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羽化!

音楽。

 

  明転。

 

  かっこいい感じで入場してくるコンチュウジャーたち。

 

  しかし時羽奏だけ、おじさんに変わっている。が、特に誰もそのことに触れない。

 

  音楽アウト。

 

 

 

チョウジ  これが、完全なる昆虫戦士コンチュウジャーの姿。

 

トーマス  体中から、力が漲ってくる。

 

ハルオ   すげえ。これなら、爬虫類帝国のヤツにも負けねえ。

 

明日香   全員で、力を合わせて闘いましょう。

 

チョウジ  …カブトブロー!

 

 

 

  チョウジ、大きくパンチを出す。ドン、というすごい空気が震える音。

 

 

 

一同    おおお…。

 

トーマス  アゲハウインド!

 

 

 

  トーマス、舞台上に風を起こす。

 

 

 

一同    おおお…。

 

ハルオ   ビーリボルバー!

 

 

 

  ハルオ、腰から拳銃を抜き、ドンドン、と撃つ。

 

 

 

一同    おおお…。

 

明日香   テントウフラッシュ!

 

 

 

  明日香、舞台上をビカビカと光らせる。

 

 

 

一同    おおお…。

 

奏     ヤゴチョップ!

 

 

 

  奏、ごく普通のチョップ。

 

  一同、戸惑う。

 

 

 

チョウジ  …えっと、あの。

 

奏     ヤゴチョップ!

 

トーマス  ヤゴチョップじゃなくて。

 

明日香   誰…ですか?

 

奏     皆、久しぶり。やっと、全員揃ったな。

 

ハルオ   だから、誰なんだよ。

 

奏     いや、俺だよ、俺。トンボの昆虫戦士、時羽奏。

 

チョウジ  は…

 

四人    はあ!?

 

 

 

  四人、顔を見合わせる。

 

 

 

チョウジ  (手を挙げて)万里チョウジ。

 

トーマス  (手を挙げて)エッフェル・トーマス。

 

ハルオ   (手を挙げて)多安島ハルオ。

 

明日香   (手を挙げて)桜田〝ファミリア〟明日香。

 

奏     (手を挙げて)時羽奏。

 

四人    いやいやいやいや。

 

ハルオ   おかしいだろ

 

トーマス  時羽奏って。

 

明日香   ただのおじさんじゃん。

 

奏     あー。俺、蛹になれなかったんだよね。

 

チョウジ  はい?

 

奏     だからさ。俺、トンボのエキス飲んだじゃん。で、ヤゴってのが、トンボの幼虫なんだけどさ。ちょっと、図で説明しようか。

 

 

 

  ヤゴがトンボになるまでを説明したパネルが出て来る。

 

 

 

奏     これが、ヤゴがトンボになるまでの図ね。で、で、俺も全然知らなかったんだけど、トンボって、不完全変態で蛹にならないんだな。分かる?これ(ヤゴ)が、このままこう(トンボ)。だから、皆が蛹になっている間、普通に起きて、歳とって。

 

明日香   じゃあ、もしかして…

 

奏     そうです。アタスが、ヤゴのおじさんです。

 

四人    ズコーッ!

 

 

 

  四人、ずっこける。パネル、退場。

 

 

 

トーマス  そんな、馬鹿な。

 

奏     いや、本当にそんな馬鹿なだよ。世界連合軍とか言って世界中のエリート集めて、なんで誰も、ヤゴが蛹にならないことに気付かないんだよ。

 

ハルオ   おい、チョウジ。本当に、奏なのか?

 

チョウジ  いや…正直、分からんとしか。

 

奏     まあ、そうなあ、分からんよなあ。何たって、三十年だもんなあ。

 

四人    三十年!?

 

奏     そうだよ。さすがに、もうちょっと早く成虫になると思ってたらさ。

 

明日香   私達、三十年も眠ってたの?

 

奏     だから、そう言ってるじゃん。いやー、長かった。

 

チョウジ  なんてことだ。

 

トーマス  じゃあ、その。闘いは、一体。

 

ハルオ   え?

 

トーマス  三十年が経った今、人類と爬虫類帝国の闘いはどうなっているんでしょうか。

 

ハルオ   ああ、そうだよ。まさか、俺たち以外の人類は…

 

奏     いや、生きてるよ、みんな。普通に。

 

明日香   本当?

 

奏     まあ、うん。

 

チョウジ  じゃあ、俺達人類は勝ったのか。

 

奏     あー、いや、そうとも言えないっていうか。

 

トーマス  どういうことですか。

 

奏     つまりはまだ、なーんか、闘いは続いている。

 

ハルオ   なーんかって、何だよ。

 

奏     いや、だからそれは…

 

 

 

  突如、ゴロゴロゴロ、という雷の音。

 

  スネーク将軍の声が響き渡る。

 

 

 

スネーク  フフフ…ついに蘇ったようだな。昆虫戦士コンチュウジャーの諸君。

 

ハルオ   こ、この声は。

 

チョウジ  爬虫類帝国総司令官…スネーク将軍!!

