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産まれる

僕達は産まれた時、涙を流しながら産まれてくる。

そして、思い出を胸に泣きながらあの世へ行く。

 

産声をあげて産まれた僕の名前は英治至って健全な男の子として産まれた、産まれた時の事は覚えていない、けれど、いい天気だったのと母から聞かされていた、初めての出産という事で緊張していたが、それほどでもなかったと言っていた、でも、産まれてきてくれてありがとうと言ったらしいが、僕は全く覚えていない。よく笑う子供だったらしい、熊の人形が好きだったみたいだ。父に抱かれると、よく笑うのにさらに笑っていたようだ。こいつは福の神なんじゃないかとよく冗談を言っていたらしい。僕はハイハイができるようになると好奇心が旺盛で家の壁を押していたらしい。最終的にはハイハイして動かないのが嫌で泣いていたらしいが、おでこは真っ赤になっていた。机の角に頭をぶつけるのも四六時中だ。そこで母は考えた、頭に座布団を巻けばきっと頭は悪くならないだろうと、そして子供用の座布団を買い頭に巻いた、そしたら僕は、気にいらないくてママを追いかけ回したらしい、そして、座布団をとると、機嫌よくハイハイして遊んだそうだ。相変わらず壁にハイハイする癖は手と足に力がついてきた時くらいに治ったそうだ。食欲も旺盛でなんでも何か動いていないと落ち着かない子供だった。ミルクはよく泣くので多めにあげていた。それでも焦れて泣くときはよく話したもんだ、泣いたら負けよ、だって男の子じゃない、強く生きなさいって。それでも泣いていたときは母はほっぽって泣かしていたようだ。僕は子供だったんで諦めたと思ったら、すぐに何か楽しそうなことを見つけ遊んでいた。そうすると母がいいえいちゃん、なんでもわがまま言っていたら叶うってのは違うよ。ある程度我慢できるから叶った時嬉しいの。これは母の口癖だ。僕はその時は何がなんだかわからなかったが、今となっては我慢することの必要性は十分に理解している。幼い頃の教育が今になって活きているってことだろう。記憶では壁でなく、母が机を拭いている姿が焼き付いているが、なんの意味があるかはわからない、きっと僕なりの解釈をしていたんだろうけど、赤ちゃんの時の記憶ほど曖昧な事はないだろうと思うから、きっと何かの勘違いなんだろう。でも、どこかの記憶できっと夢の中にいたというのが、産まれてくるって事だろうとは理解はしている、そして今の赤ちゃんもきっと夢の中で色々な考えを持って何かを感じているのだろう。僕が歩き出すと、キッチンの音がお気に入りらしく、母の足に捕まり、トントントンというリズムで踊るのが好きだったらしい、そこで父が音楽を流すんだけど、全くダメで。母の野菜を切る音が好きらしいのだ。トントントンという音で遊んでいるらしい。ずっとトントントンを引っ張って、踊っている、どこがそんなにいいの?と聞いてみると。カエルとダンスしてるんだと訳のわからない事を言っているが、子供ながらの楽しさって楽しそうだなって思える。落書きが好きで、特に体に消せるペンがあって父に落書きをするのがお気に入りだったみたいだ。それが目を離した隙によく壁に落書きして。消せなくて、父に怒られた。そして泣いた。でも、その写真を今見ると、父も父でよく体に落書きさせたなと仕事もあるのに、父も父でしっかりしてるけど、僕のためにアホできて僕もいつか結婚した時、家族のためにバカできるようになりたいって思う。僕はウィンナーが好きで、母はよくたこウィンナーを作ってくれた。なんでタコウィンナーなのにタコの味がしないの?とよく言っていたらしいのだが。それは父と母の嘘の遊びだったらしい。


