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算命学余話 #R35 (page 1)

 東京五輪に向けて喫煙者の生息場所を更に狭める政策が推し進められているようです。私は喫煙者ではないし、タバコの煙や喫煙者の吐く息をクサイと思っているので、あのニオイを嗅がなくて済む場所が増えること自体は歓迎したいのですが、世の中には禁煙をヒステリックに叫んで正義の味方を気取る輩も少なからずおり、ああいうのとは一緒になりたくないものだとも思っています。

 私が若い頃尊敬していたある人物はがっつり喫煙者でしたが、その人物曰く、「人が生涯に喫煙で吐き出す煙の量など、車一台分の排出する排ガス量に比べれば取るに足らない。世の排ガスもゼロにせよと提唱している人が禁煙を叫ぶのなら構わないが、そうでないなら辻褄が合わない。健康被害を訴えるのならタバコより排ガスの方が遥かに先のはずだ」。この言を聞いて私は目からウロコが落ち、健康を盾に禁煙を叫ぶ人たちの思慮の足りなさに白い目を向けるようになりました。

 

 勿論、車はモノや人を運ぶという有益な仕事をしているのだから、排ガスという害悪はある程度相殺される一方、タバコは誰の益にもならず害悪一本なのだから比較には値しない、という意見もあるでしょう。ですが前回の余話で述べたように、過度な健康がはびこると逆に社会全体が病んでしまうという問題がある以上、相殺されていようがいまいが害悪はこの世から消えてなくならないものであるのだし、程度によってはあった方がいいくらいです。また喫煙者の意見を尊重するなら、喫煙による一時的な精神安定効果は、長期的健康促進には逆行するものだとしても、将来ではなく今を生きる人にとっての切実な薬効です。今抱えているストレスで壊れてしまっては、将来の健康もへったくれもなくなるのですから。

 そんなこんなで私が思い至った結論は、タバコを人類の敵と見做して糾弾するかどうかの分岐点とは、結局のところ、その人の近くにいる喫煙者をその人が好きか嫌いかということに過ぎない、ということです。私は上述の排ガス上手論者のことを尊敬していて好きだったので、その人から流れてくる副流煙を不快に思うことはなかったけれども、それ以外の喫煙者については、誰一人として私の目からウロコを落とすことはなかったので、全員尊敬できず嫌いだし、従って彼らの吐き出す息も煙もクサイものとして一刀両断しています。これは明らかに個人的な好悪の問題であり、普遍的な善悪の話ではありません。

 私にとってタバコの煙問題とは個人の好みの問題であり、健康問題ではないのです。だからタバコの有害性をあげつらって自分の正当性をヒステリックに叫ぶという行為は慎んでいるのですが、皆さんは如何ですか。目からウロコが落ちて、ある種の喫煙者の副流煙なら浴びてもいいという気分になりましたか。

 

 なお、タバコは副流煙による健康被害だけでなく、歩きタバコによる通行人、特に背の低い子供を火傷させる危険性が指摘されていますが、これも同様に、偶然通りすがる喫煙者が偶然こちら側の手で火のついたタバコを持ち、偶然そこへ子供が顔を突っ込むという確率が、歩きスマホや自転車スマホの通行人との衝突で子供が転倒したり、車道に押し出されて車に接触したりする確率にひけをとるとも思えないため、路上における数々の危険を差し置いて歩きタバコだけを糾弾するのは片手落ちだと思います。

 いや、もっと算命学的に云うのなら、歩きタバコの通行人に火傷を負わされるようなぼんやりした子供は、そのまま大人になってもロクな人間にはならないため、この際体に教え込む教訓として甘んじて火傷した方がいいのではないか。そんな風に私は思っておりますが、きっと世間様には賛同頂けないのでしょうねえ。

 

 さて今回の余話のテーマは、そんな世間様に配慮しながら上手に処世する石門星についてです。石門星のある命式については余話#R32で取り上げましたが、図らずも石門星とは政治家に欠かせない星であります。

 一般に石門星は協調性を特徴とするあまり、個性に欠けて面白味のない星だとの評価がつきまといますが、実際には余話#R32の通り個性は大いにありますし、集団の中で際立った輝きを放つこともしばしばです。しかしここで注目したいのは、その輝きはあくまでも集団の中に限るということです。同じ守備本能を司る貫索星は単独で強烈な輝きを放つことができますが、石門星は独りで輝くことはできません。なぜなのか。

 また協調性を旨とする石門星は、同時に破壊性も備えており、特に人間関係を破壊するのが得意です。周囲と折り合うことのできる協調性と、人間関係を容易に破壊できる性質とが同居するとはどういうことなのか。石門星の成立ちを基礎から考えながら読み解いてみましょう。


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最終更新日 : 2017-06-18 19:04:51

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