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相棒

 テレビ番組の『相棒』を俺は幾ら見ても中々その内容を思い出せない事がある。「こうなるのは俺だけか?」と思い他人に訊くと、その他人からも同様の返答が在った。特に「話」の導入部辺りや、その中盤の内容を思い出せない事が多いもしかするとこの『相棒』の制作方針の一つに、

―「何度見ても又新しく見る事が出来るようにと、興味を引きながらも同様のマンネリ化した様な内容展開を視聴者に見せ、その視聴者が一度見た『話』でも『あ、これどんなのだったっけ?』等ともう一度見る行為を誘える、『敢えて記憶に余程に残らない内容展開』を以て成せる隠れた効果を含める」―

という狙いが在るのか。もし在るとすればこれは、「視聴者が自分の記憶を甦らす為に取り敢えずもう一度見る」という「同じ『話』でも取り敢えず視聴者に視聴させる事が出来る試み」と考えられる。詰り、視聴へのリピーターを確保した上で、視聴率を稼ぐ事が出来る方針試みと考えられる。


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西洋風

 俺は自作の根底に「西洋風」があると言った。それは俺が聖書を知り、その聖書の内容が俺の作品の根底に根付くからである。母が所有していた聖書を、俺は今聖書を読む時に使用している。この聖書の表記法描写法が自分に一番しっくりくる。口語訳聖書である。

 


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私信

 俺には「これぞ!と決めた女に必ず嫌われる自信」がある。この度合はこの世の誰にも敗けぬ。何故か知らぬが必ずそう成るのである。これまでを生きた上での、俺による「私信」である。恐らく、俺と女の在り方がそうさせる。

 


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大阪・大阪人への憧れの破綻・自滅

(二〇一五年一月一七日《一七時一三分》記)

 俺は大阪の人間空虚に憧れていた。しかしそれらは皆潰えた。大阪人により、潰されたのだ。大阪人は、皆利口ではなかった。いや俺の周りに来る輩が利口でなかった。皆どこか老人のようである。皆どこかで諦めている。旧い囲いにずっと籠っては、外の世界を幻(ゆめ)に見ている。そうして何もしない。幻(ゆめ)への努力に一歩も出ない。幻(ゆめ)は夢へ翻(かえ)せる。この実を、大阪人の大抵が知らぬ。俺の周りに集う者は皆知らぬ。芸術肌も一人も無い。どこかで言葉を遮り、夢の調子を落調(らくちょう)させる。ひどく詰らぬ人間達だ。故に、そうした大阪人の影響故に、俺の大阪への憧れは皆「虚無」へ降(くだ)った。分っている。人の言に左右される虚無をも知っている。知っているが、俺も人間にある。人の言葉と態度は、俺の弱った時に大きく響く。そう今は弱った時にある。俺はこの弱った時に、これまで対峙した大阪人を、見知らぬ処へ葬り去って独歩した。都会。大阪人は、大抵が狭い常識(かこい)の檻(うち)に生きているのだ。ただやはり、それでも両親と過ごしたあの都島桜ノ宮での、少年期を通った思い出だけは、自分のロマンスを以て活きている。俺の「ロマンス」は俺だけのものだ。これを分かつ人は居ない。故にロマンスは、自ず一人で味わうものとなる。これは俺が持つ全てのロマンスに通じる。これを共に味わえる女が一人、欲しいのだ。複数要らぬ、一人でよい。俺は神にそれを願う。この者は恐らく、俗世の人ではないかも知れぬ。俗世の女は皆朽ち果てた。俺の周りで朽ち果てた。少しでも可愛い女は俺に見向きもしない。その可愛さは、他の男へ必ず寄り着く。俺の元へその可愛さが寄るという定めが、初めから無いのだ。この事は自然のように堅く立つ。俺にとって、全く可愛くない女だけが、予定調和を通じ俺に一瞥し、それから付き回る。これは時に、いい迷惑になる。俺の元へ好かない女が寄るという定めは、初めから在るのだ。この事は、初めから用意された俺の性格より成る。半世紀を活きて、これを覚った。この初めから在る約束を、半世生きた俺は覚らねばならない。故に、この事が俺にとっての真実と成る。この事に、誰も何も言えない。解決を言得ない。半世を生きて、俺の周りで俗世の女は皆死んだのだ。

 


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目次

1.    相棒

2.    一瞥

3.    事前の表象

4.    現代人の質

5.    俗世文学との訣別

6.    西洋風

7.    私信

8.    俗世での競争

9.    純粋

10.  下卑た女

11.  俗世の女

12.  俗世でよくする事

13.  男女の集いの違い

14.  大阪大阪人への憧れの破綻自滅

15.  俗世では…

16.  或る死去

17.  無題の女性(おんな)に対して

18.  天川文庫の理解され不能

19.  改革派の特定の者らと居ると

20. 


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