目次
この本は、東京を走る電車の中の楽しい人間模様を書き留めたものです。
ちょうちんブルマー
順番こ
のぞき見(ミタさん)
(トリコットのドレス)
 (ウォッチ君のウォッチ))
(明朝の眉が心配・・・)
(帽子の被り方)
(たんたんと・・)
(銀座線で・・)
紬着物地の利用法
日暮里繊維問屋街というところ
笏を持ったお内裏様・・?
がんばれ!にっぽん! 「ロンドン五輪選手のエンブレム」
ミサンガ
マンタのマント
ピコットちゃん
ふくらはぎ
キューピー体型
スカーフ
ほっこりする風景
冷え冷えタオルの賞味時間
かなしき「デブリン部隊」
美しき「優先席」のひと
銀座線の人
近頃の「手袋事情」
一口コント!
一本の白髪で・・
サマーヤーン
鳩杖
円形・・・
紙の使い方
「謎」のセリフ
スカイツリーと夫婦の有り方
バイヤスのボタンホール
つけまつげ
魔法の液体
ぱか~ん!
ブランドおばあさま
自分のことを一番知らないのは自分
ミスマッチ?
ロココ婦人
お歳頃の心得
しまぶくろ・・・?
「優先席」のA・B・Cさん
ピン一本で・・・
入れ歯遊び
伊達男
色男の困惑
車中ウォッチング(携帯編)
衣替えの季節
人はみかけに・・・
ルーズソックス
体操おばさん
若い男性
クリスマスバージョン
化粧
逆ウォッチング
はな〇〇
おばさんの会話
奥付
奥付

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若い男性

梅雨の晴れ間、野暮用でちょっとお出かけ。
息子に買って貰った高級運動靴(ウォーキングシューズ)を履いて颯爽とどたどたと車中の人に。
ふと見ると、前に座った若者の何と美しい顔立ちだこと!
私の半分位(まさか)の小顔に、きりりとした眉。ずっと下を向いて熱心に読書。
額にかかる短めの髪がかすかな影を落として、何とも言えないムード。
と・・。プルルと携帯電話。腰のポッケから携帯電話を取り出してメールを読むが、眉一つ変化させないでそのまままたポッケに。
その時、初めて目を上げた。
わっ、涼しげな目! 白目の部分が青みを帯びて、まだ成熟していない若芽のような・・・。
また直ぐに目を本に落として、無表情に読み進む。
ほんっとにかっこいいんだけど、読んでいる本に気がついてみたら、あれま、週刊漫画本。
でも、こんなに素敵な顔なんだから、何でも許す!(?)

孫のような若者に見とれていると、隣にドスンと座った男性が手提げからごそごそノートを取り出した。
背の高い30がらみの顎髭くん。ちょぼちょぼした髭とグリーンと紺のチェックのハンチングが何やら業界風。
ふと見ると、あれ?使い慣れた感じの手提げに、何やらアプリケが。
頭を後ろに反らして、彼の視界からなるべく遠い位置かたらよくよく見れば! ふふ!
隣の本人とソックリな髭のおじさんがウィスキーを捧げている図柄。
もしかして、恋人か奥さんが手刺繍で作った手提げかも。
良く見れば、提げ手の部分や周囲には可愛い花柄のキルティング。
う!こぼれ見えているストラップには「熊のぷ~さん」が覗いている。
鉛筆を取り出して何か書きはじめる。
ん・・?  あれま、五線紙。
さらさら鉛筆の動きに目をやると、四分音符やら八分音符やらをシャッシャッと書いて、縦線をビュビュ!
目にも留まらぬ速さで五線紙を埋めて行く。
おぉ、それに合わせた重音まで書いているぅ・・・。
髭おじさん図柄の可愛いアプリケの手提げの上で踊る彼の魔法のような手。
ほのぼの「ミスマッチ」をしっかり楽しんだウォッチングでした。
いったい彼はどういう人物だったのでしょう・・。

斜め前に座っていた女性、私もカナワヌどすこいさん。
日暮里駅に着いて、エスカレーターのある階段に遠周りする私と行動が同じだったことには笑ってしまった。
やっぱし!


