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登場人物

登場人物

うみっち

本名:海水 さより(うみみず さより)

性別:女性

趣味:推理小説を読む、リアル脱出ゲーム参加等のミステリー全般

出身:兵庫県(現在も両親と姉と実家暮らし)

在籍:北摂国立大学法学部法学科1回生

将来の夢:検事

 

やまっち

本名:山土 ゆりね(やまつち ゆりね)

性別:女性

趣味:料理、カフェ巡り

出身:京都府(現在はひとり暮らし)

在籍:北摂国立大学理学部数学科1回生

将来の夢:アーベル賞受賞

 

そらっち

本名:宙空 れいら(そらく れいら)

性別:女性

趣味:ダーツ、ドライブ

出身:大阪府(現在はひとり暮らし)

在籍:北摂国立大学医学部医学科1回生

将来の夢:監察医

 

ひめ(ひめ姉)

本名:海水 ひめじ(うみみず ひめじ)

性別:女性

趣味:残高照会、人間観察

特技:人の顔と名前を覚えること

出身:兵庫県

学歴:京阪府立大学院経営学研究科卒業

さよりとの関係:7歳上の姉

近況:大阪の魚介レストラン「ヒメジ」のオーナー


円卓の容疑者 - 発生 -

12:15 北摂国立大学池田キャンパスの食堂”タベルナ”

 

「やっぱり、ここのパスタは最高だね!」と私うみっち。

「うみっち、パスタ自体好きだものね。」

やまっちが、野菜たっぷりカレーを頬張りながら言った。

ちなみに私が食べているのは、タコとイカと秋ナスパスタだ。

 

「えー、これほんとなの?」

そんな声がどこともなく聞こえてきた。

騒いでいる声の方向を見ると、女の子がふたりスマホを覗き込んでいる。

大物カップルでも誕生したのかな、などと思いながら、パスタを口に運ぶ。 

 

「これ・・・まじかよ・・・。」

「演出じゃなの?よくあるじゃない、こういうの。」

「でも、手が込み過ぎてない?こんなイベントするなんて聞いてないし。」

食堂自体がざわざわし始めている。

 さすがに何だろうと思い始め、スマホを見て騒いでいる横の席の女の子に聞いてみた。

「何かあったんですか?」

「これ・・・。」

その女の子は自分のスマホの画面を私に見せた。やまっちも覗き込む。

画面には暗い部屋に椅子に腰かけたひとりの人間の上半身が映し出させていた。

黒いスーツで身を包み、手には・・・拳銃を持っていた。玩具かどうかは判断できない。

ピエロの仮面を被っており、顔も分からない。

そして、その者はこう言った。

 

『繰り返す・・・私と同じ円卓に座っている者の中からある傷害事件の真犯人を見つけ出せ。』

その者はボイスチェンジャーで声を変えているようだ。性別も年齢も分からない。

「・・・何これ?ドラマとか映画とか?」

そうは言ったものの、ドラマや映画ではないことは確かだった。

映像は固定されており、雑音なども入っており、明らかに素人が撮っているものだった。

そもそもこれは投稿サイト『stars(スターズ)』だし。

その者は続けた。

『つぶやきアプリselfish(セルフィッシュ)に♯真犯人の真実、をつけて、犯人を見つけるための投稿を行え』

『ハッシュタグを付けない投稿はもちろん無効だ』

『投稿は13:00開始だ。開始前の投稿は無効だ』

『開始後3時間経過した16:00で投稿の受付を終了』

『それから全ての投稿を精査し真犯人であろう者を私が殺し、他の者を解放した後、私も死ぬ』

『その者が真犯人かどうかは重要ではない。私を含む全ての者が納得するかが重要だ』

ここまでは何度か繰り返していたらしい。「またか。」という声が聞こえてきた。

映像を見ている者の中にも少し飽きてきている者もいるようだ。

 

『では、そろそろ・・・』

「あっ、新しいことを言うみたい。」スマホを見せてくれている女の子が独り言でそう言った。

食堂全体も再び騒めき出す。

『容疑者をひとりずつ紹介する。計6名だ。現時点では顔、氏名、性別、職業、年齢のみを伝える』

『これを見ている者にとって、現時点では彼らの疑わしさは平等であり、そうでなければならない』

『そういう意味を込め、彼らを円卓に座らした』

『その情報から各自で調べ、投稿しろ。必要ならば、情報は随時開示する』

 

カメラが切り替わり、 ひとり目の顔が映し出される。

椅子に座らされ、少なくとも手は自由に動くようだ。

おそらく拳銃での威嚇のためか、小刻みに震え顔が青ざめている。

『No.1 一之瀬 栄登(いちのせ えいと) 男性 大学生 21歳』

カメラがまた切り替わり、ふたり目を映す。

おそらく円卓の中央に人数分のカメラが置かれ、仮面の男がその都度切り替えているのだろう。

『No.2 難波 小次郎(なんば こじろう) 男性 プログラマー 34歳』

その後も次々と”容疑者”を映していく。

『No.3 山東 あいり(さんとう あいり) 女性 保育士 23歳』

『No.4 獅子宮 美鈴(ししみや みれい) 女性 専業主婦 41歳』

『No.5 神童 栄悟(しんどう えいご) 男性 食品会社社長 52歳』

恐怖からかまともにカメラを見れない者、現実と受け取れていないような者、事態を必死に理解ししようとしているような者、様々な表情がそこにあった。

 

そして、最後の6人目の映像が映し出された瞬間、

これがふざけているのでも演技でもないことが確実なものとなった。

『No.6 海水 ひめじ(うみみず ひめじ) 女性 レストランオーナー 26歳』

 

やまっちが何か確認するような目で私の顔をじっと見る。

私は静かに頷き、ひとこと声を絞り出した。

「間違いない・・・ひめ姉本人だ・・・。」


この本の内容は以上です。


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