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一本の白髪で・・

           一本の白髪で
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日暮里に向かう電車の中で、前の席に清々しい女学生が座っていた。

お化粧っけもなく、何と清々しい二人だろう・・・。
二人は、こんな感じで顔を見合わせながら、静かに楽しそうにお話している。

右側のお嬢さんの横顔がとても神秘的で、輝く珊瑚のよう・・・。


わたしにもこんな時代があったのだわ(若さだけは)・・と見惚れていると、画面右のピンクのぼかしお嬢さんがやおら例の「鏡」を取り出してお化粧のショーを始めた。 (-"-)   ちっ!!

あまりにも目障りだったので、画像は「ぼかし」でしかえし・・・。(≧▽≦)

延々とお化粧をして別人28号になったところで、携帯をやり始めた。

・・・と、何が切っ掛けかは見落としたが、左の女学生二人が何やらピンクと話しをしている。
お知り合いではなさそうだけど・・。

そして、ピンクぼかし嬢の髪の毛を引っ張って、ぱらりと何かを探している様子。
・・・、あった!!
「白髪」の長~~~いのが一本!

ピンクが「抜いて頂戴」かなにか言ったらしく、女学生がその白髪っを引っ張るも、そこは流石の白髪くん!、抜かれてたまるか・・という風情でなかなか抜けない。

三人がかりでやっと抜けた長い白髪・・。
自分の分身を手にしたピンクは、白く輝く長く見事な白髪をびょ~んと両手で伸ばし、しばしみとれていた。
さ~て、、この白髪をどのように始末するだろうか・・?と興味津々でちら見している私。

数秒後、・・・おっとぉ~!! やっぱり想像通り足元にそっと捨てやがった!!(あ、お捨てになりました)(-"-)


あんなに20分も頑張ってお化粧したのに、お隣の女学生の輝く肌に負けたピンク。

お二方!貴女方は、お化粧をしないでこのままの美しさを継続して下さいね・・と願うばかり。


たは・・・、まるで自分に言い聞かせているような・・・。
私だって、こんな「皺の中にお化粧品を刷り込んで」いるような今の自分が情けない・・・。

でも、これをしないと、もっと「おばけぇ~」状態なので仕方ないのです~!
シミ・ソバカス・小じわ・・・等々を隠さないと(隠したつもり)人様の前には出れない自分・・・。

あ~あ、これでも昔は「さすがお肌が白いわね」と、新潟出身と言うと必ず褒めてお世辞を言わせていた自分・・。

仕方ないのね・・・、年を取るということは、そういう事なんだから・・・。


ピンクの華やかなオーバー・丹念なお化粧20分・・・。
なのに・・、白髪一本で「人生の悲哀」を何倍にも感じさせてくれたピンクさんのドラマだった。







鳩杖

           鳩杖
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千駄ヶ谷からの帰りの車中での出来事。
丁度「年寄り席」が空いたので一番端(扉側)に座ってほっと一息。
この頃は、恥も外聞も無く座りたくなる・・・。  (~_~;)


次の駅で対面の座席の一個が空いたが、乗り込んできた老紳士がよろよろとその空間に座った。
危なっかしい足取りのその紳士の手には、アノ「鳩杖」がしっかりと握られていた。



先日、家人のかっての勤務先から80歳(数えで)になると贈られる習わしの「鳩杖」が届いた。
それで「鳩杖」というものを知った訳だが、その紳士はその鳩杖が無くては歩けない位の気配・・・。


電車が動き出し、ふと前の席のその紳士に目をやると、何やら私の近辺が気になる気配。
何か言いたげな表情を、見るともなく見ていたが、「やだ!まさか私の顔のベル麻痺に気が付いた・・・?」とか、「もしかして、私の服装がオカシイ・・?」とか、「えっ、やだ! 私に見惚れている・・?」とか(えへ!これはウソ!)・・・、何となく落ち着かない。



・・・!!!!と!!!!