転ぶ

小学校へ入り僕は元気だったので、スポーツをやる男の子の友達が多かった。時間がある時は鬼ごっこをして、ドッチボールして、サッカーして。とにかくよく転んだ。保健の先生は痛かったら泣きなさいって言っていたような気もするけど、僕の母は男の子は泣くんじゃないと言っていた。だからどっちが正しいのかよくわからなくって、周りの男のは泣かなかったので泣かないのが正しいのかな?痛いのにと思っていた。そこで父とお風呂に入っている時聞いてみた。ねぇ怪我した時って泣いていいの?なんかみんな男の子はないちゃだめって言っているけど、そうだな、男の子は泣かない方がいいのかな、若い時はだ。若い時は?そう、いいかこの先10年の話だ、10年ってなんだかわかるか?わからない。今はわからないだろうけど。大人になった時、男は必ず泣く時が来るんだ。じゃあ泣いていいの?今は泣くな。どっちなんだよよくわかんないんだよ。じゃあこうしよう、悲しい時は泣こう、嬉しい時は泣かない。なんか難しいなそれ。時代の流れは早い、今を見るとすごいスピードで変化していく時だその時、何が大切か?なんだと思う?友達。友達も大切なんだけどな、実は自分なんだよ。遊びが仕事みたいな時代にどう生き残こるか、遊びの仕方をしっかり自分で考える事なんだ。痛い我慢できないって時は泣いていい。痛いけど我慢できるって時は泣かなくていい。いろんな事に影響されて流されるけどもっと自分に素直でいいと思うんだ。わかった、素直でいいんだね。そう、ただなんかあったらお父さんに相談しなさい。わかった。ただ友達も大切だけど家族ももうちょっと大切にしてくれるとありがたいぞ。わかったか?わかった。

そして次の日、英治は転んだ結構なスピードでそれでも英治は泣かなかった。英治痛くないか?いってー、まじいてー。つばつけとけば治るぞ。血まみれの中鬼ごっこして終わって保健室に行った。先生は痛くない?って聞いた、こんなの痛くない。そう、強いこね。でもね、父が言っていたんだ。素直になれって。それで痛いの?痛くないです。そう。消毒をしてばんそこうを貼って元気に授業へと向かった。そして女の子に言われた、その傷痛くないの?痛くないよ。ほんとうは?痛くない。強がっているだけよね。うぅ。なんで男の子って強がるの?なんで?男は強くてなんぼなんだよ。うーん、強い男か。なんか思うんだけど強さじゃない気がするのよ。社会って。男の子って強さも大切だと思う、けどね、強さも必要だし、まとめる力も大切な気がするの。まとめる力?。そう、だってうちのパパ。ちょー痛がりだもん。痛い、痛い、ここもあそこも。いい大人がよ。えっ。それなのに子供が痛くないっておかしくない?あぁーうちのお父さんが言ってた、もっと素直でいいって。それそうよ。うちのクラスの子強がっているだけ。あんたも強がっているだけよ。わかった。僕は逃げてしまった。そして友達に言った。俺ら強がっているだけなのかな?あぁ!痛いには痛いでいいんじゃないか?誰にそんな事言われたんだ。美香にだ。でもな実はだぞ、おかーさんに似た事言われたんだ。うちもだ。美香って大人だな、あー大人だしっかりしてる。そうだな確かに強がっている、もっと自分に素直でいいな。あー絶対そうでいい。よくわからないからいっぱい話し聞くぞ。おし!


えんぴつ

中学に入った。先輩がいる世界だ、最初はよくわからなかったが、だんだんと慣れ始める世界だった。部活はバスケ部に所属した。小学校の終わりにみんなで買ったえんぴつを大切に使っていたのだが、その話を先輩にしたら、そのえんぴつを持って来いと言われ持って行ったらいきなり折られた。ここじゃそういったの通用しないから。僕は怒って殴った。そしたら先輩が集まってきてボコボコにされた。先生に言おうと思ったが、仲間で仕返ししてやろうと決まったので昼休みに先輩たちのクラスに殴り込みに行った。そしたら先輩たちもどこから情報が漏れていて、逆にボコボコにされて僕達は号泣だった。あー先輩って強いな。どっからこの情報漏れたんだ。俺たち中学やっていけるのか?一回さ先輩と話さない?下手な事言うと俺たちのえんぴつも折られちまうぜ。あーそうだな。一回話そう。次の日の昼休み。先輩話があります。なんだ。なんでえんぴつ折ったんですか?あー俺お前気に食わないからだよ。そんな理由でですか、絶対におかしいです。おかしいかそれはお前だ。なんでですか?お前の服装、髪型、顔、どことってもおかしいじゃねーか。おかしくなんかありません、おかしいのはあなたです。なんだやる気か?いや、やる気はないんです。ただ人間として大切なえんぴつ折るなんて人間ではないって事です、謝ってください。ほう、俺に謝れだと、バカが。英治が切れちゃって殴った。ボッコボコに。英治やりすぎだ。おっと理性無くしてた。先輩いいすっか。人間やっていい事悪い事あるんです。悪いことしたら謝るそれは常識です。先輩としてやってほしい事それが先輩って気がしますけどね。先輩は後輩にボコられてプライドに触ったようだったが、なんかスッキリしているようにも見えた。それから先輩は真面目になり俺たちを守ってくれている。お前たち、たまには付き合えとか言って屋上で弁当ご馳走になったり、なんと折ったえんぴつを買ってきてくれた。とんだ入学の始まりになったが、やっぱり先輩は先輩だと思うし、後輩の僕が怒って手を出したのは悪かったって思うから、後日先輩の自宅に行って、すみませんでしたと謝った。そしたら先輩が嫌俺の方が悪かったって。そしたら家に入れてくれて、俺ななんかお前に殴られて目覚めた。俺ってくだらない事してるなって。ただ気にくわないだけで嫌な事して。なんか情けなくなった。だからな結果良かったよ、それと悪かった。お前見てるとやる気になるな、これからは先輩として頑張るからよ。先輩、俺気づいたんですけど、言っていいすか。なんだ?人間二種類います。正義か悪か。答えはどっちもなんですけど。どっちも心には持っていないといけないんですけど。人間として正義の方が楽しい人生送れるんです。ん?なんでもいいんです道に乗るんです、そうすると強いんです。そうか、ためになったありがとう。僕は先輩の自宅を後にした。父と母はいつも二人で笑っていた、それを見ながら楽しそうだなってそれを見れているだけで幸せだなって思えた。でも、中学に入り夢ってなんだろうと。なんのために生きているんだろう。将来は何してるんだろう。そんな不安な事もまじまじと考えるようになった。ただ父が言っていた言葉がある、道に乗ると見えてくる自分の生きる道がと人それぞれ何か特化したところがある、宿命とも言える事がそれに乗るか乗らないかまた気付けるか気付けないか、それは努力次第だと。今はわからないただこの先僕がきちんとして道に乗れば見えてくると信じているだから諦めず頑張ろう、そう入学して心に決めた。