クリスマスバージョン

今年もあとわずか・・・。
何となく慌ただしい気分は毎年のこと。
その割りにはちっとも年末のお掃除には手が付いていない。

今日はデッサン会最後の教室。
勉強の後は、ささやかな忘年会の予定。
重たいデッサン用具をえっさらほいと担ぎ、反対の肩にもイーゼルを担いで車中の人に。。

さすが年末。ウィークディの午前にしては結構込んでいる。
隣の駅から乗ってきた小さなおばあさま。年格好は80歳は過ぎていらっしゃるかな・・?
ふと見ると、なんと!着易そうな紺色のオーバーの前身ごろに、可愛い小さな薔薇の花が刺繍してあり、それが袖口にもあしらってある。
袖口も丸い可愛い切り込みが入っていて、その部分に赤い薔薇が刺繍してあるのだ!
良く見ると、前身ごろのあちこちにも配分良く赤い薔薇が散らしてある・・・。
お孫さんのオーバーの「おあがり(お下がりの反対)」にしてはあまりにもお背が小さいし。

おぐしはすっかり白く、少しの髪を黒いターバン風のニット帽に包んで、どう拝見してもやっぱり80歳に見えるおばあさま。
で!
ふと視線を襟元に落としてびっくり!
オーバーの小さな襟元に飾ってあるブローチが、「赤い可愛い靴下」からキラキラした宝石が溢れているデザイン!
サンタさんからのプレゼントのガラスの宝石達。

なんておしゃれなおばあさま!
その小さなお身体は、オーバーの上からでもしっかり年を感じられるスタイル。
でも、お心はいつまでも「サンタさんを待つ」少女なのでしょうか。
何だかとってもうれしくなってしまったことでした。


化粧

今日は結婚式に出席の為に主人とお出かけ。
いつに無く「厚化粧」で武装し、嫌いなストッキングを履き、さぁ出発!
晴れてくれて良かった・・。
敬老の日のためか、車中に立つ人は居ない。
次の駅から乗り込んできた20台最後の年恰好のご婦人が、私の席の遠い斜めの席に座るや、バッグの中をごそごそ。
化粧バッグを開いて、始めた始めた!例の「車中化粧」。
退屈も手伝って、最初から拝見する事に。
正に夢中で、他の方の視線など全く無視しての熱中振りなので、「さりげなく・・見て見ぬふり」は必要ない。
正々堂々と見物出来る素敵なショー!
まず取り出したファンデーションらしきものを丁寧に丁寧に、顔にマンベンナク擦り込み、さぁ、部分の調達。
あまり化粧に詳しくない私には、何をつかっているのか見当が付かないが、まぁまぁ・・次から次へと何か取り出しては目の当たりに付けては何十回と無く刷り込んでいる。
本当にしつこい位にいろんなものを目の周りにつけては手鏡を遠く・近くに操って、確認作業。
次は眉描き。これまたしつこく何十回と無くペンシルを操り、手鏡を遠く・近く・・・。
余程神経質な方と見えて、こちらも飽き飽きする程の念の入れよう。
(じゃ、見なければいいのに・・・。(~_~;))
さて頬紅が終わり、口紅に。
筆でまたまた丁寧に丁寧に・・・。ティッシュを加えて余分なものを押さえて、こちらは何とか完了。
と・・・。取り出した「毛抜き」で口の周りをチユクチユク。
こんな揺れる電車の中で毛抜きまでしなくてもぉ・・・。と唖然。
今度はいよいよメーンの「目」!
何やらいろいろ又付け巻くって、最後の仕上げの「マスカラ」付け!
顔を伸ばし、口まであんぐりの演技をしながらまたまた何回も何回もマスカラを下から上に。

と・・。あれま、もう「日暮里」!
という事は、既に30分は奮闘している事に!
(見ている私もご苦労なこと!)
日暮里を出発しても、まだ右目の作業が終わっていない・・・。
後3分ほどで上野終点!
さぁ、私の方が落ち着かなくなってきた。
他のブショなら遣り掛けでもそう目立たないが、目の場合、右目だけ黒々マスカラはないでしょ・・。
ここまでの工程でたっぷり30分掛かっているお化粧が、一番大事な「目」を3分で完了は不可能よねぇ・・。
どきどきしながら上野駅に到着。