にゅ~!!っとその「鳩杖」の握りの部分が私の目の前に!
「えっ、なになに?!」とのけぞる私の目の前で、力なく宙を彷徨う【鳩】・・・。
紳士よ!気は確かか・・?とびっくりして目を上げると、中腰になってはぁはぁぜーぜーのおぼつかない足を踏ん張って腰を浮かせている!!!


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ぎゃ! な・なにを血迷っていらっしゃる~~!  と叫びそうになったとたん、その杖の「鳩」ちゃんが、到着すべきところ・・つまり、【隣との境の扉の取っ手】に届いて、紳士が全身の力で杖を引っ張って戸を閉めているところだった・・・。

・・・つまり、開いていた「戸」を閉めたかったのだった・・・。
誰かが開けっ放しにして隣の車両に移動して、私の席側に開け放した扉の取っ手が来ていたのだ。


閉めてくれ!という「ワシ」の願望を気配で察してくれよぉ=!  と目線ビームを送っていたのに、私は全然気が付かなかったのね。
その視線を・・「私に気があるぅ・・?」などと・・(^O^)/  きゃ! きゃ!きゃ!   ふふふふ


全身全霊の力で扉を鳩杖の取っ手で引っかけてぐぐぐぐxxxっっと引き寄せ、その後息も荒くシートに身を沈め、ふうふういいながら目を閉じている紳士。



ごめんなさい~~~~・・・、気が付きませんで・・・。   (~_~;)



.

 

円形・・・

         円形・・・
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今日は、義妹達とランチの後、一人で日暮里まで生地を買いに行くことになっていた。
念入りに「ウィッグ」を装着し、三面鏡でしっかり確認して出かけた私。  (~_~;)
食事も終わり、さて日暮里へ・・・。
乗り込んだ電車の中でふと前を見ると、扉に向かって立つお嬢さんがいた。
膝より上にくる「ロングブーツ」の後ろ姿に目がいき、歩いたり座ったりした時にブーツが邪魔にならないのかなぁ・・などと無粋な思いを持ちながら目が上の方に・・・。
ミニスカートが可愛い・・・。
首にはふわふわのボアが温かそうにまかれて・・・。


・・・・・・・・・ん?・・・・・・・・・


そこで見たのです!!
ごめんなさい、こんなことを書くのは失礼かもしれないのですが、このことで身が縮む思いをしている私が描くのですからお許しを・・・。


私が今一番悩んでいる「円形○○」が、うら若き彼女の髪の頂点のみならず、周辺に幾つか見受けられるのです・・・!
お洒落ないでたちからは想像も出来なかった事実に、凍りついたようになりました!


じーっと扉の外を見ていた彼女は、一度も振り返らずに、とある駅に降り立っていきました。
多分、美しい可愛い御嬢さんだったと想像しています。 でも、ん~~~ん・・、「頑張ってね!」と心の中で彼女につぶやく事しかできない私。


それにしても、今の世の中、精巧なウィッグなどが安価で手に入るでしょうに、自然に任せてそのままの姿で外出出来る強靭な心の持ち主なのかもしれない。
私など、「19800円也」の部分ウィッグをすぐさまweb通販で買ってしまったけど・・。
何だか、同病相哀れむ・・の境地で暫く胸が熱くなっていた。



じつは・・・

今から半年程前、久しぶりに美容室でパーマをかけていた時、「あれ?! 頭の後ろに【傷】がありますよ! 」とびっくりしたような美容師クンの声に、「あら?洗髪の時引っ掻いたかしら」と私。
「いいえ、そういう傷とは違います!」ときっぱりと彼。
何だか嫌な予感がして、何が違うの?とも聞かずにそのまま作業が進み、帰宅したのだった。


「そういうのとは違う傷です」という言葉が何となく気になってはいたが、そのままに時は過ぎ、「あれ?おばあちゃん(家人は私をそう呼びます!)、ちょっと後ろを向いてみて・・、何だか頭の地肌が見える部分があるよ!!」との言葉に、その美容師クンの「違う傷」という言葉が荒々しく甦ったのだった。
どきどきしながら三面鏡で見てみると、ううっ! 出来ていたのです~~!! 
にっくき「円形○○」が・・・!  (;_:)
しかも、重複して・・。


