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芽が枯れる

二階に住む孫たち二人が一階の我が家に「お泊まり保育(!)」。
たった一階下なのに、週末になるとママパパの許可を貰って
嬉々として我が一階へ。
やっぱり気分が変わって楽しいのだろう。


リビングに簡易ベッドを二つ用意しておいて、バタン、バタンとセットして一丁出来上がり。
そこでテレビを見たりゲームをしたりしりとりをしたり、本当に楽しそう。


思わず夜更かししても明日は日曜。お寝坊しても大丈夫。


昨日も例によってお泊まり。


今朝の食事はサンドウィッチと紅茶と牛乳。
朝の光さんさんと入るリビングで、こうして孫と食事をしている
おばあちゃんはし・あ・わ・せ!


・・・と・・・・、孫娘はぴが言った。


「おばあちゃんのがかれてるんだよね!」
「ん?・・・」
「だからさぁ~。おばあちゃんのめ!
かれているんだよね!」
目が枯れている?・・・」
「この前言ったじゃない!おばあちゃんの<つぶつぶ>、
枯れたから出来たんだって!」
あぁ~!、思い出した!
彼女が言う、<つぶつぶ>
<ぶつぶつ>じゃないところが大事。
つまり、顔の「しみ(!)」の事。


前にお泊りした時、しみじみ顔を覗きこんで言ったものだ。
「おばあちゃんの顔の<つぶつぶ>はなぁ~に?」
つまり、顔の年輪、「しみ」のことをいっていることに気が付いた。


ママやパパや、おにいちゃんには無いものを発見して
不思議に思ったのだろう。
ぎょっとしながらも、おもむろに話し出した。


「これはね~、はぴちゃん、
年をとると、みんな出来るのよ。ほら、葉っぱが枯れる時は
最初に少し茶色のぼちぼちが出来て、それがどんどん広がって、
ぜ~んぶ茶色くなって枯れて落ちていくでしょう?。
それとおんなじで、おばあちゃんも年をとったから、
少し茶色いつぶつぶが出来てきたのよ。」


はぴ、「ふ~ん!、じゃ、おばあちゃん、もうすぐ死ぬんだ!」


ま、待ってよ。そこまで先走られるとおばあちゃん、ぎゃふん!
それも、凄い事を発見したように、得意げに声タカラかに
いわれてみると、何やら悲しい。

そこで、最初から説明しだした。


「樹って、最初、若い芽(!)がでてくるでしょ。そして二つの若葉が
出来て、つやつや綺麗に輝いているよね!
それから、丈夫な葉っぱが出てきて、どんどん成長して
いくでしょ。
そのころがはぴちゃんとか、おにいちゃんの年の葉っぱなの。
きれいで、力強くて、みずみずしくて、・・・。
そして、大人の葉っぱになると、濃いいろの
硬い立派な葉になり、
堂々と陽を浴びて広がっているよね。
その頃がパパとママの葉っぱ。
でも、冬が近付いてくると、少しづつ茶色の
つぶつぶが出来て、そして、全部茶色になって
枯れてしまうのね・・・。
「葉っぱのフレディ」の本さながらの話をした・・・。


つもりだったのだが、4歳のはぴには、
「芽」「つぶつぶ」「死んじゃう」がインプットされてしまったらしい。
「目」は「芽」だった!

「芽が枯れている・・・」

明るい朝の陽の光の中で、彼女の目の中
には、まさに
「芽が枯れる」おばあちゃんが存在したのだろう。

光って、きらい!




白毛

今日は油絵教室の日。
いつもなら某公営局の「朝のテレビドラマ」を見終わるとそそくさと電車に乗って教室に出かけるのに、今日の私は、なんか不調・・・。


「昨日抜いた歯がぁ・・・。歯医者にもいかなきゃなんないし・・。」


ドレスも作らなくちゃな~!(一日伸ばしで切羽詰まるのはいつものこと)


雨模様なんだよな~、キャンバスがぬれちゃう・・・。


なんだかんだ理由を付けて、今日は「絵画教室」はお休みすることに。


そこで、だらだらとテレビを見ていたら、有名女性歌手と若いダンサー元夫妻の離婚の慰謝料の話題で盛りあがっていた。


「無名のダンサーをここまで芸能界で育てたのだから、離婚するなら慰謝料を一億およこし!」と40台の歌手。


ダンサーの方は、うちの次男と同じ年。


33歳で い・ち・お・く !の慰謝料!
子供が欲しいと言っても「あなたの収入で暮らせないでしょう?」と、にべも無く却下され続け、女性はどんどん「不可能な年齢」に近づき・・・。

