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活動ちゅー?1

ここはその都度話しが横道へ逸れてしまうが、戻すつもりの者がしっかりと居るので余計に戻らなくなっていく。そこはここからの時間に余裕があるからで、その場のつなぎには良いが、今回の趣向の説明すら疎かに成っていた。

 

京子「それなら私の方が少ないかも?ほとんど行った記憶が残っていないし、それはレンタルで十分だと思ってるから・・レンタルはきょうだい達にも見せられるしね」

祐介「レンタルは遣った事ないな。家じゃ映画を見ている暇も・・家族の好みってみんなそれぞれだしな」

 

それは無かった!そもそもレンタルする等は思い浮び至らなかった祐介である。それ程に見たい映画に興味が注がなかったのも事実であり、行動を取らなくても遠からずにTVで流される昨今であるからだ。

 

慧奈「・・妹三昧はそこまで影響しているのか?」

祐介「うっ ! そんな三昧にはしてないけどな」

門脇「・・明日の初詣以外に、お出かけの予定がないのは正直私も助かって」

祐介「その宿泊延長を知らなかったんだから、その予定があるはずないだろ。その迷惑な行事の合間に行けそうな場所があったら考えるよ」

門脇「宜しくお願いします。それも迷惑に支障の出ない外出先の範囲でですが。本当についでとなってしまいましたが、前跡目の田口由紀恵様も家族と御一緒に二日にお出でになります。」

祐介「・・扱いがひどくね?オレも好んで会いたいとは思わないけど、血縁でたった一人の従妹だから邪険には出来ないし、その父はトリュググループの社員でもあるわけだし」

門脇「祐介様はつい以前まで邪険に扱われていましたけど」

祐介「こんな平和な世の中で過去に遺恨を抱えたりはしねえ。それに改まっても思い出さないんだから大した事は無かったと思うよ。」

門脇「ではそのように。それで本日の宿泊先での部屋割りですが、そこは皆様ご一緒で宜しいですね?」 

祐介「なんで?他に部屋がとれなかったの?」

美佳「5、5、5人ともですか?」

加奈・慧奈「‥一緒?」

京子「???」

門脇「そこも当初は別な割り振りを考えました。そして女性陣と祐介様 ! 女性2部屋と祐介様・そんな折に助言されましたのが、祐介様を一人にしますと絶対に誰かが突入するよ。少なくとも私は最初からそのチャンスを狙っているって、陽菜さんが言ってましたので・・」

祐介「はは・・陽菜なら間違いなく来るな」

京子「と、当然5人部屋に決まってるでしょ!みんなが嫌でも私は一緒にいるわ。」

加奈「私は最初からそのつもりです。」

 

そこで慧奈と美佳も大丈夫!と肯くのだが、ここで納得してはいけない知らない名前を聞き逃す事は無かった。

 

門脇「木を隠すなら森に隠せといいますから、5人部屋でしたら互いにけん制されますし、猛禽類科に属してる陽菜さんから身を守るには、皆様のそばが宜しいでしょう」

祐介「こらこら。人の昔馴染みを猛禽類って・・あれでもオレの育ての親みたいなもんなんだぞ。それでもお祖母ちゃんの方が、その陽菜を大事にしてると思うけどな」

京子「・・そうなんだ。てっきりこっちにいる人だから歳の近い幼馴染みたいな人なのかと思って・・もう結構なお歳なの?」

祐介「ん?ええっと・・今年で23歳だったかな。」

美佳「京子姉さま油断をしてはいけません。何を仕出かしても合法化してしまう立派な大人 です! ましてチャンスを伺っていたと言い切っていますから」

京子「そうね、危なく罠に落ちる所だったわ。それに23歳なんてさほど私達と変わらないじゃない・・」

 

それは罠と言うよりもこちらへ知らしめた宣戦布告であり、どれ程の警護の覚悟を見られていたのだが、そこは強固な女の覚悟で固めたのなら野暮の突きで状況悪化をさせる陽菜でもない。

 

慧奈「確かにそこはがっちりなガードだな。先程の話でもあったようにもう他人事には出来ん・・み、身内と言われているからな」

加奈「ここは皆様のガードに報いながら、私がドーンと・・」

祐介「けん制を完全に無視している人一人居るし・・確か今年・・じゃなくてもう去年になるけど、会社の同僚と結婚して新婚さん真っ最中なはずだ」

門脇「私もそう聞いております。すでに新婚という既成事実があるから、ここで祐介様の子種を貰ってもバレ無いとも言ってましたね。」

祐介「・・種を貰うんじゃなくて、火種を自分で蒔いてんじゃん。ほんと勘弁してくれ」

門脇「このまま陽菜さんのいる宿泊先に臨戦態勢で突入されると、大変危険な状況になられるとお見受け致しますので、私の聞き及んでいる陽菜さん情報も公開させて頂きます。」

