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弁解

私は弁解が下手だ。
何回か、結果が意図したことと反対になってしまうことを経験した。
やっとのことでキッカケを作り、やっとのことで切り出した言葉、「あの時、ごめんなさいねぇ・・・。何だかとっても変な事を言ってしまって・・・」
「え?、そんな変な事をおっしゃったぁ? なんだったっけ・・・。」
「あ、それならいいの。忘れて下さってるなら。 あぁ良かった!私ずっといつか謝ろうと思っていたのに機会が掴めなくて・・・」
「な~に? 変な事って。イヤダァ、気になるなぁ・・・。ねぇねぇ、なぁに~?」
「いいんだってば、覚えていらっしゃらないんなら」
「やだやだ、教えて!言い出したんだから最後まで言ってよぉ!」
「あの○○の時、うっかり○○って言ってしまって・・・。誤解されたんじゃないかと後で大反省していたの。本当は○○だって言いたかっただけなのに・・・」

・・・・・・・・・・・

「・・・・・ 聞かなきゃ良かったわ! 全然覚えていないなかったのに・・・・・・」

        ★

こんな展開になり、ますます自己嫌悪に陥ったこと数回。
ほんとに私って馬鹿馬鹿馬鹿。(ばしばしばし!)

「終わった時間は取り返せない」と心に言い聞かせ、慎重に言葉を選んで話をしたり、行動したりしよう。

・・・と最近とみに決心をしているつもりだったのだが・・・。

やはりあちこちでダストを散らしているのだろうなぁ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


おばあちゃん・・・

用あって、久しぶりにベイホテルでの或る会合に出かける。


シャンプー・・・よし! お化粧・・・よし! ちょっと華やかな服・・・よし!
何時になく朝から華やいだ昂揚した気分で準備万端怠り無く・・・。

電車が少し混んでいる。
ディズニーランドに行く人達が、楽しげにさざめきあっている。
若いって良いな~。
顔も、太ももも、ぷちぷちしている。
高校生かな?。
薄化粧にピアス。
今時の高校生って、お化粧もしているんだ・・・。
座っている私の前で、ぺちゃくちゃおしゃべりで楽しそう。


あ、私の両端の席が空いた・・・。
友達同士が一緒に座れるように、私は席をひとつ移る。
「ああ、良いことをしたわ!、なんて気が利くんでしょう!私って!」

「どうぞ!」
にこやかに、おごそかに、親切心を湛えた目線で言う私。
と・・・。

ありがとう、おばあちゃん!
「うぬぬ!・・・」。
・・・・・
「おばあちゃん!・・・」
まだまだ若いとうぬぼれていたが、やっぱし・・・。
それにしても・・・。それにしても・・・。
うっうっうっ!!

うらめしい視線をおずおずと隣のお譲さんになげかけた。


でも、お隣さん、「そいでさぁ~」「いくらだったぁ~??」と
さっきの話の続き・・・。

めげているのを周囲に悟られないように、「えほん!」と咳払いをして
気持ちを整える私。


孫が「おばあちゃん~」と話しかけると、「な~にぃ~」などと
にやけているのに、「他人のあんたのおばあちゃんじゃない!」と
鼻息荒く考える事でもないか・・・。
でも・でも・でも・・・。

70歳の知人がこぼしていたセリフを思い出した。
「電車の中で、おばあさん!てよびかけられたのよぉ~!」
悔しそうに言っていたのは、もう、何年前か。


その時は「だって~。じゃ~、なんていえばいいの?やっぱりおばあさんじゃない?・・・」などと、つれない心の中。


年を重ねないと分からない事ってほんとに多い。

でも私、その方と同じ70歳まで、8年もあるも~ん!
(おんなじようなもんか・・・。)

あ~ぁ、席を変えてあげるんじゃなかった・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 


特選売り場のドレス・・・


ある超有名コーラスグループの「結成○○年記念コンサート」に友人たちとNHKに出かけた時のこと。


4人編成のコーラスグループの「バス」を受け持っている○氏の奥方が高校時代の同級生・・という縁で、皆でお祝い方々応援にいったのでした。


NHKホールでの「○○年記念特別リサイタル」ともなると、皆それなりに気を使ってドレスアップで集合。
特別席を取って貰ったことも有り、少し緊張しながら席に着く・・・。


と!