 

 

 

  不穏な音楽。

 

  スネーク将軍、入場。

 

 

 

チョウジ  出たな。

 

スネーク  三十年ぶりだなあ。

 

明日香   こっちの見た目は、全然変わってないけど。

 

スネーク  フッフッフッ、爬虫類帝国は、宇宙でも有数のアンチエイジング国なのだ。目覚めてそうそう悪いが、この場で全員死んでもらうとするか。

 

チョウジ  おもしれえ。俺達コンチュウジャーの力を見せてやる。そうだろ、みんな!?

 

 

 

  頷く三人。

 

 

 

奏     いや、待ってくれ。ここは、俺が闘う。

 

チョウジ  え?

 

奏     見ててくれよ。俺だって伊達に三十年間、戦い続けて来た訳じゃないってことを。

 

チョウジ  奏…。

 

スネーク  フン。…行くぞ!

 

 

 

  バトルのかっこいい音楽。

 

  奏とスネーク、雄たけびを上げて対峙する。

 

  しかし、パンチを打とうとした奏、悶絶する。

 

 

 

奏     あたた…。腰がイッた…。

 

四人    ズコーッ!

 

明日香   オッサンじゃん。

 

スネーク  フ、死ねえ!

 

 

 

  スネーク、キックを打とうする。しかし、やはり悶絶。

 

 

 

スネーク  あ…足つったあ!

 

四人    ズコーッ!

 

ハルオ   こっちもオッサンかよ。

 

 

 

  奏とスネーク、何とか立ち上がって、とんでもなくヌルい殺陣を繰り広げる。

 

 

 

明日香   遅っそ!

 

ハルオ   何なんだよコレ!

 

トーマス  なんと、美しくない…。

 

チョウジ  もういい。俺が一撃で決着をつけてやる。行くぞ、カブトブロー!

 

 

 

  チョウジ、技を繰り出そうとする。かっこいいエフェクト。

 

  しかし突如、美大生入場。

 

 

 

美大生   あーもう、いい加減にしてくれよ!

 

 

 

  音楽アウト。

 

 

 

四人    …え?

 

美大生   そこのアパートに住んでる美大生だけどさ、うるさくてデッサンが出来ないんだよ。

 

スネーク  フン、黙れ地球人。デッサンごときで、我々の闘いに口を出すな。

 

美大生   何がデッサンごときだよ。まったく…これだから、芸術を理解出来ない爬虫類の連中は…

 

 

 

  子連れ主婦、入場。

 

 

 

主婦    専業主婦の私としては、地球人がもうちょっと、歩み寄るべきだと思いますけど。

 

美大生   何だって。

 

主婦    地球人も、悪い人ばかりじゃないから。ゴボウ、あげる。

 

 

 

  主婦、買い物袋から長いゴボウを取り出して、スネークに渡す。

 

 

 

スネーク  あ、ど、どうも。

 

明日香   え、何。

 

トーマス  どういうことだ?

 

 

 

マンチカン、入場。

 

 

 

マン    マンチカンの立場から言うと、お互いさまって感じだニャー。

 

ハルオ   何か、また増えたぞ。

 

 

 

  美大生と主婦とマンチカン、議論し出す。

 

 

 

スネーク  ああ、もう、うるさい!…フン、コンチュウジャーども。どうやら命拾いしたようだな。いいか、次はないと思え。

 

 

 

  スネーク将軍、退場。

 

  美大生と主婦とマンチカンも、ガヤガヤ言いながら追いかけて退場。

 

 

 

明日香   何、これ。

 

奏     だから、言っただろ。なーんか、闘いは続いてる。

 

トーマス  いくら何でも、グダグダじゃないですか。

 

奏     こんなもんじゃないの?三十年もやってりゃさあ。それより、俺達のポーズを考えてみたんだけど。(ポーズをとって)「昆虫戦士、コーン、チュウジャー」!

 

四人    ださいー!

 

 

 

  主題歌。「YES!WECANコンチュウジャー」。

  音楽にのせてオープニング


爬虫類帝国最高幹部会

転換。舞台、薄暗い明かり。

 

不穏な音楽。

 

円卓に、スネーク将軍、カメレオン少佐、タートル軍曹、ヤモリ男爵、トカゲ参謀。

 

 

 

スネーク  只今より、爬虫類帝国、最高幹部会を行う。…カメレオン少佐。

 

カメレオン カメレオーン!

 

スネーク  タートル軍曹。

 

タートル  タートル!

 

スネーク  ヤモリ男爵。

 

ヤモリ   ヤモーリー!

 

スネーク  トカゲ参謀。

 

トカゲ   トカーゲ!

 

スネーク  よし、全員揃っているな。既に知っての通り、昆虫戦士コンチュウジャーが目覚めた。…しかし、その前に話さなければならないことは、一体我々はいつまで最高幹部会を、こんな中華料理屋で行わなければならないかということだ!

 

 

 

  スネーク将軍、テーブルをドンと叩く。

 

  音楽アウト。

 

  舞台上に地明かり。中華料理屋である。ガヤガヤとうるさい。

 

 

 

スネーク  おい!人間ども。今、会議中なんだ。

 

 

 

  一瞬、シンと静まるが、再び客たち、ガヤガヤし出す。

 

 

 

スネーク  うるっさーーーい!!人間ども、今すぐ出ていくのだ。さもなくばこの牙で、一人残らず噛み殺してくれようぞ。

 

 

 

  シャ―ッ、という蛇が威嚇するSE。

 

 

 

客たち   ひーっ!

