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 モンゴルが武力によってユーラシアに巨大な遊牧帝国を築いた、チンギス=ハンやその子・孫たちの時代・十三世紀。

 腕っ節の強さがものをいう戦乱の時代というイメージからか、女性の地位が低いように思われているが実はそうではない。

 

 少し時代は下るが、十四世紀に黄金のオルド(キプチャク=ハン国)の首都サラーを訪れたアラブの旅行家イブン=バットゥータは、モンゴル系諸ハン国で女性が強い発言権を持ち、大きな影響力を行使していることを不思議に思い、興味津々で観察している。

 

 また、一般的にテュルク・モンゴル系の遊牧騎馬民族では女性が部族の長になる事はないといわれているが、そういう例が全くないわけではない。そもそも夫の死後、監国(摂政)として女性が統治する例は数多い。

 

 モンゴル諸ハン国の一つイル=ハン国の宰相ラシード=アッディーンが編纂した『モンゴル史(集史)』から、そうした女性の一人・オルガナを紹介しよう。


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