男性は23歳で結婚しちゃったんだもの、大変だったよな~。
10年間もよく夫婦生活が続いたもんだよな~・・・。


二人が、3年位前に公営テレビに出ていたとき、隣に座った彼に、何度も「誰のお陰でここまで来れたと思うの?」と夫であるダンサーに言っていたのを思い出す。


「●●さんのお陰です!」と、その度に苦笑いしながら頭を下げていた夫。


あ、彼女は、もう駄目になりそうな予感がして強がっているな!
と直感した私。

そんなことはどうでも良いのだけれど、その討論会(?)に出席していた、さる弁護士=(元検事)の美しい女性が、アップになる度に、頭のてっぺんの巻き目のあたりに白い毛が一本、ライトに当たってピカリと光るのが気になる。


気になりだすと、UPになる場面には、その「白毛」を見つけようと身を乗り出して探してしまう私。(変なの!)


そこで気が付いた。


なんで「白毛」ってピンと立ちあがるのだろう?


加齢のあかしなので、もう少し遠慮してくれたら良いのに・・・。
何故か「白毛」のくせに、力強くて、張りがあって、逞しくて、元気良く ピン!と自己主張をしている。


思えば、私が20歳位の頃は、「60歳」年齢なんておばあちゃんもおばあちゃん、老い先短い人の様に思っていた。
昔、父母の「還暦祝い」の場面でも、「ああ、もう一緒にいられるのもいくばくか・・・」などと、密かに涙したりしていたのに、何たること!あれからもう、30年!


母は今も元気に過ごしているし(その後100歳で没)、70歳から描き始めた油絵をHPにした「けいの部屋」も発表。

(ちなみに父は77歳まで現役で急逝した)


若い時、「オバタリアン」(こんな言葉も無かった時代だが・・・)にだけはなりたくない!と、心にしっかと誓った私。
でも、自分がこの年(62歳)になって分かった事.。それは、
「白毛」と同じく、疎まれながらも逞しく、疎外されながらもどっかと根を
据えて、「抜かれるもんか!!」と頑張っている姿!
そう、白毛にも意地があるのだ!


そうだ!そうだ!
うなだれてなんていられないぞぉ~~! おおぉ~!

額の白毛を染めるのにおおわらわの私の雄(?)たけびでした。

ビデオを後でじっくり見た弁護士(元検事)さん、多分お気が付くでしょうが、あの白毛を抜かないでくださいね!







 

 

 


転勤

息子が転勤することになった。

我が家から新幹線通勤できる範囲の所なので、多分自宅から通うことになるだろうが、なかなか大変だろう。
「単身赴任しようかな・・・」などと、ちょっとわくわく感もあったりして落ち着かない模様。
羽をのばしちゃうわよ~!!などと笑いながら牽制球を投げる私。

ーーーーー
かくいう私達にも20年前にそんな転勤問題が持ち上がったことが・・・。
結局老犬の問題や息子の学校の問題などで主人には単身赴任して貰うことになった。
よぼよぼした明日をも知れぬ老犬「エリナ」を連れては転勤出来ない。
14歳のこの子は、旅行に行くのもいつも一緒、車の窓を開けて東名高速を突っ走ると、びゅんびゅん風を受けて毛をなびかせて喜んでいたが、寄る年波には勝てず、脳梗塞を患ったり心臓も弱くなってとても転任先まで連れて行くことすら出来ない有り様。
主人とは単身赴任(というかイギリス留学)は一度経験済みなので、案外気楽に送り出した私。

周囲から「一人で放っておくとろくな事はないわよん」などと脅されても、「うちの主人に限って大丈夫!」などと暢気な返事。


実際、「人畜無害度」「ルックス度」「真面目人間度」から考えて、どうみても「羽目をはずす」人には思えないのが根拠。
それに、まさか彼が浮気などする筈も無い!
というか、対象にしてくれる方など有り得ない!
と、堅く堅く信じていた私。

そんな大きな口を姉に叩いていたら、こう言われた・・・。


「あなたが結婚しても良いかな・・・と思って一緒になった人でしょ? そうだとすれば、世の中にあなたと同じ考えを持つ人がいても可笑しくないのよ」


つまり、あなた程度のお相手だったら浮気しても可笑しくない・・・と・・・。
そうだったのかぁ・・・!