 

 

 

  客たち、退場。

 

 

 

スネーク  全く…天下の爬虫類帝国が何てザマだ。大体、最高幹部会も何も、お前ら四人しかもう残っていないだけじゃないか。

 

タートル  まあ、それを言ってしまえば元も子もないですが。

 

スネーク  憎きは、時羽奏。しかもそこに加えて、四人のコンチュウジャーまで蘇ったときたもんだ。

 

カメレオン スネーク将軍。あなたの右腕である、私に策があります。

 

スネーク  カメレオン少佐。是非聞かせてくれ給え。

 

カメレオン 今我々が学ぶべきは、ブルーボトルコーヒーの戦略ではないでしょうか。

 

スネーク  …ん?まあ、続けて。

 

カメレオン ブルーボトルコーヒーは、現地と全く変わらない味を日本に持ってきました。つまり、タスクをアウトソーシングすることへのサジェスチョン、あるいはアサインをペンディングしてシナジーを…

 

スネーク  うん、意識は高いよね意識は。しかしそれっぽい言葉使ってるだけで、中身がスカスカじゃないか。

 

タートル  では、私の作戦をお聞きください。

 

スネーク  頼むぞ、タートル軍曹。

 

タートル  題して…悪夢のミント作戦。

 

スネーク  ミ、ミント?

 

タートル  ミントの葉は、驚異的な繁殖力を持っています。地球人の家の庭に、一軒ずつミントを植えて回れば、やがてこの星はミントが支配する恐怖の惑星になり…

 

スネーク  何年かかるんだ、その計画は。カメだから、何でも長期的なんだよ。

 

トカゲ   スネーク将軍。なぜ私の意見は聞いてくれないのですか。

 

スネーク  いや、トカゲ参謀。こう、順番に…

 

トカゲ   私が女だからですか。女の意見は聞くに値しないと仰りたいわけですか。

 

スネーク  そんなことは言ってないだろう。

 

トカゲ   私は一位がいいんです。二位じゃ駄目なんです。

 

スネーク  君は、あれだな。もうちょっと、可愛げがあった方がモテるんじゃないかな。

 

トカゲ   スネーク将軍!今の発言の撤回を要求します。そういった意識が男性の根底にあるから…

 

スネーク  ああ、悪かった悪かった。ヤモリ男爵、何か、意見はあるかね。

 

ヤモリ   ないです。

 

スネーク  ズコーッ!おいお前、少しは頭を使えよ。

 

ヤモリ   そうですよね…俺が悪いんですよね…。

 

スネーク  あ、いや。

 

ヤモリ   昔からそうで…それで、ずっといじめられて…でも何も出来なくて…。

 

 

 

  ヤモリ男爵、泣き出す。

 

 

 

タートル  いや、まあ、元気出して。

 

カメレオン (スマホを出して)hey,siri.

 

 

 

  ポン、というsiriの起動音。

 

 

 

カメレオン ヤモリ男爵を、励ましたい。

 

スネーク  siriに聞くなあ!あーもう、何なんだどいつもこいつも!マトモなヤツから抜けていって、ポンコツしか残ってないじゃないか!

 

 

 

  店長の大五郎、入場。

 

 

 

大五郎   おいおい、スネークの兄ちゃんよお。

 

カメレオン 大五郎さん。

 

大五郎   困るよ、勝手に他のお客さん帰しちゃよう。

 

スネーク  人間どもの前で作戦会議など出来ん。

 

大五郎   もう人類だ爬虫類だって時代じゃねえだろ。俺の友達、爬虫類の嫁さん貰ったけど、幸せそうに暮らしてるよ?

 

スネーク  そんな軟弱者の話は知らん。我々の野望は、世界征服だ。

 

大五郎   何でもいいけど、ここで話すなら何か注文してくれよな。

 

スネーク  フン。こんな汚ったねえ中華料理屋で飯なんぞ食えるか。

 

大五郎   何だとお?

 

 

 

  大五郎の妹の、かれん入場。

 

 

 

かれん   ちょっと、お兄ちゃん。

 

スネーク  か…かれんさん。

 

かれん   駄目じゃない、邪魔しちゃ。

 

大五郎   いや、こいつらが、何も注文しねえからよお。

 

かれん   大きな夢を持ってる人には、苦労がつきものなんだから。そうですよね?

 

スネーク  え?…ええ、まあ。

 

かれん   ちゃんと、自分の夢を持ってる人って…素敵。頑張って下さいね。

 

大五郎   ったく。お前がいっつも、こいつらを甘やかすからよお…

 

スネーク  あ、あの!…えっと、その…北京ダッグと、フカヒレ下さい。

 

爬虫類達  はあ!?

 

大五郎   北京ダック、フカヒレ頂きました。

 

かれん   シェイシェイー!

 

 

 

  大五郎、かれん退場。

 

 

 

カメレオン いや、何見栄張ってるんですか。

 

スネーク  はあ?べ、別に。

 

トカゲ   意味もなくカッコつけないでください。

 

スネーク  カッコつけてねえし!全然、カッコつけてねえし!

 

タートル  中学生じゃないんだから。

 

スネーク  まあまあまあ。テレビでも見て、落ち着こうじゃないか。

 

一同    あー!