私の場合はそんな経緯があったので、もしかして、そのお嬢さんも自分で見えない場所なだけに、知らないでいるのかも・・・とも思ったりして。
美容師クンがそうであったように、気がついても直接口にしない場合があるのかもしれない。



それは、思いやりなのかしらね・・・。
う~ん、難しい・・・。


ウィッグは、使い方によっては本当に悲しいことになる。
知人の場合、ある会にそれを装着していらした事があった。
有名なウィッグ専門店の方に自宅に出張して貰い、100万円でオーダーして作ったとのこと、それが実に残念な結果だったのだ。
誰かに言われたらしく、それ以来一度も装着しているのを見かけない・・・。


先日電車の中で見かけたお年寄りも、まるで「カッパのお皿」のように色が違うウィッグを天辺にちょこんと載せていらした。
うぅ・・・、悲しいぞ・・・。


それにしても電車の中のお嬢さん!  頑張ってね!
一日も早いご快癒を祈っていますよ!


ちなみに、私の症状の原因は、20年前に施術した甲状腺腫瘍の摘出による「ホルモン療法」の薬の微妙な適量差が生じた結果・・・らしい。
主治医と相談の上、少し薬を減量して貰うことで取り敢えず現状維持。

悲しいぞ・・・。

でも、この歳なんだから悲観しないで頑張る!  (*_*;



うら若きあのお譲さんのその後を祈ろう・・・。




紙の使い方

         横文字の暗記
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車中ウォッチングは、見ているその瞬間が面白いのであって、後で話したり書いたりしてもちっとも感動が伝わらないものだ。
だから、外出から帰ったらその日の内にぱぱっと書かないと「賞味期限切れ」状態。
(~_~;)
ところが、外出すると疲れてしまい、なかなかじっくりと書き留めておけないのが難・・。


それにしても人間って、本当に素敵な人が多く、ふとした心の動きを見せてくれるのが楽しい。
外出先への30分程の道のりが楽しくて仕方ない。
いつも「見て見ぬ振りの目付き」できょろきょろ。(~_~;)



鼻眼鏡のおじさん・・・。
立っている私の目の前に座って、何やらぶつぶつ言いながら紙にすらすら書き込んでいる。
時々薄目を閉じて天井を向き、唇だけもごもごと動かして、ペンを持った手で時々おでこをピンと打ったりしながら。
「競馬の予想」にしてはちょっと様子が違うな・・と膝の上の本をそっと覗いてみると、うわ!黄色とピンクと緑の蛍光色ペンのラインでびっしり彩られた「横文字」の本だった!
しかも、既に何十回何百回と繰られて手垢で薄汚れたよれよれ感漂う本!
何語が書いてあるのかは覗きこむのも失礼だし、見えてもロシア語か英語かフランス語かドイツ語かは判別出来ない私だけれど、「横文字」だということだけは確か!



髪の感じからするともう55歳はとうに過ぎていらっしゃると推察出来る方が、一枚の紙切れにすらすらと赤のボールペンで英語(だと思う)の単語を書き続ける。
失礼ながら、お召しのジャケットはそんな風景には似つかわしくない「作業着風」・・・。



目を白黒して天宙を見つめ、一生懸命暗記しているお顔は真剣そのもの。
しかも、書きつけている一枚の紙には、最初に「赤ボールペン」、それがびっちり埋まると、ペンを切り替えて「紺色」にしてその上から上書き。
一枚の紙切れは四隅がめくれているから始発駅当りから長時間書いていらっしゃった模様。
しかも、裏も「赤と紺」の単語がびっしり・・・!!!!



いやぁ・・・、感動!
真剣に真剣に寸暇を惜しんで外国語を勉強しているおじさんに拍手~!!!

そして、紙の独特の節約方法にも拍手~!!!