私の隣りの友人と全く同じ洋服を着た方が前の列の斜め前に・・・。
ぎゃ!
大のおしゃれさんである友人は、この日の為に探し回って手にしたスーツだそうで、みんなで「素敵ねぇ~」「お似合いよぉ」などと言い合った直後のこのアクシデントに、周囲の友人達も言葉を失った・・・。


コンサート終了後、一同で銀座での「貸し切りレストランパーティ」へと流れる。
あぁ、やっと息詰まる「攻防戦(?)」から開放された・・と安堵しながら駅へ向かう・・・なんと!その先に例の洋服(を着ている人)が!
切符売り場にいるではありませんか!


叉もや皆は固まってしまいました。
でも、それは見なかったことにしてそそくさと電車の中へ・・・。

 

これで気を使わなくて済む・・・やれやれ・・・。ふぅ~!
・・・・・・・・・と!
くだんの洋服が、私達が入る予定の「貸し切りレストラン」に先に入って行くではありませんか・・・。

 

え~~~!!???
しかも、グループごとに丸テーブルに設えられたお席がまた隣り!!

所狭しと並べられた沢山の祝賀席の、選りもよっての隣のテーブル・・・!
・・・・・・・・
誰も、一言もその件については黙したまま、パーティーは終わったのでした。

一番困ったのが、くだんの相手とこちらの体系の決定的な違い。
アチラ様が「S」ならこちらが「LL」。


同じお洋服の「体系見本市」の様。

帰り際、彼女がひとこと言った・・・「このお洋服、デパートでは特選売り場で買ったのよぉ・・・」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


生まれ変わっても・・・

ある週末の、窓から春の兆しを含んだ光がキラキラ遊んでいる穏やかな朝。
トーストにサラダ、ヨーグルトにコーヒー、それに、バナナを添えてゆっくりした朝食。


何だか、満たされた気分。

「ねぇ、私達って幸せな結婚だったよね。」
何故だか思わず感傷的になって口ずさんだ私。


「うん」と主人。


お調子に乗った私、「生まれ変わってもまた同じ生活を一緒にしようね~っ!」

「・・・・・・」


ありゃぁ?この「間」は何じゃ!

この「・・・」は予期せぬ事だったので、ちょっとうろたえる私。
「勿論 そうだね!」という返事が、当然すぐに返ってくると思っていたのに・・・。(・・;)


おもむろにいったぞ!
「もう少しゆったり過ごしたいね!」・・・。 

 

    (゚.゚)うっ・・。


わん!こりゃ参った!
いつも「ママが一生懸命何かに取り組んでいるのを応援するのが僕の喜び!」みたいなことを言ってくれていたのに・・・。


ほんの出来心で軽く言った「生まれ変わっても・・・」発言なのだから、「うん、そうしよう!そうしよう!」でいいじゃないさぁ!
そんなに真剣にならなくてもぉ!
私だって次の瞬間には「だ~れが!」という気にならないとも限らないのにぃ!


結婚以来の色々な出来事が走馬灯のように頭を駆け巡る・・・。
舅・姑・小姑(5人!)のわんさかいる家に新婚から同居して、

10人家族に揉まれ揉まれたけなげな(?)私。


一緒になってからの40年が一瞬に蘇る。


アノ時の事!この時の事・・・。
決して全てが上手く行った訳でもない越し方・・・。


でも、手を取り合い頑張って来たじゃないぃ~~。
もうしらない! (-_-;)

これは私の心の中の会話。
一瞬の動揺の間も、穏やかな春の光が窓で踊っている・・・。

「そうね。じゃ、そうしようね!」と私。

これで二人の会話は終わり。

ほ~ら・・。やっぱり私って良い奥さんでしょうがぁぁ!

あれれ、ちょっと的が外れてた・・・。
「もうちょっとのんびりと」生活するなら「OK!」という意味だったのね。


でもさ!
彼が結婚を決める時上司に報告に行ったら(職場結婚)、「彼女のような【ジャジャ馬(!)】を乗りこなせますか?」と聞かれて「勿論大丈夫です!」と見栄を切ったと聞きましたよ!(勿論、冗談でしょうが・・)
アノ時覚悟を決めたんじゃなかったの?