 

 

 

  スネーク将軍、テーブルの上のリモコンを操作。

 

  別空間に明かり。舞台上に、司会者。

 

スピリチュアルな音楽。

 

 

 

司会    今週もはじまりました「バカンブリア宮殿」。この番組では毎週、偉大な社長が一から創り上げた大企業を、みるみる駄目にしていくバカな二代目社長をスタジオにお招きします。本日のゲストは、日本一と言われる家電量販店、金山電機を現在みるみる駄目にしている、金山力社長です。

 

 

 

  拍手のSE。金山力、入場。

 

 

 

スネーク  何なんだ、この番組は。

 

司会    早速ですが、金山電機の業績の変化について教えてください。

 

金山    はい。もう、全然駄目ですね。私が社長を継いでから、何かよくなったことは一つもありません。

 

司会    一つも、ですか。

 

金山    私の目は、未来を見通さない目なんです。

 

司会    業績が悪化していく中で、不安などはないのでしょうか。

 

金山    それ、よく聞かれるんですけどね。親父が作った会社があまりにも大きいもんで、どれだけ私が間違ったことをやっても、会社は大丈夫なんですよ。

 

司会    なるほど。では、心置きなく、バカな経営が出来るということですね。

 

金山    そういうことです。あ、とりあえず今、一万円あげますよ。

 

司会    わあ、ありがとうございます。

 

タートル  タ…タ…タートール!!

 

スネーク  うわっ!

 

 

 

  タートル軍曹、リモコンでテレビを切る。

 

  別空間の二人、退場。

 

 

 

タートル  許せん、許せん。

 

スネーク  何なんだ、いきなり。

 

タートル  俺はこういう、楽して毎日を過ごす奴が許せないんです。命を授かった以上、毎日コツコツ努力して生きるのが務めってもんじゃないんですか。

 

カメレオン 何か、まともなこと言ってるな。

 

トカゲ   カメですからね。

 

タートル  くそう、あいつ。今すぐ説教してやりたい。

 

スネーク  しかし、そう憤ってもなあ…いや、待て。待てよ。

 

カメレオン スネーク将軍?

 

スネーク  思いついた、思いついたぞ、素晴らしい作戦を!

 

カメレオン それは、一体…

 

スネーク  フフフ…あの男を…金山力を、我々の手で誘拐するのだ!

 

 

 

  恐怖の音楽。

 

 

 

カメレオン な、なんと。

 

スネーク  奴を人質にコンチュウジャーをおびき出し、全滅させる。その後でたんまり、身代金も頂けるという寸法だ。

 

カメレオン 素晴らしい…リスケジュールと叫ばせてください。リスケジュール!

 

スネーク  タートル軍曹。この作戦を指揮してくれるかね。

 

タートル  勿論です。一に努力二に努力、三四がなくて五に努力。

 

スネーク  フフフ…目に浮かぶぞ。絶望の表情を見せる、コンチュウジャーどもの姿がなあ。フフフ…ハハハ…ハーッハッハッハッ!

 

一同    ハーッハッハッハッ!

 

 

 

  一同、高笑い。しかし、やがて収まる。微妙な間。

 

  やがて、カメレオン少佐が再び笑い始める。

 

 

 

カメレオン フフフ…ハハハ…

 

一同    ハーッハッハッハッ!ハーッハッハッハッ!

 

 

 

  一同、再び高笑い。しかし、やがてまた収まる。微妙な間。

 

  大五郎とかれん、それぞれ北京ダッグとフカヒレを持って入場。

 

 

 

大五郎   クックックッ…

 

かれん   フフフフフ…

 

一同    ハーッハッハッハッ!ハーッハッハッハッ!

 

 

 

音楽アップ。転換。一同退場。

 


再び地球連合軍基地

 

 地球連合軍基地。

 

バランスボールやエクササイズローラー、ボディブレードなどが置かれている。

 

  奏、入場。

 

 

 

奏     さあ。入って入って。

 

 

 

  チョウジ、ハルオ、トーマス、明日香の四人、続いて入場。

 

 

 

奏     ここが、現在の地球連合軍基地だ。

 

チョウジ  いや、基地って言うか…。

 

トーマス  健康グッズばかりですね。

 

奏     俺はここで毎日、身体を鍛えている。見てろ。

 

 

 

  奏、バランスボールに乗る。

 

 

 

ハルオ   大丈夫かよ。

 

奏     そろそろ、ガロン長官も帰って来るはずだ。

 

チョウジ  え…ガロン長官?

 

トーマス  まだ、お元気なんですか。

 

奏     ああ。ガロン長官はな、爬虫類帝国と闘うため、自らをサイボーグに改造したんだ。

 

明日香   ガロン長官が、サイボーグに?

 

奏     それも、ただのサイボーグじゃない。生物学と機械工学の粋を集めた、究極のサイボーグだ。

 

チョウジ  生物学と、機械工学…。

 

 

 

  と、ガロン長官の声が響き渡る。

 

 

 

ガロン   諸君。久しぶりだな。

 

チョウジ  こ、この声は。ガロン長官!

