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中小企業と大企業の違いを選挙(政党)からみる

今度の選挙では、いきなり新たな政党が立ち上げられてビックリしま

したが、それぞれ事情があるのでしょうが、有権者にはさっぱり理由

や背景がわかりません。

 

しかし、新たな政党の立ち上げは、企業を創業する場合のケースと重

ね合わせてみてれば面白いのかもわかりません。

理由は、この度の政党の立ち上げは、まさに新たな企業の立ち上げに

似ているからです。

そのプロセスは、企業の創業そのものでしょうか。

そこそこ図体は大きくとも一人のワンマン経営者が創業した企業と同

じ景色がみえているようです。

経営者がひとりが突出し、人事も組織ままならい状態だからです。

トップの号令ひとつで動く様などは、中小企業そのものではないでし

ょうか。

しかも、将来は混沌としており、創業者如何では倒産(離合集散)も

ありうる状態です。

 

中小企業では、まさに日々このような状況が続いており、創業者の意

思決定によって事業の盛衰が決まっています。

組織(一応、形だけはある)や意思決定の仕組みはなく、やみくもに

トップの指示で仕事を進めているのが中小企業ではないでしょうか。

少なくとも私がみてきた範囲はそうでした。

 

政党に目を転じれば、一人のオーナーが突然姿を現したかと思いきや、

ひとりで差配し、一人でメディアの前で将来像を示し、あたかも創業

経営者が一人で激を飛ばしている様と同じです。

その足元は、組織や人事(この政党にはないですが)は形だけできあ

がっているが、すべての差配は創業者ひとでおこなっている状況でし

ょうか。

そこそこ規模がある、例えば200名前後の企業規模の会社でもこの

ような体制で事業をおこなっていることがあります。

経営者(創業者)は、たしかに図抜けた専門の実績と明晰な頭脳を持

ち合わせていますが、残念ながら事業は多くの人達に権限を委譲しな

がら拡大していくということを理解していません。

創業タイプの人間は、先ず自分にとことん心酔しています。

 

 

 

 

とうとうと将来を語ることはとても上手ですが、足元の実務を組み立

てて社員を適材適所に配置し、事業の成果を出すことができません。

とうとうと演説をしても、社員はなにをやってよいかわかりませんし、

社員が自主的になにかやろうとすると、必ず自らの意見を主張し、社

員の話を聞くこともありません。

事業がうまくいっている間は、社員も仕方なくついていきますが、ひ

とたび事業が躓くと、企業自体が一気に瓦解します。

 

この度の新しい政党についても勢いがなくなれば、創業経営者などひ

とたまりもなく吹き飛んでしまうでしょう。

大体、ワンマンの創業経営者に伴って存在する幹部たちは、創業経営

者に寄りかかって上手い汁を吸っているものが多いものです。

勢いがなくなれば、美味しいものがなくなるわけですから、途端に、

違うところへ行ってしまうことになるでしょう。

時間をかけて組織を作ったことがない人間は、このプロセスを恐ろし

いほど簡単に乗り越えますが、その後、組織の壁にぶち当たります。

企業とて同じです。

創業者の勢いでできた企業ほど長くは続かないのではないでしょうか。

選挙に勝てば、「自分の力」、反対に負ければ、「政党の体をなさな

い」という崩壊状態になるでしょう。

どちらにしても、このような成り立ちでできた形だけの組織は脆弱そ

のものです。

〇〇ファーストも組織体として非常に弱いわけですから、早晩、組織

の崩落状態がみられるようになってくるでしょう。

まさしく実務をやっていない人の典型的な「栄枯盛衰」をみることに

なるのではないでしょうか。

実務と時間軸の引き方を知らないというのが最大の理由だと思います。

まして国民は付け焼刃の政党に政権を渡すわけがありません。

政党にしろ企業にしろ、10年単位で人や組織を固めて着実に実務で

成果を出すことが必要です。

 

他方、政権政党を企業の論理でみていくと、大企業であり、人事と組

織がしっかりと確立されています。

その分、日常的な活動は、国政から地方政治まで潤沢な資金を得て活

 

 

 

 

動している大企業そのものです。

企業の側に目を転じれば、大手企業の不祥事は留まることをしりませ

ん。

人事や組織が構築されていて伝統ある大企業ですら、今の日本でこの

有様です。

大企業と同じような大政党とて、その実態は同じではないでしょうか。

時代を生きる人間がそれほど違うわけがありません。

伝統ある企業同様、伝統ある政党に不祥事が生じるのも同じ理由から

でしょうか。

人事や組織が硬直しており、組織内部で自由に活発な議論ができなく

なれば、必然的に国民から離れていき、自分ファーストに行動するよ

うになるものです。

 

メディアに掲載されていたボクサー村田選手の言葉ですが、「“ボク

シングで勝つということは相手を踏みにじって、その上に自分が立つ

こと。だから勝つ人間には責任が伴う”と高校の恩師が言っていた。

だから彼の分の責任を伴ってこれからも戦い続けます」

 

このような姿勢で生きている人がだれほどいるのでしょうか。

そういう私が一番問題ですが、なにごとも勝負に勝った後に、物事の

本質があるのかもわかりません。

 

はじめから大企業がなかったようにすべての企業は中小企業から始ま

るのです。

その前提で言えば、これから10年、20年先をみて人材を育成し、

さらに組織を構築し、おおいに議論をし、物事を決定し、実行してい

く企業や政党の出現を願わずにはおれない心境になる今日この頃です。

 

 

 


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最終更新日 : 2017-11-14 09:00:55

この本の内容は以上です。


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