それ以来、ちょっと謙虚になったMEMEでした!

勿論、二年半後には無傷で(の筈)我が元に戻って来た主人。
それからは「しょっていた」荷物を少し下ろしたMEMEになったと思う。
(かな?)

さて、息子はどうするのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


弁解

私は弁解が下手だ。
何回か、結果が意図したことと反対になってしまうことを経験した。
やっとのことでキッカケを作り、やっとのことで切り出した言葉、「あの時、ごめんなさいねぇ・・・。何だかとっても変な事を言ってしまって・・・」
「え?、そんな変な事をおっしゃったぁ? なんだったっけ・・・。」
「あ、それならいいの。忘れて下さってるなら。 あぁ良かった!私ずっといつか謝ろうと思っていたのに機会が掴めなくて・・・」
「な~に? 変な事って。イヤダァ、気になるなぁ・・・。ねぇねぇ、なぁに~?」
「いいんだってば、覚えていらっしゃらないんなら」
「やだやだ、教えて!言い出したんだから最後まで言ってよぉ!」
「あの○○の時、うっかり○○って言ってしまって・・・。誤解されたんじゃないかと後で大反省していたの。本当は○○だって言いたかっただけなのに・・・」

・・・・・・・・・・・

「・・・・・ 聞かなきゃ良かったわ! 全然覚えていないなかったのに・・・・・・」

        ★

こんな展開になり、ますます自己嫌悪に陥ったこと数回。
ほんとに私って馬鹿馬鹿馬鹿。(ばしばしばし!)

「終わった時間は取り返せない」と心に言い聞かせ、慎重に言葉を選んで話をしたり、行動したりしよう。

・・・と最近とみに決心をしているつもりだったのだが・・・。

やはりあちこちでダストを散らしているのだろうなぁ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


おばあちゃん・・・

用あって、久しぶりにベイホテルでの或る会合に出かける。


シャンプー・・・よし! お化粧・・・よし! ちょっと華やかな服・・・よし!
何時になく朝から華やいだ昂揚した気分で準備万端怠り無く・・・。

電車が少し混んでいる。
ディズニーランドに行く人達が、楽しげにさざめきあっている。
若いって良いな~。
顔も、太ももも、ぷちぷちしている。
高校生かな?。
薄化粧にピアス。
今時の高校生って、お化粧もしているんだ・・・。
座っている私の前で、ぺちゃくちゃおしゃべりで楽しそう。


あ、私の両端の席が空いた・・・。
友達同士が一緒に座れるように、私は席をひとつ移る。
「ああ、良いことをしたわ!、なんて気が利くんでしょう!私って!」

「どうぞ!」
にこやかに、おごそかに、親切心を湛えた目線で言う私。
と・・・。

ありがとう、おばあちゃん!
「うぬぬ!・・・」。
・・・・・
「おばあちゃん!・・・」
まだまだ若いとうぬぼれていたが、やっぱし・・・。
それにしても・・・。それにしても・・・。
うっうっうっ!!

うらめしい視線をおずおずと隣のお譲さんになげかけた。


でも、お隣さん、「そいでさぁ~」「いくらだったぁ~??」と
さっきの話の続き・・・。

めげているのを周囲に悟られないように、「えほん!」と咳払いをして
気持ちを整える私。


孫が「おばあちゃん~」と話しかけると、「な~にぃ~」などと
にやけているのに、「他人のあんたのおばあちゃんじゃない!」と
鼻息荒く考える事でもないか・・・。
でも・でも・でも・・・。

70歳の知人がこぼしていたセリフを思い出した。
「電車の中で、おばあさん!てよびかけられたのよぉ~!」
悔しそうに言っていたのは、もう、何年前か。


その時は「だって~。じゃ~、なんていえばいいの?やっぱりおばあさんじゃない?・・・」などと、つれない心の中。


年を重ねないと分からない事ってほんとに多い。

でも私、その方と同じ70歳まで、8年もあるも~ん!
(おんなじようなもんか・・・。)

あ~ぁ、席を変えてあげるんじゃなかった・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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