 

 

 

  音楽。ガロン長官入場。

 

  右手が大根、左手が大根おろしになっている。

 

  音楽アウト。

 

 

 

ガロン   私の右腕は大根。そして左手は大根おろしだ。

 

四人    ズコーッ!

 

ガロン   諸君。私は、この時をずっと待っていた。完全なる昆虫戦士となった君たちが目覚める、この時をな。三十年ぶりのこの世界で、戸惑うことも多いだろう。分からないことがあれば、何でも聞いてくれ。

 

トーマス  じゃあ、私から。一体どうやってこの三十年間、爬虫類帝国と闘って来たんですか?

 

奏     ん?

 

トーマス  だって、その幼虫の身体じゃあ、昆虫戦士のパワーは出せないわけでしょう?

 

明日香   ああ、確かに。

 

奏     あー、うん。まあ、体力じゃ勝てないからねえ。ひたすら、爬虫類を就職させたよね。

 

チョウジ  就職?

 

奏     結局、地球でやることがないから、支配したいとか考えちゃうわけだろ。だから、怪人一人一人とまずは話して、何がやりたいか聞いて、で、就職させる。

 

ハルオ   ハローワークみたいだな。

 

奏     時間かかっちゃうけどさ、しょうがないよな。こっちは、マトモに闘えないんだから。

 

ガロン   私も、右手が大根ではな。

 

明日香   自分でやったんでしょ。

 

奏     それじゃあ、皆のことも教えてよ。そうだ、改めて自己紹介しようか。

 

ハルオ   はあ?

 

トーマス  何で、今更。

 

奏     いや、俺にしてみりゃ三十年ぶりだしさ。それに、皆も一緒に訓練してただけだし、                 実はお互いのこと何も知らないんじゃないの?

 

明日香   それはないと思うけど。

 

奏     じゃあ、まあ俺から。えー、時羽奏です。今の目標は、なんとなく生まれてる皆との                 溝を埋めること。将来の夢は、パイロットです。

 

ハルオ   間に合わねえだろ。

 

奏     じゃあ、皆も。

 

トーマス  ええと…エッフェル・トーマスです。元モデルらしく、華麗に闘いたいと思います。

 

チョウジ  え。トーマス、モデルだったのか?

 

トーマス  ええ、はい。

 

明日香   え、初耳。

 

奏     ホラホラ。知らないじゃん、お互いのこと。さあ、ドンドン行こう。

 

ハルオ   えー、多安島ハルオ。とにかく、俺がいれば全部大丈夫なんで、任せてくれ。

 

トーマス  へえ、言いますね。

 

ハルオ   い、いいだろ。ホラ、明日香。

 

明日香   え、私?…えっと…(かわいい声を出して)桜田〝ファミリア〟明日香です。えっと…その。紅一点、頑張りたいと思います。

 

ハルオ   何だよ、かわいこぶりやがって。

 

明日香   べ、別に。

 

奏     じゃあ、チョウジ。

 

チョウジ  …万里チョウジだ。俺たち、ずっと眠っていたみたいだけど…今日からコンチュ        ウジャーの100倍パワーで、爬虫類帝国のヤツらを全員ブッ倒してやる。そうだろ、    みんな!?

 

 

 

  三人、頷く。

 

 

 

奏     あー…うーん…。

 

チョウジ  何だよ。

 

奏     そういうノリは、いいかな。ちょっと、面倒くさいって言うか。

 

チョウジ  なっ。面倒くさいってどういうことだよ。

 

奏     ねえ、チョウジさあ。その熱血な感じ、いい加減やめようよ。何か、頭悪いよ。

 

チョウジ  あ、頭悪いって何だ。

 

奏     ってかさあ、前々から思ってたけど、すぐ「そうだろ、みんな!?」って聞くの、ちょっとアホっぽくない?

 

チョウジ  リーダーとして、全員の意思を確認してるんだよ。それのどこが悪いんだよ。そうだろ、みんな!?

 

奏     ホラ、また。

 

チョウジ  あー、もう。ガロン長官からも何か言ってやって下さいよ。

 

ガロン   いや、アホだな。

 

チョウジ  えー!?

 

ガロン   いいんじゃないか、もう全部適当で。

 

チョウジ  よくないですよ。俺は、この美しい地球を愛してるんです。

 

奏     かーらーの?

 

ガロン   ハハハ。

 

チョウジ  だから絶対、爬虫類帝国から守ってみせる。

 

奏     かーらーの?

 

ガロン   ハハハ。

 

チョウジ  人類が笑顔を取り戻すその日まで…

 

奏     かーらーの?

 

ガロン   ハハハ。

 

チョウジ  あーーー、何なんだよ、マジで!

 

トーマス  チョウジ、落ち着いて。

 

チョウジ  大体、就職って何だよ。そんなバカな話、あるわけないだろ。爬虫類帝国の怪人が、地球で普通に働くなんて…

 

 

 

  マムシ運送のマムシ、入場。段ボールを持っている。

 

 

 

マムシ   どーも、マムシ運送でーす。

 

奏     ああ、はいはい。

 

チョウジ  ……。

 

マムシ   お届け物の…サングラスですかね。

 

奏     サングラス?

