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最近VALUの相互持合いについての議論が起きています。そこで、金融市場にいた者の立場から相互持合いがどのような事を示すのか解説していこうと思います。

 

株式市場では、お互いの株を持ち合うことは多々あります。それは、お互いの事業が有利になるとお互いの経営が判断した場合行われることが多いです。最近では、トヨタとマツダが5%ずつ持ち合うことを発表しています。ハイブリッドの分野では優位なトヨタですが、電気自動車では優位ではないです。ユーロ圏が2040年までにガソリン車の廃止を唱えています。そのうえで、電気自動車の分野でお互い開発コスト、技術、この辺をにらんで株式の持ち合いを発表したのだと思います。

 

では、VALUでの持ち合いの意味はどう考えればいいのでしょうか。基本的に、VALUはトレーディングカードです。保有したからと言って共益権、受益権等の権利は発生しません。なので株式の持ち合いのような、事業提携の意味では全く必要性はないです。つまり、VALUの発行主同士が何か一緒にやるために、相互持合いをする必要は全くないという事が言えます。

 

次に、意図しない持ち合い、意図した持ち合い、この二つを定義します。意図しない持ち合いとは、何かのきっかけでお互い知り合い、お互いのVALUを持ち合う事とします。意図した持ち合いとは優待等で、この金額分自分のVALUを買った分、買った人のVALUを買うというものとします。

 

意図しない持ち合い、これは、全く問題ありません。たまたま相互がお互いのやっていることに魅力を感じ、結果持ち合った、そういうことだと思います。ただ、値段、VA数等の交渉は、オープンの場でやるべきであって、クローズの場ではやるべきではないと思います。他のVALUERに説明がつかないからです。

 

問題になっているのは、意図した持ち合いです。これは、まず規約がどうのという問題ではないと思います。金融リテラシーの問題です。自分のVALUを1万円分VALU買ってくれたら、その得たキャッシュで1万円分買ってくれた人に再投資する。これは、他のVALUERに説明がつきません。他のVALUERは自分のことを応援してくれてVALUを買ったわけで、得たキャッシュを他のVALUERに再投資する行為は基本的には避けるべきだと思います。しかも自分のVALUを買ったという理由だけで、その相手のVALUを買う、それ自体が他のVALUERに対して説明責任が果たしてできるのかとは思いません。

 

結局、規制がどうのという話ではなく、倫理観、リテラシーの問題だと思います。意図した持ち合いをするメリットとは、安定的なVALUERの確保とよくうたっています。しかし、相手のこともよくわかっていないのに自分のVALUを買ってもらったから、相手のVALUを買う、こんな危険なことはないと思います。もともと需要のないところに無理やり取引をする。その後、相手が自分のVALUを売ったらどのような事が起こるのでしょうか。

 

フリーフォールです。もともと買い手がいない中買い上げたVALUは、いったん崩れたら買い手が見つからないまま、限りなく価格はゼロに陥るでしょう。もともと流動性のないVALUでこれが起きたら大変なことが起きます。ひとたび売りの連鎖が起きたら、止まらないでしょう。意図した持ち合いをしているVALU全体に波及します。

 

オレが危険視していることはここにあります。需要がないまま買い上げる、これがどんなに恐ろしいことか、マーケットを知っている身としては、警告せざる負えないのです。規制がどうの、セーフ、アウトそういう問題ではないのです。自身で、本質的に何をやっているのか、理解して考えて、行動すべきです。自分の倫理観、金融リテラシーに沿って行動してほしいと思っています。


この本の内容は以上です。


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