この方の時間の使い方は、駅そばを食べていて、一番大事な海老天を最後に食べようと楽しみに残していたのに、発車のチャイムで、食べずに「後ろ髪引かれ組」状態で電車に駆け込むような・・・。

私が降りる時も、彼女はまだ座って口を開けて左目にマスカラを付けていた・・・。
きっと右と左の大きさが違って出来上がっているかも。

それにしても、左薬指にはちゃんとリングをしている彼女が、30分掛けて仕上げたお化粧顔はだれに見しょとて頑張ったのかな・・?。
こんな妻の姿をご主人は知っているのかしら・・・。
「綺麗だよ」などと言って欲しくて30分頑張ったのかな・・・?
もしかしたら自分の為にかも。

いやはや、見ている私もしっかり疲れていた。(ばか)

それにしても、女の子を産まなくて良かったぁ!
あの真剣な鬼気迫る一本勝負を、毎日毎日自分の顔を見ながらやるのだとしたら、毎日毎日「DNA恨み」で満たされるでしょう。
いやぁ・・・恨まれなくて良かった!男子だけを二人生んで・・・。

はぁ・・・。(深いため息)

わたしゃ、結婚式の晴れ舞台に出席の今日でも、お化粧時間は「5分」。
えぇえぇ、やり映えがしないお面相だからと言われれば反論はないですけどぉ!


逆ウォッチング

このところ、コンサートが続く。
一枚一枚手作りでこつこつ作ったドレスの花舞台を確認する意味もあって、ご招待頂くコンサートをどきどきしながら拝見・拝聴に。

さて、今日もピアノリサイタルの会場に急ぐ私。
電車に乗り込み、いつものように「車中ウォッチング」を始めようかな・・・と向かいの席を何気なくみる。
頃は19歳位のかわいこちゃん。
陶器のような透明感のある肌、目だけのお化粧が涼しげ。
小さな可愛い唇がぽっと仄かに赤く、うっとりと魅せられる初々しさ。