 

ガロン   (奏に)今年の夏、バリ島に持って行こうと思ってな。

 

奏     長官、チャラいなー。

 

マムシ   こちらに、サインを。

 

奏     はい、いつもありがとうね。

 

マムシ   いやー、昔は世界征服のことしか考えてなかったんですけど、今はもう、運送業の楽しさで毎日キラキラしてます。奏さんのおかげですよ。

 

奏     爬虫類帝国にいたころから、武器とか運んでる時が一番楽しそうだったもんね。

 

マムシ   そーなんすよ。運ぶの大好きッス。じゃあ、また!

 

 

 

  マムシ、退場。

 

 

 

チョウジ  …いや、いるかもしれない。いるかもしれないよ、ああいうやつも。でも、だからって…

 

 

 

  突如、エマージェンシーのSE。

 

 

 

ハルオ   何だよ、今度は。

 

 

 

  ナレーションが流れる。

 

 

 

ナレ    緊急事態発生。金山電機社長、金山力社長が爬虫類帝国に誘拐された。繰り返す。金山電機社長、金山力社長が爬虫類帝国に誘拐された。

 

 

 

  恐怖の音楽。

 

 

 

明日香   な、何ですって。

 

奏     あー。事件起きちゃったかー。

 

チョウジ  くそ、みんな、行くぞ!

 

奏     まあまあ、そんなに急がなくても。

 

チョウジ  何言ってるんだよ。事態は一刻を争うんだ。

 

ガロン   (変なサングラスを着けて)チョウジ。はやる気持ちも分かるが…

 

チョウジ  何だそのサングラス!

 

 

 

  チョウジ、急いで退場。ハルオ、トーマス、明日香も続いて退場。

 


廃工場

 

 地球連合軍基地。

 

バランスボールやエクササイズローラー、ボディブレードなどが置かれている。

 

  奏、入場。

 

 

 

奏     さあ。入って入って。

 

 

 

  チョウジ、ハルオ、トーマス、明日香の四人、続いて入場。

 

 

 

奏     ここが、現在の地球連合軍基地だ。

 

チョウジ  いや、基地って言うか…。

 

トーマス  健康グッズばかりですね。

 

奏     俺はここで毎日、身体を鍛えている。見てろ。

 

 

 

  奏、バランスボールに乗る。

 

 

 

ハルオ   大丈夫かよ。

 

奏     そろそろ、ガロン長官も帰って来るはずだ。

 

チョウジ  え…ガロン長官?

 

トーマス  まだ、お元気なんですか。

 

奏     ああ。ガロン長官はな、爬虫類帝国と闘うため、自らをサイボーグに改造したんだ。

 

明日香   ガロン長官が、サイボーグに?

 

奏     それも、ただのサイボーグじゃない。生物学と機械工学の粋を集めた、究極のサイボーグだ。

 

チョウジ  生物学と、機械工学…。

 

 

 

  と、ガロン長官の声が響き渡る。

 

 

 

ガロン   諸君。久しぶりだな。

 

チョウジ  こ、この声は。ガロン長官!

 

 

 

  音楽。ガロン長官入場。

 

  右手が大根、左手が大根おろしになっている。

 

  音楽アウト。

 

 

 

ガロン   私の右腕は大根。そして左手は大根おろしだ。

 

四人    ズコーッ!

 

ガロン   諸君。私は、この時をずっと待っていた。完全なる昆虫戦士となった君たちが目覚める、この時をな。三十年ぶりのこの世界で、戸惑うことも多いだろう。分からないことがあれば、何でも聞いてくれ。

 

トーマス  じゃあ、私から。一体どうやってこの三十年間、爬虫類帝国と闘って来たんですか?

 

奏     ん?

 

トーマス  だって、その幼虫の身体じゃあ、昆虫戦士のパワーは出せないわけでしょう?

 

明日香   ああ、確かに。

 

奏     あー、うん。まあ、体力じゃ勝てないからねえ。ひたすら、爬虫類を就職させたよね。

 

チョウジ  就職?

 

奏     結局、地球でやることがないから、支配したいとか考えちゃうわけだろ。だから、怪人一人一人とまずは話して、何がやりたいか聞いて、で、就職させる。

 

ハルオ   ハローワークみたいだな。

 

奏     時間かかっちゃうけどさ、しょうがないよな。こっちは、マトモに闘えないんだから。

 

ガロン   私も、右手が大根ではな。

 

明日香   自分でやったんでしょ。

 

奏     それじゃあ、皆のことも教えてよ。そうだ、改めて自己紹介しようか。

 

ハルオ   はあ?

 

トーマス  何で、今更。

 

奏     いや、俺にしてみりゃ三十年ぶりだしさ。それに、皆も一緒に訓練してただけだし、                 実はお互いのこと何も知らないんじゃないの?

 

明日香   それはないと思うけど。

 

奏     じゃあ、まあ俺から。えー、時羽奏です。今の目標は、なんとなく生まれてる皆との                 溝を埋めること。将来の夢は、パイロットです。

 

ハルオ   間に合わねえだろ。

 

奏     じゃあ、皆も。

 

トーマス  ええと…エッフェル・トーマスです。元モデルらしく、華麗に闘いたいと思います。

 

チョウジ  え。トーマス、モデルだったのか?

