閉じる


<<最初から読む

17 / 18ページ

【試し読み版】 死への目撃者 (16/16)

「事件とは関係ないと思うがな……だけど、和伊らしいっちゃあ和伊らしい着眼点だな。まあ、好きにすればいい。どうせお前は、今はオレの部下じゃない。遊軍っていうぐらいなんだから、好きに飛び回って捜査してくれればそれでいい」

「ありがとうございます」和伊は頭を下げた。

「報告だけはマメに出しておけ。3班の連中も、ああ見えて、お前のことはずいぶん気にはしているんだ」

「分かってます」

「コーヒーご馳走ちそうになった。またおごってくれ」

 二見は、カラになったコーヒー容器を、コンビニ入口横のゴミ入れに投げ込んだ。タバコの吸い殻は持参の携帯用吸殻入れに収納し、ポケットに仕舞い込む。

「いつでもどうぞ」

 和伊は一礼して二見を見送った。

 コーヒー一杯でこれだけの情報を入手できるなら、何十杯だってご馳走したい気分だった。

「3班の先輩方によろしくお伝えください」と二見の背中に言い伝えるのを忘れなかった。

 

 

「刑事さんが? でも、殺人事件とミナちゃんとは無関係だって、前に言われたんでしたよね?」

 糸川百子は受話器を手に首を傾げていた。電話の相手は、光の友ホームの桑原院長である。今、いきなり警視庁捜査一課の刑事がミナを訪ねてホームに来ているのだという。

 ミナがデッサンした人物画が殺人事件の被害者だったことを知った日の翌日、つまり今から1週間前に、ミナと桑原は、田無警察署に出向き、デッサン画の件を応対した警官に説明していた。その後、殺人事件の捜査本部がある八王子警察署からも担当刑事がホームに出向き、彼らに対しても詳細を話したのだった。ところがその際、担当刑事は、ミナがデッサンした日時が殺人事件の2日前だったことから、事件とミナの関係性はゼロと判断し、帰っていったのだと桑原から聞かされていた。

 それなのに、また来るなんてどういうことなの?


製品版につづく


17
最終更新日 : 2017-11-07 16:22:21

製品版のご案内

閲覧ありがとうございました。

 

サンプルはお楽しみいただけましたか?

製品版は、Amazon Kindle ストアにて配信中です。

(Kindle Unlimited 読み放題対象)

 

Amazon Kindle ストア内の本作品ページにある「無料サンプルを送信」をご利用いただきますと、ほんの少しですが、これより長いサンプルをお読みいただけます。

こちらも、ぜひ、ご利用ください。


18
最終更新日 : 2017-11-15 23:24:09

この本の内容は以上です。


読者登録

新波出版さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について