ふと、彼女から見た中年(以上!)女性の私へのウォッチングを書いてみたくなった。

以下は睫毛真っ黒な彼女の言葉。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あらら、汗噴出して乗って来た太っちょおばさん。見るからに暑くなりそう・・・。
ああいう女性にだけはなりたくないものだわ。
第一、食べる量が多いからこんなに太るんでしょうが・・・。
私だったら食事を少し残して「ごちそうさま」するわ!こんなになる前に。
それに、汗で折角のお化粧がまだらに・・・。
それならお化粧しなければいいのに・・・。よけい暑そう・・・。やだやだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私 ↓
あの・・・。言わせて貰いますが・・。
私だってあなた位の、鼻も・違った「花も恥らう」乙女の頃があったのよん!
その頃はお化粧もいらないつるつるぴかぴかの「温泉饅頭の薄皮」みたいな肌をしていましたともさ。
今は「食パン」の皮に無理やりファンデーションを塗りこんだみたいなお化粧をしているけど、これはこれで必要不可欠なのよね。
塗らない素肌は「シミ」だらけ・・・。塗ってもたいした効果も期待出来ないという話もあるけど、ま、この際、気分だけでも・・・。
太っちょの事でも言わせてくださりませ。
ナニを隠そう、私も30歳位まではイッチョマエに心の中で言ってました!
「ああなる前に対策があるだろうに・・・。食べなきゃいいの!食べなきゃ!」
違うんです・・・!食べなくてもああなるんです! 年を取ると!
私なんて、朝食は食パン半枚ですよぉ!それにヨーグルトとバナナとコーヒーと。
そう、コーヒーには「シュガーカット」。
でも!右肩上がりの体重・・・。バナナとヨーグルトを削れって?でもこれはナニの為には不可欠なんだけどなぁ・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
彼女 ↓
まぁ、白と黒の「よこしま」のジャケットを。
人が良さそうだから心はよこしまではないでしょうけど、何もわざわざ太って見える「ヨコシマ」を着なくても・・。
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私  ↓
ヨコシマが太って見える位は私も分かるのよ。
でも、でも、これしか着れる服が無いのよん!
スカート丈が長くなった流行のお陰で、今までのスカートが履けないの。
それに伴い、上の洋服のも制限が出来て、これしか合うのがないのよ。
良く見てぇ!これは「麻混」なのよ「麻混」!
端布で作った今が着どきのジャケットなの。正直、前が合うのがこれしかないの。
ダブルに作ってあればボタンをずらしして暫くは着れるんだけどなぁ・・・。
これも今に着れなくなりそう・・・。
ま、ヨコシマの件は見て見ぬふりしてね。
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彼女  ↓
わっ、もう少し履物にも神経を使って欲しいわ!
なに?この「入ればいいでしょ?入れば・・・」という感じのドタ靴。
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私  ↓
いや~ん、見えた?
実はわたくし、サイズ 25 の「EEE」でも入らないことがあるのよん!
しかも、重度の「外反母趾」。
何処を探しても、この可哀相なMEME足が入る靴はないの。
やさしい主人は、靴屋とみれば入りそうな靴を探してくれるのだけど、私は「いいの・いいの、又にするわ!」とお店から脱出したくなる惨めさ・・・。
だから、ぽたぽたと音がしそうな「野暮い」靴を無理やり買う羽目に。
仕方ないから、せめて洋服と共布でちょっとした飾りを作って甲に付けたりして、何とかカッコつけているんだけど・・・。
わたしにも、とりあえず「オシャレ心」はあるのよね。
でも、諸事情でこんなテイタラク・・・。  あぁ・・・。
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やん!ミジメ! や~めた!「逆ウォッチング」!



はな〇〇

生地を買いに電車で出かける。
今日は秋晴れの素敵な日より。
大好きな、ぶらり一人ショッピングには打ってつけの気候。
思い立って電車にとびのる。
日暮里繊維問屋街は私の一番大好きなところ。
一日さまよっていても退屈しない。
で・・・。買った!買った!生地やレースを買い捲って帰途につく。
重い袋を3つも網棚に乗せてほっと一息つく頃には、汗びっしょり!
よんこらしょと我が家に着いて、ふと鏡を見てびっくり。
午後から思いつきで飛び出したので、お化粧もそこそこで、しっかり点検しないで出かけたらしく、眉の片方が描いてなかった?
はたまた、汗で流れてしまったのか・・・。
片方の眉が半分しかな~い!
ありゃりゃん!
ま、終わってしまった事だし、しゃぁない!しゃぁない・・・。(ーー;)

人って、変な事があっても、見て見ぬフリですごしてしまいますよね。
たとえ頭に「ちょんちょこりん」が乗っていようが、背中に落書きがしてあろうが、チャックが開いていようが、ズボンが裂けていようが、かつらがずれていようが、ストッキングが伝染していようが・・・。

ある日、同級生が新宿で集まろうという事になり、何十年ぶりに会った時のこと。
それぞれ、卒業以来の歴史を身体や服装に滲ませながら「あらぁ!」「まぁ!」と再会を喜びあって・・・。
当時「お嬢様」で通っていたT嬢(?)も、その名にタガワズ相変わらずお上品なたたずまい。
白い上等な麻にカッティング刺繍が施された見事なスーツは、卒業後のお幸せさを象徴していた。
と・・・。
あれま・・・。
お出掛け時には、何十年振りの思いも重なって、丹念に入念にお化粧を整えていらしたであろう彼女の鼻の脇に・・・大きな「鼻○○」が・・・。
ほんと、お気の毒だけど教えて差し上げられなかった・・・。

今も美しく華やかに活動していらっしゃる彼女のお噂を耳にするたび、どうしてもその瞬間の事が頭をヨギル。
私って、ツレナイ人かも・・・。
いや、人間ってそんなものですよね・・・。(・・;)
教えて上げなくてごめん!(遅いって!)



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