 

トーマス  ええ、はい。

 

明日香   え、初耳。

 

奏     ホラホラ。知らないじゃん、お互いのこと。さあ、ドンドン行こう。

 

ハルオ   えー、多安島ハルオ。とにかく、俺がいれば全部大丈夫なんで、任せてくれ。

 

トーマス  へえ、言いますね。

 

ハルオ   い、いいだろ。ホラ、明日香。

 

明日香   え、私?…えっと…(かわいい声を出して)桜田〝ファミリア〟明日香です。えっと…その。紅一点、頑張りたいと思います。

 

ハルオ   何だよ、かわいこぶりやがって。

 

明日香   べ、別に。

 

奏     じゃあ、チョウジ。

 

チョウジ  …万里チョウジだ。俺たち、ずっと眠っていたみたいだけど…今日からコンチュ        ウジャーの100倍パワーで、爬虫類帝国のヤツらを全員ブッ倒してやる。そうだろ、    みんな!?

 

 

 

  三人、頷く。

 

 

 

奏     あー…うーん…。

 

チョウジ  何だよ。

 

奏     そういうノリは、いいかな。ちょっと、面倒くさいって言うか。

 

チョウジ  なっ。面倒くさいってどういうことだよ。

 

奏     ねえ、チョウジさあ。その熱血な感じ、いい加減やめようよ。何か、頭悪いよ。

 

チョウジ  あ、頭悪いって何だ。

 

奏     ってかさあ、前々から思ってたけど、すぐ「そうだろ、みんな!?」って聞くの、ちょっとアホっぽくない?

 

チョウジ  リーダーとして、全員の意思を確認してるんだよ。それのどこが悪いんだよ。そうだろ、みんな!?

 

奏     ホラ、また。

 

チョウジ  あー、もう。ガロン長官からも何か言ってやって下さいよ。

 

ガロン   いや、アホだな。

 

チョウジ  えー!?

 

ガロン   いいんじゃないか、もう全部適当で。

 

チョウジ  よくないですよ。俺は、この美しい地球を愛してるんです。

 

奏     かーらーの?

 

ガロン   ハハハ。

 

チョウジ  だから絶対、爬虫類帝国から守ってみせる。

 

奏     かーらーの?

 

ガロン   ハハハ。

 

チョウジ  人類が笑顔を取り戻すその日まで…

 

奏     かーらーの?

 

ガロン   ハハハ。

 

チョウジ  あーーー、何なんだよ、マジで!

 

トーマス  チョウジ、落ち着いて。

 

チョウジ  大体、就職って何だよ。そんなバカな話、あるわけないだろ。爬虫類帝国の怪人が、地球で普通に働くなんて…

 

 

 

  マムシ運送のマムシ、入場。段ボールを持っている。

 

 

 

マムシ   どーも、マムシ運送でーす。

 

奏     ああ、はいはい。

 

チョウジ  ……。

 

マムシ   お届け物の…サングラスですかね。

 

奏     サングラス?

 

ガロン   (奏に)今年の夏、バリ島に持って行こうと思ってな。

 

奏     長官、チャラいなー。

 

マムシ   こちらに、サインを。

 

奏     はい、いつもありがとうね。

 

マムシ   いやー、昔は世界征服のことしか考えてなかったんですけど、今はもう、運送業の楽しさで毎日キラキラしてます。奏さんのおかげですよ。

 

奏     爬虫類帝国にいたころから、武器とか運んでる時が一番楽しそうだったもんね。

 

マムシ   そーなんすよ。運ぶの大好きッス。じゃあ、また!

 

 

 

  マムシ、退場。

 

 

 

チョウジ  …いや、いるかもしれない。いるかもしれないよ、ああいうやつも。でも、だからって…

 

 

 

  突如、エマージェンシーのSE。

 

 

 

ハルオ   何だよ、今度は。

 

 

 

  ナレーションが流れる。

 

 

 

ナレ    緊急事態発生。金山電機社長、金山力社長が爬虫類帝国に誘拐された。繰り返す。金山電機社長、金山力社長が爬虫類帝国に誘拐された。

 

 

 

  恐怖の音楽。

 

 

 

明日香   な、何ですって。

 

奏     あー。事件起きちゃったかー。

 

チョウジ  くそ、みんな、行くぞ!

 

奏     まあまあ、そんなに急がなくても。

 

チョウジ  何言ってるんだよ。事態は一刻を争うんだ。

 

ガロン   (変なサングラスを着けて)チョウジ。はやる気持ちも分かるが…

 

チョウジ  何だそのサングラス!

 

 

 

  チョウジ、急いで退場。ハルオ、トーマス、明日香も続いて退場。

 


三十年前

サイレンの音。続いて、あちこちから爆発音。

 

  暗転。

 

  明転。三十年前。

 

  安土ジョーと爬虫類帝国の怪人1、戦いながら入場。お互い一歩も引かない、緊迫した戦い。

 

  続いて、過去の時羽奏と爬虫類帝国の怪人2、戦いながら入場。奏はすでにヤゴの姿。

 

  こちらは、ただただ時羽奏が逃げ回るという、何とも間抜けな光景。

 

  やがて安土ジョー、ライフルで怪人1を撃つ。爆発する怪人1。

 

  時羽奏、頑張って怪人2のお尻を叩いたりするが、やがてピンチを迎える。

 

 

 

