じるに足る人や情報だけと親しく付き合いましょう。世の中に詐欺団が滅びもせずに活躍しているのと同じくらい、信じるに値しない人間もまた大勢生息しているのですから。

 

 さて今回の余話は、昨今世間を騒がせている猟奇殺人事件についてです。といってもまだ罪状も確定していませんし、事件の真相はまだまだこれから解明されていく段階ではあります。しかしたまたま容疑者の生年月日が公開されていたので(こういう個人情報をまだ刑も確定していない未決の段階でメディアが勝手に流してしまう社会に、私は不快感を覚えています)、宿命を出してみたところ、なるほどと思われる点がいくつかあったので、そのごく一部を取り上げてみようと思います。

 毎度毎度くどいようですが、この命式だからといって全員が猟奇殺人犯になるわけではありません。殺人犯の数を考えれば、殺人を犯さない普通の人々の方が圧倒的に多いことは自明です。従って、人が殺人に至るまでにはさまざまなステップを踏み、ハードルを越える必要があるのだと認識すべきです。そのステップやハードルの詳細については、今後警察や検察が解き明かしてくれるでしょう。

 ここでは、算命学の自然思想に基づき、自然風景からその人の人となりを分析してみます。あまり詳細な分析ではありませんが、鑑定技術に関わる内容なので購読料にご注意下さい。


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最終更新日 : 2017-11-07 18:03:09

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