「謎」のセリフ

   「私は嘘は言っておりません!・・・「謎」のセリフ
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とある駅から乗ってきた女性が、入り口近くに座る私の前に立った。
背を丸め、いかにも疲れ果てたような吐息を吐くさまは、私と同じかちょっと上の年齢の方だろうと推察したが、とても疲れた様子だったので、席を譲った方が良いかな・・?と一瞬迷った。
・・と、ふと左を見た彼女が突然動きだした!
 つつつつ~!
足・腰もすっきり伸びて、立っている人を華麗に避けながら、軽やかに左の方に移動するさまは、先ほどの疲れ果てた老人とはとても思えない見事な身の捌き方! (+o+)


おやおや・・と目で追った私。
・・・ざんねん!
そのすばやい華麗な動きは、見つけた左の「空き席」をめがけての行動だったようなのに、一瞬の誤差で先客にゲットされた模様・・・。
「う=、残念!」という感じで膝を折り、ガクッと首を反らせた姿が遠くで見えた瞬間、他の男性と重なって、それきり私の視覚から消えた。


先日、「スケートの選手になった気分」だけで腰痛になってしまった、間抜けな私。
同じ位の年齢の女性に「お席を譲ろうとした」行為を自分で笑った!!
もう!  自分では彼女より「若い」つもりなんだからぁ・・・!  ^m^


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さて・・

★ 次の駅から乗ってきたお洒落なおばあさん。
この方はどう見ても私よりお年を召していらっしゃる・・・。
黒のコートに黒のスカート(ズボンじゃない!)、黒のストッキングにヒールのある(!)靴。
髪を美しく結い上げて、上品さが漂う。
よろりとバーに縋った様子に、前に座っていた若者がすっと立ち上がり席を譲る。
「あら!ありがとうございます。助かります。どうもありがとうございます・・・」と何回もお辞儀をしながら席に座るさまも、美しい。

キリリと口角を結び、弓のような眉も「良いとこのおばあさん」風情。
若者よ! 席を譲ってくれてありがとう・・・。
先ほどのこともあり、私もちょっとほっとした。


程なく、何処からか「私は嘘は言っておりません!嘘ではありません! 本当に嘘は言っておりません! 誰にお聞きになってもいいです。 嘘は言ってません!!! 」ときっぱりした大きな声がし、周りがシーンとしている。

びっくりしてそちらに目をやると、その主は例の「良いとこ風のおばあさん」。

赤い携帯をしっかと握り、きりりとしゃべっている。
「私は嘘は言いません」を数回繰り返して・・・。

電話していると、思わず大きな声を出していることに気が付かないのか、そのイメージからはとても考えられない力強い内容の「反撃」を繰り返し。

電話を終わり、何事もなかったように携帯をバッグにしまうと、代わりにバッグの中をごそごそと手探りして取り出したのが、「メンソレータム」の丸い缶。
そう、直径4cm程の、看護婦さんが印刷されている・・・。懐かしい~!(^o^)

先ほどの「力強い反撃」のセリフにシーンとしていた周囲もほっと息をゆるめた感じ。

ご本人は澄ました顔で何も無かった様子で蓋を開け、少しすくって左手に載せ、それを右手で目の周りに丁寧にくるくると摺り込んでいる・・・。

周りにさわやかなス~っとした香りが漂う。

えっ・・? 目・目にぃ~?・・・すかすかしないのぉ~~!?  (@_@;)

残りを唇と額に丁寧にすりすり、 ついでに手に揉み込んで終わり。

普通、顔に塗るなら「桃の花」でしょうが・・・。( 古!)


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そして、日暮里で乗り換えエスカレーターに向かう彼女の颯爽とした威勢の良い歩き方は、やはり気丈な「嘘は言ってません!」のセリフが似合うおばあさんだった!

誰にも負けない速さでエスカレーターにすすっと跳び乗り、遥かかなたの高さへと登っていく後姿を見て思った。

「日本の老人(女性)は、健在なり!」

それにしても、何の「嘘」を否定し続けたのだろう・・・。  【謎】だなぁ・・・





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