過去奏   あああー…。

 

 

 

  ジョー、怪人2を奏から引きはがし、ライフルで撃つ。爆発する怪人2。

 

 

 

過去奏   うわ、怖かった。

 

ジョー   おい、奏。少しはまともに戦えよ。

 

過去奏   ご、ごめんジョー。

 

ジョー   つーか、何でお前だけ普通に起きてるんだよ。成虫になるんじゃねえのか。

 

過去奏   いやー、トンボは不完全変態っていうね、盲点。ハハハ。

 

ジョー   チョウジ達四人は分かるけどさ。何でお前みたいな臆病者がコンチュウジャーに選ばれたんだよ。俺なら幼虫のままでも、もっとちゃんと闘ってみせるのに。

 

 

 

  ガロン長官、入場。

 

 

 

ガロン   安土ジョー。時羽奏。無事のようだな。

 

ジョー   (敬礼して)ガロン長官。この地域の爬虫類帝国は、殲滅いたしました。

 

ガロン   ご苦労。今後、戦いはさらに厳しくなっていくだろう。しかし、我々は負けるわけにはいかない。人類の未来のため、爬虫類帝国を徹底的に叩き潰すのだ。

 

ジョー   はい。

 

過去奏   は、はい。

 

 

 

  スネーク将軍、入場。

 

 

 

スネーク  貴様ら…派手にやってくれたじゃないか。

 

過去奏   ス、スネーク将軍。

 

ジョー   ほう。組織のボスが直々にお出ましか。

 

スネーク  最高幹部だったイグアナ博士の仇だけは、どうしても自分で取らねばならんのでな。

 

ジョー   イグアナ博士…そうか、死んだか。

 

スネーク  ああ。安土ジョー…お前から受けた銃弾で、三日三晩苦しんだ後にな。

 

ジョー   それがどうした。あいつの作った毒ガスで、多くの人間が死んだんだ。

 

 

 

  ジョー、ライフルを撃つ。しかし、弾切れである。

 

 

 

ジョー   くそっ。

 

スネーク  ハハハ、どうやら天は、我らに味方しているようだ。さあ、死んでもらおうか。

 

ジョー   お前がな。

 

 

 

  ジョー、ナイフを抜く。じりじりと近づく二人。

 

 

 

過去奏   や…やめろ!

 

ガロン   …奏?

 

スネーク  何だ、貴様は。

 

ジョー   奏、邪魔するな。

 

過去奏   いや…だから。えっと。…何で、侵略したいんだろう?

 

スネーク  …は?

 

過去奏   だから、うん。そもそも、何で地球を侵略したいのかな、っていう。

 

ジョー   おい、そんなことはどうでもいいだろ。

 

スネーク  何だ、こいつも貴様らの仲間か。

 

ジョー   知らねえよ、こんなヤツ。

 

過去奏   いいじゃんか。別に、そのくらい教えてくれたって。

 

スネーク  フン。我々の星は、進み過ぎた文明のせいで崩壊した。よって、新しい住処が必要なのだ。…どうだ、これで満足か。

 

過去奏   新しい、住処。あ、そう。うーん…。

 

ジョー   何なんだよ、さっきから。

 

過去奏   じゃあ…えっと。地球連合軍の基地を半分くらい開放して…。

 

スネーク  何?

 

過去奏   あ、いや。そんなスペースじゃ足りないから、えっと…ガロン長官の家と…

 

ガロン   何?

 

過去奏   あと、ジョーの家と…

 

ジョー   勝手にカウントすんなよ。

 

スネーク  バカバカしい。爬虫類帝国に、どれだけの怪人がいると思っているのだ。誰の家にとか、そういう問題では…

 

過去奏   あーもう、うるっさいなあ!そんなこと分かってるよ!

 

スネーク  な、何だと?

 

過去奏   あー、だから…色んな家庭にホームステイみたいな感じにして…いや、それも違うし…

 

 

 

  過去奏、一人で勝手に悩み始める。

 

  音楽。

 

 

 

スネーク  安土ジョー。随分と、頭のおかしい仲間がいるじゃないか。

 

ジョー   だから、こんなヤツ知らねえって言ってるだろ。

 

スネーク  全く…そいつのせいで、闘う気も失せた。私の気が変わらないうちに、さっさと立ち去れ。

 

ジョー   はあ?ふざけるなよ。今ここで、お前を…

 

過去奏   え、本当?やった、ラッキー!!

 

ジョー   おい!

 

過去奏   ねえジョー。帰っていいってさ。

 

ジョー   何言ってんだ。敵を目の前にして引き下がるなんて…

 

過去奏   まあまあ。助かったんだから、そんなことはどうだっていいじゃんか。

 

ジョー   ガロン長官!

 

ガロン   いや。…武器が使えない今、我々が不利だ。ここは一度、引こうじゃないか。

 

ジョー   …あー…くそおおおお!!

 

 

 

  ジョー、地団太を踏む。

 

 

 

ジョー   お前…本物のバカだな。

 

 

 

ジョー、怒りながら退場していく。

 

 

 

過去奏   あ、ちょっと待ってよ。ジョー。ジョー。

 

 

 

  過去奏も追いかけて退場。ガロン長官も、追って退場。

 


この本の内容は以上です。


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