祐介「知り過ぎて危機感を上書きする可能性も・・」

京子「いいえ、知る事ってとっても大事よ。その上でなら火中の栗を拾うのも選択肢に加えられるわ」

美佳「何の策も無くしての特攻は、ほぼ戦死確定の自殺行為ですものね」

慧奈「現状はまったくの無策で、それでも適地に放り込まれる訳だからな」

加奈「失うものが少ないほど人は強くなれると申しますから・・皆様の犠牲は無駄にはしません」

祐介「あれ?現在休暇中のはずなんだけど?どこに行った戦士の休息は・・」

門脇「・・まず、お人柄と言いますか生い立ちを簡素に述べますと、現在の葉山尊邸が出来る前の柳依家に、住み込みでお勤めされていたそのご夫婦の長子で御座います。この頃既婚者で夫婦ともに住み込みでいたのは、こちらのご夫婦だけとお聞きしています。その他の方は近隣からの通勤であった訳ですね。このような状況なので祐介様が生まれる前は、柳依会長が我が子のように可愛がっておられました。祐介様が生まれてからも柳依会長の彼女への寵愛は、特に変化は無かっと聞いています。ですが環境は、本人が気ずいていなくても人の目からは特別な存在、柳依家から通える学校は徒歩では無理だったので、警護を兼ねた車での送迎が行われました。ちなみに他の用事で送迎が出来ないなどは無く、彼女用の専用車が在りましたので。この状態の継続は、陽菜さんが高校を卒業されるまでです。その後にこちらを葉山尊邸に改築されました。・・このへんは不要だったような気もしますけど」

京子「うん、そうね。そのお嬢様環境は、全体的に不要だった気がするわ。」

門脇「・・祐介様が生誕されて、やんちゃし始めた頃からその遊び相手として、柳依家に居る唯一の子である陽菜さんに、その白羽の矢が立ったのです。陽菜さんの境遇もあって、通いの学校までは送迎されていた事から、帰りの立ち寄りや友達を柳依家に呼ぶ事等は適わずでしたので。そんな二人の手には運命の赤い糸が・・」

 

京子「ち、ちょっと。そんな大事なの?そんな大事の話になってんの?」

門脇「二人は運命の赤い糸で導かれて出会ったと」

慧奈「そ、その割にはもう随分と会っていなかったのだろ?今までその人の話も聞いた事がないぞ」

祐介「あー名前を聞いてそこで思い出したのは事実だな。こっちに越してからは会って無かったし」

門脇「これほどの大切な方を忘れていたのですか祐介様は・・」

祐介「あはは・・すっかり忘れてた」

門脇「その陽菜さんが仰るには、この運命は私一人だけが許された赤い糸で導かれた出会い・・なのになんなのよ!祐介ったら毎日毎日お漏らししてそのオムツの交換に明け暮れたばかりか、その場で顔にかけられた事もあったわ。ちょっと匂った時にお風呂に入れてあげれば、私のおっぱいにしがみ付いたまま離れないし・・」

美佳「・・坂上先輩にしてみれば運命がどうとかでなくて、まだ人間にすらなってなさそうですね。」

慧奈「その話しで私は陽菜さんに敬意を抱いたよ。その歳で顔におしっことか恥ずかしめまで受けて・・」

祐介「子供だ!子供のやった事だから恥ずかしめじゃねえ」

加奈「その暴れん坊でご無体だったと祖母様は真実を・・」

門脇「祐介様の品位が奈落するのは止められませんでしたが、成長期の過程で陽菜さんに出会った事が、結愛様への比護欲の表われかも知れません。」

祐介「いやいや、ごく一般的な兄妹愛だからな普通に」

門脇「祐介様が5歳~6歳の頃には、元気でお庭でも遊んでいたとお聞きしましたので、その当たりは覚えていらっしゃるのでは?」

祐介「ああ、その頃くらいなら覚えているな。ボール遊びや縄跳びに、鬼ごっこやカクレンボは定番だったしな。カクレンボはすっげえ大変だったけど」

慧奈「さすがにそれは、2人の歳の差からくる体力差があるからな。見つけても捕まえられなかったんじゃないのか。」

祐介「それが中々見つからなくてさ。ルールはそれなりに決めてあって建物の中はダメとか。裏側とか壁や木も裏ならオッケーだったな。こっちが見つけたって思ったら相手も気づいて鬼の交代なんだけど」

美佳「見つけるだけなのにそんなに大変だったんですか?」

祐介「ささって移動されちゃうと全然見つからない、間にあわないんだよ。陽菜が言ってたけど、一番手前の車庫の裏に入ったらその先の食材とかが入っている倉庫の後ろを突っ切り、使用人達の住まいを抜けてから室内スポーツ場の先の花壇になっているビニールハウスの裏で様子を見る。」

京子「ちょ、ちょっと。その庭どんだけ広いのよ?」

祐介「どんだけって・・オレの覚えている限りじゃその先は防風林って奴?その中には入るなって言われてたから」

門脇「はい、当時は庭の半分が防風林になっていましたね。その先に外壁が御座いましてその先は海岸と言いますか・・海になっています。」

京子「海ちか ! 海沿いって事でしょ?私、海に行った事がないのよ」

 

この場の全員の女子がまだ海の経験がなかった・・それを見た事が無いとかでなく、この海とはここでは海水浴の事なのだ。年末の房総半島ツアーでも電車内から海は見えたが、その海に飛び込む想像だけで悪寒が走った。この真冬に房総半島ツアーの券を、クリスマスプレゼントと称して祐介の父親から頂いたのだが、これ程の場違いはむしろ誉れ称えられるであろう。少なくても祐介の父であるからだが・・

 


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