告白

学校生活もだんだんと慣れ始め、俺たちのお姫様、美香に告白された。えっ本当に?僕の第一に思った言葉だ。美香は綺麗で頭もいい。そして僕達のお姫様だ。言っていいのか悪いのかわからなかったけど、一応と思って言葉にした。本当に?ほ・ん・と。僕は迷った。勉強に部活に忙しいのに美香と付き合えるのかと、でも、美香を嫌いなやつなんでいない。振ったら振ったで後々めんどくさいしな。ちょっと待ってもらえる。僕は心の中でこれが一番いい答えだと思った。私と付き合わなかったら中学生活ボロボロよ。うぅー、図星。答えは早めにと思った。そこで相談だ仲のいい浩二に言った。あのな相談だ。なんだよ。あのな美香が付き合ってくれって。えー!まじかその話。あー。おっ俺たちのアイドルと付き合うのか?それだ、でもまだ早い気がしないか?そうだな、何をそんなに焦っているんだか。そうだよな。3年ならわかるけどな。今忙しいし。あー無理はやめとけだ。でもな、俺たちが今楽しくしてるのも美香のおかげだろ。そうだ。って事は付き合うべきだと思う。あー、でもタイミングだろ?そう、ちょっと早いよな実際。あー早い。3年になったら付き合おうでいいんじゃない?それベスト、でもなんか嫌な予感、予感するな。あー。って事だな。だな。次の日美香に答えを言った付き合おう。うん。たぶん結婚すると思う。よくぞおわかりで。でもちょっと質問が、ちょっと早くない?3年になんでしなかったの?私が売り切れるからよ、めんどくさいの苦手なの。あーそっちか、なるほどね。スッキリした。週2一緒に帰る、土日も適当にそんだけ、わかった。はい。きっと先輩に告白されたなーとか勝手に想像したけど、確かにめんどくさいの苦手みたいだし、彼氏いるって言えば逃げられるし、本当に俺のこと好きなのかな?まー俺が美香好きだからいいけど、そのうちに俺の気持ちが上回るだろう。そうなった時に本当に横にいるといいな。


結婚

そして時は流れ25歳僕は今結婚式の場にいる。相手は美香だ。中一から25歳の今までずっと二人で歩いてきた。喧嘩もしたし、楽しい旅行もした。最初に言ったたぶん結婚すると思うという直感はあっていた。運命の人だと思った。これから先どんな事があるかわからないけど、美香となら超えていける。そして僕は素晴らしい友人に恵まれ、最高の同僚に恵まれ、最高の両親に恵まれ。それを考えた時、僕は涙した。愛する妻となった日、今日。最愛の嫁、美香が隣に居て。これほど幸せな事はないと思った。男は泣いてはいけない、父に言われた言葉を思い出す。悲しい時は泣け。嬉しい時は泣くな。ねぇお父さん、僕、嬉しい時に泣いてもいいですか?


この本の内容は以上です。


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