それにしても上司殿!何故に私を「ジャジャ馬!」と????! 信じられない!(-_-;)

そういえば某銀行に勤めていた独身時代は、「お茶」「お花」「お琴」「書道」「絵」と、一週間をフル活用。

 

しかも、寸暇を惜しんで自分の通勤用の洋服を作って「自作自演」の日々・・。


男性とのお付き合いなど「暇が無いのでごめんなさい!」だったなぁ・・。
その隙間に入り込んできた主人は確かに凄い!


結婚してからの私は、二人の息子を育てながら、主人の姑・小姑・弟嫁たちのお洋服を一手に引き受けて(洋裁学校歴は無し)頑張った!
(それが現在のドレス製作の基礎)
なにもかも手作りで育てた我が家の幸せ。


貴方の整髪も40年してあげたでしょうが・・・。 ぐちぐちぐち・・・。

「ジャジャ馬」をメトッタ貴方が悪い! (-_-;) ・・・。

あれ?やっぱり私の不利!
来世は「大和なでしこ」を・・・と希望されても仕方ないか・・・。

とつ・おいつ・心の中は右往左往。

数日後その話題に触れたら、「何?それ・・・」だって。
きまぐれな気分で何となくの返答だったよう・・・。

そうよね!そうよね!当たり前よね。
「貴方はわたしのもの」。

それにしても、こんなにナイーブで内気な私を、どうして「ジャジャ馬」なんて言ったのさ!上司どの!

40年前の事を思い出して、心の中で「リベンジ」している私。
やれやれ・・・。

 

 

 

 

 

 

 


亭主の好きな・・

このところの私の加齢現象には本当に参る!


鏡に映る我が顔のシミやたるみ。手当てをしてこなかったツケがどっと押し寄せた感じ。


PCや洋裁の仕事のメガネ着用のまま鏡を見ようものなら、

卒倒しそうな酷さ。


でも、これが私!いいのいいの・・・、おじいちゃん(主人)が何にも言わずに受け入れてくれているんだからと、最後は逃げ道を考えて諦めに入る。


「これからお嫁に行く訳じゃないも~ん!」


それにしても、よくぞこんな私を大事に思ってくれているものよ!と、主人の太っ腹(といっても、私の方が10kgも体重は重い!)に感謝!


ほんとは主人の好みは「八千草かおるさん」。しなやかなやさしい女性らしさが漂う人。わたし、密かに好みの人を知っているんだぁ。


でも、私が彼女の真似をしたところで・・・。ねぇ・・・。
自分なりには身だしなみにも気を付けているつもりだけど、この加齢現象は加速して行く模様。

 


鏡に向かい、眉を描いている時にいつも思い出すテレビでの一こまが。


ある老人施設の撮影での事、車椅子を押して散歩中のお婆さんとご主人らしき姿。
おばあさんの顔のUPで「あれ?」・・。眉毛の両方が繋がっているのだ

それも太太と。


柔和な笑顔でおじいさんの車椅子を押して楽しそうに野の道を散歩するのどかな風景が、一瞬不思議な世界に。


付き添っている看護の方が雰囲気を察して、こうおっしゃった。


「おばあさんは、おじいさんの好きなことは何でもするんですよね」


やさしく話しかけるその方に、おばあさんもにっこり。
話によると、お化粧をした太い眉をおじいさんが「素敵だよ」って褒めたのだとか。
それ以来、だんだん眉を太く長く描くようになり、ついには一直線の眉にまで発展したとか・・・。


他人の目にはびっくりするようなお化粧も、本人には「亭主の好きな・・・」の素敵な意思なのだった・・・。


それを柔和な瞳で見上げる車椅子のご主人も、何の不思議も無いかのよう・・・。

それはそれは素敵な「夫婦」の姿でした。

「亭主の好きな・・」・・・
私には絶対なれない「大和なでしこ」風女性。でも、心だけはそうありたいとは思っているのだが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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